名勝負数え唄より
ここはとある鎮守府の演習場。そこには両艦隊の旗艦の長門と武蔵が息を切らしながら対峙していた。
「互いの艦隊の随伴艦は全て大破し、残るは旗艦の私とお前か。ふっ、面白くなったな」
「奇遇だな、私もだよ。だがこの勝負……私が勝たせてもらう」
そう言うと、ゆっくり目を閉じる武蔵。武蔵の行動に長門はピクリと反応する。
(ム…もしや心眼か……?)
心眼
それを取得した者は、眼で見ずとも心で相手の動きを完璧に見切れると言われている。
その証拠に目をつぶってからの武蔵には一切の隙が無く、長門は攻めあぐねていた。
その時である。
(ム…?)
長門は武蔵の頭上に何かを見つける。
それはUFOだった。
「えっ、ちょっ!おい!UFO来てるぞUFO!!」
「ふん、血迷ったか貴様」
「いや本当だって!見てみろ!!」
しきりに武蔵に目を開けるよう促す長門だが、武蔵は一向に信じない。
「私が眼を開けた瞬間に主砲で撃つつもりだろ、騙されんぞ」
「見ろって早く!心眼とかそんなんいいから!!一瞬でいいから眼を開けろ!!」
「無理。絶対嘘に決まってるし」
「マジだって!マジでUFOなんだって!!」
「悪いが、私は自分の眼で見たものしか信じられないのだ」
「だから見ろって言ってんだろが!!」
そうこうしている内にUFOは怪しげな光を武蔵に照射する。すると武蔵の体はUFOに向かって浮上し始めた。
「ヤバイヤバイヤバイ!!頼むから眼を開けてくれ武蔵!!」
「ムリー!絶対に騙されませーん!」
「このままじゃお前UFOにさらわれるぞ!!」
「ムッ、そういえば確かに少し浮いている気が……」
「そうだよ!!やっと分かったか!」
「浮いてそうで浮いてない、でも少し浮いてる気がする」
「ラー油かお前は!!」
そんなこんなでUFOに吸い込まれてしまった武蔵。
ポカンとしていた長門だが正気に戻り、UFOに向かって叫ぶ。
「おい武蔵聞こえるかーー!!!今眼を開けないと大変な事になるぞーーー!!!!」
UFO越しに武蔵に眼を開けるよう呼びかける長門。少し間を置いて武蔵の声が聞こえた。
「ムリー!」
10分後
上空に浮かび上がるUFOの様子は依然として変わりがない。
「中でいったい何が……」
武蔵の身を案じる長門。その時UFOから再び怪しげな光が照射され、光とともに武蔵がさらわれる前と同じ体勢で海に降り立った。
「あっ、武蔵!良かった!」
武蔵は相も変わらず眼をつぶっており、その様子に長門は少しイラッとしつつも武蔵に問いかける。
「お、おい武蔵大丈夫か?変な機械埋め込まれたりしてないか…?」
だが長門の問いかけに武蔵は一切反応しない。
「む、武蔵……?」
不安そうに武蔵の名を呼ぶ長門。
その時、武蔵はパチッと眼を開いた。
その眼はグレイ型宇宙人のように大きな黒い眼になっていた。
「うわあああああああ!!?お前武蔵じゃないだろ!!!」
『何言ってるの?私は武蔵だよ?』
「うわっ!頭に直接話しかけてきた!!」
『おかしな事言うなあニンゲンは……』
「ニンゲン!?私のことニンゲンって言ったぞ!!」
そうこうしている内に遠くから1人の艦娘が駆けつけてきた。
長門側の艦隊の随伴艦であり、長門の妹の陸奥だ。
「あっ、その姿は陸奥か!?聞いてくれ!武蔵が大変なことにーーーーーー」
陸奥の眼もグレイ型宇宙人のように大きな黒い眼になっていた。
「って、お前もかい!!!」
『よく気づいたね、原始的生物』
「その呼び方やめろ!!」
しかし武蔵と陸奥はアメリカで目撃された宇宙人フラットウッズモンスターのようなポーズでジリジリと長門に詰め寄る。
『さあ次は君の番だよ』
「や、やめろ!それ以上近づくギャアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
アメリカ宇宙航空局NASAは、「20年以内に地球外生命体を発見できる」とコメントを発表している。
ちなみに大破した随伴艦も宇宙人に体を乗っ取られました?
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