浪花任侠道より
「あれ不知火、その子猫どうしたの?」
鎮守府の駆逐艦寮。部屋にいる不知火を訪ねると、子猫を抱き抱えた不知火が立っていた。
「陽炎姉さん、この子は捨て猫です。ここで飼ってもいいでしょうか?」
「バカ言ってんじゃないわよ。鎮守府内はペット禁止、元いた場所に返してきなさい」
その時不知火が抱き抱えていた子猫は陽炎に飛びつき、陽炎の頬をペロペロと舐める。
「ふふ、どうやら姉さんに懐いているようですね」
頬を舐める子猫を愛らしそうに抱き抱える陽炎。満更でもない様子である。
「しょ、しょうがないわねぇ……世話はあんたがしなさいよ」
「はい、ありがとうございます!」
「ところでこの子の名前は決まってるの?」
「えぇ、ライオンに似てるのでレオと名付けました」
「ははっwどこが似てるのよ(笑)まぁ、とにかくこれからよろしくね、レオ!」
4年後
立派なたてがみをこさえ、2人を優に超えるサイズのレオがそこにいた。
「って、マジモンのライオンじゃないのよ!!」
「そんな……どおりでレオが生肉しか食べなかったわけです…」
「その時点で気付きなさいよ!!」
そんな2人を尻目にレオはグルルと唸りながら2人を睨みつけている。
「マズイです姉さん、レオは私達のことをエサを見るような眼で見ています。このままでは食べられてしまいます」
「バカッ!あんたレオのことが信じられないの!?レオはきっと緊張してるだけ、愛情をもって接したらレオにも伝わるわ!」
陽炎はそう言うとニッコリと笑いながらレオに近づく。
「ほーらレオ、良い子ねぇ〜!」
1分後
陽炎はレオに頭をまるごと咥えられそのままムシャムシャと食べられていた。
「よーしよしよし、良い子ねレオ〜!甘えん坊さんねぇ〜♪」
レオに食われながらも陽炎は愛情を注ぎ続けており、その様子を不知火はドン引きしながら見ていた。
「な〜に、レオ〜?お腹すいたの〜?あとでご飯あげるからねぇ〜♪」
「………姉さん、もうその作戦は無理だと思います」
「よしよ〜………………」
しばらく黙る陽炎。
「……無理だと思ってるなら助けなさいよ!!さっきから見てるだけで何もしないじゃないの!!!」
レオの口の中でブチギレる陽炎。
「あーあー、誰かさんはいいですねー!ライオンに食べられてなくて!!姉が身を呈してるのにボケっと突っ立ってて楽でしょうねー!」
キレながら拗ねる陽炎。しかし陽炎の全身が食われ尽くすのも時間の問題だ。腹をくくった不知火は主砲を装備する。
「レオ……ごめんなさい」
不知火の脳裏にはレオと過ごした思い出が巡り、涙を流しながらも不知火はレオを撃つ。
レオはドサリとその場に倒れ、陽炎はレオから解放された。
「うぅ……レオ………」
冷たくなったレオの前で泣き崩れる不知火。そんな不知火を慰めるように陽炎はポンと肩に手を置く。
「不知火…これからはレオの分まで生きなくちゃね」
「姉さん……」
陽炎の顔は綺麗さっぱり食べられ、頭蓋骨のみとなっていた。
「いやあああああああ!!!!!!姉さああああああん!!?」
「ん?どうしたの?」
「なんでその状態で喋れるんですか!?」
「なによジロジロと顔ばかり見て、何か付いてんの?」
「何も付いてないから問題なんですよ!!早く高速修復材を!!!」
この後、工廠に行って高速修復材を被っても戻らなかったので仕方なく出撃したら深海棲艦からオバケ扱いされた陽炎である。
あだ名はホラーマン
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