鎮守府外出録テイトク   作:ていん?が〜

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名勝負数え唄より

それと今日の夜に本編の4話を投稿しますのでそちらも見ていただけると嬉しいです。


魔法少女天龍

とある鎮守府の演習場。両艦隊の随伴艦は大破し、旗艦の長門と天龍だけが残っていた。

 

「互いの艦隊の随伴艦は全て大破し、残るは旗艦の私とお前か。ふっ、面白くなったな」

 

「へっ、そうだな。だが勝つのは俺だ……この妖刀を使ってなぁ!!」

 

そう言って天龍は懐から布に包まれた物を取り出す。

 

「こいつは妖刀ムラマサ!生き血を吸うごとに輝きを増す呪われし魔剣さ!」

 

天龍が手に持つムラマサからは布越しに禍々しいオーラを放っており、長門はそのただならぬオーラに戦慄する。

 

「そ、そんなもの一体どこで手に入れた…?」

 

「ククク…地獄の閻魔からくすねてきたのさ。さぁお喋りはおしまいだ……血に飢えた邪悪な姿のお披露目だぜぇ!!」

 

天龍は高らかに笑いながら布を取り去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現れたのは、先端に大きな星がついたかわいらしいステッキだった。

 

 

「………………………………」

 

「………………………………」

 

その場を静寂が支配する。天龍はジッとムラマサを見続けるが、やがて長門に顔を向ける。

 

「……ちょっと、電話してもいいか?」

 

「あ、あぁ………」

 

すぐさま天龍はスマホであるところに電話をかけた。

 

『どもどもっ!妖刀の工廠、佐世保店の明石です!』

 

「あの……昨日おたくでムラマサを買ったものなんすけど………」

 

『毎度ありがとうございます!』

 

「なんつーか……中身を見ずに買った俺も悪いんすけど………」

 

『何か不都合でも?』

 

「いや、まぁ……刀じゃなくて、キャピキャピしたステッキなんすけど………」

 

『そうですねぇ』

 

「あっ、これで合ってるんだ」

 

『えぇ、そのムラマサは魔法少女タイプでして』

 

「え、他にもタイプあんの?」

 

『いえ、ウチは専門店ですので』

 

「専門店て…魔法少女タイプの?」

 

『はい』

 

「ちなみに返品とかって……」

 

『返品は一切受け付けてないんですよ〜』

 

「えっ…あっ、そう………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけんじゃねえぞテメエエエエエエエエエエ!!!!!!!!」

 

『……はい?』

 

「おまっ!これただのガキ用のおもちゃじゃねえか!!訴えるぞオラァ!!」

 

『では法廷でお待ちしております』

 

「え、ちょ待て!!今なんて言った!?」

 

『だから法廷でお待ちしておりますって……あっ、夕張ー。弁護士先生に電話お願いねー』

 

「いや早い早い!!まず謝ったりしろよ!!」

 

『あっ、そういえばムラマサのボタン押しました?』

 

「は?ボタン?」

 

『そーそー、柄のところについてるでしょ?まだなら押してみてくださいよ』

 

見るとムラマサの柄の中央位置にボタンがついている。天龍は怪しみながらもボタンを押した。

 

【ムラッ☆マサッ♪ムラッ☆マサッ♪ムーラマーサーー♪ムーラマーサーー♪ムーラマーサーー♪ムーラマーサーー♪ムララーーでぇ♪マーサマーサーー♪ふーたりーはーームラマサーー☆☆】

 

「………………………………」

 

『ハハハ(笑)お買い上げありがとうございましたー』ガチャッ ツーツー

 

ボタンを押すとムラマサから某プリティでキュアキュアな女児アニメを丸パクリした歌が流れる。天龍はなんとも言えない顔でステッキを見つめ続け、電話相手は半笑いで電話を切っていた。

一部始終を見ていた長門はだいぶ気まずかった。

 

「あの……それって、いくらしたの?」

 

「……7万円」

 

「えぇ………」

 

【トラブル去ってまたトーラブルー!ぶっちゃけムラマサーー☆☆】

 

ステッキから流れる明るくキャピキャピした歌が演習場の空気を虚しく彩っていた。




ふたりはムラマサ
歌:夕張

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