鎮守府外出録テイトク   作:ていん?が〜

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モンキー・チョップ先生の浪花任侠道より


番外編
エスパー鹿島


「君が選んだカードは………ハートの3だね」

 

「わぁ♪凄いです元帥!」

 

大本営の司令室。最高責任者の元帥は秘書艦の鹿島と手品に興じていた。

 

「しかし驚きです、勝手ながら元帥はこういったことを嗜んでいるとは思わなかったので……」

 

「フフ…確かに周りからはお堅いだの鬼元帥だの呼ばれとるようだが何事にも息抜きというのは必要なのだよ」

 

ニコリと微笑む元帥の顔。普段の厳格な顔つきからは想像もできないほど穏やかな笑顔だった。

 

「そういえば鹿島くん、君にも特技はあるのかね?」

 

「ふえっ!?わ、私ですかぁ…?」

 

急な質問にドギマギする鹿島。

 

「えっと、強いて言うなら……ち、超能力を、少々………」

 

モジモジしながらも恥ずかしそうに特技を答える鹿島。元帥はその様子を微笑ましく見つめている。

 

「ほう、超能力とな。面白い、試しに私にかけてくれたまえ」

 

「えっ、いいんですか元帥…?」

 

「構わん構わん、無礼講だ」

 

元帥は内心、鹿島が本当に超能力を使えるとは思っていなかったが、こういったことに付き合うのも部下とのコミュニケーション形成に繋がるので超能力のノリに付き合うことにした。

 

「では、いきます………えいっ!!」

 

「ぬおっ!!?」

 

鹿島が元帥に向けて手をかざすと、元帥は司令室の天井すれすれまで浮き上がった。

 

「こ、これはサイコキネシスか!?(※物体を自在に操る能力)鹿島くん!君は本当に超能力を……!」

 

元帥はまさか鹿島が本当に超能力を使えるとは思ってなかったので、年甲斐も無く興奮していた。

 

「こんなスゴい能力があるなんて、なぜ黙っていたんだ!これはスゴイ!スゴイぞ!!軍にとって大きな戦力になるぞ!!深海棲艦から海を取り返せる日もそう遠くない!!ワッハッハッハッハッ!!!!」

 

 

10分後

 

 

「鹿島くん……そろそろ降ろしてもらえないか?」

 

そこには手足を大の字にしたまま宙に浮かぶ元帥と手をかざしたまま元帥をジッと見つめる鹿島の姿があった。

 

「ほら…私にも仕事はあるし、朝ごはんも食べてないしさ…?」

 

「………………………………」

 

一向に解除されない浮遊状態に徐々に焦り出す元帥。それに対して鹿島は無言で手をかざし続けている。

 

(クソッ…この小娘、さっきから無視しおって……)

 

元帥の問いかけに何の反応も示さない鹿島に元帥は怒りを覚える。

 

「鹿島、早く降ろせ。これは元帥命令だ。命令が聞けぬなら貴艦を解体処分にする」

 

元帥は鬼のように険しい顔でギロリと鹿島を睨みつける。

 

 

1時間後

 

 

「鹿島くん!理由を教えてくれ!!解体されてもなお私を宙に浮かせる理由を!!」

 

さっきまでの威厳はどこにいったのか、大声で叫び続ける元帥。対する鹿島は解体され、燃料3・弾薬1・鋼材10の資材の塊として鹿島が座っていたところに鎮座している。もちろん超能力はまだ解除されていない。

 

「分かってくれ鹿島くん!!私はもう浮きたくないんだ!!あと君さっきから全然喋んないけどそういうキャラだっけ!?いや今の状態で喋られても怖いけど!!」

 

「頼む!一回だけ降ろしてくれ!!さっきから漏れそうなんだ!!一回トイレ行ったら戻ってくるから!!また浮くからぁ!!!」

 

ボロボロと涙をこぼしながら資材と化した元鹿島に懇願する元帥。もはや普段の面影はどこにもなかった。

 

 

 

更に1時間後

 

 

「貴様ああああぁぁぁ!!!!元帥である私になんたる屈辱を……!!」

 

以前変わらぬ体勢で浮き続ける元帥。だが股間は濡れ、真下の床には黄色い水たまりが形成されていた。

 

「なぜ私がこんな目に合わなくてはならんのだ!!目的を言ええええっ!!!」

 

半ば狂乱状態で元鹿島に喚き散らす元帥。その時、元鹿島の後ろのカレンダーを見て何かに気づいた。

 

「ハッ!今日は鹿島くんの進水記念日…!(※ここでは誕生日と同じ)まさか私が進水記念日を忘れていたから……!!」

 

その瞬間、ゆっくりと地上に降り立った元帥。

 

「……やっと、分かってくれたんですね」

 

それと同時に沈黙を貫いていた元鹿島がどこからか言葉を発する。

 

「自分から言うのは何だか恥ずかしかったんですよ〜♪あっ、鹿島のプレゼントはヴィトンのバッグがいいでーす❤︎」

 

キャピキャピと喋り続ける元鹿島。対する元帥は無言で元鹿島を麻袋に詰め始める。

 

「あっ、サプライズですか!サプライズでディズニーシーに連れていってくれるんですね!いやん、太っ腹〜♪」

 

「…………………………………」

 

元帥はガラガラと司令室の窓を開けると、元鹿島が入った麻袋を海へ投げ捨てた。

 

「あれっ、これはちょっと前に流行った榛名バンジーですか!?元帥、流行遅れでーーーー」ボチャン

 

あっという間に海に沈んだ元鹿島。元帥はその様を無表情で見つめ続けていた。

 

「………………掃除しよ」

 

未だに濡れている股間の感触を肌で感じながら海を見つめる元帥の目からは一筋の涙が流れた。




鹿島は轟沈しました。

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