彼は高校2年生となった4月10日を境に数奇な運命をたどることになる
今回は正にその運命の始まりとも呼べる記念すべき瞬間
プリンセスとのファーストコンタクト、そして記念すべき始めて変身…!
おっと少し先まで読みすぎましたね
「な、なんだよこれ…?」
士道は目の前の光景に戸惑いを隠せなかった。
空間震によってできたクレーター。その中心に立つ幻想的な出で立ちでどこか憂いの表情を浮かべている少女。そんな少女に士道は目が離せなかった。
(なんで彼女はあんな表情をしてるんだ?ってあれ、あの子こっちに剣を向けて……!)
少女が剣を士道の頭と同じぐらいの高さで横に振るう。士道はとっさに頭を下げると、先ほどまで頭があった高さに見えない刃物で切られたように綺麗に切断されていた。
「あ、危なかった…「お前もか?」…え?」
「お前も私を殺しに来たのか?」
「殺しにって。ちょっと待てよ、何で俺が君を殺さなきゃいけないんだよ!」
「何…?」
少女の問いに士道は困惑した。少女が放った言葉に、その時の彼女の悲しげな表情に。
士道は物心がつく前に母親に捨てられており、そのせいか他人の負の感情…特に絶望に関してはかなり敏感になっている。故に悲しげなこの少女のことが気になったのだ。
そんな少女は士道の返答に眉をひそめるが、少女は空を仰ぎ剣を持っていない方の手をかざした。
するとその方向からいつの間にか上空にした奇妙な格好をした数名の人間からミサイルが飛んでくるが少女がバリヤのような物を展開しているからか、少女と士道には直撃どころかミサイルの衝撃や爆風さえも届いていなかった。
「やはりこの世界に私の居場所なんてないのか…ならばこの世界など消えてしまえ!」
少女は先程士道に対してやったように剣を振るう。それに反応して上空の人間達も回避しつつ手持ちの武器からミサイルや光線を放つ。
突如目の前に起こった戦闘に士道は白昼夢を見ているかのように感じた。
「もう何がどうなってるんだよ!……ウッ!」
混乱する中士道は一瞬意識が遠のくような感覚に見舞われ目頭を押さえた。すると彼の頭にある光景が浮かんだ。
それは先程の少女が上空の人間達との戦いに集中するあまり謎の衝撃波を避けることができずボロボロになる光景だった。
その光景を見た後士道が目瞼を開くと未だに少女が戦闘に集中していた。
「(なんだ今の?俺ってば頭が混乱して幻覚でも見ちまったのか?でも…あんなもの見ちまったからには見過ごせる訳がねぇ!)
うぉおおおおお!」
「な…何!」
士道は少女に飛びかかり、少女もろとも地面に滑り込むんだ。
その直後に先程士道が見た謎の衝撃波が少女がいた場所を通りすぎていった。
「やった…あの幻覚通りにはならなk、うぉお!?」
ホッとしたのもつかの間、士道は少女に剣を突きつけられた。
「何が目的かは知らんがやはりお前も私を殺そうと…!」
「ち、違う…さっきには君を助けようと…」
なんとかして彼女に誤解を解こうとする士道であったが、その前に空から見覚えがある少女…今日からクラスメイトとなった鳶一折紙が鬼気迫るといった形相で剣を持った少女にレーザーブレードのような物で切りかかった。
「五日士道!逃げて、早く!」
「ふん…」
士道に逃げるように大声で指示する折紙に対して剣を持った少女は自身の剣で迎え撃つ。
その衝撃で士道は弾き飛ばされるが、なんとか意識を保つことができた。
「クソ…本当にさっきから何なんだよ?」
士道はあの2人から距離を取ろうとする。その時、先程少女を襲った衝撃波が来た方向から紫色のナニかがあの2人に迫って来るのに気がついた。
それはどこか剣を持った少女に雰囲気が似ているにも関わらず外見は似ている部分が少ない怪物だった。
少女は外見年齢が士道と同い年ありながらも鎧のデザインと合わさってゲームに出てくるお姫様を彷彿させる印象であった。
それに対して怪物の方はゲームや漫画に出てくる
怪物はその長刀を振りかざし少女と折紙に斬りかかった。
「シネ…!」
片言の言葉を発しながら長刀を振り下ろす怪物。少女と折紙はそれを避けて互いに距離をとる。
「何者だ貴様!何故貴様が私と同じ匂いがする!?」
突如現れた乱入者に対して少女は困惑する中、怪物は言葉を発する。
「オマエモ、ワタシニ、コロサレニキタノカ?」
先程、少女が士道に対して言った言葉とは真逆の発言をする怪物。怪物の顔も合わさってまるで殺人を楽しんでいるように見えた。
怪物の言葉に折紙と少女はそれぞれ構える。
「よく分からんが、敵であるなら排除するのみだ!」
「精霊と同意見なのは不本意だけど同意」
少女と折紙が怪物に向かうのと同時に上空の折紙の仲間と思われる人間達も怪物と少女に向かって砲撃を始める。
だが…
「ウワァァァァァァァァ!」
1つの悲鳴が響いた。
折紙が足を止めて振り返ると、士道が背中に『2017』と書かれている赤と青のツートンカラーの怪人に襲われていた。
折紙は急いで士道を助けようと引き返そうとした瞬間、ツートンカラーの怪物が横から何者かに狙撃された。
「ヴヴヴッ!」
ツートンカラーの怪物は怯んで呻き声を出して横を向いた。
そこには赤い弓を持ち、顔に平仮名で「らいだー」と書かれた赤い戦士と、銀色と黄緑色のボディに顔には片仮名で「ライダー」と書かれた戦士がいた。
「どうやらASTだけでなくアナザーライダーも出てくるとはな」
「そのようだね。しかし、プリンセスと瓜二つの霊力を持つあのアナザーライダーは一体?」
「確かに気になるが、取り敢えず先に俺はアナザービルドから先に倒す。ウォズ、お前はもう片方のアナザーライダーを頼む」
「分かったよゲイツ君」
赤い戦士ともう1人の戦士は少しやり取りをすると二手に分かれるそれぞれの標的へと走り出した。
士道は戦士達のやり取りを聞いて不審がった。
(今あの2人、ゲイツとウォズって…まさかあの赤いのがゲイツで片仮名の方がウォズ?)
ゲイツと思われる戦士は走りながら武器である弓の下半分を上に折りたたむ。
『
ダジャレめいた音声と共に斧となった武器でアナザービルドと呼んでいた怪人に迫りながら切りまくり、士道との距離を取らさせるゲイツ。
そんな友人と思われる戦士に士道はしがみつきながら質問の嵐をぶつけた。
「お前ゲイツなのか?何でそんな格好してるんだよ?あの化け物どもは何なんだよ!あの剣を持った女の子と紫の化け物は雰囲気が似てるけどどういう関係なんだよ!何で鳶一…あの紫の化け物と戦ってる白髪の女の子のことだけど…何であんなコスプレしてるんだよ!っていうか、お前本当に俺のお隣のアパートに住んでるゲイツなんだよな?あっちの銀ピカの方はウォズであってるんだよな?」
この短時間で溜まった不安を思わずぶつけるような形で質問をする士道。そんな士道にゲイツは…
「五河、確かに俺はお前のお隣の明光院ゲイツであっちの方は銀色のはウォズだが、一言言わせて貰いたい。」
ゲイツは一拍おいて士道に顔を向けた。
「はしゃぐな!」
「はい!?」
一部の質問には一応答えてくれたが一喝されてしまった。
そんなプチ漫才のようなことをしていると態勢を立て直したアナザービルドがこちらを凝視していた。
アナザービルドの視線に士道は怯えるがゲイツは動じることなく右腕に取り付けてあるウォッチを1つ取り出し、絵柄を90度回転させボタンを押した。
『ビルド!』
「そのウォッチは…!」
ゲイツが取り出したウォッチを見て士道は驚く。それは自分が5年前に貰った物にそっくりだったからだ。ゲイツは自身が装着しているベルトの左側にウォッチをセットし、ベルトの正面に取り付けられてるドライバーのロックを解除した。そうするとゲイツを中心にデジタル式のカウントダウンのような音が響く。
ゲイツは右手と左手をそれぞれドライバーの左側を右手で、右側を左手で抱え込むように手を置くとそのままドライバーを一回転させた。
『RIDER TIME!KAMEN RIDER~♪ GEIZ!
ARMOR TIME!
ベストマッチ!ビルド!』
音声が流れる最中、赤と青が目立つアーマーが出現してゲイツの体に装着され、顔が「らいだー」から「びるど」に変わった。
ゲイツは右手に追加された武器『ドリルクラッシャークラッシャー』でアナザービルドに連続攻撃を行い追い詰めていっていた。
一方、士道は制服からウォッチを取り出し、ゲイツの行動を見て5年前に出会った女性から言われたことを思い出していた。
「このウォッチを無くさないようにするんだ。これは近い将来、君と君の大切なモノを守る力になる」
士道は確信する。
あの女性は今ゲイツ達が戦っている怪物達の存在を知っていた。だから自分にこのウォッチを託したのだと。
だが同時に疑問が生まれる。女性がなぜあの怪物達の存在を知っていたのか?なぜ当時小学生であった自分にこのウォッチを託したのか?
「ウワァ!」
士道が考え込んでいると、いつの間にかアナザービルドを倒したウォズが紫の怪物の攻撃を受けてこちらの方まで飛ばされていた。
怪物の方を見ると、ゲイツや鳶一も苦戦してるようで肩で息をしており例の少女に至っては鎧が所々でヒビが入っていたり欠けているところがあった。
鳶一の仲間と思われる人間も正体不明の怪物になかなか手出しができない様子だった。
(俺、なんでここに立っているんだよ?俺にも何かできることはないのかよ!あの人と約束したじゃないか、『俺がみんなを絶対に守るよ!』って。なのにこのままでいいのかよ…)
士道は悔しくて奥歯を噛み締める。
すると士道の手にあるウォッチが白く輝くと歯車の絵から「ライダー」と書かれた顔の絵に変わっていた。
士道は突然の出来事に驚きながらも先程ゲイツがやったようにウォッチのリューズ部分のボタンを押した。
『ジオウ!』
『ジクウドライバー!』
ウォッチの音声と共に士道のベルトにゲイツの使っているのと同じ物が腰に勝手に出現し装着された。士道はゲイツの行動を思い出しながらベルトの左側にウォッチをセットしようとするができず、今度は右側にセットするとちゃんと固定された。それを確認し、ドライバーの真ん中のボタンを押してロックを解除すると、彼の後ろに巨大な時計の文字盤式の時計が出現し更に秒針を刻む音が響き出した。
士道は深呼吸を大きく叫んだ。
「変身!」
『RIDER TIME!KAMEN RIDER~♪ ZI-O!』
叫ぶと同時にベルトを左手で回すと反時計回りに一回転させる。するとベルトを中心に世界が一回転して後ろの時計が10時10分を示す。するとそこから「ライダー」文字が浮かぶと同時に士道の体の周りに腕時計のベルトのような物が出現し、彼の体を包み姿を変えた。最後にライダーの文字が顔に収まり変身が完了した。
「ヴヴヴヴ!」
「うわぁ、こっち来た!」
変身の一連の動作で注意を引いたのか紫の怪物は士道に向かって突進してきた。
戦い方を全く知らない士道は困惑するが、彼の前に銀色の体が現れた。
「全く、せっかく新たな
『ヤリスギ!フィニッシュタイム!爆裂DEランス!』
ウォズと思わしき戦士は手に持った槍で怪物の腹部を刺す。すると怪物はくの字に体を曲げる形で吹き飛ばされた。
「では士道くん。これから君を祝わせてもらうよ」
「え…祝うって…はい?」
こちらの方に振り向いたウォズの発言に困惑する士道。そんな彼を放って何かを抱えるようなポーズを取りながら高らかに声を出す。
「祝え!今ここに新たなるライダーが誕生した。その名も仮面ライダージオウ。まさに生誕の瞬間である!」
「ジオウ?それが俺の名前?ってかこの感じまさにウォズだ…」
「さぁジオウよ。この度の敵は初陣を飾るに相応しい相手だ。存分に戦うといい」
「初陣って、俺は戦い方なんて全く知らないんだけど!」
ウォズから祝ってもらった士道改めジオウ困惑は更に増していくが、敵はそんなこと全く構わずに長刀を片手にジオウに斬りかかってきた。
「ちょっとウォズ!怪物が来てるんだけど助けて……アレ?」
ウォズに助けて貰おうと思った矢先、ジオウの頭の中に戦い方が頭に浮かんできた。
彼は素早く自身の武器である『ジカンギレード』を手にするとそれで敵の刀を受け止めて腹に蹴りを入れて怯ませる。
『ジュウ!』
更に怯んだ隙にジカンギレードをジュウモードに切り替えて銃撃の追い討ちをかける。
「これなら…行ける気がする!よーし…」
ジカンギレードをしまい、ジオウライドウォッチのボタンを押す。
『FINISH TIME!』
変身した時と同じ様にベルトのロックを解除し左手で回す。
『TIME BREAK!』
怪物の周囲を囲む形で顔の「ライダー」の文字と同じ色の「キック」の文字が出現。それが1つになるとジオウの足裏へとくっ付き、怪物から見て顔の文字と合わせて「ライダーキック」と見える様なアングルとなっていた。
ジオウのキックはそのまま避けられず怪物に当たり、怪物は爆発と共に消えた。
「やった…やったぞ!みんなを守れたー!」
怪物を倒せた達成感のあまりジオウはその場で思いっきりガッツポーズをしながら叫び、その後も「よっしゃー!」などとはしゃいでいた。
故に鳶一の仲間達が自分に銃口を向けていることに全く気がついていなかった。
だが彼がその銃によって蜂の巣になることは無かった。なぜなら、はしゃいでいたジオウはそのまままるで何者かの消された様に消えていったのだから。
十香(この時点では名前はまだ無い)とのファーストコンタクトから初ライダーキックまで約5500字もかかりましたが、これって文量的に多いですかね?
ちなみに今作でのアナザーライダーは再生怪人レベルの強さ。要は噛ませみたいな役割の予定で本命は精霊版アナザーライダーです。
細かい話は後々出しますが、精霊版アナザーライダーは本家アナザーライダー同様、それぞれ対応する存在同士の攻撃は効果的で対応する精霊の力でないと完全に撃破できません。また名前はアナザー+各精霊の識別名です。今回の十香の場合はアナザープリンセスとなります。
アナザープリンセスのイメージとしては、アナザーブレイドとなっています。また本編中でも説明しましたが、色々と十香と対比になる様にしてますが「コレジャナイ」感があるかもしれません。
(戦うことに絶望してる十香と戦いもとい殺人を好むアナザープリンセスといった感じ)
次回『フラクシナス:0410』