GuPx東宝怪獣 アーディアンネクス プロトタイプ 作:TF1
メガロとケンが変身した巨人の戦いから半年が過ぎ、ケンはこの世界について色々と調べていた。自分が住む世界とは2つの違いを知る。ケンが居た世界に存在する怪獣達は映画やテレビの中の存在であること、そして自分達の世界とは科学技術の差があることを知った。だが、科学技術の差があるとは言っても生活習慣は自分達の世界と変わらなかった。
「それで話って言うのはなに?」
「蝶野さん。みほの事が気になって仕方ないんです」
亜美が住む自衛隊の寮にある一室で二人は対面してテーブルに座りながら話していた。
「どうして?」
亜美のその言葉を聞いたケンは自分のリュックを開け、赤い結晶がはめられたブレスレットをひとつ出し、テーブルに置く。
「俺の憶測になるんですが、彼女はこのブレスレットを使える気がするんです。だから怪獣に狙われて襲われたんだと俺は思ってます」
亜美はそれを手に取りまじまじと見てケンに手渡しで返す。
「その話が本当だったら西住さんはまた狙われるってこと?」
「その可能性があります。だから彼女にこれを渡したいんです」
「分かったわ。大洗に手紙を出してみるわ」
亜美はその話を聞きみほと優花里宛に手紙を書きそれを出した。
それから数日。西住みほと秋山優花里は土浦に存在するある施設に来ていた、亜美から重要な話があると言われたからだ。
「ここが武器学校ですか!」
「大きな建物だね」
みほと優花里は黒いリボンがつき、襟と袖に緑のラインが目立つ白い長袖の上着と緑のスカートの制服姿で白い長方形の建物を見上げていた。
「西住殿! あそこにチャーフィーとシャーマンがありますよ!」
「今日もパンツァーハイだね優花里さん」
戦車を見て興奮する優花里をみほは笑顔でみつめていた。そんな二人の前に一人の男がやって来た。姿は銀色混じりの髪の毛で赤い半袖の服を着ているその男こそ、みほと優花里を怪獣から助けた巨人の正体、柏原ケンだ。
「久しぶりだな、みほ。優花里」
彼女達と年齢が近く見えるが、その目には秘めた勇気と使命感が宿っていた。
「久しぶりですケンさん」
彼を見たみほは彼にペコリと頭を下げた。戦車を見て興奮していた優花里も彼に気づき頭を下げる
「えっと……それで重要な話って蝶野さんから聞いたんですがなんですか?」
みほはケンに問いかける。するとケンはついてこいと言う合図を出し歩きだした。みほは彼の後ろをついていく。
「西住殿! 柏原殿! どこ行くんですか!?」
優花里は彼らに急いでついて行った。そしてたどり着いた所は、木が生い茂った林の中だった。そこにはぽつんと小さな小屋があり、それ以外はほとんど何もない場所であった。
<pf>
「ケンさん、ここに何かあるんですか?」
みほの質問にケンはコクリと頷き小屋のドアへと歩きだす。ドアについた鍵のパスワードを打ち込み、ドアを開けた。
「階段……!?」
「この階段を降りるんですか!?」
ケンの後ろにいたみほと優花里は驚いた。ドアを空けるとそこには25段はある階段が地下へと続いていたからだ。
「着いてきてくれ。君達を呼んだ人がここに居る」
ケンは階段を降り始めた。彼女達二人はその言葉を聞いて後ろから恐る恐る階段を降り始める。三人は階段を降り終える。機密と書かれたプラスチックの板が貼ってある鉄の扉があった。ケンはその扉を空けると、そこは折り畳み式テーブル4つを合わせたものと4つの椅子だけが置かれた部屋だった。そこに亜美が立って居た。
「ようこそ。あなた達が来るのを待っていたわ」
「あっどうも」
みほと優花里は頭を下げ挨拶をする。優香里は亜美に質問を問いかけた。
「えっーと……何の話で私達をここに呼び出したんですか?」
「それはあなた達があのカブトムシの怪物に追いかけられた理由よ」
みほと優花里は唾を飲み込む。
「この話は彼が話した方が早いわ」
亜美はケンの顔を見る。ケンはみほと優花里に話し始めた。
<pf>
「半年前、みほ達を追いかけていた怪獣はみほにある力が秘められてることに気づいた。だから君達を追いかけたんだ」
「じゃあ私は狙われたってこと?」
みほは恐る恐る彼に問いかけた。
「そうだ。だからまた怪獣に狙われないようにみほに渡したい物がある」
みほの手を優しくつかみ、彼女の腕に赤いクリスタルが埋め込まれた白いブレスレットを付ける。
「これは……?」
「モンスブレスだ、今俺が名前を付けた。これにみほの相棒になるやつが眠っている」
彼女の手から自分の手をはなす。すると亜美の携帯に着信が入った。
「え? 土浦市街で半年前と同じ怪物が!?」
話によれば土浦市街で空に穴が開きその穴から紫色の落雷と共にみほ達を襲ったのと同じ姿の怪物が市街地に降り立ったと言う、それを聞いたケンはすぐに準備を始めた。
「あのっ、私達はどうすれば!?」
「二人と蝶野さんは一緒に逃げてくれ」
みほと優花里は亜美に案内されながら、地下室に来た階段に走っていった。
「まだ彼女に急に戦えとかは言えない。だから俺が……」
するとケンは服から剣のような物を出した。剣にはライトのような黄色いパーツが付いている。するとそれを持った手を天にあげ、光に包まれながらケンの身体は巨人の姿へと変わった。だが大きさは人間と変わらない。地下室から市街地へとテレポートするとそこには壊された建物と地面には巨大な何かが穴を掘った形跡しか残されているだけだった。
亜美は自衛隊のジープを運転し市街地から離れた田んぼ道を走りながら二人を安全な場所へと送っていた。
「安全な場所って言っても怪獣がいる限り安全な場所なんてないと思うんですけど」
「大丈夫よ、柏原くんがなんとかするから」
そんな会話をする亜美と優花里に耳を傾けるどころかみほはモンスブレスを見つめていた。するとみほの頭の中に何かの鳴き声が響いてきた。
「Kisyaaaan……」
「優花里さん。何かの鳴き声しなかった?」
「何の鳴き声もしませんよ。市街地からも遠いですし」
しかし、またみほは何かの鳴き声が頭に響く。今度は鳴き声が人の言葉のように意味が分かるのだ。
「もしかしてこのブレスレットに眠ってるなにかの鳴き声?」
頷くような卯なり声が聞こえた。そして警戒するような鳴き声が頭に響く。その意味は驚くべき意味だった。
「真下に怪獣が居る……」
すると地震のような揺れがジープを襲った。
「地震!?」
「こんなときに!?」
すると轟音とともに目の前に半年前と同じような光景が現れた。巨大な黒い昆虫怪獣、メガロだ。
「嘘でしょ!?」
「そんな……」
「市街地に居たはずじゃ……!?」
メガロの口がガバッと開き、そこからナパーム弾を吐き出しジープの回りを火の海へと変えた。
「私は覚悟はできてるわ……」
「もう私達」
「駄目かもしれません」
三人は命の終わりを感じ始めた。だが、ある叫び声が聞こえた。
「諦めるな!」
その言葉が聞こえると同時に三人が乗るジープの目の前に巨大な人型の光がメガロを吹き飛ばし現れた。ジープを掴み手のひらに乗せ、炎が囲む空間から離れた安全な場所へジープを置く。直ぐ様メガロの方をむき、こう名乗った。
「俺の名はネクス、アーディアンネクス!」
ケンは自分の脳内に浮かんだその名を叫びメガロ目掛け走り出す。
「Kieeenee!」
それに応戦するかのように頭に生える角を光らせ稲妻状の光線を発射するメガロ。ネクスはそんな攻撃を手で受け流しながらジャンプし、メガロの頭目掛けてキックを決める。
「Kieeenee!?」
顔面にヒットし、吹き飛ばされ倒れるメガロ。だが再び起き上がりネクス目掛け稲妻状の光線を発射する。
「そんなもの何回やっても通用しないぞ!」
両手を突きだしバリアを貼り稲妻状の光線を防ぐネクス。通用しないことに気づいたのかジャンプしながら突進を仕掛ける。
「そんなもの仕掛けても無駄だ」
突進を仕掛けたメガロの角を掴みそのまま地面に叩きつける。起き上がろうとするメガロを踏みつけ。遠くへと蹴りとばす。
「止めだ!」
両手をクロスさせ、エネルギーをためる。拳を握り締めL字に組む光線技ネクスシウムクロスをメガロに向けて発射した。
「Kieeen!??」
「やったか!」
メガロにネクスシウムクロスは当たり爆発したように思えた。だが、爆煙の中にはもっと撃ってこいと言わんばかりにたたずむメガロが居た。
「なに!?」
「Kieeenee!!」
すると角を光らせ再び稲妻状の光線を発射する。それに応戦するかのようにバリアを張るもバリアは砕けちり、胸に光線が直撃した。
「さっきより威力が上がっている、まさかあの光線を吸収したのか!?」
そう言いながら地面に倒れこむネクス。
「Kieeenee!!」
倒れこんだネクスに近づき笑うような仕草で足をくねらせ、左腕を踏見つけ蹴りとばす。
「前倒した個体から強化されているのか」
再び起き上がりメガロ目掛けて走り出そうとする。しかしその隙をついてメガロは口からナパーム弾を発射し、ネクスの回りを火の海へと変える。
「なに!」
直ぐ様握っていた左腕を開き突きだす、そこから水を出しながら回りの火を消化しようとするがそれを察知したメガロは再び角を光らせ光線をネクスへと直撃させる。それを受けたネクスは膝たちをしてダウンするが、また立ち上がる。
「まだだ!」
爆発音を聞き、気絶していたみほはふと目を覚ます。
「ここは?」
ジープのドアを開けふと見上げるとそこにはメガロに追い詰められるネクスの姿が目に入った。
「あの巨人、まさかケンさん!」
すると頭の中にあの鳴き声が響く、助けたくないのかと言うように鳴き声が響いた。
「私は助けたい。でも私なんかじゃ」
「Kisyaan……」
するとモンスブレスに眠る何かはまた鳴き始めた。それが意味するのは自分なら力になれるかも知れないと言う意味だった。
「でもどうやって!」
みほは訪ねるとモンスブレスが光だした。頭の中にモンスブレスに眠る者の名が流れ込んできた。
「機龍……!?」
鳴き声が頭の中に再び響く。共に戦おうと。
「このブレスレットはあなたと一緒に戦うためにあるの?」
みほは機龍に訪ねる。機龍の頷くような鳴き声が頭の中を駆け巡る。
「分かったよ機龍。一緒に戦おう!」
そしてモンスブレスから銀と青色の光が飛び出し、銀の機械巨獣が姿を表した。
銀色のボディに黄色い目、銀の背鰭に青いキャノン付きバックパック、両腕には青い二つの砲身がついたレールガン。その姿にみほは何処か見覚えがあった。幼い自分が父に連れられ見に行った包帯だらけの熊の作品。それと共に上映された怪獣映画に出てきたロボット怪獣そっくりだったからだ。
「行くよ、機龍!」
そう叫ぶとみほは青い光に包まれ機龍の中へ吸い込まれる。文字道理一体化して共に戦うために。
<pf>
アーディアンネクスは光線を発射し続けるメガロに追い詰められていた。
「まだ、まだ行ける!」
光線をフラフラになりながら避けるネクス。するとメガロの後ろに銀色の機獣が姿を表したのを目視した。
「まさか……!」
銀色の機獣、機龍は後ろからメガロの肩を叩く。そして振り向いたメガロを頭ごと地面に叩きつけた。
「Kieeenee !?」
メガロは驚きを隠せなかった。それを見たネクスは再び左手を付きだした。高速で回転しながら水を撒いて回りを囲む炎を消していく。
「フゥン!」
そして勢いよくジャンプし機龍の隣に着地する。
「大丈夫ですか?」
みほは機龍の中。モンスリンク空間と言う光に包まれた空間からネクスに問いかけた。
「あぁ、みほとこいつが来なかったらどうなってたか」
みほはほっと胸を撫で下ろした。そして戦車に乗ったような勇ましい顔でメガロに目を合わせる。
「私と機龍はあのカブトムシの怪獣と距離を取って射撃戦に持ち込みます。ケンさんは後ろに回ってあのときの光線を撃ってください」
「分かった、挟み撃ちで止めを指すんだな」
ネクスと機龍は二手に別れる。ネクスは走りながらメガロの後ろに回る。機龍は太ももと背中のバーニアを吹かしながらジャンプし、後ろに下がった。
「Kieeen?」
メガロは敵が二体に増えことで困惑し、辺りをキョロキョロと頭をふりながら見渡していた。
「機龍、今がチャンスかも」
「Kisyaaan!!」
みほの言葉に答えるかのように鳴き両腕の二連装レールガンを構え発射する機龍。
「Kieeen!?」
メガロは両腕をふって銃弾を避けようとする。機龍はそれをお構い無しに口から黄色い光線をメガロの頭目掛けて発射した。
「Kieeenee! ?」
その光線によってメガロの自慢の角が折れ、メガロは角のがあった部分を痛がるように抑え呻いている。
「今です!」
「Kisyaaaan!!」
みほの叫び声と機龍の咆哮がネクスの耳に届く。ネクスは腕を交差させそれをL字に組んだ。
「ネクスシウムクロス!」
メガロの背中に目掛けて光線を発射する。機龍もまた口から光線を発射した。
「Kieeenee !!??」
二手から強力な光線がメガロに撃ち込まれる。メガロは断末魔を叫んだ。
「Ki・Ki・Kieeenee……」
倒れ、跡形もなく爆発した。それを見たネクスと機龍は目を合わせ頷き両者光と共に消えていった。
「ちょっと疲れた……」
モンスリンク空間から地上に降りたみほは疲れたのかフラフラだった
「そう言えば優花里さんと蝶野さんは……」
ふと思い出したかのように頭をあげると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「西住殿!」
振り向くとそこには優花里と亜美、そしてケンが居た。
「西住殿! ふと起きてジープから出たんですけどね、銀色の怪獣とケンさんが変身した巨人があのカブトムシの怪物と戦ってたんですよ!」
優花里は興奮ぎみだった。
「優花里さん、その銀色の怪獣って多分このブレスレットから出てきたんだと思うんだけど」
「西住殿があの銀色の怪獣を呼んだんですか!」
驚いた顔をする優花里、そんな優花里をみほは笑顔で優しく抱き締めた。
「良かった優花里さんが生きてて」
「に、西住殿!?」
そんな二人を近くで見つめるケンと亜美。だがケンはこの戦いがまだ序章に過ぎないと感じていた。
「みほ、優花里、これからもよろしくな」
そう呟いた。みほにはその言葉が聞こえたのか優花里から手を放し。ケンの方へと向かう
「ケンさん、また怪獣が現れたら今度は私の友達や後輩、家族が狙われるかも知れません。まだ未熟だと思いますけど機龍と一緒に私も守るために戦います」
その言葉を聞いたケンはみほの瞳を見て頷く。ケンはみほの決意を重く受け止めたのだ。
Ep1 END