恋をした少年のShiny Days   作:甘党ゴンザレス

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どうも甘党ゴンザレスです!!

投稿遅れてしまい申し訳ありませんm(_ _)m

相変わらずの駄文ですが、読んで頂ければ嬉しいです!

それでは、本編どうぞ!!


Day21 ナンパには注意を

俺と怜は今絶賛、真夏の太陽の元千歌ちゃんたちが着替えているのを待っている。

 

怜「それにしても晴れてよかったな。」

 

祐一「そうだな。これで心置き無く楽しめるってもんだ。」

 

海パン姿で俺たちは話していると怜が俺に言ってきた。

 

怜「お前、流石の体つきだな。」

 

怜がマジマジと俺を見ているんで少し皮肉交じりに答えた。

 

祐一「当たり前だろ?これでも強豪校の元エースだぜ?」

 

怜「それもそうか…。」

 

怜はニヤリと笑った。

 

俺から言わせれば怜の方が身長も高くて、俺より何倍も体つきはいいと思う。俺もこの身長にしてはいい体つきをしていると思うが、怜には敵わない。

 

祐一「まぁ、それはお互い様だろ?相棒?」

 

怜「そうだな。相棒。」

 

俺たちは顔を合わせて笑い合う。

 

俺たちは体つきがいいからか、通りすがる女性たちが俺たちの方をチラチラと見ている。

 

祐一「なんだか、見られてるみたいだけど…。俺たちってそんなに見るほどの価値あるか?」

 

怜「まぁ、俺たちで言う美人な人がいたら見ちゃうみたいな感じだろ?」

 

祐一「なるほど…。ならしゃーないか?」

 

俺は納得して千歌ちゃんたちが更衣室から出てくるのを待った。

 

そして、数分後千歌ちゃんたちが更衣室から出てきた。

 

曜「あれ?祐一くんと怜くん、どこだろう?」

 

祐一「おーい!曜ちゃん、こっちだよー!!」

 

俺の声に曜ちゃんが気づきこっちに向かって走ってくる。

 

曜「おまたせー!時間かかっちゃってごめんね?」

 

怜「気にしないで!曜ちゃんとっても水着似合ってるよ!」

 

祐一「うん、すごいかわいいね!!」

 

曜「えへへ、照れるでありますな///」

 

曜ちゃんの水着は水色のビキニでイメージにとてもマッチしていてよく似合っていた。

 

だが、

 

祐一「あれ?千歌ちゃんと梨子ちゃんはパーカー着てるけどどうしたの?」

 

俺は曜ちゃんの後ろに隠れている二人に尋ねた。

 

梨子「ひ、日焼けが心配でね…!?ねっ!千歌ちゃん。」

 

千歌「そ、そうなんだよ!!今日は暑いからね!!」

 

俺は食い気味に言ってくる二人に若干気圧された。

 

祐一「そ、そっか…。」

 

曜「えー、さっきと言ってることが違うじゃん!」

と曜ちゃんが二人を見ながら悪い笑みを浮かべていた。

 

怜「どゆこと??」

 

曜「千歌ちゃんと梨子ちゃんはね、二人に水着を見られるのが恥ずかしいんだって!」

 

千歌「わっ///曜ちゃん言わない約束じゃん!?///」

 

梨子「そ、そうよ///」

 

みるみる千歌ちゃんと梨子ちゃんの顔が赤く染まっていく。

 

曜「だって、二人とも可愛いんだもん♪」

 

怜「曜ちゃん…なかなかエスっけあるんだね…。」

 

祐一「あ…あはは…。」

 

俺たちはただ苦笑いすることしかできない。

 

曜「じゃあ、泳ぎに行こうか?」

 

千歌「そうだね!せっかく来たんだし楽しまなきゃ!」

 

梨子「そうね!今日は楽しみましょ!!」

 

二人もどうやら吹っ切れたようでパーカーを脱いで水着姿を見せてくれた。

 

怜「おおー!!可愛いね、二人とも!!」

 

祐一「ああ、よく似合ってるよ!!」

 

梨子「そ、そうかな///」

 

千歌「ありがと、嬉しい///」

 

梨子ちゃんは淡い桜色のパレオでスタイルのいい梨子ちゃんにとても良く似合っていた。

 

千歌ちゃんはオレンジ、もといみかん色のフレアビキニで可愛いのなんの。彼氏としての贔屓目なくしてもその可愛さは滲み出ている。

 

怜「さてみんな準備ができたところで…。泳ぐぞ!!」

 

祐一・千歌・梨子・曜「「「「おー!!!!」」」」

 

怜の掛け声と共に俺たちは流れるプールに入った。

 

祐一「はぁー、気持ちいいっ!!」

 

千歌「えいっ!!」

 

祐一「わっ!?」

 

千歌ちゃんから水をかけられて驚き声が出てしまった。

 

祐一「お返しだよ!!」

 

千歌「きゃっ!えへへ♪えいっ!」

 

千歌ちゃんは俺が水をかけると抱きついてきた。

 

千歌「えへへ♪これでもう水かけられないでしょ♪」

 

祐一「もう、甘えん坊だなぁ。千歌ちゃんは!」

 

いつもは衣服越しで抱きついてきているけど、今回は水着ということで肌が直接触れ合う。千歌ちゃんの柔らかくてスベスベの肌が触れて内心俺はドキドキが止まらないが、あくまで平常心を保ち千歌ちゃんとじゃれ合う。

 

千歌「祐一くんは泳ぐの得意なの?」

 

祐一「そうだね…。一応、人並み以上には泳げるかな?」

 

千歌「そうなんだ!!やっぱり祐一くんは凄いね!!カッコいい♪」

 

祐一「ありがと!」

 

俺たちは流れるプールに身を任せていると、

千歌「あっ!祐一くんアレ一緒にやらない?」

 

千歌ちゃんが指差した先にはなかなか大きいウォータースライダーが見えた。

 

祐一「おっ、おぉ…。アレか〜…。結構大っきいね。」

 

千歌「ダメ…かな?」

 

千歌ちゃんは上目遣いで俺を見上げてくる。

 

そんな目をされちゃ男として断れないよな。

 

祐一「いや、千歌ちゃんが一緒にいてくれるから大丈夫だよ!一緒じゃなかったらちょっとキツイけど…。」

 

俺は苦笑いを浮かべるが、千歌ちゃんの提案を了承した。

 

千歌「うん、任せて!!チカがちゃんと祐一くんが怖くないように側にいるからね♪」

 

千歌ちゃんが笑いかけてくれて胸がキュンとした。今もしかしたら俺はマヌケな顔をしてるかもしれない。

 

千歌「どうしたの?」

 

祐一「なんでもないよ。」

 

祐一「そうだね。いてもらわないと困っちゃうよ。これからも…ね?」

 

千歌「えっ///」

 

祐一「れいー、ちょっとアレ行ってくるわー!!」

 

怜「あいよー!!俺らこの周辺で遊んでるわー!!」

 

俺は怜に伝えてウォータースライダーへ向かうことにした。

 

祐一「さぁ、千歌ちゃん行こっか?」

 

俺は千歌ちゃんに手を差し伸べる。

 

千歌「う、うん///」

 

千歌ちゃんが俺の手を握る。

 

千歌「祐一くん…。今言ってくれたことって…///」

 

祐一「よーし!!レッツゴー!!」

 

千歌「わぁ!!も、もおー!!」

 

俺は先程の事を聞いてくる千歌ちゃんの手を引きウォータースライダーへ向かった。

 

―――――――――――――――――――

 

ウォータースライダーの順番待ちをしていよいよ俺たちの順番になった。

 

従業員「それでは次の方どうぞ!!」

 

祐一・千歌「「はーい!!」」

 

従業員「それでは説明をさせていただきますね。このウォータースライダーは二人一緒に滑る形になります!ですので、彼女さんが先に座ってもらって彼氏さんには彼女さんを抱きしめる形で座っていただきます!」

 

祐一「なるほどな…。」

 

従業員「ではまず彼女さんからこちらにお願いします!」

 

元気な声で従業員さんが促してくる。

 

千歌「はーい!」

 

従業員「それでは次に彼氏さんが彼女さんをしっかり抱きしめる感じで座ってください!結構速くなるのでしっかりと抱きしめてあげてくださいね!!」

 

祐一「わかりました!じゃあ千歌ちゃん行くよ?」

 

千歌「うん///」

 

俺は優しく千歌ちゃんのお腹辺りに触れて抱きしめる形で座る。

 

すると、

 

千歌「あっん///」

 

千歌ちゃんから艶めかしい声が発せられた。

 

祐一「ち、千歌ちゃん変な声出さないでよ!///」

 

千歌「だ、だって…///」

 

従業員「はい!準備はよろしいですね?それではいってらっしゃーい!!」

 

従業員さんが俺の背中を押す。

 

祐一・千歌「「うわーーー!!!!」」

 

滑り始めてからすぐにスピードにのり始めてグングン速くなっていく。

 

千歌「あはは、たのしいね!!♪」

 

祐一「そうだね!!これなら楽しくて全然怖くない!!」

 

俺たちは終始笑顔のまま水の中へダイブした。

 

千歌「ぷはぁ!」

 

千歌「楽しかったね!祐一く…ん、アレ??」

 

千歌「祐一くんどこ??ひゃっ!?」

 

祐一「ぷっはぁ!!あぶね。」

 

千歌「よかった、何してたの??」

 

祐一「あっ、いや、なんでもないよ!」

 

何故俺がすぐに浮上してこなかったのかというと、実は滑っている時に少しずつ俺の海パンがズレてきて水に突っ込んだ瞬間勢いで脱げてしまったのだ。つまり産まれたままの姿だったので海パンを水中で履いていたから今の状況になったわけだ。すまない。汚いものをお見せした…。

 

千歌「そっか!それならよかったよ!溺れちゃったかと思って心配したよ。」

 

祐一「ごめん、ごめん。心配しないで!ピンピンしてるから!」

 

祐一「そろそろお昼時だし、みんなのところ戻ろっか?」

 

千歌「うん!ご飯食べてこの後もいっぱい遊ぼうね!!」

 

千歌ちゃんはニコニコして俺に言ってくる。

 

祐一「…。もちろん!」

 

やっぱりこの太陽のように輝いてて俺を優しく包み込んでくれる、この笑顔が俺は好きだ。

 

俺たちは手を繋ぎみんながいる流れるプールへ歩いて行った。

 

※※※※

 

怜たちと合流して俺たちは昼食を取ることにした。

 

祐一「じゃあ、俺たち何か買ってくるけど何がいい??」

 

曜「あっ!それなんだけどさ。」

 

梨子「実は、お弁当作ってきたの!」

 

怜「えっ、マジで!?」

 

なんと、お弁当を作ってきてくれるとはありがたい。

 

千歌「今日の朝三人で作ってきたんだ!!だからみんなで食べよ!!」

 

祐一「ありがとう!じゃあ、お言葉に甘えていただこうぜ!」

 

怜「そうだな!楽しみだなぁ!」

 

梨子ちゃんがカバンからお弁当を取り出して広げると、そこには彩り鮮やかで美味しそうな料理が入っていた。

 

祐一・怜「「おおっ!!うまそー!!!!」」

 

曜「二人のために一生懸命作ったであります!!」

 

梨子「口に合うかわからないけど…。」

 

千歌「たくさん食べてね?♪」

 

俺たちのために頑張ってくれたなんて…。

 

祐一「ありがとう。いただき…。」

 

怜「うめーよ!!!」

 

祐一「いや、お前さ先にいただきますぐらい言えや!」

 

涙を流しながらお弁当を食っている怜に俺は注意した。

 

怜「だってよ〜…。俺たちのために作ってくれたんだぜ?嬉しいじゃん!?」

 

祐一「いや、確かに嬉しいけどさ…。」

 

怜「取り敢えずお前も食ってみろって。」

 

怜は俺に玉子焼きを食べさせてきた。

 

前に千歌ちゃんが作ってくれた玉子焼きによく似ている。

 

祐一「うまいな…。」

 

怜「だろ!?」

 

俺たちの反応に三人は嬉しそうにしていた。

 

曜「ふふっ、よかったよ♪」

 

梨子「その玉子焼きはね、千歌ちゃんが一生懸命作ったんだよ?」

 

祐一「やっぱり、そうだったんだね…。」

 

俺は千歌ちゃんの方を見ると千歌ちゃんは顔を赤く染め上げていた。

 

千歌「この前は砂糖と塩を間違えちゃったから今度は両方作ってみたんだけど。どう…かな?」

 

俺はもう一つの玉子焼きに手を伸ばし口に運ぶ。

 

祐一「うん、凄い美味しいよ!!しょっぱい玉子焼きも好きだけど、甘い玉子焼きも優しい味がして俺は好きだな。」

 

千歌「ホント!?よかった!」

 

俺に笑いかけてくる千歌ちゃんはまるで天使のようだった。

 

梨子「それじゃ、私たちもいただきましょうか?」

 

曜「そうだね!私もうお腹ペコペコだよ!」

 

千歌「うん!いただきまーす!!」

 

楽しい昼食の時間が始まった。

 

―――――――――――――――――――――

 

みんなで昼食をとって、お腹も満たされたので俺はお手洗いに、怜は飲み物を買いに売店へと向かった。

 

お手洗いを済ませ俺が戻ろうとすると千歌ちゃんたちが男の人に言い寄られているのが目に入った。

 

祐一「なんだ?」

 

俺はすぐさま千歌ちゃんたちの元へ走って行き声をかけた。

 

祐一「おまたせ!!どうしたの??」

 

曜「あっ!!祐一くんお帰り!!」

 

梨子「それじゃあ、友達帰ってきたのでこれで失礼しますね。」

 

男A「え〜、いいじゃん!一緒に遊ぼうよ〜!」

 

男はナンパをしに来たのだろうか、しつこく声をかけてくる。

 

男B「そうだよ!こんな男といるより俺たちといる方が絶対楽しいからさ!」

 

男の連れも便乗してナンパしてきた。

 

祐一「…。」

嫌がっている三人の反応を見て俺はだんだんと腹が立ってきて男たちに何か言ってやろうとした時、

 

 

 

 

 

千歌「そんなことありません!!」

 

 

 

 

千歌ちゃんが男たちに向かって反論した。

 

男A「はぁ??」

 

男Aは反論した千歌ちゃんを睨みつける。

 

千歌「私たちは彼と遊びに来たんです!彼と遊んでて楽しいので間に合っています。」

 

千歌ちゃんはハッキリとナンパを拒絶して突き放すが、それが仇となり男たちの怒りを買ってしまった。

 

男A「こっちが下手に出てりゃいい気になりやがって!!おい、予定変更だ。この女だけでも連れて行くぞ!」

 

男B「そうだな、悪く思わないでくれよ?君は俺たちの怒りを買ったんだ、それなりには楽しませてもらうぜ?」

 

男たちは怒りを露わにしながらも何処かにやけた顔をして話していた。

 

男A「オラッ!こっち来やがれ!」

 

千歌ちゃんの腕を強引に掴む男。

 

千歌「いやっ、離して!」

 

祐一「おい、やめ…。」

俺が男にやめるように注意しようとした時、

 

男A「このアマ!!」

 

ドゴッ!!

 

千歌「うぅっ…。イタッ…。」

男が千歌ちゃんの頬を殴った。たまらず千歌ちゃんはその場に座り込んだ。

 

男A「俺に逆らうとこうなるからな!わかったか!!」

 

男は高笑いをあげながら座り込んでいる千歌ちゃんを見下していた。

 

ブチッ

 

この光景を見た時、俺の中で何かが切れる音がした。

 

俺は無言で男に近づき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぶん殴った。

 

 

男A「グハッ…!」

 

男A「テメー、なにしや……ゲホッ…!」

 

俺は無心で男を殴りつける。

 

祐一「お前、今自分が何したかわかってるのか。」

 

その時の俺の声は酷く冷たく感情がこもっていなかった。

 

祐一「さっきのは、()を怖がらせた分、次のは()()を怖がらせた分。」

 

俺は尚も男の腹に馬乗りになって殴りつける。

 

祐一「これは…()()を怖がらせた分だ。」

 

男A「グホッ…。す、すまなかった…。わっ、悪かったから、もう、やめっ…。」

 

許しをこう男だが、俺の理性は吹っ飛んでいる。いつの間にかみんなを呼び捨てで呼んでいた。

 

祐一「やめる?俺の中にそんな選択肢はない。お前に残された選択肢は、このまま俺に殴られ続けるだけなんだよ。」

 

祐一「お前は俺の大切な人たちに怖い思いをさせた。これには俺の落ち度もあるが、何よりお前は俺の大切な人を殴り…傷つけた。」

 

祐一「その報いは受けてもらう。」

 

この時、俺の顔からは怒り、憎しみ、全ての負の感情も消え去っていた。

 

男A「ひぃっ!やっ、やめてくれっ…。」

 

男は涙を零しながら言ってきたが、もうそんなことは関係ない。

 

そして最期の一撃を喰らわせようとした時、俺の腕をすごい力で押さえつける存在に気がついた。

 

怜「ふぅ、何とか間に合ったか…。おい、あんたらもうここから離れな。忠告しとくけどこうなったコイツは中々止まんないぞ?これ以上痛い目にあいたくなかったら早く消えな?」

 

怜の忠告に男たちは黙って頷いてこの場から去って行った。

 

祐一「おい、何で止めやがった。」

 

俺は威圧的な声色で怜に言い放った。

 

怜「何でって、周りを見てみろ。」

 

俺は周囲を確認すると通りすがる人たち全員がこちらを見ていた。

 

そして俺は怜が押さえてる腕を振りほどき怜に向かって言った。

 

祐一「うるせぇ。だから、どうした。」

 

怜「いい加減頭を冷やせ!!」

 

怜が俺のことを思いっきり殴ってきた。

 

祐一「ぐっ…。いってーな!!」

 

俺も思いっきり怜のことを殴りつける。

 

怜「うぅっ…。そうだ。全部俺に吐き出せ!」

 

そこから俺たちの殴り合いが始まった。

 

梨子「やめて、二人とも!」

 

曜「そうだよ、そんな二人の姿なんて見たくない…。」

 

怜「ごめんね、みんな、こうしないと祐一は止まらないんだ。祐一は大切な人やモノを傷つけられたらこうやってやんない…とっ!!」

 

祐一「余所見してんじゃねーぞ、怜!!」

 

怜「どんどん来いよ?動けなくなるまで付き合ってやるよ!」

 

祐一「上等だ!!」

 

俺たちは数十分間殴り合いを続けた。

 

祐一「ハァハァ…。」

 

怜「ハァハァ…。もう…終わりか…?」

 

祐一「まっ…まだまだぁ!!」

 

俺が怜に殴りかかろうとすると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千歌「もう…やめて…。」

 

千歌ちゃんが俺の前に立ち塞がった。

 

祐一「千歌ちゃん…どいてよ。」

 

千歌「やだ…どかない!!」

 

祐一「なんで…なんでだよ!!」

 

俺は遣る瀬無い怒りをどこにぶつけていいのかも分からず千歌ちゃんに全てをぶちまけた。

 

祐一「俺は何もできなかったんだ…!!怖がっている千歌ちゃん、曜ちゃん、梨子ちゃんを守ってあげられなかった。あれだけ俺らが守るって言ったのに何にも守れなかった!!俺は力の無い自分が憎くて憎くて仕方ない…!!俺は弱い人間なんだ!!」

 

祐一「だから、俺は…。」

 

俺はその場に力無く膝をつく。

 

祐一「そんな自分を許せない…。」

 

そして静かに涙を流した。

 

怜「祐一、お前はそんなに自分のことを責めるな。今回は俺にだって非はある。俺があの時残っていれば…。こんなことにはならなかった…。」

 

祐一「いや、そんなことはないよ。俺が直ぐに助けに入ればよかったんだ。それに殴って悪かった…。サンキューな。」

 

怜「気にすんな、ダチだろ。相棒?」

 

怜に謝り、頭に上った血が一気に冷めてきた。

 

祐一「みんなも怖い思いをさせてごめんね…。」

 

俺は立ち上がり頭を下げてみんなに謝罪した。

 

曜「頭あげてよ!!祐一くんが来てくれなかったらもっと最悪な事になってたかもしれないんだよ…。怖かったけど祐一くんがちゃんと助けてくれた!ありがとう。」

 

梨子「そうよ…。私たちをちゃんと助けてくれた。だからもう自分を責めないで?いつもの優しい祐一くんに戻って。」

 

二人はそう言ってくれた。

 

祐一「曜ちゃん…梨子ちゃん…。」

 

二人の言葉で少し胸が軽くなった気がする。

 

怜「ほら、祐一。一番お前に感謝を言いたい子がいるみたいだぞ?」

 

怜はニヤニヤしながらこっちを見てきた。

 

俺が怜の見ている方を見ると千歌ちゃんが涙を溜めて立っていた。

 

そして俺に抱きついてきた。

 

千歌「ごめんね…。」

 

祐一「なんで千歌ちゃんが謝るんだよ。悪いのは俺なんだから。怖いところ見せちゃってごめんね。それに殴られて痛かったでしょ、大丈夫?」

 

俺は千歌ちゃんの頭を優しく撫でながら痛いところはないか聞く。

 

千歌「うん、チカは大丈夫。心配してくれてありがとう。」

 

祐一「当たり前じゃん。千歌ちゃんに大事がなくて安心したよ。」

 

千歌「でも…祐一くんがあんなに怒ってるところ初めて見たからちょっと怖かった…。」

 

祐一「やっぱ、そうだよね…。」

 

俺はこの時深く反省すると共に激しく後悔した。大切な人にあんな醜い姿を見られたのだ、愛想を尽かされてもしょうがない。

 

千歌「でもね!」

 

祐一「千歌ちゃん?」

 

千歌「祐一くんがチカたちの事を助けてくれた事が嬉しかったの…。なによりチカたちの為に怒ってくれて事が一番嬉しかった…。だから、自分の事を責めて傷つけないで?祐一くんがいてくれたからチカたちは無事だったんだよ。だから…ありがとう…。」

 

千歌「でも、もうあんな祐一くんは見たくない。チカのせいでこんな事になっちゃったけど、やっぱり祐一くんには笑ってチカの隣にいて欲しい…。怖い顔じゃなくて…チカが大好きな優しい笑顔で!」

 

千歌ちゃんは優しく微笑みながら俺に伝えてきた。

 

祐一「千歌ちゃん…。」

 

俺はたまらず千歌ちゃんを抱き締めて

 

祐一「ありがとう…。大好き…。」

 

耳元でそう囁いた。

 

千歌「ひゃっ!!///」

 

千歌ちゃんはビックリして変な声をあげた。

 

祐一「ふふっ♪みんな、本当にごめんね。今日の夜ご飯は俺が奢るから焼肉でも行こっか?」

 

怜「おっ、マジか!お前の財布すっからかんにしてやるぜ!」

 

曜「やったー!!祐一くん太っ腹!!」

 

梨子「じゃあ、ご馳走になろうかな♪」

 

俺は照れ隠しの為こんな事を言ってしまったが、少しだけ後悔した。

 

祐一「ハハッ…。千歌ちゃんも一緒に行こうね!」

 

俺は笑顔で千歌ちゃんに言った。

 

千歌「あっ、う、うん///」

 

祐一「それじゃあ、焼肉の前に思う存分遊ぼうか!!」

 

怜・曜・梨子「「「おーーー!!!」」」

 

俺の掛け声でみんなまたプールへと向かった。

 

そしてその場に足を止めている千歌ちゃんは呟いた。

 

千歌「チカも大好きっ…///」

 

俺にその呟きは届かなかったが、その後すぐに千歌ちゃんが合流してきて俺たちは目一杯遊んだ。

 

この後、約束通り焼肉へ行った俺たちだが、俺の財布に風穴が開いたことは言うまでもない…。

 





ご愛読ありがとうございました!!

最近マジで暑くて大変ですが、皆さんも十分にお気をつけ下さい!

それではまた次回!!

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