恋をした少年のShiny Days   作:甘党ゴンザレス

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どうも!!甘党ゴンザレスです!

久しぶりの投稿ですが、読んで頂ければと思っております!

それでは本編どうぞ!


Day33 満たされる気持ち

沖縄から帰宅して早数日。夏休みも残りわずかとなりまた大学が始まると考えると憂鬱になる。俺はイスに腰かけキッチンを見る。今までなら誰もいない部屋だったのだが、そこには千歌ちゃんがいた。

 

俺は沖縄から帰ってきた日に病院へすぐに千歌ちゃんと向かった。医師からはしばらくの間絶対安静の指示をされ、俺は今右腕をギプスで固定されほとんど動かせないでいる。病院から帰っている時千歌ちゃんは、

千歌「チカが毎日看病してあげるからね!」

そう言ってくれたが、やっぱり俺としては申し訳ない気持ちになる。

 

そして俺を家まで送ってくれた千歌ちゃんはそのまま俺の家に上がりご飯を作り一緒に食べ帰っていく。この毎日を過ごしていた。

 

数週間後

 

ギプスはとれて激しくは動かせないけど、日常生活を送る程度には回復した。

 

祐一「千歌ちゃんごめんね…毎日毎日疲れたでしょ?」

 

千歌「そんなことないよ?千歌は祐一くんと毎日一緒にいれて嬉しいよ!」

 

俺の言葉に振り返り笑顔で答える千歌ちゃん。その言葉に俺は嬉しさと申し訳なさを感じた。

 

祐一「あっ、そう言えば明日母さんが来るんだけどなんか千歌ちゃんと話がしたいみたいで悪いんだけど明日も来てもらっていい?」

 

千歌「祐一くんのお母さんが?大丈夫だけど…なんだろ…?」

 

祐一「俺も聞いてないからわからないんだよね?普通に話したいだけだと思う。」

 

千歌「それならいいんだけど…。」

 

暗い顔をしながら出来上がった料理を運んできてイスに座る千歌ちゃん。

 

祐一「俺も一緒に居てあげたいけど二人で話したいって母さんが言ってたからいれないんだよ。ごめんね…。」

 

千歌「ううん…。大丈夫!さぁ晩御飯食べちゃおうか!!」

 

祐一「うん。いただきます。」

 

千歌「はい!いただきます。」

 

こうして食事をして片付けをした千歌ちゃんは帰っていた。千歌ちゃんが作ってくれるご飯はどれも絶品だ。きっといいお嫁さんになる。

 

祐一「さて、俺も寝ますか。」

早めに部屋の電気を消して休む事にした。

 

 

※※※※

 

 

Side千歌

 

 

私は今日も祐一くんの家に向かってる。日課になってるから慣れてきたけど今日は祐一くんのお母さんが来るみたいで緊張してる。私と二人で話がしたい…。一体何なんだろう…。散々迷惑かけたからもしかしたら祐一くんと別れてって言われるのかな…。

 

もしそうだったら…。

 

気づけばもう祐一くんの家の前まで来てた。いつもはインターフォンをすぐに鳴らすのに私は佇んでいる。

 

すると後ろから声が聞こえた。

 

佳子「あら?千歌ちゃん?」

 

祐一くんのお母さんだ。

 

千歌「あっ、お、おはようございます。」

 

佳子「ふふ♪おはよう。そんな緊張しなくてもいいわよ?そんな取って食おうってわけじゃ無いんだから。」

 

千歌「す、すいません。少し緊張しちゃって…。」

 

佳子「大丈夫よ。じゃあ中入りましょうか?」

 

佳子さんは鍵を取り出してドアを開ける。

 

佳子「祐一!!入るわよ、アラッ?あの子にしては綺麗な部屋じゃない?」

 

祐一「母さん!!インターフォンくらい鳴らしてよ!!あれ?千歌ちゃんも一緒だったんだ。」

 

千歌「うん…お邪魔します。」

 

佳子「祐一、早速だけどどっかで暇潰しててくれない?」

 

祐一「あいあい。じゃあ喫茶店行ってるから終わった連絡ちょうだい。後、千歌ちゃんに変な事吹き込むなよ?」

 

佳子「わかってるわよ。」

 

そう言って祐一くんは喫茶店へと向かっていった。

 

佳子「さてと…。千歌ちゃんごめんね?突然呼び出しちゃって?」

 

千歌「いえ…とんでもありません!?ところで私に話というのは…?」

 

佳子「実はね…。」

 

佳子さんは椅子に座り話を始めようと私の方を向く。私も生唾を飲み込み佳子さんの目を見る。その目は鋭く私を捉えた。

 

 

次の瞬間

 

 

 

 

佳子「祐一、千歌ちゃんに失礼なことしてない!?」

 

 

千歌「へっ?」

 

思わず変な声が出てしまった。

 

佳子「ずっとそれが気がかりだったのよ!我ながら子育て間違えてきたつもりじゃ無いんだけど心配でね…。あの子から千歌ちゃんが彼女になったって聞いた日には嬉しすぎてお父さんと飲み明かしちゃったわよ!」

 

千歌「は、はぁ…。」

 

私は唖然としてその場で立ちすくむことしかできなかった。圧倒されたと言えばいいのかな?それぐらい佳子さんは食い気味で私に聞いてきた。

 

千歌「もちろん。祐一くんは本当に素敵な男性です。優しくて誰かのために一生懸命になれる。今回の怪我だって私たちのために頑張ってくれて…。私には勿体無いくらいの男性です。」

 

私も椅子に腰掛けゆっくりと言葉を紡ぐ。

 

佳子「そう…。祐一は真っ直ぐに育ってくれたみたいね。誇らしいわ…。もっと祐一の事聞かせてもらってもいい?」

 

千歌「はい!!」

 

そこから私は祐一くんとの出会いから今まであったことを事細かく佳子さんに説明した。私の話を聞いている佳子さんの表情はとても優しくて、祐一くんの姿と重なって見えた。祐一くんの様な優しい表情、仕草、どれを取っても祐一くんに重なって見えて不思議と落ち着く。

 

佳子さんは祐一くんの小さい頃のアルバムをカバンから取り出して私に見せてくれた。

 

佳子「祐一はね一人っ子でしょ?」

 

千歌「はい?確かそう聞いています。」

 

佳子「私と旦那は共働きでなかなか一緒にいることが出来なかったの…。だからいつも寂しい思いをさせちゃってね。祖父がいたから祖父とよく遊んでたんだけど、ベッタリだったのよ。だから祖父が亡くなった時は人一倍泣いてたわね…。」

 

 

佳子「それでその大好きな祖父から教わったのが野球だったのよ…。」

 

千歌「そうだったんですか…。だから祐一くんは野球が大好きなんですね…。」

 

佳子「そうなの。だからあの子は祖父が亡くなった後に野球チームに入ったの。そこで怜くんと出会って今では本当の兄弟みたいに仲がいい。私も怜くんを本当の息子みたいに可愛がってるし祐一と仲良くしてくれて感謝してるのよ…。」

 

私はアルバムを見ながら佳子さんの話を聞いてると私は一枚の写真が目に入った。

 

千歌「アレ?この写真って…。」

 

佳子「あぁ…。この写真ね…。」

 

佳子さんは懐かしそうにその写真を見つめる。その写真は嬉しそうにトロフィーを抱えて仲間たちと笑いあってる祐一くんが写った写真だった。

 

佳子「これは高校二年生の時祐一たちが甲子園に出場した時の写真よ…。この頃の祐一は本当に楽しそうに野球をしてたわ。町内もお祭り騒ぎでみんな町の誇りだって言ってたわね…。」

 

佳子「だから…そのプレッシャーに押しつぶされてしまったのかもね…。甲子園での成績は決して悪いものでは無かったけど優勝は果たせなかった。祐一の失投が原因で負けちゃって。本人が一番理解してたと思うけどひどく自分を責めてたの。チームメイトは誰一人祐一の責任にしなかったけど…。」

 

佳子「でも、その優しさが祐一は辛かったんでしょう…。そこから祐一は苦しそうに野球をするようになったの…。私自身も苦しそうに大好きな野球をする姿に何度も涙を流した…。あの子が辛い思いをするならいっそ野球なんて…ってね。でも、最後の大会は前の祐一みたいに楽しそうにやってて最後までやり遂げて後悔はないって言ってたの。だからね、怪我の影響もあって大学では野球をやらないと思ってたんだけど…。」

 

佳子さんは涙を溜めながら訴える様に言葉を紡ぐ。

 

佳子「でも…。そんなあの子に素敵な出会いが訪れて、嬉しそうに毎日電話をくれる様になったの…。それが千歌ちゃんアナタ達なの…。」

 

千歌「えっ…?」

 

私は突然のことに驚きを隠せなかった。

 

佳子「あの子がまた野球をやるとは思わなかったけど、そのきっかけを作ってくれたのは千歌ちゃんなの。千歌ちゃんに背中押されてまた始めようと思うって言ってたわ。」

 

祐一くんそんな事まで覚えててくれたんだ…。唯の私のワガママなのに…。

 

佳子「それにあの子ね、千歌ちゃんと遊んだ時とか必ず私に電話してきてたの。その時のあの子の声本当に嬉しそうでね…私も嬉しかったの。あの子のあんなに楽しそうな声を聞いたのが久しぶりで千歌ちゃんには本当に感謝してる。もちろん、梨子ちゃんと曜ちゃんにもだけどね。だから…ありがとう。」

 

佳子さんが私の手を優しく包んでくれた。その瞬間私は涙が零れた。

 

千歌「私の方こそ…祐一くんに迷惑ばかりかけて…。でも祐一くんが優しいから…甘えちゃって…。今日だって…別れて欲しいって言われると思ってたから…。」

 

佳子「そんなこと言うわけないじゃない…。千歌ちゃんは私にとってもう娘みたいなもの。これからもあんなバカ息子だけどよろしくね?」

 

千歌「こちらこそ…よろしくお願いします…。」

 

佳子「千歌ちゃんは祐一の事好き?」

 

千歌「はい。大好きです///」

 

佳子「ふふ♪それなら早めの孫を見れそうね♪」

 

千歌「そ、そんな…!?///」

 

佳子さんのいきなりの発言に私は驚きを隠せなかった。

 

佳子「でも、ちゃんと二人で話し合ってから子供は作りなさいね?」

 

千歌「実は…その…まだ未経験なので…そこはなんとも…///」

 

佳子「焦らないで自分のペースで。ねっ?」

 

千歌「はい…///」

 

同性だからかもしれないけどすんなりとそんな話もできる気がする。

 

もちろん祐一くんにそう言う事は恥ずかしくて言えないけど、私だって好きな人には触って欲しい。私も彼の事を求めたい。そんな欲求はある。

 

佳子「なんなら押し倒しちゃってもいいわよ?♪」

 

千歌「そんな事恥ずかしくて出来ないですよ!?///」

 

佳子「本当に可愛いわね♪これからも祐一をよろしくね。さぁそろそろ祐一呼び戻しましょうか?あんまりお邪魔しちゃ悪いしね。」

 

千歌「いえ、そんな事は…。」

 

佳子「いいのよ。じゃあね千歌ちゃん。今度はみんなでご飯でも行きましょうね?また、祐一や怜くん、千歌ちゃん達の話聞かせてね!」

 

千歌「はい!今日はありがとうございました!!」

 

佳子「こちらこそありがとう!それじゃあね!」

 

佳子さんは祐一くんの部屋から出て行って少しして祐一くんが帰ってきた。

 

祐一「ただいま〜。母さんはもう帰ったの?」

 

千歌「うん…。帰ったよ…///」

 

祐一「アレ?千歌ちゃん顔赤いけどどうしたの?」

 

千歌「いや…その…///」

 

私はさっきの佳子さんとの会話を思い出し体が火照っていくのを感じた。

 

祐一「どれどれ。ふむふむ、ちょっと熱いかな?」

 

千歌「ふぇ!?///」

 

おでこを合わせてくる祐一くんに思わず変な声が出てしまった。

 

千歌「だ、だいじょぶ、だいじょぶ!?ちょっと驚いただけだから!チカご飯の準備しちゃうから座ってて!!」

 

祐一「あぁ、そう?じゃあお言葉に甘えて。」

 

私はキッチンへと駆け足で向かい料理を始めた。料理をしながら私は変な感情になるのを必死で抑える。

 

ダメだ、ダメだ。何考えてんのチカは…///佳子さんの言葉でさっきから変に意識しちゃって祐一くんの顔が見れない…///

 

チラッと祐一くんが座って読書をしてる姿を見る。その姿は本当に様になっていて只々カッコよかった。

 

千歌「イタッ…。」

 

完全に集中力を欠いていた私は包丁で指を切ってしまった。

 

その声に気がついた祐一くんはすぐ様読書をやめて私のところへやってきた。

 

祐一「どうしたの千歌ちゃん!?血が出てるじゃん!?ちょっと待ってて、今絆創膏持ってくるから!!」

 

千歌「うん…。ごめんね…。」

 

慌てて絆創膏を祐一くんは取りに行ってくれて消毒を済ませて絆創膏を貼った。

 

祐一「ふぅー…とりあえずこれで大丈夫かな?今日はインスタントのもので食べようか?また怪我しちゃいけないしね。」

 

千歌「ごめんね…。」

 

祐一「そんなに謝らないで!!千歌ちゃんにもしもの事があったら俺も嫌だからさ。」

 

私を心配しつつニコッと笑いかけてくれるその表情がたまらなく愛おしかった。気づけば私は祐一くんに抱きついてた。

 

祐一「おっと、どうしたの?」

 

千歌「祐一くんが優しいから甘えたくなっちゃった…。ダメ…かな?」

 

祐一「そんな事ないよ?好きなだけ甘えて。」

 

そう言ってくれて私は祐一くんの手を握った。その手は暖かくて優しかった。

 

私が近づくと祐一くんも近づいてくれてお互いのおでこが合わさった。

 

千歌「今日は祐一くんとずっと一緒に居たいな…。」

 

祐一「っ!?」

 

少し驚いておデコをピクリと震わせる。その仕草までもが愛おしい。こんな私の言葉でも祐一くんはしっかり反応を示してくれる。

 

 

祐一「もちろん。俺も千歌ちゃんと居たい。」

 

 

その言葉を聞いて私の胸が暖かくなるのを感じた。

 

 

祐一くんといるだけで私の心は満たされる。

 

 

この気持ちが幸福感である事は間違いない。

 

祐一くんだから、ありのままの自分を曝け出せる。

 

千歌「ありがとう、嬉しい///」

 

祐一「ふふっ、今日は一段と甘えん坊だね?」

 

千歌「祐一くんが暖かくて優しいから…チカも素直に愛情表現ができるの…だから///」

 

目を開きおデコを離し少しだけ距離をとって顔を見ると祐一くんの顔は真っ赤に染まっていた。

 

照れ隠しなのか、祐一くんは頭を掻きながら後ろを向いてしまう。

 

私はそんな彼の背中に抱きつき呟く。

 

 

千歌「そんな君の事が私は大好きです。」

 

祐一「俺も…///大好きです…///」

 

その後、私たちはご飯を食べる事無くじゃれあった。

 

※※※※

 

そして少しの時間が経ち私たちは冷凍食品で食事をとった。決して豪華なものじゃ無いけど祐一くんと一緒に食事するだけで私にとってはとても豪華なご馳走に感じた。

 

これも祐一くんのおかげだね?

 

この幸福感も全部君がくれた大切な宝物。

 

食事を終えて私たちはお風呂に入る。

 

もちろん別々だよ?

 

流石に今の私じゃ勇気が足りないよ。でもいつかは…。

 

祐一くんに貸してもらった洋服に着替えると私にはサイズが合ってなくて少しだけダボッとした。

 

でも祐一くんの匂いに包まれて幸せな気持ちになれる。

 

寝床に来て祐一くんは布団を出そうとしてる。

 

だけど私はその行動を遮った。

 

千歌「祐一くん、ちょっと待って?」

 

祐一「うん?どうしたの?」

 

千歌「その…一緒に寝たいな…なんて…///」

 

祐一「えっ///」

 

祐一くんの顔が赤くなっていくけど私も自分の顔が熱くなっているのを感じた。きっと私も真っ赤になってるんだろうなって思う。

 

千歌「今日は祐一くんの腕の中で眠りたい…///ギュッて抱きしめられたい…///ダメ…かな?///」

 

祐一「わかった…///一緒に寝ようか?」

 

 

少し戸惑いながらも優しくて穏やかな表情を祐一くんは浮かべた。

 

 

祐一「おいで…?」

 

 

先にベッドに入った祐一くんから差し伸べられた手を取る。

 

祐一くんのいつも寝てるベッドに体を入れる。少し密着するだけで私の心臓は強く脈打つのがわかる。緊張で体が強張っているけど祐一くんの優しい温もりが私を包んでくれた。

 

その感覚が心地良く私の緊張の糸は解けていく。

 

千歌「んっ…///好き…好き///」

 

気づけば何度もそう呟いていた。

 

 

祐一「俺も、好き…。大好きだよ…///」

 

 

大好きなあなたの腕に抱かれてる…。

静かに目を瞑り、私はその幸せを噛み締めた。

 

 

 

 

 

 




ご愛読ありがとうございました!

不定期になりますが、暇つぶし程度に思って頂ければ嬉しいです!

それでは、また次回!!
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