もしガールズバンドのあの子がお酒を飲んだらどうなるの? 作:早宵
人間にとって最高の休日とは何だろう。
普通の人は旅行へ行く事やデパートなどでウィンドウショッピングをする事などを挙げるだろうな。
だが、普通の大学生ならこう答えるだろう。
「引きこもり最高!!」
は?って思う人もいるかもしれないが、こちとらレポートやサークル、資格の勉強などやる事がごまんとある。クッソキツいぞ。
だから偶には家でゆっくりするのも悪くないと思う。見たかったドラマやアニメをよこになりながら、お菓子を食べながら見る。
時間もある事だし眠たくなれば眠ればいい。最高じゃないか?この休日。ニートとか言うなよ。
これ以上ないぜって言う事なので、今までそれをやっていた。楽しいけど後で虚しくなるんだよなぁ…
あっ、お菓子無くなったからお菓子取ってこよ。
そう思い立ち上がり部屋を出る。
そうすると途中で声を掛けられた。
「何してんの?」
「部屋で○猿見て泣いてたんだよ。お前にわかるか?俺の中でぐぅわぁ〜って込み上げてくるこの感情が」
「知らないけど…私も見ていい?」
「見たいんならいいよ」
「ありがと」
ん?ここって俺の家だよな?そうだよな…
あれれ〜?おっかしいぞー?何で一人暮らしの部屋に二人目の人間がいるのかな〜?
「色々と言いたい事があるが、まず一言だけ言わせてもらうぞ」
「何?」
「美竹、お前どうやって家に入った!?」
「鍵空いてたから普通に入っただけなんだけど?」
鍵空いてたからって入んな。それは不法侵入って言う犯罪なんだよ。間違いなく今警察呼んだらお前の人生終わらせる事が出来るぞ。
唐突すぎる他己紹介なんだが、この不法侵入系ガールの名前は
不法侵入かますくらいだから余程礼儀とかなってないのかって思うかも知れないが、こいつは華道の家元の家系に生まれている。
ので礼儀作法の立ち振る舞いが常人よりも素晴らしいのである。それを俺にやってくれ。
華道の家元と言う物は中々大変なようで、自分の流派を残す為に子供に華道を強制し、簡単に悪く言って仕舞うのならば、
"その子の未来を確定させてしまう"
と言う中々残酷な運命にあるのでもある。
美竹は
それに美竹は反発するのだが、自分一人で抱え込み塞ぎ込んで、一時期バンドメンバーとも仲違いをしてしまう。が、本音で語り合ってメンバーと復縁をしてさらに、父親に自分の伝えたい事を、Afterglowという彼女のバンドなりに奏でて音で伝えたのであった。そして見事父とも話し合う事が出来、華道と両立する事を条件にバンド活動を認めてもらう事に成功したのであった。
何でこんな詳しいんかって?前に俺の家来た時に、色々語り合ってたら急に嬉しそうに過去を語りだしたからな。
色々言ったが、簡単に美竹を表すと
赤メッシュ入ってて素直じゃないけど一本筋が通ってて悪くない子。
こんな感じである。
でもな散々説明してたけど今一番大事なのは、俺、蘭ちゃんを不法侵入をするように育てた覚えはありませんよ!?
「アンタに育ててもらってないけどね」
…普通にサラッと心の声を読むな。怖いわ。
「て言うか何で俺の家にいるの?」
「○INE送ったじゃん」
まじか、全く気づかなかった。何々…
「暇」14:10
「暇」16:10
「暇だからアンタの家行っていい?」20:20
「今から向かうね」20:23
いや、暇だからって俺の家来んなよ。
てか許可取ってないのに来んなよ。
こんな時間に外出て親は何も言わないのか?
「親は泊まりの旅行行ってて居ないから」
だからサラッと心を読まないでよ…メンタリストにでもなるつもりなのか?
まぁいいんだけどな…
「暇だったから俺の家に来たのか?」
「そうだけど?」
なるほどな。じゃあ…
「広い屋敷で一人って寂しいもんな。よしよし今日はいっぱい構ってあげるからね〜」
「さ、寂しくなんかないし!」
「そんなこと言うんなら屋敷にいたら?」
「それは…やだ」
顔真っ赤で俯いて可愛いなぁ!!写真撮って美竹の幼馴染の青葉モカに流したいぃ!!
「わかった、わかったよってか美竹夕飯食ったか?」
「うん食べたよ。でも少し食べたいかな」
「じゃ、冷蔵庫にビールとかあるからそれとおつまみみたいなのでいいか?」
「大丈夫」
「わかった。すぐ終わらせるから適当にそこら辺にある気に入ったやつ見てていいぞ」
「いや手伝うよ、押し掛けたのは私だからさ」
「あーじゃあ頼むわ」
こうして飯を作る事になった。てか男女が共同作業って…
「まるで夫婦みたいだな」
「ふ、夫婦!?」ゲホッゴホッ
「大丈夫か?風邪?」
「い、いや!大丈夫だから!」
「ならいいんだけど…」
その後は何もなく普通だった。普通に出来た。というか美竹が手伝ってくれたおかげかいつもより早く出来上がった。
そして出来上がった物と酒を並べ、席に着く。
「何で塩辛だけは常備してあるの…」
「美味いじゃん、なんだよ塩辛に対する文句は言わせないぞ」
「まぁいいけど。いただきます」
「いただきまーす」
丁寧に手をしっかり合わせて小さくお辞儀までしてた。さすが家元の娘。
「んっ、割と美味しいかも…」
「割とはいらねえよ。好きに飲み食いしていいからなー」
「ありがと」
「おう、確か美竹ってアルコール飲めたよな?」
「うん、嗜む程度には」
「じゃあほれ、缶ビールだけどこれでいいか?」
「大丈夫」
「じゃあ乾杯ー」
「乾杯」
そう言って乾杯する。缶でな。
「ふぃ〜身体に染み渡るぅ〜」
「おっさんみたいだね」
「うるせ、どっからどう見てもピチピチの二十歳にしか見えないだろ俺」
「どこを見るの…」
「この若々しい身体だよ」
「なんかキモい」
「ごめんなさい」
相変わらずこの赤メッシュは毒舌気味だなぁ…
「そういや最近バンドはどんな感じなん?またお前がやらかしてないか?」
「やらかすわけないじゃん、でも最近色々あったよ」
「解散の危機か?大丈夫なの?」
「いやそこまでじゃないけど、つぐみがまた頑張りすぎちゃって体調を崩しちゃってさ、みんなでどうやってつぐみをつぐらせないか考えてるの」
「何て言うか、Afterglowらしいな…ほぼいつも通りじゃないの?」
「体調を崩すのがいつも通りだったら困るよ…でもそうだね、これがいつも通りなのかもね」
そう話した美竹の顔は嬉しそうだ。
「いい親友を持ったな。美竹は」
心の底からそう思って言葉にする。
そして美竹は若干顔を赤く染めて笑って言う。美術館に飾れるくらいのいい笑顔で。
「うん。最高の親友だよ」
普段美竹はこう言う感謝の気持ちとかは照れくさがって口に出せないタイプだけど、素直に口に出しているって言う事は若干酔って来たのかな?なんか目がトロンってなってる様な…
「私の親友はね、最高なんだよ。
モカはマイペースで鬱陶しい時もあるけどまわりをしっかり見ててね、私が変な方に行きかけたら止めてくれたりしてくれたんだよ」
完全に酔ってますね…
でもこういう話は嫌いじゃない。
「ひまりはAfterglowのリーダーとして不発だったり空回りで終わる事が多いけど、それでもポジティブに居てくれる。こっちはとても嬉しいよ」
その言葉ひまりさんに聞かせてあげたら泣いて喜ぶぞ。
「ら"ん"!ありがどぉおぉ!」っていう感じなのが目に浮かぶわ。
「巴はいつも熱くて時々ぶつかる時もあるんだけど、それくらいAfterglowを考えてくれてて感謝してる」
あの人は大黒柱っていうかどっしりバンドを支えてるよな。ドラム担当だけにな。姉御って感じだな。
「つぐみは頑張りすぎてるから、私達でもっと肩代わりしてあげないとね。でもAfterglowを作ったのはつぐみだし、その頑張りが今の私達を繋いでくれてるって思うとありがとうとしか言えないよ」
つぐみさんは努力の人で、いつも何かしら働いてる気がする…休んで欲しいとは思うけど必死で努力するその姿はとても綺麗だと思うなぁ。
そんな美竹も美竹でここまで周りを褒めれるくらい親友達をしっかり見てて、引っ張って行ってる。そんなお前も充分すごいと思うけどな。まぁ、俺も口には出さないけどな。
ていうか美竹酔うと変わるなぁ…
いつものクールでなんでも噛み付く反抗的赤メッシュは鳴りを潜めて、普段恥ずかしがって言えない感謝を伝えるbotになってますやん…
「それで、湊さんも…」
「美竹、一個いい?」
「なぁに?」
「時間見てみ」
「ん?」
「もうそろそろ帰れよ」
そう、もうすぐ日付けが変わるところまで来ている。正直、美竹の親は居ないんだから、俺の家に泊めるって事も出来たけど、このままだと過ちを犯しそうだからなんかダメだ。
「流石に美竹の親が家にいないとは言え、男の家に泊まったらどうなるかわからんぞ、ほら家まで送ってやるからそれ飲み切ったら支度しろよ」
「ヤダ」
「は?だから…「帰りたくない!」
「帰りたくないって…俺だって男だぞ?」
「わかってるよ、でももうちょっと一緒に居たいよぉ…」
「ええ…」
酒飲んで酔うとこんな性格変わるのか…
普段と違いすぎてギャップで死にそうなんだけど…
「大学でいつも浮きそうな私を気にかけてくれてありがとね」
「い、いや別に普通だからな?」
「入学したての時に仲良くしてくれて本当にありがとう。あの時にアンタが居なかったらまた授業一人で受ける事になってたよ」
「大丈夫だってそんな事…」
「うぅっ…今日は一緒に居たいよぉ…」
「ああわかったわかったから!そんな目すんなよ家泊まってけばいいから!」
「やった!」
俺ってちょろいな…いやこんな目されたらしょうがないよね!
「てか美竹お前酔い過ぎだって。水持ってくるから待っとけ」
「やだ」
「へ?」
「隣座ってよ、お話しよ」
ソファーをポンポンと叩いて俺を誘う
「いや水取りに行くだけだからちょっと待ってろ。帰って来たら何でもやってやるから」
「今何でもするって言ったよね?」
「あーはいはい何でも何でも」
そう言って俺は立って水を汲んで帰ってくると案の定ソファーを俺の分空けてしかめっ面をしていた。
「ここ、座って」
「はいはい」
何されるんだ…怖いんだけど…
「ギュー」
「え!?お前何やってんの!?」
「たまにはいいでしょ?」
「良くねえよ!」
「私の事嫌いなの…?」
「いや、嫌いじゃないけど…」
「ならいいじゃん!」
「良くねえって!そもそもな、一つ屋根の下で男女がくっつき合うってどう見てもアウトだよ!」
俺がどれほどの理性を持ってるか思い知って欲しいわ…
「初めはアンタの事を変な奴だと思ったけど、だんだん仲良くなって来て一緒に居るとすごい楽しくて居心地が良くなって来ちゃった」
「だから今日は、いや今日だけじゃなくてこれからずっと一緒に居ようね」
「はいはいわかったよ。これからもよろしくな」
「ありがと、そう言う所好きだよ」
「好きとか言うなよ照れるだろ…」
「ふふっ、可愛い」
「あっそ、お前も可愛いよ」
こう言った瞬間美竹の元々赤かった顔がさらに赤くなった。なんかこう言う反応見るの好き(語彙力)
「か、可愛い///私が?」
「お前しかいないでしょ」
「そ、そう///ありがと」
「どういたしまして」
ここで、謎に美竹が喋らなくなった。
寝たかな?
「美竹?あれ、寝たか?」
「起きてる、あのさ」
「ん、何?」
急にどうした。大事な話がある感がすごいんだけど…
「アンタの事、好き。付き合ってよ」
…酔ってるんだよな?
「お前酔ってるからだよな?普通そんな事言わないよな?え、本当に俺の事好きなの!?」
「そう。アンタの全部が好き。付き合ってください」
以前顔は赤いけどこっちを捉えてそう言う。
はぁ、急すぎるって…でも言う事は決まってるけどな。あとは勇気を持つだけかな。
「こっちこそ、よろしくお願いします」
っはぁ〜言っちゃったなぁ
これで美竹は親友から彼女なのかぁ…悪くないね。と思ったが…
「あれ?聞こえてない?こっちこそよろしくお願いしますね…って寝てんじゃねえか!」
そう、爆睡している。殴りたくなるほどいい笑顔で。
って事は俺の勇気は無駄だったの!?てかそもそも酔ってただけじゃねえのか…はぁ、考えても馬鹿らしくなるから布団かけてやって俺も寝よ…
ー翌日ー
「おはよう起きて、もう昼だよ?」
「んぅ〜まじかぁ…起きる…」
美竹にゆさゆさと揺らされて起床する。と同時に昨日の告白された記憶が蘇る。まぁ多分酔ってただけなんだろう。それ以外ないよな…でも一応気になるから聞いてみるか。
「美竹さ、昨日何言ったか覚えてる?」
「ん?いや覚えてないけど?」
「デスヨネー」
「え、私何か言ったの?」
「俺に告白して来たんだけど…」
「うぇっっ!?」
「覚えてないか、ってかやっぱ酔ってただけかぁ」
「…う」
「う?」
「私はアンタの事、好きだよ」
うぇえぇっっ!?マジで言ってんの!?あれ本当の気持ちだったのか!?
「今は酔ってないよ。本気でアンタの事が好きなの」
「マジかぁ…」
「マジよ」
マジかぁ…
答え出さないといけないけど、もう既に昨日勇気を振り絞ったからすんなり次の言葉は出てきそうだ。
「俺も美竹が好きです。勿論、酔ってないよ」
ありがとう、お酒の力。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
更新が遅れてしまって申し訳ないです…
本当は日曜に書いて月曜に出そうと思ったんですけど、野球観戦してました(言い訳)。これからリアルが忙しくなるので若干投稿頻度は落ちるかもです…きっと書きますけどね。
そしてこの場を借りて評価を下さった、ゆっくり妹紅さん、みらもんさん、steelwoolさん、カプ・テテフさん、テントウムシ!!!さん、鋼のムーンサルトさん、T田さん、ぼるてるさん、ケチャップの伝道師さんありがとうございます!今後の励みになります!
あと沢山のお気に入りありがとうございます!とても嬉しいです!
評価、感想、お気に入り、誤字報告、リクエストなどいつでも受け付けています。