もしガールズバンドのあの子がお酒を飲んだらどうなるの?   作:早宵

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遅くなりました。



家庭的でギャル系な彼女

「以上で講義を終わります」

 

 

やっと今日一日終わった…土日の30倍は疲れるな(当社比)

今日はサークルもバイトも無いしゆっくりしよ…

 

「おーい待ってー!」

 

あれ、この光景どっかで見たような気がする様な?まあいいや。てか知り合いの声に似てるけどまあ気の所為だよな?俺を呼んで無いよな?よし、帰ろう()

 

「待ってって言ってるじゃん!」

「はぁ、俺かよ…」

 

俺でした。

 

「君に決まってるじゃん♪」

「まぁいいけど、何か用でもあるの?」

「あー、今日一緒に飲みに行かないかなって」

「急だな…湊とか来るの?」

「多分君とアタシの二人だよ!」

 

何となく今日は休みたいならパスしようかな

何か申し訳ないけど。

 

「ふーん、まぁ行かないけど」

「何で?」

「バイト「バイトのシフトなら入ってなかったよね?」

 

もっとマシな嘘あったやろ…今井と同じバイトやってたの忘れてたよ…

もうこうなったらしょうがないわ。さようなら、俺のリラックスタイム。

 

「やっぱり今井と飲みに行きたいわー」

「良かった☆じゃあ19時に家行くね?」

「は?何で俺の家なの?」

「もし何かあっても安心じゃん」

「何か起こす気は無いから。他のとこにしてくれよ」

「ええ〜いいじゃ〜ん」

「良くないからな…男と女が一つ屋根の下とか危なすぎるだろ?俺が何するかわかんないよ?」

「別に何してもいいんだよ〜?」

「そんな事ばっか言ってるといつか襲われるぞお前」

「(こんな事言うのは君だけだよ…)ボソッ」

「ん?なんか言った?」

「何も〜。じゃあもし宅飲みを許可してくれなかったら紗夜にある事ない事言っちゃうよ?」

「いやホントそれだけは勘弁して」

 

あの人に引っかかったら軽く2時間は説教だからな。正座で。

 

「ならどうするのかな〜?」

 

とんでもなく凄い良い笑顔しますね。

 

「わかったよ、じゃあ俺の家な?」

「やった〜!じゃあ19時に行くから楽しみにしててね!」

 

そう言って今井はパタパタと荷物をまとめて帰っていく。

 

さようなら、俺のリラックスタイム(2回目)

面倒くさいなぁ…まぁ飲み会自体は楽しいんだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

そう言えば紹介してなかったけど、今俺と喋ってたのは今井リサって言う。

 

彼女はRoselia(ロゼリア)いう今流行りのガールズバンドのベースを担当している。

ガールズバンドだからと侮る事無かれ、Roseliaはプロのバンドと比べても遜色無いほど上手い。彼女はそのバンドの中でも纏め役というか縁の下の力持ちというかであり、ボーカルの湊友希那(みなとゆきな)が表のリーダーだとすると、今井は精神的にバンドを支える裏のリーダーみたいな物だ。

 

 

そんな彼女と何故出逢ったかと言うと、俺は高校時代にバンドをやっており、ボーカルを担当していた。学園祭で歌う機会があり歌ったのだが、それが何故か湊のアンテナに引っかかってしまい彼女の前で1曲歌った後に、

 

「貴方、Roseliaに全てを賭ける覚悟はある?」

「ある訳無いだろ。てか、お前ら誰だよ」

 

それ以降Roseliaとは良く接する事となった。

その度にRoseliaのサポーターを依頼されるが、そんな事やってる暇はない。割と大学生って忙しいからね!

 

ていうか今くらいのなんかあったら駆けつけて感想を言い合うくらいの関係が一番良いと思う。あれ、これってサポーターなんじゃ…まぁいいや。

 

 

そういうわけで高校時代に今井と出会ってたまたま進学した大学が一緒になり、今に至ると事になる。

 

でも最初の方は明らかにギャルっぽい服装にピアスという格好にビビって全く会話が弾まなかったが、話してみると中身は家庭的で献身的であると分かり良い人なんだなとか思った。

 

こんなギャルギャルしいのに筑前煮が大好物って考えられないよね、ギャップだな…

 

 

 

 

 

まぁそんな回想はどうでも良いとして、問題はあと数時間後には今井が家に来るという事だ。

 

急に決まったせいで何も準備が出来てないって言うのもあるが、今井は超が3個くらいつくほど女子力高い系ギャルなのだ。

 

だから何も準備して無くても作ってくれるとは思うが、それでは何か男として負けた感があるよな?わかるよなこの気持ち?

 

だから今から全力で食卓を準備してあっと言わせてやろうかな

 

 

 

 

 

 

 

 

別に男だが美味しい飯を作ってしまっても構わんのだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数時間後ー

 

 

 

「お待たせ〜待った?」

「だいぶ待ったわ」

「そこは待ってないって言うところでしょ…」

 

お前な、20分くらい遅刻してるからな…

 

「ん、入っていいよ」

「お邪魔するね〜」

 

「うわっ!?何これ!この料理って君が全部作ったんだよね!?」

「そうだけど何か?」

「すっごい豪華じゃん!アタシのために作ってくれたのかな〜?」

「そんなんじゃ無いわ、偶々だよ偶々」

「素直じゃ無いな〜でもありがとね!」

「お、おうどう致しまして」

 

こんな素直に褒め言葉が返ってくると思わなかったからちょっと照れるなぁ

 

「冷める前に食べようぜ」

「いいね〜、あっお酒はアタシ持ってきたよ!」

「言えば家にあったからわざわざ持ってこなくても別に大丈夫だったのに何か申し訳ないな」

「いいって!こんな豪勢な料理のお返しだと思って!」

「ありがとな、貰うわ」

「それじゃとりあえず乾杯しよっか!」

「そーだな」

「かんぱ〜い!」

「乾杯」

 

 

こうして楽しい楽しい飲み会が始まった。

 

 

「ん〜美味しい!ほっぺたが落ちそうだよ〜!」

「まじ?そう言ってくれると作った甲斐があるわ」

「本当だよ!この料理とかお酒にも合うし、んん〜ひゃいほう!」

「喋るか食べるかにしような…」

 

こんだけべた褒めされるとめっちゃ嬉しいなぁ。

普通にあいつが帰った後ガッツポーズしながら布団の上で飛び跳ねるくらいな。

 

「君ももっと食べたり飲んだりしなよ?別に気とか遣わなくてもいいんだよ?」

「いや充分食べてるし飲んでるから心配しなくても大丈夫だけどさ、お前がハイペース過ぎて怖いわ」

「え?そう?」

「おう、だって筑前煮と酒の減りが凄いぞ?もっとゆっくり飲まないと酔うぞ?」

「大丈夫だって〜心配性だなぁ!」

 

ならいいんだけどな?なんかもう酔ってそうで怖いなぁ…

 

「てか最近湊見てないけどあいつどうかしたの?」

「友希那?友希那は今風邪引いちゃってるから布団から出れないんだよ」

「ご愁傷様だな」

「そう言えば友希那なんだけどさ、この前ね、珍しく集中出来てなくてさぁ〜」

「ほー、あいつでもそういう時はあるんだな」

「それで気になってバレないように付いてったんだけど」

「いやそれ危ない人やん…」

 

今井さん、それはストーカーですよ。

 

「何と!男の子と仲良く歩いてたんだよ!」

「あいつもやるなぁ…」

「その後近くのオシャレなバーに二人で入って行ったんだよ!」

「へー、付き合ってるんじゃ無いの?」

「わかんないけど、友希那にもとうとうこういう時が来たのかなぁって思っちゃった」

「いやお前は湊の親かよ…」

「アタシより先に大人になるなんて思わなかったよ誰か私を貰ってくれないかな〜?」チラッ

 

何でこっちに視線を送るの…

 

「今井が本気で探せば一ヶ月で出来ると思うけどな、てか何で俺をそんな凝視するんだよ…」

「別にぃ〜何でもないよ」

「なら良いけど、っておいちょっと飲み過ぎじゃないか?」

「そうかなぁ〜?」

 

だって目とかやばいよ?もうとろ〜んとしか表現出来ない目してるよ?

 

「ちょっとお化粧直ししてくるね」

「ん?ああわかった。ってフラフラじゃねえか、肩貸してやるよ」

「う、うんありがと//」

 

もうフラフラで完全に酔ったとしか思えない様になってるからね?この後変に酔わないよね?こわいよ俺。

 

そう考えてたらトイレの扉が開いた

また肩を貸そうと思って今井に近づくといきなり腕に抱きついて来た。抱きついてきた!?

 

「ちょ、お前何してんの?」

「ふふふ、よいではないか☆」

「お前何言ってんの?何やってんの?」

 

酔うと甘えるの!?この前の時はそうでもなかった気もするけど本格的に酔うとこうなるんかな…

 

「とりあえず離れない?」

「嫌、いつもさ、皆から頼られてばっかじゃん?だから偶には私が甘えてもいいかなって」

「もっと他の方法無かったんか…」

「それとも女の子が困ってるのに助けてくれないの?」

「はぁ…しょうがねえな。今日だけ可能な範囲なら甘えてもいいよ」

「やった〜!じゃあちょっとお邪魔するね♪」

 

そう言って俺の肩に頭を預けてきた

 

「んふふ〜いい匂いがする〜」

「…そうか?汗臭くない?」

「いい匂いだよ」

「なんで食い気味なの…」

 

やっべえ、横からめっちゃいい匂いするんだけど…俺も理性飛びそうになって来た…

 

「そう言えば料理そんなに食べてないよね?」

「えっ、そうか?」

「私が食べさせてあげるよ!」

「はっ?いやもうお腹いっぱいだからいいって」

「はいあーんするよ〜」

 

やばい(直球)助けて(懇願)ドキドキしすぎて心臓の音がキングエンジンみたいになってるんだけど…

 

「あ、あーん?」

「なんちゃって!やっぱあげな〜い!」

 

ホッとしたって言うのとなんか残念って言うのとムカつくって言うのと可愛いって言うのが1:1:1:7くらいでごちゃ混ぜになってます。もうこうなったら俺も酔った方がいい気がする(錯乱)

 

「ていうかお酒も飲んでないよね?もっと飲まなきゃ!」

「じゃあもうちょい飲むわ」

 

そう言って半分くらいを一気に飲む。

 

「いい飲みっぷりじゃん!もっと飲もう!」

「わかったわかった」

 

今度は並々に注がれた酒を一気に飲み干す。

なんか楽しくなって来た気がする…!

 

「さぁ、夜は長いんだからもっと盛り上がっていくよ〜!」

「おー!」

 

 

 

 

 

 

「叶えたい夢 勝ち取れ今すぐに…」

「「SHOUT!!」」

 

 

「頂点へ?」 「狂い咲け!」

 

こんな感じでカラオケ大会をやったり、

 

 

「あっははは!それどんな顔してんの!」

「普通に変顔しただけだって、てかにらめっこ弱いな今井」

「むーじゃあもう一回!」

 

こんな感じで謎ににらめっこだとかをして一通り楽しんだ。

 

 

「あ〜楽しかったね〜」

「色々な物を失った気がするけど結構楽しかったな」

「やっぱり好きな人とお酒飲むと楽しいね!」

「そーやな、ん?好きな人?」

「そうそう。君の事が好きなんだよね〜、あっ…」

「えっ…冗談、だよね?あれ?」

「冗談じゃないよ!」

「高校の時、Roseliaの事で悩んでたアタシにアドバイスをくれた時からずっと好きなの!もう言っちゃったから言うけどさ、」

 

 

 

 

一呼吸だけ置いて

 

 

 

 

 

「私と付き合って下さい」

 

 

 

 

 

一呼吸だけさらに置いて

 

 

 

 

「これからもずっとよろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー翌日ー

 

「んぁ、汗やば…」

自分の汗で起きた俺は働かない頭を総動員して昨日の事を思い出そうとしていた。そして思い出せてしまった。え?これってマジの記憶なの!?本当かこの記憶…

 

とか色々考えてたら台所の方から声をかけられた

 

「あ、やっと起きたね。朝食勝手に作ってるけどアレルギーとか無かったよね?」

「多分無いよ」

「そっか、なら良かった!」

 

朝からリサの笑顔が眩しい…あなたは女神ですか?

 

「頭痛え…」

「お水ここに置いとくね!」

「ありがとう」

 

 

「こうやってエプロン着て料理してくれるってまるで夫婦になったみたいだよな」

 

何気なくまとまらない思考回路で話す

 

「えぇっ//夫婦!?アタシは子供が二人欲しいって思うけど共働きになっちゃうよね…そしたら二人っきりの時間が減っちゃうからどうしよう…ってまだアタシ達には早いよ!」

 

「えっ?何言ってんの?」

「な、何でもないよ!」

 

あっ、昨日の記憶って本物やったんだな…

ちょっといたずらでもしてみようかな

 

「昨日の記憶無いんだけど何かあった?」

「え"っ?」

 

あっ、血の気引いていってるなぁ

 

「アタシが何言ったか覚えてないかな?」

「うーん…」クビカシゲー

「あははー、覚えてないかー」

「ごめんなリサ」

 

なんか本当にごめんね。

 

「大丈夫だよ。あれ?初めてリサって呼んでくれたね?」

「そりゃあ、リサは恋人だからな」

「恋人だよね。恋人!?」

「ははは、俺と驚き方が似てるな」

「えっ、じゃあ覚えてるの?」

「まぁね、そもそも覚えてないとは言ってないけどな」

「え?嘘?」

「本当本当、リサが明らかに動揺してたり酔ったりしてる所も可愛かったよ」

「うぅ…もうお嫁に行けない…」

 

なんなら今の顔を赤らめてる姿も可愛いと思うけどな

 

「俺が貰うから安心して」

「約束だからね?」

「わかった、あ、じゃあ小指出して」

「何するの?」

「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます。指切った!」

「あ〜懐かしいねそれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数年後ー

 

「明日、とうとう結婚式だね…」

「緊張してるか?」

「ちょっと昔の事思い出しててさ」

「昔?」

「指切りげんまん覚えてる?」

「あーあったな。針千本飲まなくて良かったよ」

「あはは、そうだね」

「明日からもよろしくね、リサ」

「こっちこそ!よろしくね!」

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。
とてつもなくリアルが忙しいので次回もこのくらいになるかもです。お酒っていうかラブコメ風味が強くなって来ましたね、妄想力が欲しいです。

あとこの場を借りて評価を下さった、zhkさん、閻魔刀さん、ksgさん、ラクウスさん、カエル帽子さん、豚の丸焼き600円さん、伊咲濤さん、青りんご1357さん、ジャングル追い詰め太郎さん、アドレさん、ありがとうございます。布団の中で狂喜乱舞するくらい嬉しかったです!

あと沢山のお気に入りとしおりもありがとうございました!
いつでも評価、感想、お気に入り、誤字報告、リクエストなど受け付けております。是非よろしくお願いします。

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