もしガールズバンドのあの子がお酒を飲んだらどうなるの? 作:早宵
一般的に大学生の印象と言えば、高校などと比べると楽そうとか授業楽しそうとか思うだろう。
が、その印象はおかしいと言い切りたい。何故なら、今レポートに追われて図書館で缶詰めしてるからな! いや普通に授業は楽しく無いし課題の量だけ異常に多いし、全く楽とか言えるないんだよね。死ぬぅ…
と言うわけで今、無音に包まれた図書館にいる。俺と同じく課題に追われて死にそうな顔した人間もいて大学の壮絶さを物語ってるなと思いました(小並感)
ー数時間後ー
やっと終わったよ。そもそも一週間で2000字とか頭おかしいよな? はぁ疲れた…帰って寝よう。そう思って荷物を纏めていたら………………
「やっぱりここにいたー! 探したよー!」
そこには
「あのなぁ、色々言いたいけどまずここ図書館だからもうちょいボリューム下げような」
「わかった!」
「わかってねえだろ……とりあえず外出るぞ」
まだ勉強したりレポート書いたりパソコン使ったりしている人がいるから一旦は外に出た。
「そういやさっき探してたとか言ってたけど何か用でもあるの?」
「んーとね〜、あっ、今日君の家に行きたいなって!」
「はぁ!? 流石にそれは無理だって……」
「ぶーーーっ」
「ダメなものはダメなの」
なんか子供が駄々捏ねた時に諭す母親みたいなことを言っている気がする。お母さん、今貴方の気持ちがわかりましたよ。
「あっわかった!」
「何が?」
「エッチな本とかが散らかってるんでしょ!」
「何でそうなる…そんな物は無いから」
「それじゃあ何か見られたら困る物でもあるのー?」
「いや無いけど」
「ならいいじゃん!」
「良くねえわ、そもそも女が家に来るって時点でもアウトなの。てか氷川はアイドルだからもっとやばいんじゃないの?」
「ん〜多分大丈夫だよ!」
「嘘つけ…」
大丈夫じゃないでしょ……こんなんでアイドルとしてやっていけるのか心配になるからね、心配になりすぎて毎日胃薬が必要になるわ。
「うー、じゃあじゃあ! もし良いって言ってくれたら彩ちゃんのサインあげるよ?」
「うっ……それでもダメなものはダメだ」
「今ならツーショットも付けてあげるよ?」
「いつでも家に来ていいよむしろ待ってる」
「やったーー! じゃあ毎日行くね!」
「おう、待ってるぞ」
流石にチョロすぎるって? 考えてみ、俺の一番推してる彩ちゃんとツーショット撮れるんやぞ? 最高やん。明らかにフェアじゃない取引でも大丈夫だ。幸せだからOKです!
「本当に毎日通ってもいいのー?」
「彩ちゃんとツーショット撮れるなら別にいいよ」
「むーーなんか複雑だけどまいっか♪ それじゃレッツゴー!」
「おー」
こうして現役アイドルが普通の大学生の家に押しかける事になりました。まぁいいよ…
そう言えば紹介してなかったけど、さっきまで話していたのが氷川日菜、現役バリバリのアイドルをやっていたりする。
アイドルと言っても彼女の場合は
アイドルバンドとは言ったものの、それにかける熱量は他のメジャーなバンドにも引けを取らなかったり楽曲もアイドルらしさを出しながらも人の背中を押したり、心情を表したりと割と本格的だと思う。
一見順風満帆のアイドル生活を送っているように見えるが、ここまで来るのにとてつもない挫折があったらしい。
デビューという大事な舞台で当て振りがバレて最悪の評価から始まったり、メンバーの全員このバンドだけではなく、女優業やモデルなどもう一束のわらじを履いているためスケジュールが合わず段々とメンバー間でズレが生じていったりとアイドル業界でも類を見ないくらいの困難と挫折にぶつかって来たのだ。だが、その度に彼女らは強くなりその壁を乗り越えて今に至るって言う訳だ。
あいつも大変なんだな…「でさ! あそこで彩ちゃんがね、あれ? もしもーし?」
でも最近はテレビ番組とかでもよく見るし、本当成長したんだなって誰目線なのか知らんけど思っちゃったりするわけだね。「おーい? あれれ?」
このまま日本一のアイドルになってほしいって一ファン目線でそう思うn…「ふーーっ」
「うっわぁあぁひゃあ!? 何すんの!?」
「あっはははは! その反応るんってくるね!」
「何でこんな事したのかな?」
「だってだって! 話しかけても返してくれなかったじゃん!」
「あーごめん考え事してたわ」
「もーーー! 人の話はちゃんと聞くんだよ!」
お 前 だ け に だ け は 言 わ れ た く な い
「んで、何の話してたっけ?」
「彩ちゃんがこないだの小テストでドジやった話だよ!」
「それ以上いじってやるなよ…そういうお前はまた満点だったのか?」
「うん! 楽勝だったよ♪」
「いや俺全然楽勝じゃないから…」
「どこ間違えたの?」
「あー、確か最後の問題だったはず」
「あれか〜あれはね式をシュバってやってズバッってやったらピカーン! ってなるよ!」
「お前本当に日本人なの…?」
この一連の会話でわかったと思うが、この氷川日菜は俗に言う天才なのである。
授業を一回受ければ問題は完璧に解ける様になる。
楽器もある程度触ればプロ並みの演奏が出来る。
などなど、まさしく本物の天才なのである。だが、その才能が仇となって彼女の姉の紗夜とは上手くいっていなかったらしい。
残念な事に俺も才能は持ち合わせていないから、どれだけ何をやっても妹に追いつかれて追い抜かれて自暴自棄になる気持ちもわからなくもない。
だが最近その姉の方から妹に少しずつながら歩み寄って関係が修復していっているらしい。
これは大きな一歩だろうな「あれ? どうしたの?」
このまま上手くいってほしいn「ふーーーー」
「おぇぇぇえい!? 何!?」
「ぶーーーー」
「ごめんごめん、ぼーっとしてたわ」
「えっとさ、もしかして具合が悪いの?」
「ん? いやぼーっとしてただけだって、ごめんな」
「ちゃんと聞かないとダメだよー? まぁでもやっぱりるんってするからいいや!」
「あーありがとな氷川」
「いいよー! そう言えばね、最近出来たパンケーキ屋さんなんだけど……」
それからたわいもない様な話をぐだくだ喋っていた。氷川はアイドルで大学生らしく最近のトレンドの物をしっかりリサーチしていたのでそういった物で会話がすごく盛り上がった。
そうこうしているうちに俺の家に着いた。俺の家は学校から近いのだが、今日はいつもより何倍も早く着いた気がする。
Now Loading………
「ほら、入っていいぞ」
「お邪魔しまーす!」
本当にお邪魔されるよ…
「何か食べてくか?」
「食べる食べるー!」
「じゃあ適当に作るからそこらで寛いどいて」
「私も作るよ!」
「ありがと、じゃあ適当に野菜炒めといて」
「りょうかーい!」
一人暮らししているだけあって食材は割と揃っているし、お酒もあるからそれっぽく作るか…
一人暮らしをしていると最初の方は全く料理とか出来ない物だと思うし、実際出来なかったけども数年経つとある程度は作れるようになっててなんか感慨深いなぁ。そう考えてたら氷川から声がかかった。
「出来たよー!」
「早くね? 普段料理とかするの?」
「しないよ? ジューってやってシャッってやったら普通に出来たよ!」
「ちょっと怖いから味見するぞ」
まぁ天才って言っても? こっちはずっと一人暮らしでご飯作ってきたし? 流石にね?
氷川が作った野菜炒めを一口食べる。美味! 何これ!? 初めて食べるわこんな美味い野菜炒め。
数年の努力が一瞬の思いつきに負けるって何か、うん。紗夜さんの気持ちもわかる気がする…
「どーだった?」
「参りました…大変美味でした…」
「やったー!」
こんな感じで氷川の才能がすごい事を実感しながら適当に二人で料理を作った。氷川が手伝ってくれたおかげかいつもより何倍も早くて、美味しい物が出来た気がする。やっぱ才能ほしい(願望)
まぁそんなこんなやってたらいつの間にか出来ていたから、今から食事の時間だ。
「料理も出来たし、食べるかぁー」
「そーしよー!」
「氷川ってお酒大丈夫だっけ?」
「ん〜飲んだ事無いけど多分大丈夫だよ!」
「本当かよ…一応お酒も出しとくな」
「えへへ、なんかこうやって一対一で飲むの楽しみだったんだ!」
「なんかわかるわ〜それ」
「何か大人って感じでるんって来るよね!」
「ごめんやっぱりわかんないわ」
まぁ、何となくはわかるけどな。
「それじゃ頂きます」
「いただきまーす!」
「多分味大丈夫だと思うけどどう?」
「ん〜おいひい!」
「落ち着けよ…」
何とも美味しそうに食べてくれるから安心したわ。
「お酒も飲んでいいからな?」
「ありがとね! へ〜お酒ってこんな感じなんだね、なんか不思議!」
「あーその感覚はわかるわ」
「なんか楽しくなってきたよ〜!」
「飲むのはいいけど程々にな」
「なんで?」
「酔っぱらって変な事しかねないからな」
「まさか〜! しないよそんな事!」
そう言っていつも以上に楽しそうに腹抱えて笑っている。いつもテンションがおかしいけどそれより高いんだけど? もう絶対酔ってるよこの天災…
「そういえば紗夜さんとは最近どうなの?」
「おねーちゃん? あ! 最近一緒に弦を買いに行ったりマ○クに行ったりしたんだけどね、やっぱりおねーちゃんはるんって来るんだよ!」
「いい感じじゃん」
「後昨日ね、おねーちゃんとセッションしたよ! もうるんらるんって来たよ〜!」
え、信じられないくらいめちゃくちゃいい感じだなぁ……
あんなにギスギスしてたのにここまで仲良くなっててなんか泣きそう……
「でもよく紗夜さんがセッションしてくれたな」
「だって昨日はおねーちゃんもあたしも予定無い事は知ってたし、3日前から頼み込んだからね」
「用意周到すぎんか…てか紗夜さんの予定とか何で知ってんの?」
「リサちーとか千聖ちゃんに色々聞いておねーちゃんの予定を想像してるんだー!」
「ええ、ガチ勢すぎんか?ええ……」
才能をこんな事に使うなよ。あとプライベートを暴かれる紗夜さん涙目だぞ、やめてやれよ…
「他にもね〜先週の予定とか今何の曲を練習してるかとかも知ってるよー!」
「あのな、そこまで行くとストーカーか変質者と同じだよ……」
「あっははは! それは冗談だよ!」
本当かよ…目笑ってないぞ。後それはって怖すぎん? それはって事は他にもあるの? あれ、氷川そんな奴だっけ?
「あ、お酒無くなっちゃった」
「早っ、もう飲んだのか……」
「大将ー! もう一杯!」
「誰が大将だよ。てかまだ飲むのか?」
「飲む飲むー!」
「お前絶対酔ってるよな……ほらここ置いとくぞ」
「ありがと! ぷっはぁ〜、なんかグググってなってきたぁ〜!」
これやらかしたわ。完全に酔っ払いやん。その後は…
「彩ちゃんがあそこでね! プフッ! アッハハハハ!!」
「いや本当にね、アッハハハハ!!」
笑い上戸と化したり……
「ファイファイファイオー! ファイファイファイ! ねばーぎぶあっぷ!」
「しゅわしゅわ! どりどり〜みん「「yeah!」」
こんな感じで歌ったりした。正直楽しかった。めちゃくちゃ楽しかった。そしてその後もこのテンションは続いて……
「何かしようよ!」
まだ酔いが覚めてないのか元々の高いテンションなのか分からないがこう言ってきた。
「何かって…じゃあ○ひげ危機一髪やるか」
何で有るのかって? たまたま前泊まった友達が置いてったからな。ナイスだな。今度こいつにはジュースを奢ってやろう。
「面白そ〜!」
「負けた方は罰ゲームな」
「わかった!」
ここで俺は忘れていた。氷川日菜は天才だという事を……
「はぁはぁ…何でお前は一回も飛ばないの!?」
「るんってする所を刺してるからね!」
「才能ってすごいな…んで罰ゲームは決めてなかったっけ、はぁ…氷川決めていいよ」
さすがにこれは才能じゃないかもな、でもやっぱり氷川は何かを持ってるな。あと男に二言はないから何でもするか(するとは言っていない)。
「じゃあじゃあ! ハグしよ!」
するとは言ってないって適当に言っていたんだがもろに当たったな。びっくりしたわ。
「は? いやそれは…」
「えーできないのー?」
「それはやりたくねえよてか事務所的にアウトじゃね?」
「あたしは大丈夫だから!」
「ダメでしょ」
「ぶーーー」
「ダメな物はダメなの」
「あたし勝ったじゃん…ダメ?」
その上目遣いやめてぇええ! すっごく心に来るぅう!
「フィンランドでは挨拶ってイヴちゃんが言ってたよ? 何もやましさなんて無いよ?」
「はぁ…わかったよ。やれば良いんだな?」
「うん! るんって来るね〜!!」
来ねえよ、犯罪臭するわ。あと普通に恥ずかしい…
「いつでも良いよ!」
「はいはい」
前からするのはとてつもなく恥ずかしいから、後ろに回って所謂あすなろ抱きという物をする。
すると何という事でしょう、氷川の健康的な白い顔がみるみるうちに真っ赤になっているでしょう。
その顔を見てこっちも今どんな事をやってるか改めて理解して死ぬほど恥ずかしくなってきた…むしろ死にたい、誰か殺してくれ……
「も、もういいから///ありがとね!」
「おう。いいよ……」
「「…………」」
場が死ぬほど重い。助けてぇええぇ……
「ゲホッゴホッ」
「風邪?」
「食べ物が喉に引っかかってただけだよ」
余りにも空気が重かったから嘘ついちゃったじゃねえか。てか氷川のやつ急に黙り込んだな、どうかしたのかな?
「氷川? どうかした?」
「あのね…やっぱり何でもないよ!」
「?? 何かあるなら俺聞くよ?」
「じゃあ、一つ聞いていい?」
「いいよ」
「今日無理してあたしと飲んでくれたの?」
「は?」
何を言ってんの? どういう事? あぁ、そう言えば氷川時々具合聞いてたな。
「今日ちょくちょく体調悪そうな時があってさ、あたしが無理に誘っちゃったかなって」
「あたしって空気読めないって言われるんだけどそのせいでいつもおねーちゃんやパスパレのみんなや君に迷惑かけちゃってるよね…だったらもっと控えた方がいいのかな…?」
両目にうっすら涙を溜めて悲痛そうな面持ちでこちらを見ながらさらにこう呟いた。
「あたしは、あたしにはいつまでも他の人の気持ちなんてわかんないよ……」
多分これが氷川の本音の部分なんだろうな。お酒が入ったからたまたま出てきたけど普段は誰にも言わない部分。でもそれはいい部分だとも思うけどな。
「ご、ごめんね! 急にこんなこと言っちゃって! 忘れて!」
「俺はそうでもないと思うけどね」
「えっ?」
「お前は他人の気持ちがわからないって言うけどそれがいい所でもあるんじゃないの?」
「だって他人とか空気とか考えずに自分の考えを持って人を引っ張っていけるじゃん。現にお前はパスパレや大学でもみんなを引っ張っていってるからな。まぁ確かに迷惑な時もあるけど、それ以上に俺はお前といて楽しいからな」
「ぐすっ…本当?」
「ああ、本当だよ。だからこのままの氷川でいてくれよ」
言いきった途端に氷川は嗚咽を漏らしながら俺に抱きついてきた。
「うぅっ…ぐすっ…あたし、迷惑…!」
「お前は凄いし迷惑じゃないし悪くないよ」
「ひっく…うわぁあぁああん!」
堰き止めていたダムが決壊したかのように数分間ずっと泣き続け、それからいつもの元気な氷川に戻り、普通の飲み会に変わった。
「さっきはごめんね」
「いいよ別に。後お前は勘違いしてるぞ」
「何?」
「俺風邪なんて引いてないからな」
「なぁんだ〜そうだったんだ〜!」
「まぁそういう事だ」
ここからはまた色々騒いだりゲームしたりした。普通に元気になりすぎてしんどい。やっぱり前言撤回したい…
そしてお開きの時間を迎えようとしていた。
「もう遅いからそれ飲んだら帰れよ?」
「帰る〜〜!」
そして氷川が酒をぐいっと飲み干した。
「酒臭い……まぁいいや送ってくから準備しろよ」
「待って!」
「何?」
「本当にありがとね!」
「いいって別に」
「あのさ」
「どうした?」
え、また空気重くなったよ?
「あたしは君の事が好きです。付き合ってください」
「ええ!? 本気?」
「本気だよ!」
「まじかぁ……」
まぁ答えは出てるけどな。
「俺も好きです。こちらこそよろしくお願いします」
「本当に?」
「本当の本当だよ」
「やっったぁ〜!」
そう言って抱きついてくる。最高に可愛いかよ。
「おわっ! 何!?」
「えへへ〜大しゅき大しゅき! だぁいしゅき!」
「俺も大好きだよ」
「あたしはその倍大しゅき!」
「俺はその倍の倍だよ。あとさ」
「何〜?」
「これからもよろしくね、日菜」
「うんっ! こちらこそ!」
お酒から始まる恋愛があってもいいと思う。
用量を間違えなければいいきっかけになってくれるかも?
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
大分遅れてほんとすいません、今後これくらいのペースになります。あと駄文になってるかも…申し訳わけないです。
余談ですが上海ハニーのカバーが決まりましたね。どうなるか楽しみです笑
あとこの場を借りて評価を下さったIKUSAさん、託しのハサミさん、リュウラセンの塔さん、弱い男さん、@棗さん、竹田 いのりさん、ぼたもち@さんみらもんさん、ダディエルさん、nesutoさん、蓮零さん、銅英雄さん、ketzerさん、koukou1031さん、MinorNoviceさんありがとうございます!とても嬉しかったです!
後、沢山のお気に入りとしおり登録ありがとうこざいました!
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