もしガールズバンドのあの子がお酒を飲んだらどうなるの?   作:早宵

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テストと風邪でだいぶ遅れました。申し訳ないです。


猫大好き歌姫系な彼女

 

  いきなりだが、小中高大の中で一番きついのはどれだと思う?

 

 小学生?色々覚えてないけど多分楽しかったから除外。

 なら中学生?何となくワイワイしてたし楽しかったから除外。

 だったら高校生?友達と遠出したり行事やったやん?楽しかったやん。だから除外。

 と言う事で残るのは大学生だ。本当に楽しいけどきつい、まじできつい。

 

 そして大学生の貴方達に問いたい。貴方が大学生活で一番きついのは何?

 

 

 答えは…

 

 

 そう、徹夜明けの眠たい一限だ。まぁ二週間で5000字とか言うレポートも大概だがそれよりも徹夜明けの一限がただ板書を写すだけの一限だったらもう地獄である。こんな物は社会で悪い事した人が受けるべきだろう。そうしたら学生も寝る時間が作れるだろうし、犯罪者も退屈せずに済む。正しくwin-winだろう。だから即刻やめて(懇願)

 

 

 

 

 

 

「以上でこの講義を終わります」

 

 

「ふぁあぁ〜〜ねみぃ…もう帰りてえ…」

「あら、眠たそうな顔してるわね」

「湊はこの授業眠くなかったのか?」

「眠くなかったわ」

「でも思いっきりデコが赤いけどな」

「そ、それは…気のせいよ」

「まぁそう言うことにしとくよ」

 

 どっからどう見てもそんな寝てない時って見ればわかるよな。今の湊はまさしくそれだと思うしな。明らかにいつもより雰囲気が緩いって言うか何というかな。

 

「2限何処だっけ?」

「確か3階だった気がするわ」

「あーそうだったな」

「貴方、昨日何時に寝たの?」

「レポートやってたらいつの間にかお日様が輝いてらっしゃいましてね…」

「徹夜する事は余り良くない事ね、睡眠時間が6時間以内の人は死亡率が約2.4倍に上がるらしいわよ」

「よくそんな事知ってるな」

「このくらい一般常識よ?」

 

 なわけあるかよ。こんな豆知識を日本中の人が知ってるとかこの国はいつの間に徹夜大国になったんだよ。まあでも最近はブラックとか何とかでそうなりつつあるのかもしれないけどな。あと湊、お前人のこと言えないぞ…

 

「そうですかい。そう言えばだけど湊は金曜のレポート何について書いた?」

「れ、レポート…?」

「提出だったじゃん」

「あっ…」

「まさかお前、今の今まで忘れてたのか…」

「そんなわけないじゃない、ちゃんと覚えていたわ」

「じゃあ書いたんだな?」

「私は音楽の道に進むからいいのよ」

「開き直るなよ…てかもう日数も無いから手伝ってやろうか?」

「いいの?」

「条件があるけどな」

「……何かしら?」

 

 そんな蔑んだ目でこっちを見ないでくれよ。あと片耳にくっつけて今にも青い服の人(ポリスメン)に通報しようとしてるその携帯を下ろしてくれな。俺の人生が冤罪で終わっちゃうからな。

 

「いやちょっと待て変な事は言わねえよ。俺が言いたいのはいつでもいいから湊の歌が聴きたいって事だ」

「それくらいならいつでも良いわよ」

「良いんかよ、ほんじゃあそういう事で」

「一ついいかしら?」

「何?」

「何故私の歌が聴きたいの?」

「そりゃ湊の歌が好きだからに決まってるだろ」

「っ!ど、どうもありがとう…」

「どういたしまして???ってかもうそろ講義始まるぞ?」

「ええ、そうね」

 

 

 その後は湊がいつもよりも静かになった事で大して何もイベントは起きなかった。急にどうしたんだろうな?

 いつもなら大体猫の話題を振ってきて頬を緩めながら話してるのにな。湊は所謂クール系の美人さんなんだけど、猫の話題の時はそれが嘘みたいになっててまるで子供みたいになるんだよなぁ…まぁそのギャップでやられるよね。うん、可愛い可愛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあキリがいいのでここらで終わります」

 

 

 そんな感じのことを考えてたらいつのまにか終わっていた。それじゃあ本題の湊の課題を手伝いますかね。

 

「おーい湊、図書館行くぞー」

「わかったわ」

「レポート何もやってないの?」

「そうよ」

「何で胸を張ってそんな事言えるんだよ…」

 

 若干ドヤ顔でそんな事言われても困るんだけど…

 

「だったら適当に本借りてこい。ちゃちゃっと終わらせるぞ」

「わかったわ」

 

 大してやる事も無いので湊が本を選んでいる間に携帯でニュースを見る。

 

 “徹夜の危険性!死亡率が2.4倍まで膨れ上がる!?”

 

 いやマジなのかよ…普通にニュースになっててびっくりしたわ。絶対そこまで読んでの発言じゃないのに負けた感あるな。所詮俺は敗北者だったのか…

 

 ハァ…ハァ… 敗北者……?

 取り消せよ……!!! ハァ… 今の言葉……!!!

 

 1人で居るとなんか変な想像が捗る気がする。これ新しい説として立証しても良くない?ダメですか…

 

 その変な事を色々考えてたらいつの間にか湊がいた。

 

「借りてきたわ」

「じゃあやるか」

「何をすれば良いの?」

「多分その部分を適当にまとめて自分の意見を書けばいいと思うぞ」

「ありがとう」

「どういたしまして、まぁなんかあったら呼んでくれ」

「わかったわ」

 

 大してやる事が無いので携帯を適当に触る。だがスタミナを使い切ったし、タイムラインも流れてこない。つまり暇だ。余りにも暇なので何かちょっかいかけようかとも思ったが結構真面目に取り組んでいたのでそれはやめておいた。

 

 ぼーっとしていたら急に睡魔に襲われた。そう言えば俺今日寝てないんだったな。

 あっ、やべえ限界かもしれん。視界が…ぼやけて…

 

 

 

 

 

 

 

 

「…きて…」

「あぁ…もうちょっと…」

「起きなさい」

「んぐぁ!何すんだよ!」

「いつまでも起きる気配が無いから強硬手段に出たまでよ」

「まじでごめんなさい。そんで終わったか?」

「終わったわ」

「んじゃあ帰りますか〜」

「ちょっと待ってくれないかしら」

「何?」

「今日家に誰もいないの」

「は?」

「今日家に誰もいないの」

 

 いや聞き取れたわ。それってお前…

 

「ウッソだろお前…」

「本当よ。だから一緒に飲みに行かないかしら?」

「………行こうか」

 

 ズッコケそうになったわ。若干、本当に若干期待した俺が馬鹿でしたよ全く。

 

「どこにする?」

「駅前にできたバーとかどうかしら」

「行こうか」

 

 という訳でバーに行く事となりました。

 道中は大して何も起きなかったって言うわけではない。道中でギャルみたいな女に付けられてた気がしたからな。まぁでも気の所為だろう。気の所為だと信じたい…

 

 まぁそんなこんなあったがバーに着いた。

 入ると席を案内されて、お洒落に装飾されたメニュー表を手渡された。

 

「何飲むんだ?」

「そうね、カシスオレンジにするわ。あと適当に食べる物が欲しいわ」

「カシスオレンジいいなぁ…俺もそれにするわ。あと適当に注文するわ」

「お願いね」

 

 適当に注文する。その後、そんなに間を置かずに頼んだ物が運ばれてきた。

 

 

「んじゃあ乾杯と行くか」

「そうね、乾杯」

「乾杯」

 

 乾杯した流れでそのまま口に運ぶ。あ〜美味しい。ふと前を見たら湊がグラスとにらめっこしていた。

 

「湊、飲んでないけどどうかしたのか?」

「………いの」

「何か言ったか?」

「実はまだ一回もお酒を飲んだ事がないの…」

「じゃあ何でドヤ顔でカシスオレンジ頼んだんだよ」

「この雰囲気なんだからしょうがないじゃない」

「まぁそうだけども…普通に美味しいから飲んでみたらどうだ?」

「な、何か怖いわ…」

「いや最初はみんなそんなもんだって。それともあれか、青薔薇の歌姫様はお酒も飲めないんですか?」

 

 わざとこうして見え見えの煽りを入れてみる。

 

 

「の、飲めるわ。あまり舐めないでくれるかしら?」

「ほーんならどうぞ」

「あら、意外と美味しいわね」

「だろ?なら良いんだけどさ、湊大丈夫か?」

「何が?」

「いや顔真っ赤だぞ」

「よってないわ」

「まぁ俺が言うのも何だけどあまり無茶するなよ」

「何言ってるの?これくらい一気に飲んでも大丈夫よ」

「ちょま、一気飲みすな!」

 

 そして湊は残ってたカシスオレンジを一気に飲んだ。

 飲み終わったと思ったらグラスを置いて下を向いて動かない。

 

「おい湊?大丈夫か?」

「ふふふふふふっ」

「湊さん?」

「リサ、いつもありがとう。貴方が居なかったら今の私は居ないわ」

「俺はそのリサって人じゃないんだけど…」

「にゃーんちゃんは可愛いわね」

「いや俺猫じゃねえよ!」

「何でこんなに可愛いのかしらね」

 

 ええ…(困惑)酔うと俺は猫か他の人にでも見えるのか…あと酔うといつもより表情豊かで年相応みたいなところはあるな。かわいいな。

 

「リサには感謝してるわ。私達が崩れそうになった時も必死で間を取り持とうとしていたのは知っているわ。あといつもクッキー美味しくてこのままだと太りそうで困ってしまうわ。でも何よりも私とずっと友達で居てくれてありがとう。Roseliaのベーシストとしても期待してるわ。」

 

 そのリサって人もお前と関われて良かったと思ってるだろうな。お互い支え合ってこれからも頑張ってほしいな。

 

「良い友達を持ったな」

「本当にそうなのよ。ほら、にゃーんちゃんお手。」

「だから猫じゃねえって…」

「やっぱり猫ならサバトラが可愛いと思うわ。サバトラちゃんは白いお腹がとっても可愛いの、でもそれだけじゃなくてサバトラの正式名称はシルバーマッカレルタビーって言ってねマッカレルは鯖、タビーは縞模様って意味なんだけれどもまた縞模様が可愛くて可愛くてしょうがないのよ!他にも縞模様が可愛いのはいて…」

 

 いや急に猫の話をされても…俺は猫に興味がそんなにないから勉強になったけど、このままだと1時間くらいずっと話してそうで怖いわ。

 あと猫を話す今の湊は普段のクールさは無くて、子供みたいに目を輝かせて時々腕をブンブンさせたり表情を目まぐるしく変えたりとても可愛いと思う。惚れそう。

 

「ちゃんと聞いているの?」

「聞いてる聞いてる」

 

湊にメッされたけど、めっちゃ可愛いな。あと普段じゃこんな事絶対の絶対やらないよな。

 

「にゃらいいのだけれどもマンチカンはね、あっ」

 

 いや猫に侵食されすぎてにゃって言ってるじゃん…

 ずっと饒舌に猫の話をしていたが何かを思い出したように急に何も話さなくなった。急にどうした、もう怖いわ。

 

「湊?」

「にゃーん?」

 

 首コテンして猫の真似されても…単純に可愛いかよ。

 

「急に黙ってどうかしたのか?」

「そう言えば貴方、私の歌が聴きたいって言っていたわね」

「急だなぁ…まぁ言ったのは確かだけども」

「なら歌ってあげるわ」

「ここ店だぞ、程々にしろよ」

 

 次の瞬間、湊の歌声が響いた。絶句した。上手い、上手すぎた。

 若干騒がしかった店内から湊の声以外の音は無くなっていた。何かとても恥ずかしいな。

 でも本当に上手くてまるでコンサートに来ているような気分だった。

 

 

 

 〜〜〜〜〜♪♪♪♪

 

 

 

「どうだったかしら?」

 

 その声が掛かると掛けられていた拘束のような物が解かれて一気に騒がしくなった。周りの人達から拍手が起きたり“すげぇ!”だの、“感動した”という声が上がったりしていた。とても恥ずかしい。

 

「多分人生で五本の指に入るくらい響いたわ」

「そう、なら良かったわ」

 

 満面の笑みでそう言う。可愛い過ぎるな、惚れたわ。

 

「急に眠くなってきたわ。貴方の家に泊めてもらえないかしら?」

「はぁ…まぁいいよ。歌が素晴らしかった事に免じて許してやるよ」

「あ、りがと…」

「寝てんじゃねえかよ」

 

 しょうがないから俺の家までおんぶしていった。

 その間に背中に当たる感触を少しだけ楽しんでしまった。反省もしているし、後悔もしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら着いたぞ、起きろ」

「んぅ…あっ、にゃーんちゃん…!」

 

 そう言って猫のクッションに飛びついて行った。そしてまだ酔ってんのかよ、おいマジかよ…

 まだ大分酔ってそうだったので水を持っていく事にした。

 

 その時にいつもの癖で鼻歌を歌った。歌ったのはさっき湊が歌っていた曲だ。

 何か気分が良い時って鼻歌歌うよね、だから今の俺はとても気分が良かったんだろう。

 

「おーい湊、水持ってきたからこれ飲め」

「いただくわ」

「酔いは覚めたか?」

「しゃめたわ」

 

 嘘つけ。てかどんだけ長く酔ってるんだよ。

 

「さっき私が歌っていた歌を歌っていたわね」

「ん?あー歌ってたな」

「そう言えば私が歌ってあげたわよね?」

「課題と等価交換なんじゃ…」

「何かしらぁ?」

「何でも無いです」

「2つ、お願いがあるの」

「何?」

「私とデュエットしないかしら?」

「いいよ、やろうか。もう1つは?」

「後で言うわ」

 

 あれだけ上手い湊に合わせられるかって言う不安もあるが、何より楽しみである。言葉では表すのが難しいけども心踊るってやつだろう。

 

「じゃあ私が歌い始めるから入ってきて」

「おっけー」

 

 この曲はゆったりとした曲調で恋愛感情を持っている二人の事について歌った曲でサビがとても盛り上がったり、ラストのサビの前で色を英語でテンポよく並べていったりととても良い曲である。

 ちなみに最近動画サイトで1億再生行ったとか何とか。

 

 

 

 湊が歌い始める。安定してとても上手い。上手いとしか言えないくらい上手い。(語彙力の消失)

 

 歌い続けてサビに至る。そこで俺も入る。俺は湊ほど上手くなく、何なら普通くらいだ。

 だが、この時が楽しくて楽しくてしょうがなかった。体全体が燃えるように熱くて全身で楽しんでいるみたいな感じだ。俺も酔ってるんだろうな。

 

 湊にアイコンタクトを送ると、あいつもそう言う意味のアイコンタクトを返してくれた。やっぱり歌は良いものだな。

 

 とても楽しく歌い続けていたが最後のフレーズを残す所まで来た。

 俺と湊は笑顔で顔を合わせて、最後のフレーズを歌った。

 

「「いつまでもそばにいて」」

 

 

「中々楽しかったな」

「そうね、久しぶりにこんなデュエットをしたわ」

「いつかまた出来ると良いな」

「そうね」

「そう言えばもう1つのお願いって何なの?」

「それは…」

「それは?」

「さっきの曲の最後のフレーズ覚えているかしら?」

「いつまでもそばにいて。だろ?」

「そう言う事よ」

「わからんわ」

「それくらいは察しなさい、とどのつまり私と付き合って下さいって言う事よ」

「本気で言ってる?」

「本気よ。最近バンドの練習中に貴方の顔を思い出してしまって調子が出なかったの」

「へ〜そうなのか」

「そこで私は恋を自覚したわ」

「まじかよお前」

「答えを、聞かせてくれるかしら?」

「決まってるだろ、俺もお前のことが好きだ。

 こんな俺で良ければいつまでもそばにいて下さい。」

「良かった…振られたらどうしようかと思ったわ」

「俺も良かったわ」

 

 

 

 これまで全く知らなかった愛を知って、俺の人生は輝き出すんだろうな。良かったのはこっちもだよ。不器用な俺だとしてもどうかずっと見守っていてくれよ、友希那。

 

 

 

 

 次の日、何故か俺と友希那は風邪をひいた。

 あと何となくtwi○terを開いてみたら昨日のバーで歌っていたのが動画になっていて滅茶滅茶バズっててとてもびっくりした。

 




ここまで読んで頂きありがとうございます。
友達にこれがバレました。泣きたかったです。
あとFGOを始めてそれが面白くて書く時間を削っていきました。結構面白いですよね。

この場を借りて評価を下さった、youukkariさん、中野六花さん、ミラノさん、はつひこさん、整地の匠さん、グデ猫さん、空中楼閣さん、唐揚げ/コウレンさん、すけ〜るさん、ユウダヨーさん、紅葉さん、カラド・レライエさん、クドさん、蓮兎さん、ありがとうございました!本当に嬉しかったです!

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