「これから一年間よろしくお願いします!」
私は何度も練習したセリフを噛むこと無く言うことが出来た
「よろしく」
「よろしくお願いします」
アブラナさんとナズナさんが私に笑い掛けながら応えてくれたが秋桜団長さんは難しい表情でこちらを見たままだった、こちらを品定めするような鋭い視線で全身を舐めるように見られると身体が熱くなる
「あの…秋桜団長さん…あまり見ないで下さい…恥ずかしいです…」
恥ずかしさの余り、下腹部に血が巡りとても人前に出れない状態になってしまった
「ふむ…アブラナ、ナズナ!この変態を叩き出せ!」
突然の発言にアブラナさんとナズナさんが困惑する
「ちょっと団長!来た新人をいきなり叩き出すのは酷すぎでしょ!?」
アブラナさんが秋桜団長に食って掛かるが、それをそっと押し止める
「ここは女の花園だ、こんな女装するような変態をここに置いとく訳にはいかんだろ?」
「その花園で花騎士同士の秋桜しまくってるアンタが言うな!!」
秋桜団長とアブラナさんが言い争いを始めてしまい、呆然としていたらナズナさんに袖を引かれ、廊下へと連れてこられた
「すみません、いつもあんな感じなので…。とりあえず先に色々施設内を案内しますね!まずは宿舎に行きましょう!」
ナズナさんの案内で騎士団施設の中を巡る事となりました、本当は秋桜団長さんに案内して貰いたかったですがせっかくのナズナさんのご厚意を無下にしたくはないので彼女に付いて行きました
「こちらが団長様達の宿舎になります!」
執務室から5分ほど離れた場所に小さい宿舎が一つ、かなり大きく広い宿舎が2つ並ぶように建っていた
ナズナさんは3つの宿舎のうち、一番小さな宿舎を指差していた
「団長専用宿舎は秋桜団長様や他の団長様方しか利用しないので小さい宿舎なのですが…花騎士の皆さんの宿舎は増築を繰り返したのであんな大きさになっているんです」
大きな宿舎を見ながら何やら悲しそうな表情を浮かべ俯くナズナさん
「増築を繰り返してるうちに強度やら老朽化やらの問題が浮上してきて、お金が足りません!と言われてしまいまして…」
すると突然顔をあげ、こちらを見てくる
「その時、団長様が団長見習い制度を受け入れた騎士団への補助金に目を着けて申請したら貴方が着てくださったのです!ですから団長様のキツイ態度に負けないで頑張って下さいね!」
私の両手を掴み、力説してくるナズナさんの勢いに少し引いたが頷き返した
「よかったです、先ほどの事を気にして辞退してしまうかと心配で…改めてよろしくお願いしますね!ではこちらが女装団長様のお部屋になります!」
宿舎の外にある階段を登った二階の一番手前の部屋にナズナさんが鍵を開け、入っていく
中にはベッド、テーブルと椅子、簡易調理台などがあった
「トイレとお風呂は部屋の奥の方に有りますので!では次は食堂へ行きましょう!」
宿舎の案内を終えて、食堂へと向かうナズナさんに再び着いていく事となった
「こちらが食堂です!一応いつでも利用出来ますが、基本的に決まった時間で利用してください、決まった時間外ですと出せる料理などが大分減ってしまたり別途料金が必要になりますので」
食堂に着くと時間的に昼食の時間辺りなのか大変込み合い、我先にと厨房のカウンターに花騎士達が駆け込んでいた
「今は込み合っているので少し待ちましょうか…」
二人で端の方に立ち、流れが落ち着くのを待とうとしていると秋桜団長とアブラナさんが食堂にやって来た
秋桜団長の姿が見えた瞬間、食堂が静寂で満たされる
「花騎士諸君、本日団長見習いが着任した!この場で挨拶してもらう!さぁこっちへ」
秋桜団長が私を手招きし、隣に立つよう指示する
憧れの人の隣に立てと言われガチガチに緊張してしまう
「は、初めまして!ブロッサムヒル花騎士学校から来ました!これから一年間お世話になります!皆さん、よろしくお願いしましゅ!」
最後の最後に噛んでしまった!下げた頭を挙げるのが恥ずかしくて固まってしまう
「彼はブロッサムヒル花騎士学校から来た、女装団長だ。皆も手助けしてやってくれ、何か質問は?」
秋桜団長の問いかけに一人の花騎士が手を挙げたようだ
「団長さん!その銀髪サイドポニーの美人さんを彼と言いませんでしたか!?むさか私のセンサーが反応しないのは、本当に男の人なんですか!?」
「そうだぞリンゴちゃんよ!彼は男だ!以上!自由にしろ!」
団長さんが言い終わると同時に花騎士さん達が私の周りに集まってきて揉みくちゃにしてくる
私はいつ昼食を食べる事が出来るのかと心配するのだった
女装団長:色白銀髪サイドポニー青い瞳の女顔団長、女装趣味は姉3人によって目覚めた
昔助けてもらった秋桜団長を追いかけて団長を目指してやって来た
徐々に付け足していきます
2019/7/2表記の変更