昼過ぎ
「はぁ…ようやくご飯が食べれます…」
「ハハハ、随分揉まれたようだな!」
少し前まで花騎士達に囲まれ出身、年齢、好みのタイプ、恋人が居るか、本当に男か等様々な質問をされた
何人かもみくちゃにされてるこちらを、とても羨ましそうに見ている者も居たが気にしない方が良いだろう
「しかし悪いことをしたな、まさかあそこまで食い付きが良いとは思わなかった」
「当たり前でしょ、新しい団長見習いでしかも美少女に見える男なんて興味深い存在よ?」
私の向かいに秋桜団長とアブラナさんが座って一緒に昼食を食べている
普段は花騎士達の昼食の前に検査を兼ねて団長と副団長が昼食を食べる事になっているらしいが、今日は私が来る事になった為他の花騎士に仕事を変わって貰った為今一緒に食べているらしい
「美味いだろ?うちの食事担当は毎日花騎士達がやってるから味付けがその日の担当で変わるから飽きないんだよ」
自慢気に花騎士達の話をする秋桜団長さんは先ほどより砕けた話し方をしていて親しみが持てた
「はい、正直花騎士学校の料理と比べられない位美味しいです」
この言葉は本心だ、自分の通っていた花騎士学校は一度に大量の生徒に食事提供するために味付けはちょっと薄くなりやすかった
「食べ終わったら訓練の様子を見て回ってくれ、それが今日の仕事だ。じゃ、アブラナ後は宜しくな」
「ちょっと!自分で案内しなさいよ!そうやってサボって秋桜するつもりでしょ!」
「アブラナよ、君に任せるのは大事な仕事であり、護衛任務の訓練になるだろう!後は分かるな?」
…何を言ってるのでしょうか…そんな言葉で説得される人が居るわけ…
「…訓練、そうね…分かったわ。確かにお昼の状況考えれば護衛訓練になるわね」
何故説得されてしまうんですか!?アブラナさん反応に驚いていると秋桜団長が食べ終わり席を立ちました
「そうゆう事で!私は執務室で仕事しているから何か有ったら来なさい…予定より時間食ってしまったな…アイリスを困らせないよう早く戻らねば」
呟きながら食器を片付けて食堂を出ていく秋桜団長さんを二人で見送り、私達も食事を食べ終わるまで無言で食べ続けました
「じゃあ訓練所に行きましょ」
アブラナさんに連れられ訓練所へ歩いていく
「訓練って言っても午前は基礎訓練、午後は各班に分かれて連係訓練が基本ね」
訓練所を歩きながら訓練内容を説明するアブラナさん
「副団長の日は別メニューを後からやったりするわ、まぁ事務仕事が忙しすぎてやれない事も多いけどね」
歩きながら説明を受けていると一人の花騎士が手合わせを申し込んできた
「あたしに挑むわけ?勝ったら女装団長を好きにする?良いわ、受けて立つわ!」
花騎士との手合わせの為に護衛役が離れるのはどうかと思ってしまう
「こんにちは新人さん」
後ろから声を掛けられ、警戒しながら振り向くとピンクのツインテールが目に入った
「そんなに警戒しないでくださいよ~、アブラナちゃんの代わりに護衛役を引き受けに来ただけなんですから~!あ、あたしイチゴでぇす!」
フリフリのスカートに鎧を身につけた花騎士、イチゴが話しかけてきた
「ええと、イチゴさんですね。女装団長です、よろしくお願いします。あの…アブラナさんは勝てるんですか?」
実力を知らないのでアブラナさんが勝てるのか正直不安である
「大丈夫ですよ~、だってアブラナちゃんは…」
突然歓声が上がり、振り向くと倒れた花騎士にアブラナが模擬戦用の木剣を突き付けていた
「うちの強さトップ5の一人なんですぅ!」
私は正直アブラナさんを甘く見ていた…そんな自分を恥じた
「さぁどんどん掛かってきなさい!」
やる気満々なアブラナさんに次々と挑戦者が現れ、そして倒していく
私も手合わせして貰ったが手も足も出ずに負けてしまった
その後も花騎士達の訓練に参加しながら時は過ぎていくのだった
作中でアブラナがトップ5なのは昇華+フルアンプルゥ+フルセンティ+好感度・咲MAXな状態だからです
これは私の花騎士のデータと同じステータスと設定しています
上アンプルゥは…これから入れる予定です…
2019/7/2表記の変更
アブラナに上アンプルゥ入れてパーフェクトアブラナになりました