『富・名声・力、この世のすべてを手に入れた男、海賊王・ゴールドロジャー。彼の死に際に放った一言は人々を海に駆り立てた。
「俺の財宝か? 欲しけりゃくれてやる。探せ! この世の全てをそこに置いてきた!」
男達はグランドラインを目指し夢を追いつづける。世はまさに大海賊時代!』
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-?サイド-
「…よし。しばらく自由時間だよい。集合時間までには戻ってこい、遅れたら罰則な。」
「「「了解!!」」」
俺たちは縄張りの中の一角で休憩に入る。
物資や燃料の補充。食料の確保。船のメンテナンス。
やることは沢山あるけど、人が多いから暇な人も沢山出る。
俺もその1人だ
「サッチ〜、暇だったら一緒に散歩しない?」
「ん?おぉ、いいぜ。マルコ!俺たちちょっくら森の方に行ってくるな!」
「わかったよい。時間までには戻ってこいよ」
サッチとともに森の方へと散策に出かける。なにか見つかるかなー?と、いってもここいらはナワバリの範囲だし何か変化があったらすぐ気付くか…
気づかないうちに荒らされてるってことがあっても嫌だな。
散歩っていうより見回りかな?
オヤジのためなら頑張るけどね!
けど、なんか物足りない。なんだろうな〜
知らず知らずのうちにため息がでる
「ふーーーっ」
「おいおい。なんだ?そんな盛大なため息ついて」
「あれ?声に出てた?うーん、なんて言ったらいいのかなぁ…。何か物足りないんだよ。なんか面白いことないかなーって」
いや、航海は楽しいんだけどね?!
「はははっ!まだまだ子どもだな、ハルタ!」
「うるさい!」
カラカラと笑うサッチを置いてスタスタと1人で先に行く
「おいおい。そんな怒るなって!茶化しただけだろ?」
「怒ってない」
「怒ってるだろ」
なんかお見通しでムカつく。
まぁ、それも楽しいんだけど
「…ん?」
ふとサッチが足を止め、何かに気づいたかのように声をあげた
「どうしたの?」
「なぁハルタ。もし捨て子を見つけたらお前はどうする?」
「捨て子?うーん、そうだなぁ。拾ってあげたいけど…俺たち海賊だし、どこか送るにしても独断じゃうごけないから……って、いきなり何?」
「いや……あれ。」
サッチが指をさした先を見るとダンボール箱が置かれていてその中から子どもの泣き声がしていた。
-サイドエンド-
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あの自称天使、本当に覚えてろよ
転生はいいけどなんで赤子からだよ!というか、生まれた瞬間に捨てられるって何!?何にもできないじゃん!!これ完全に孤児状態でしょ!箱に入れられて放置とか悲しすぎかよ!!育児放棄状態か!これこのまま餓死して死ぬんじゃないの?!
なにがしたかったんだよ、あの自称天使野郎!殴る!絶対ぶん殴る!!
「ふえぇぇん!!」
色々文句をぶつけてみるが泣き声しか出ない
まぁ当たり前か…これで喋れてもアウトだな
詰んだよ。詰みだよ、詰み
苦しいのは嫌だなぁ…。死ぬなら安楽死がいい
「うーん。どうしよう、サッチ」
「どうしような。」
ほんと、どうしようだよ!
どうもできないけど……って、えっ!?
今、人の声した?!
「う?」
声の主を確かめるために一旦落ち着くと目の前に絵本の中の王子様の様な格好の華やかなお兄さんとリーゼントヘアーが特徴的なお兄さんが腰をかがめてわたしを覗き込んでいた。
「あっ、泣き止んだね。……って、わぁ……」
「これは…」
2人はわたしと目が合うと顔を歪める。
人の顔見てあからさまに顔歪めるの酷くない?!そんなブサイクだった!?ごめんね!!?泣くよ!?泣くことしかできないこの体で盛大に泣くよ!!?
「完全に捨て子だな。可哀想に」
「すっごい…綺麗」
違った。ブサイクだから顔歪めた訳じゃなかった。
捨て子を見つけて憐れみと同情から顔を歪めたみたいだ。
こんな状態じゃわたしなにもできないなぁ。
この人たちどうにかしてくれるかな?
「…見つけちまったもんはしょうがねぇよなぁ…。放っておくのもバツが悪いし、連れて帰るか」
「そうだね。俺たち海賊だから乗せることはできないだろうけど」
か、か、か、海賊ぅ?!?!
海賊に見つかっちゃった!?わたし!!
どどどどうしよう!!
売り飛ばされる?!それとも殺される!!?
痛いのは嫌なので殺すなら一思いにお願いします!!
「あうー!」
「ん?どうした?よしよし」
リーゼントヘアーのお兄さんが微笑んで優しく撫でてくる。
何この人、見かけによらずイケメン。って、じゃなくて!!
「よいしょっと。あ、軽い。」
王子様的な格好をしたお兄さんがわたしを持ち上げて呟く
赤ん坊の状態から重くてたまるか
って、まってぇぇえ!!連れてかないでぇえぇ!!
「うええぇ!」
わたしを抱いたまま歩き出す彼らに思わず叫ぶと「よしよし」とあやす様に軽く揺らす。
「大丈夫、怖くないよ!」
ニコッと笑いかける王子服
海賊と聞いて怖くないわけないでしょう!?!?
必死の抵抗も虚しく海賊船へと連行されました
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-サッチサイド-
ハルタと森へ散歩に行くと森の奥で子どもを見つけた。
子どもってより赤子だな。生まれてどのくらいだろう?1年は経ってなさそうだが……なんせ子育てしたことなんてないから正直わからん
箱を覗き込むと、俺たちに気づき赤子は泣き止んだ。
…まさか人が認識できるのか?こんな小さな子が…
目が合うと俺は驚きを隠せなかった。
「完全に捨て子だな…」
俺は無意識にそう呟いていた
溶かした氷をそのまま映したかのような透き通る白銀の髪に、右が月のように輝く黄金、左が青空のような鮮やかな水色の目をしている。
なんとも珍しいオッドアイか…。
その綺麗な瞳でこちらをじーっと見つめてきた
「すっごい…綺麗」
ハルタがつぶやく。うん、その意見には同意見だ
このままここに放置しといても野垂れ死ぬか、猛獣に襲われるかだな。それもそれで可哀想だ。
見つけといて放置しておくのもバツが悪い
………連れてくか。
マルコあたりにどやされそうだなぁ…
-サイドエンド-
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どうしようどうしようどうしようどうしよう
海賊に拾われるとかいろいろ危険すぎてこわい
さらばわたしの短かい第2の人生…。3度目は無いことを大いに期待します。
「うぅー…」
何を伝えようにも呻き声にしかならない
くそぅ…意思疎通がしたい
「どうしたの?お腹すいた?もうすぐ船に着くから待っててね」
優しく声をかけてくる王子服
その優しさはありがたいけどそうじゃない
「マルコーー!」
リーゼントヘアーがそう言って手を振る
その先にはバナナップル…もとい、南国果実みたいな頭をした男の人がいた
「サッチ、ハルタ。どうしたんだよい?まだ時間は…………なんだよい、そのガキ」
わたしを見るなり顔を顰めるパイナップルさん。
ごもっともな反応ありがとうございます!この人が船長さんかな?!そうだといいな!
「拾った!」
ちょっ!!合ってるけど!拾われましたけど!!簡潔すぎない?!
もう少し説明してあげよ??
そしてパイナップルさん、眉間のシワ消してください!こわいです!
「拾っただァ??ガキの面倒見てる暇なんてねぇだろい。置いてこい」
放置プレイですかそうですか。
まぁ、またあそこに置いてかれたら今度こそ野垂れ死ぬだろうね
あんな森の奥に人が来るなんて奇跡そう起きないでしょ
「えっ!?酷くない?!こんなに小さい子ども森に放置しろって!?」
「わーー、マルコ、鬼だ!鬼の所業だ!!」
リーゼントヘアーさん、あなたこの状況楽しんでませんか?
「うるせぇよい!じゃぁ何か!?このガキの面倒見ながら航海しろってか!?」
ビクッ!!
いきなりの大声に体が反応する
精神は体に引きずられるっていいますもんね!
泣いてやろうかな!
「う…ふぇ…」
泣き出しそうになるとわたしを抱っこしている王子服の人があやしだした
「あ、よしよし。泣かないでー。この人こう見えていい人なんだよ!マルコ、こんな小さな子泣かせちゃダメでしょ」
「俺のせいかよい?!」
「やーい。マルコが子ども泣かせたー!」
挑発好きか、この人!
仲間じゃないの?!ふざけてるの?!
「サッチ!!殺す!」
南国果実頭の人が拳を握りしめるとリーゼントヘアーさんに殴りかかる
それをリーゼントヘアーさんは後ろに軽く飛んで躱す。
「よけんなよい!」
「避けなかったら痛いだろ!!」
「当たり前だよい!」
「理不尽!」
早い!!この人たち動きが早いし言ってる事が滅茶苦茶すぎる!!
「船に乗せるなんて言ってねぇだろ!?どっかの孤児院にでも預けようかなと思って連れてきたんだよ!森に放置じゃ可哀想だろ!」
「俺たちはボランティアじゃねぇんだ!んな悠長なことやってる暇ないよい!」
「森の奥で箱の中に入れられて捨てられてたんだぞ!?それを見つけといて放置しとけって!?悪魔か、お前は!」
「それは可哀想だと思うがどうしろってんだよい!大体、どこかに預けるにせよ、その間は俺らが世話しなきゃいけねぇだろ?!赤ん坊の面倒の見方とかしらねぇよい!」
だんだんとヒートアップしていく2人の喧嘩
何これこわいよ〜
こんなとこに少しでも世話になるの?恐怖で死ねる自信がある
パァン!
「「「!!!!????」」」
じゅ、銃声?!
喧嘩してる2人の背後から和服の似合う男の人が歩いてきた
さっきの銃声はこの人が撃ったらしい。
上空に向けて1発撃ち未だ煙の出ている銃を体の前に構え、こっちに歩いてくる。
「お前ら……何喧嘩してんだ?うるさいぞ」
「「イゾウ!!」」
「聞いてくれよ、イゾウ!
「誰が南国果実だ、
「捨て子?ガキ?」
パイナップルさんの後半の言葉を華麗にスルーして話を促す。
この人凄い
「この子!可愛いでしょ?森の奥でサッチが見つけたんだ。森の中にこんな小さな子が1人って危ないでしょ?だから放っておけなくてさ…」
王子服がそんな風にわたしを紹介する
すっっごいいい人!えっ?!海賊だよね?海賊って言ってましたよね!!?
和服の人がわたしを見ると目を見開いた後、興味深そうに細めた。
「ほぉ…こりゃあ、珍しい容姿をしてるな。オッドアイなんて初めてみたぜ。それにこの状況下で、泣きもしないか…。肝の座った奴だな」
「な?な?こんな子ども放置ってひでぇよな!?」
いや、あなた挑発の方が酷いです。
パイナップルさんの苦労がわかる気がする。わかりたくないけど
「とりあえずオヤジに相談くらいしたらどうだ?どこかに送るにしろ一言言っておくべきだろう。それで無理だと言われたら別の方法を考えればいい。いつまでもここで喧嘩してても何も変わらないぞ?」
「………それもそうかよい」
オヤジって…船長さんは別にいましたかそうですか
すごくいい人そうなんだけど、めちゃくちゃ怖い!!
みんな個性が強すぎるんだけど!!海賊だから!?
果実ヘアーにリーゼントヘアーって何!髪型にこだわり持ちすぎでしょ!?
怖すぎる!なんとかして逃げださなければ……!
頑張ってシリアスぶち壊します!