家族の為ならどこまでも   作:実茶

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番外編 鬼畜×鬼畜

半年間の野外学習が始まった。

覇気をレベルアップさせる為に獰猛な虎かライオンかよくわからない生物との1対1の戦いです。

意味わからん!わたしに死ねと!?ハルタさんとサッチさんはマルコさんになるべく手を出さないように、と言われてるらしい

いや、助けて?!これは軽く10回は死ねるよ?!

 

「グオオッ!!」

 

虎もどきが前脚で引っかこうとしてきた

ひっかく?違うな、切り裂くだ

あの爪あたったら痛いじゃ済まないだろうな…

 

ドゴオォオオン!

 

ひょいっと避けるとさっきまでわたしがいたところには大きなクレーターができていた。

…うん、あたったら確実に死ぬな

シャンクスさん鬼畜すぎかよ!こんなのぶっつけ本番でやれって馬鹿なんじゃないの?!

落ち着け、わたし!焦ったら負けだ

 

「まだ目に頼ってるな!目隠ししてやろうか?」

 

なんか言ってる。ちょっと黙っとけ鬼畜野郎

…目を瞑って集中する。

 

『何故力を欲する、娘』

 

シャベッタアァ?!

って、ふざけてる場合じゃない!えっ!?今、この虎が言った?!

 

『幼き内に何故力を欲す、巨大な力は身を滅ぼすぞ』

 

これ、どう伝えればいいんだ?ふつうに喋ればいいのか?

 

「まもる、ため。わたしは、わたしのまもりたいものをまもるためにつよくなる!」

 

そういうと、虎が咆哮しわたしは飛ばされた。

なんとか木に捕まり、木の枝を一本折って虎に立ち向かう

 

『なら、我を超えてみろ!』

 

「グオォオォォ!!」

 

ーーーわかる

虎は次にわたしを前脚で踏みつぶそうとする。なら前脚よりも後ろに入って虎の脚が地面についた時……後ろから前へ、振り抜く!!

 

バキイィッ!!

 

・・・・なんかすごい音したけど大丈夫かな?

 

『骨が折れたか。娘、そなたの勝ちだ。』

 

「えっ!?とらさんほねいっちゃった?!いたいのとんでけする?」

 

骨折れたのになんでそんな冷静なの、虎さん…

 

「…物凄い音がしたが……お前の持ってる棒切れが無事な件についてまず聞いていいか?」

「…その前にさ、ニアが虎と会話してることに驚こうよ、赤髪」

「ニアについてツッコミを入れ始めるとキリがないぞ?」

 

噛み合ってるようで噛み合ってない!

 

「まずとらさんのしんぱいしてあげて?!」

 

だって、骨ですよ?骨!!

痛いでしょ、骨折れたら!!

えっと、赤髪さんにバレないようにこっそり…

 

『…痛みが…消えた?面白い娘だ』

「とらさん、わたしとわぼくしてくれる?」

『フッ…いいだろう』

 

虎さんがどこかに去っていった。

え、和睦するのにどっかいっちゃうの?…ま、いっか

さてさて、修行再開っと

 

「お前、ほんとになんなんだ!!あの虎と和睦って!!なんでできた?!逆に!」

「できたからできるんだよ!ほら、シャンクスさん!つづき!」

「ほんと、調子狂うな!お前!ったく…天才かよこいつは…見聞色を切らすなよ?」

 

そう言うとシャンクスさんが斬りかかってきた。

あっぶな!!いきなりかよ!!お前ほんと殺す気か?!

 

「わわっ!!」

「なかなか素早いじゃないか!だが避けてばかりじゃ俺は倒せんぞ?」

「たおす?!よんこうたおせるなんてばかなことおもうわけないじゃん!!ばかなの?!シャンクスさん!」

「喋る余裕はあるみたいだな。よしっ!ペースアップだ!」

「たのしそうにいじめるな!きちくやろう!!」

 

憎まれ口を叩くとシャンクスさんが笑顔で剣を振る速度を上げた。

命からがら必死になって避ける。

ハルタさん!サッチさん!ヘルプ!!これは止めていいよ!!止めて下さい!

 

「赤髪の奴…。殺していいか?」

「うん、殺そう。」

 

刀を取り出して言うお兄ちゃんズ。

えっ!?殺るの?!助けてほしいとは思ったけどまさかの殺しちゃう感じ!?物理すぎる!!

うちのお兄ちゃん過激!!

 

「………珍しいことがあるものだな。これはどう言う状況だ?」

 

ピタッ!!!

聞き覚えのない声に全員の動きが止まった。

一斉に声のした方に顔を向け、わたし以外が叫んだ

 

「「「鷹の目!?!?」」」

 

たかのめ?なにその物騒な2つ名。

あ、目が合っ…ぎゃぁっ!!

ズドオオオッ!

 

「!?!?」

 

目が合った瞬間に斬撃を飛ばされた。いきなりだったが紙一重でかわした。あっぶな!!

えっ!?斬撃って飛ぶの!?どうなってんの!!?

というか出会い頭に刀振るうってなに?!わたしあなたに何かした??!

 

「ほぉ…。これを躱すか。ならこれはどうだ?幼き者よ」

 

そう言って連続で斬撃を飛ばしてくる。

ちょっ!まって!!まてまてまて!!死ぬって!!

 

「わっ!!わわっ!!」

 

ゾクッ!

何?!なんかヤバイのきそう!!

直感的にわたしはかがんだ。

 

スッパアアァン!!

 

その一撃は周りに生い茂ってる木を見事に伐採した。

何?!こわいんだけど!!あんなの喰らったら頭と体がサヨナラする!!

 

「し、しんりんはかい…!」

 

「「「そこじゃない!!」」」

 

鋭いツッコミをいただいた…

その後も鷹の目さんの猛攻は続く。薄皮一枚で避けるのが精一杯だ。

躱しきれるか、こんなの!

 

「なんなのこのひと!わたしなにかした!?シャンクスさん!しりあいならとめて!」

 

叫ぶとシャンクスは覚醒したみたいで鷹の目さんに声をかける。

今確実にボーッとしてだだろ、この野郎

 

「た、鷹の目、なんでここに?」

 

シャンクスさんが声をかけると鷹の目さんは攻撃を止め、刀をしまった。

ふうっ、助かった……

 

「はぁ…はぁ………。しぬかと、おもった……」

 

「なんだ?これは。赤髪を探してきてみれば子どもと交戦している。とりあえず一撃やれば見事に躱すじゃないか。」

 

とりあえず一撃って何?!貴方にとって一撃お見舞いするのは挨拶なの?!しかもこれ呼ばわり!?いいけどさ!

 

「訳あって詳しくは話せないんだ、許せ鷹の目。ただ、今はこいつの覇気の向上の為に修行させてる。」

 

「ほぉ…。面白そうだ、俺も手伝おう。」

 

「「「「は?」」」」

 

「実践あるのみだ。小一時間ほど暇つぶしに付き合ってもらおう。何、殺しはせん」

 

ゾワッ

やばい!わたしの脳が警報を鳴らしてる!!逃げろと言ってる!!

 

「ちょとまて!鷹のm「我が黒刀から逃げ切ってみろ」…すまん、頑張れ!ニア」

 

裏切りやがった!!禿げろ!シャンクス!!

 

「わあぁっ!!」

 

その日は鷹の目さんとの無限追跡鬼ごっこを永遠と行った…。

小一時間って言ったのに!!嘘つきーー!

 

***********

 

あれから鷹の目さんがちょこちょこと顔を出すようになった。

あまりにも追いかけてくるから思わず腰のホルダーからクナイを取り出し受け流す。

………腕が痺れる!!無理だ!この人の剣は受けるべきじゃない!!やっぱりかわそう!

 

「よく今の流したな。」

「さすがニアだね。けど、そろそろ止めていいかな?」

「それじゃ修行にならん。もう少し我慢しろシスコン。…つか、あいつクナイ持ってるなら初めから使えよ…」

 

「にぃちゃ!たすけてーー!!」

「余所見か?」

「わあぁっ!!ばかーー!」

 

相変わらずの鬼畜な猛攻に叫びながらも応戦する。

と、急に鷹の目さんの動きが止まった。

 

「ふむ…。名前はなんという、強き者よ」

 

強き者?!あなたにとっての強いって何!!

わたしあなたの攻撃避けるので精一杯ですけど!けど、かわしきれないからいつもボロボロですよ?!

 

「……ニア」

「ニア、か。俺はジュラキュール・ミホーク。鷹の目とも呼ばれてる。こだわりはない、好きに呼べ」

 

ミホークさん……。自己紹介はいいけど、そろそろ休憩したい。2時間も3時間も鬼ごっこする体力なんてないよ…

 

「赤髪」

「ん?」

「…ニアを追い込むぞ」

「ん」

 

はい?!シャンクスさんとミホークさんが2人がかりで来るってこと?!ばかなの?!しぬの!?いっそ殺せ!!

 

「なんで!?」

「…敵が必ずしも1人で来るとは限らない。多対一の戦い方も覚えておくべきだ。お前は目立つ。身を守ることを優先して考えろ」

 

心配してくれたのか。

……だとしても、

 

「じつりょくさをかんがえろ、きちくども!!」

 

薄笑いを浮かべながら攻撃してくる2人に対して「禿げてしまえ!」と、思ったわたしは悪くないだろう

 

***********

 

-鷹の目サイド-

 

最近赤髪を見なくなったと思い探してみれば、赤髪が小さな子どもと交戦していた。その子は綺麗な銀色の髪にオッドアイの目をしていてとても目立つ容姿だった

目が合ったからなんとなく一撃入れるとギリギリでかわした。

…ほぉ?面白い。いい暇つぶしになりそうだ

二撃、三撃と続けて放つと驚きながらも必死に躱した。

…可愛いな。そんなに可愛いといじめたくなるじゃないか

赤髪も同じことを思ったのか俺を止めはしなかった。

 

「なんなのこのひと!シャンクスさん、しりあいならとめて!」

 

一生懸命俺の斬撃をかわしながら必死に赤髪にお願いをする。

もう少しいじめたかったが…まぁいい。

俺が攻撃を止めると子どもは乱れた呼吸を整えながら喋る

 

「はぁ…はぁ…。しぬかと、おもった」

 

そりゃそうだ。

寧ろよくあそこまで避けたな。何発か擦りはしたみたいだが、ヒットしたものはない。…とんだ伏兵がいたものだ。

赤髪に聞くと詳しくは話せないが訳あって半年間覇気の向上の為修行させてるそう。…白ひげのところの隊長がいるからきっとそっちに関係があるのだろう。……まぁいい。なんにせよ面白そうだ

 

「俺も手伝おう」

 

…気がついたらそう言っていた。ふむ、最近暇だったのだろうか

だが、こいつを育てるのは楽しそうだ。

腕がなる。

それから暇な時は顔を出すようにした。…海軍で行われる定期会議ではこいつの話は一切ない。こんな目立つのが白ひげのとこにいたら少なからず騒ぎになるだろう。なのに話を聞かないということはこいつは意図的に隠されてるということになる。まぁ、詳しく聞く気はないし聞こうとも思わない。ただこいつはこの先、力がなければ生きて行けないだろう。俺がきた時には赤髪の攻撃をかわせていたから白ひげ達も相当な修行をつませていると思う。

フッ…。俺と赤髪と白ひげが教えてるということか。

………………よく生きてるな。

 

「名はなんという?強き者よ」

 

そういうと怪訝な顔をされた。強き者の意味がわからないのか、それとも俺より強くないのに強き者といわれたからか。

…こいつは自分の力を過小評価しすぎなんじゃないか?普通に考えて俺や赤髪の攻撃をここまでかわせるのなら下手すれば見聞色は隊長達より上だぞ?

 

「……ニア」

 

ニア………フッ、「光」か。

こいつのこの綺麗な目から光が無くなることが無いことを願おう。

 

「赤髪、ニアを追い込むぞ」

 

そういうとニアは「何言ってんだこいつ!!」と言いたげな顔をしたが気にしない。

赤髪もニヤリと笑い剣を抜いた。

多対一の実戦。俺と赤髪だ、不足はないだろ?

 

「じつりょくさをかんがえろ、きちくども!!」

 

そう言いながらも必死に逃げるニア。

だからそんなに可愛いともっといじめてやりたくなるぞ

さて、俺たちから逃げ切ってみろ!

 

-サイドエンド-

 

***********

 

「ほらほら!動きが鈍くなってるぞ?もう限界か?」

 

シャンクスさんが笑いながらいう。

ドS大魔王め、何時間やってると思ってるんだ!こちとらお前らと違って体力馬鹿じゃないんだよ!!

 

「その程度では自分の身すら守れないぞ、ニア」

 

………わかってるよ、弱いことくらい!!

だから強くなるんだよ!こいつっ!ふざけんな!!

わたしはミホークさんが突いてきた剣に沿うようにして体を回転させながら懐に入った。

まさか攻めに出るとは思わなかったのか彼は一瞬身を引いた。

…その隙を逃すものか。腰につけてるホルダーからまたクナイを取り出しミホークさんの首目掛けて振り上げた。

 

「!!」

 

ミホークさんは驚いて、空いてる方の肘でわたしの鳩尾に1発いれると、簡単に飛ばされて木に全身を打ち付けられた。

そのまま地面へと落ちたが痛覚を拒絶してる今、痛みなんて感じない。すぐに立ち上がり頭から流れる血を拭いながらミホークさんを睨みつけた。

 

「だからつよくなるんだ。まもられてばかりはいやだから」

 

それは心からの想い。強い"決意"

 

「…すまない。少々意地が悪かったな。許せ、ニア」

 

一旦休憩にしよう。と、シャンクスさんがいうとハルタさんとサッチさんが血相を変えてこっちに走ってきた。

心配症だなぁ、ほんと

 

***********

 

-シャンクスサイド-

 

「その程度では自分の身すら守れないぞ」

 

鷹の目がそうニアを挑発した。

すると彼女の目つきが変わり、器用に鷹の目の懐に入り込んで腰につけてるホルダーからクナイを取り出し鷹の目の首目掛けて振り上げた。

鷹の目ならかわせると思ったのか、本気で殺す気だったのか躊躇なく頸動脈を狙った。

鷹の目は驚き、肘でニアを突き飛ばした。

…見事に鳩尾に入ったな。あれかなり痛いだろ

木に打ち付けられ地面に倒れる…が、すぐに立ち上がった。

……なんで立てる?!完璧な一撃だったぞ?!

ゾクッ…

立ち上がって鷹の目を睨むニアの目は無機質な人形のように冷たく光っていて、俺は恐怖を覚えた。

 

「だからつよくなるんだ。まもられてばかりはいやだから」

 

俺と同じようにニアの目つきに何か思ったのか鷹の目は一言謝る。

俺は「休憩にしよう」と一旦切り上げ鷹の目に話しかける

 

「懐に入られるとはすごい油断だな、鷹の目」

「あぁ。」

「なんだ?どうかしたのか?」

 

隊長たちと楽しそうに話してるニアを見ながら複雑な顔をしてる鷹の目に「らしくないぞ?」と声をかけた。

 

「あいつは何だ?一瞬あれの殺気に当てられた」

「お前がか?…さぁな。俺もよくは知らん」

「まだ爪を隠してるのか…。」

「いや、単に気づいてないだけだろ。白ひげ達が過保護すぎて自分の秘めた力を知らないだけだと思うぜ」

「なるほどな。なら起こしてみるか。」

「は?」

 

あ、俺、余計なこと言ったかも。

すまん、ニア!

 

「ニア、休憩は終わりだ。再開するぞ」

「はやくない?!わたしあなたたちとちがってまだそんなにたいりょくな……うわわっ!いきなり?!」

 

ニアが喋ってる最中に斬りかかる鷹の目。

俺の出番があまりない気がするがまぁいいか。覇気もそうだが、動体視力もかなり鍛えられそうだな、ありゃ

よし、俺も参戦するか。

なんたって、必死に逃げてるニアも可愛いことに気づいてしまったからついいじめたくなる。鷹の目もきっとそうだろう

 

「わあぁっ!ふたりしてえがおでけんふりまわすなー!」

 

可愛いお前が悪いんだ。さて、頑張って避けろよ?

 

-サイドエンド-

 

***********

 

そんなこんなで生死をかけた半年間を過ごしたニアはシャンクスとミホークを密かに呪うのだった。

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