鬼畜な修行から帰ってきました!
船に着くと真っ先にお出迎えしてくれたのが言うまでもなくマルコさん
「帰ったかよい。……………赤髪の奴、殺してきていいか?」
わたしの姿を見るなりそう言った。
シスコン極めてるな、マルコさん。
「いいぞ、殺してきてくれ」
「いいよ、ちょっと再起不能にしてきて」
ちょっ!ハルタさんにサッチさんまで!!
いや、あなたたちも修行中何度かシャンクスさんに剣向けてましたけど!
再起不能って何!?そんなに我慢してたの!?
「…おいおい、何があったんだ。そんな簡単に喧嘩を売るな」
オヤジさんはまともでよかった。とりあえず、疲れたな…
今も痛覚は拒絶させてる。今力を解いたら絶対倒れる自信がある。
そうなったらイゾウさんに縛り付けられる…!いや、でも今回はわたし悪くないよ??あんなに楽しそうにいじめてくるあの2人が悪いんだよ!
「それはともかくとして、ニア。お前、痛覚の拒絶はあれほどするなって言ったよな?」
…げっ、バレてる?!
オヤジさん実はエスパー!?
「それ!俺らも言ったんだけど『そんなことしたらうごけなくなる!』って聞かなかったんだよ」
「……………縛るか。」
「縛ろう。」
酷い!わたし悪くないよ?!シャンクスさんとミホークさんが容赦なくいじめてくるから!
マルコさんとイゾウさんがゴソゴソなにか用意してると思ったらロープを取り出していた。
…って、本当に縛るの!?
「そんなえがおでロープよういしないでよー!」
修行帰りということもあり、四六時中追いかけ回されたトラウマが蘇り思わず船内へと走る。だが、隊長たちは素直に行かせてくれるわけも無く、四方八方から捕まえにくる。
「あっ!逃げた!捕まえろよい!」
「うわっ!早っ!!」
「どんなけ鬼畜な修行させたら半年でこんな成長するんだ?!」
逃げ回るわたしを追いかけるマルコさん、イゾウさん、ビスタさん。
それを見て呆れるハルタさんとサッチさん。
「俺らが見てても結構鬼畜だったよ。なんど赤髪を殺そうと思ったか」
「ついでに鷹の目もな。2人してニアを追いかけるもんだからマジで可愛そうだったぜ」
「「「鷹の目!?!?」」」
「あぁ、途中で来てな…成り行きで鷹の目もニアに稽古をつけてったんだよ。」
逃げ回ってると不意に体が持ち上がった。
「ふふっ。元気そうだねニア。おかえり」
「イオンにぃちゃ!?」
わたしを抱き上げて優しい笑顔で言った
全然気づかなかった!やっぱイオンさんの能力すごい!
「ニアがいなかった半年間、みんな寂しそうにしてたんだ。逃げたら可哀想だよ?」
「イオン!余計なこと言うなよい!」
「照れ屋さんですね、マルコ隊長。あぁ、でもニア?まずは体を休めようね。自分に嘘をつくのはよくないよ?側にいてあげるから……おやすみ?」
イオンさん優しい!この優しさ、修行中に欲しかった!!
わたしは自分にかけた異能を解く。すると全身に痺れるような激痛が走った
…あぁー、うん。多用するのもじゃないなこれ
反動が半端ない。下手したら本当に死ぬかも…あ、意識飛びそう…
そのままわたしは眠りについた。
***********
ーマルコサイドー
修行を終えたニアが帰ってきた。…こいつがいない間なんつーか…すげぇ静かだった気がする。
サッチとハルタが赤ん坊のニアを連れてきた時、俺は船に乗せるのを反対した。けど、今となってはどうだ。今更降ろすなんて考えられねぇよい。半年、ニアのあの無邪気な笑顔が見れないだけですごい寂しく思った。
はぁ……。なんてったってこんなに振り回してくれるんだこいつは…。
「帰ったかよい。………………赤髪の奴、殺してきていいか?」
ニアを一目みて思わずそう言ってしまった。
多少の無茶なら今回は目を瞑るが…なんだってこんなボロボロなんだ?!どこもかしこも擦り傷と痣だらけじゃねぇか!なんでそんな平気そうな顔してんだよい!まさか、こいつっ!あれほどやるなって言った痛覚の拒絶とやらをやってんじゃねぇだろうな…!
どうやら正解だったみたいでオヤジが言うと「バレた?」と言うような顔をした。
よし。縛りつけよう、そうしよう。
イゾウと一緒に縄を用意するとニアが逃げ出した。捕まえようと追いかけるが早いのなんの。
どうなってんだ、その動体視力!!半年でここまで伸びるか?!赤髪の奴どんな無茶させやがったんだ!!
ハルタとサッチが言うには途中で鷹の目がきてニアの修行に加わっていったそう。
………………よく生きてたな。
「ふふっ。元気そうだねニア、おかえり」
俺らから逃げ回るニアをいとも簡単に捕まえたのはイオン。
…こいつの能力はほんと敵に回したくねぇな
いや、回す気は無いんだが
イオンが優しく声をかけるとニアは糸が切れた人形のように気を失った。
「寝たかよい。……まぁ、無事で何よりだ」
「無事……なのかな?あれ大丈夫?ちゃんと起きるかな?」
「起きなかったら赤髪を殺しに行こう。」
「それ、いいかもな」
俺たちが赤髪を半殺しにする計画を立てているとイオンが笑う。
「ふふっ。ニアは人気者ですね。じゃあ、寝かせてきます」
そう言ってイオンはニアを連れて船内に戻る
するとオヤジが口を開いた
「…痛覚の拒絶か。異能を使ってるあいだは本当に一切の痛みを感じねぇみたいだな。」
「あぁ……。なんて危ねぇ力だよい。あれだけの傷でヘラっとしてやがるってことは致命傷でも動けちまうんだろ?生きてたのは奇跡かもな」
「そうだね…。鷹の目と交戦してた時、鳩尾に完璧な一撃喰らってたけど何事もなかったかのようにすぐ立ち上がったからきっと本当に痛みを感じてないと思う。」
知れば知るほど危険だな。
…ほかっとくといつか死んじまうんじゃねぇかって時々無性に怖くなる時がある。だから俺たちはいつもニアの側にいたいって思うんだろうな。
目を離したら無茶ばかりしやがるし
なんてったって前科がありすぎるからな、あいつは!!
「俺たちのために戦おうとしてくれるは嬉しいが、自分を大事にしないからな…」
あいつが努力してるのを俺たちは知ってる。
何があっても弱音を吐かずに目の前のことに一生懸命立ち向かうから応援したくなる。
だが、無茶が過ぎるから心配せずにはいられない
「なぁ、ニアの専用の武器を用意してやろうぜ?飛び道具とか暗器はいくつか持たせてあるがやっぱり限界があるなと思った」
サッチがそう言う。
それもそうだな。いくらニアが器用とはいえ限界はあるだろう。
「それならもう考えてある。イゾウと少し話してたんだがな、銃と剣の両方を持たせようかなと。近中遠距離全てにおいて戦えたらこれほど心強いものはないぞ。」
ビスタとイゾウが脇差くらいの普通の剣より短い剣と銃を用意していた。こいつら、いつのまに…。
「まぁ、あとはニアが起きてからだね。いまは休ませてあげよ」
まぁ五体満足で帰ってきただけ良かったとしよう。
……赤髪の奴は今度会ったら覚えとけ。
ーサイドエンドー
***********
おはようございます。
あぁー、全身が痛い。
起きたら手当されてたから多分寝てる間にやってくれたんだろうなー
「おっ、おはよう。ニア」
「あ、サッチにぃちゃ!おはよー」
サッチさんがちょうど部屋のドアを開けてはいってきた。
それをみてベッドから降りる。なんせ長いことみんなの顔見てないから会いたい。……というか、わたしって気がついたらベッドの上だな…。でもなー、怪我しないって結構難しい…
「もう動いて平気か?」
「うん、だいじょうぶ!」
いや、正直大丈夫じゃない。全身痛いよ、痛すぎて麻痺してるよ多分
まぁ…無理しなきゃそのうち治るでしょ
元気に返事をするとサッチさんがしゃがんでわたしの体を軽く小突く。と、全身に痺れるような激痛が走った。
「あうっ!!」
「…………ふむ。で、どの辺が大丈夫って?」
そう言う彼の顔は笑っていたけれど……うん。目が笑ってない。
これ謝らないと後が怖いやつだ
「うぅー…。ごめんなさい」
くそぅ、シスコンお兄ちゃんズに勝てる気がしない。
「ったく……。油断するとこれだ。ほらみんなのとこ行きたいなら抱っこしてやるから捕まれ」
「うん。ありがとう」
手を伸ばすとサッチさんはわたしを掴み片腕で抱き上げる。
ロビーに行くとイゾウさんとビスタさんがいた。
彼らはわたしたちを見つけると「よっ!」と片手を軽く挙げて挨拶する。
「おはよう、ニア。怪我の具合はどうだ?」
「うん、だいじょう…「おい」…ぶではない」
『大丈夫』と言おうとしたところでサッチさんが横槍を入れる。
と、2人は悟ったみたいでわたしの頭を乱暴に撫でた。
「またこいつは……」
「しれっと嘘をつこうとするな。」
「むぅ…。おみとおしでくやしい」
「「「・・・・・・。」」」
頬を膨らませてそう言うと彼らは頬をつつきだした。
……あの、それ楽しいですか?
「にぃちゃ?」
「あっ、悪い悪い。ニアがあまりにも可愛いからつい」
つい…って
いや、いいけどね?!
「あ、そうだニア。お前用に武器を用意したんだが受け取ってくれるか?」
武器…か。そりゃ護身用の1つにでも持っておきたいけどやっぱり怖い。
…ん?いや、わたし飛び道具とか暗器とかいくつか持ってるな。そういえば
じゃあなんでもいいか。それに使い方次第でどうとでもなる。
「うん。わたしはまもりたいものをまもるためにけんをとるよ」
そう言うとサッチさんがわたしを下ろし、それを見たイゾウさんが頭を撫でながら銃とボルダーを渡してきた。
それと同時にビスタさんが短剣より長く、普通の剣より短い…いわゆる脇差を差し出した。
「自分の身もちゃんと守れ。お前のその守りたいものの中に自分も入れておけよ」
優しいなぁ………ん?まって、銃と剣?
えっ、銃と剣で戦えって?!なんてトリッキーな!!
受け取りますよ!受け取ればいいんでしょ!?
イゾウさんとビスタさんから武器を受け取り腰にセットした。
上手く扱えるようにならないとな。
「じゃあ、さっそくれんしゅ…「ニア?」…ごめんなさい」
練習しようと道場に行こうとしたら腕を掴まれ笑顔で凄まれる
うちのお兄ちゃんが過保護!
「…ニア。お前、赤髪に
マルコさんが後ろから歩いてきていつもより低い声でわたしに話しかける。
あっ…、やばいこれ。怒ってる。マルコさんが怒ってる!
わたしが答える前にサッチさんがその質問に答えた
「あぁ、俺もハルタもそれに関しては目を瞑った。一応世話にはなったし、それで貸し借りは無しって事でな。赤髪もそんなに馬鹿じゃないだろ。言いふらすようなやつじゃない…って、なんで知ってんだ?」
たしかになんで知ってるんだろう?ハルタさんが言ったのかな?
そう思ってると船内にしばらく見たくない顔が入ってきた。
「よぉ、ニア!昨日ぶりだな!」
「!?!?なんできたの!?きちくやろう!」
「おいおい、酷いじゃないか。せっかく様子を見にきたって言うのに。鷹の目にだいぶ虐められてただろ?体の具合はどうだ?」
「あなたもえがおでけんふりまわしてきたよね?!あちこちいたいよ!」
「痛いのか?ケロッとしてた癖に」
「いたいにきまってるでしょ!」
グルルッという勢いでシャンクスさんを威嚇する。
何度死を覚悟したか…
というか、何しにきたんだこの人
「お前に修行をつけた礼が利き腕一本ってのは少々高すぎる。という事で、何かしてやりたいと思ってな。こうして乗り込んできたわけだ。とりあえず……武器を下ろせシスコンども!」
いつのまにかみんな剣や銃を抜いてシャンクスさんに向けていた。
いいよ!そのままやっちゃえ!
「俺の扱い酷くないか?ニア」
「ひどくない!そりゃしゅぎょうつけてくれたのにはかんしゃしてるけど、げんどがあるでしょ!2じかんも3じかんもおにごっこするたいりょくないよ!」
言いたかったこと全部言ってやろうかな?今ならお兄ちゃんズもいるし怖くない!
「それは主に鷹の目だろ。つか、実際やってのけたじゃねぇか。天才め」
「ほとんどこんじょうだよ!で、ほんとになにしにきたの?」
こいつのことだ、絶対何か企んでる。
何しにきたのか改めて聞くと彼はため息をついた。
「…はぁ、鈍いんだか鋭いんだかわからねぇやつだな。まぁいい。お前あの時俺になにをした?この腕のこと、説明してくれないか?」
シャンクスさんが左手で刀に手をかけそう言うと空気が一変した。
マルコさんが隠すようにわたしを後ろに庇い、サッチさんとビスタさんは刀に手をかけている。イゾウさんは銃を抜いて警戒してるようだった。
「頼んどいて悪いんだがそれ以上の詮索はやめてくれねぇかよい?」
「そう言うわけにもいかない。これは回復なんてレベルのものではないぞ?お前たちはそれを知っていたのか?」
「あぁ。だがニアには使わないように言ってあるし、本人もちゃんと理解してる。今回は特別だ。感謝しろ、赤髪」
サッチさんが答えるとシャンクスさんの目つきが変わった。
肌が少しピリピリする。こいつ、威嚇してるな
「俺は正直ニアを気に入っている、だからこそ心配なんだ。お前たちを信用してないわけじゃない。だが、お前たちがそこまで過保護になる理由を知ってしまったから聞きに来たわけだ。そいつはこの先、平穏を求められないだろう。…守れるのか?」
それは彼らが1番不安であろうこと。
「守れるか、守れないかじゃない…守るんだ。余計なお世話だよ、赤髪」
…イゾウさんカッコいい。キュンときた
やっぱ好きだなー、ここの人たち。あったかい…
「わたしはわたしのいしでここにいるの。…ここにいたいの!いくらシャンクスさんでも、わたしをにぃちゃたちからひきはなそうとするならゆるさないよ!」
そう言うとシャンクスさんは驚いたような顔をし安心したように頬を緩め、お兄ちゃんズはなんか感動していた。
…おい、なんでそんな「うちの妹がこんなに立派になって…」みたいな目で見るんだこのやろう
「…そうか、ならいい。あぁ、1つだけ言っておく。もしニアが泣くようなことがあったらその時は横から攫ってくから覚えとけ。」
シャンクスさんが微笑んで言った。
誘拐ですか、そうですか。罪に罪を重ねるなロリコン鬼畜ドS魔王。
「さて、ニア。それで何をして欲しい?」
「えっ?あのはなしほんとうだったの?!」
「なんで嘘だと思うんだ。もっと信用しろよ、お前の師だぞ?」
「いっしゅんたりともしだなんておもったことないよ!」
シャンクスさんと言い争いを始めると周りは呆れたような、感心したような目でわたしたちを見ていた。
「…ニアって結構肝座ってるよな」
「度胸あるのかないのかたまにわからねぇけどな」
「アホなのか天才なのかわかんねぇときもあるな」
わたし褒められてるの?呆れられてるの?どっち!?
「にぃちゃ!ほめるのかけなすのかどっちかにして?!」
(((耳いいな、あいつ!!)))
「俺の話の途中でよそ見をするとはいい度胸だな。また追いかけ回してやろうか?そしたら俺しか見れなくなるだろう?」
「なにそれ!ヤンデレか、このやろう!……って、ストップ!かたなぬかないで!?ここせんないだから!ふねこわれるでしょ!!」
「待てニア!突っ込むべきところはそこじゃない!」
「赤髪!これ以上ニアをいじめるなら俺たちが相手するよ!!」
サッチさんとハルタさんが威嚇するとシャンクスさんは子どものように駄々をこねた。
「…もうちょっとニアと遊びたいんだが」
「「「「さっさと帰れ!!!」」」
お兄ちゃんズが止めにはいりなんとかシャンクスさんを追い返した。
…はぁ、疲れた……。