家族の為ならどこまでも   作:実茶

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第26話 火拳のエース

それから月日は流れわたしも成長する。

成長する予定でした。なんか全然身長伸びなかったんだよね。

今自分が何歳か知らないけど120cmくらいしかないんだ。

体を酷使しすぎたせいかな?

せめて身長だけでも欲しかった…。

まぁ、しょうがない!ほぼ自業自得だし、小さい体を活かして頑張ろう

はてさて、なんか甲板が騒がしいな。

行ってみよう。

 

**********

 

ー?サイドー

 

世界最強の男と言われている"白ひげ"

そいつの首を取って世界中に俺の名前を轟かせてやる!

そう意気込んで海に出た。

だが、現実は簡単にはいかない。行く途中で海峡のジンベエという七武海の1人が俺の行く手を阻む。

 

「デケェの、おれは白ひげってのに会いてぇんだよ」

 

「こんな人斬りナイフのような奴をオヤジさんに会わせられるか!」

 

そう言って5日に渡る長い戦いの末、お互い満身創痍で死にかけていた。

くそっ…おれは、ここで終わるわけにはいかねぇんだ!!

 

「グラララ!おれの首を取りてぇのはどいつだ?望み通りおれが相手してやろう!」

 

し、白ひげ!?

こんな時に!

 

「炎上網!!お前ら逃げろ!!」

 

おれは炎を周りに広げ、仲間を逃す

 

「グラララ!今更逃げ腰か?」

「仲間は逃してもらう。その代わり、おれが逃げねぇ!!」

「クソ生意気な…!」

 

おれは白ひげに立ち向かったが、あっさりと負けた。

 

「今死ぬには惜しいな、小僧。暴れたきゃおれの名を背負って好きなだけ暴れてみろ!おれの息子になれ!」

 

…息子?!息子だと!!?

 

「ふざけんなァ!!!」

 

そう叫んだのも束の間、おれの意識は途絶えた。

 

-サイドエンド-

 

***********

 

甲板に出るとオヤジさんが男の人を担いでいた。

 

「…だーれ?」

「グラララ!新入りだ」

「!!じゃあ、あたらしいにぃちゃ?」

「そうだな!グラララ!」

 

やった!また家族が増えた!!

 

「それはそうとお前、甲板でてくるならフードつけろよい」

「あ、わすれてた。パーカーきてくる!」

 

わたしは急いで船内に入りパーカーを着てまた甲板へと向かった。

戻った時には新しい人はすでに部屋で寝かされていた。

大丈夫かな?

うろうろしてると声をかけてきたのはサッチさん。

 

「なんだ?ニア。新入りが気になるのか?」

「うん。どんなひとかなーって!」

「ははっ!そういやニアは俺ら以外に人に会ったことがねぇもんな。せいぜい青雉とか、赤髪…とか…鷹の目と……か。…お前、よく生きてたな」

「ええっ!!じぶんでいっといてあわれんだめしないで!?ほかにもガープってひとと、かいぐんのげんすいさんにはあったよ?」

「何か持ってるだろ。なんでそんな大物との遭遇率が高いんだ」

 

サッチさん何気に酷い!

しばらく話し込んでるとバンッ!と扉が乱暴に開く音がした。

人が飛び出してきて船の上だと確認すると頭を抱えて座り込んだ。

 

「おっ。起きたか新入り。俺は4番隊隊長サッチってんだ。仲間になるなら仲良くしようぜ?」

「しようぜー!」

「うるせぇ!!……って、こども?!」

 

わたしがサッチさんの言葉に乗ると新入りさんが反応した。

サッチさんはわたしの頭を撫でながら話を続ける

 

「あぁ、こいつはニアってんだ。仲良くしてやってくれ。無邪気でかわいいやつだぜ?無茶ばっかりするのがいただけないけどな」

「むぅ…。」

「ハハハ!拗ねるなって!よしよし。あぁ、気い失った後のこと教えてやろうか。お前の仲間がお前を取り返しにきたから俺らで叩き潰しといた。何、死んじゃいねぇよ。この船に乗ってる」

「ようしゃなかったよね。ちょっとかわいそうだった」

「お前に手を出そうとした奴らだけだろ!?」

 

誰に対してもそうよね。赤髪にさんですら刀やら銃やら向けるものね。シスコンお兄ちゃんズが強すぎる

 

「おにいちゃんはなんていうの?」

「…………エース。」

「エースおにいちゃん?よろしくね!」

「あぁ………って!おれはまだ乗るなんていってねぇ!!…錠も枷もつけずにおれを船に置いていいのか?」

「枷?!ハハハ!いらねぇよ!んなもん!さて、そろそろ飯の支度しなきゃな!ニア、後は頼んだぜ?」

「はーい」

 

そう言ってサッチさんはその場を後にした。

…と、言われてもわたしそんな知らない人といきなり話す能力ないよ?

 

「…なんでお前みたいなガキがこの船にいるんだ?」

「うん?……ふふっ!ひろわれたの。ここのひとたちに」

「……拾われた?」

「そ。まだね、じぶんのあしであるくこともできないくらいちいさいときにすてられていたわたしをひろってくれたの。」

「すてられ…ていた?」

「うん。あっ!そうだ、わたしこれからけいこだった!じゃ、またね!おにいちゃん」

 

忘れてた。すっぽかしたらビスタさんに殺される…!

エースさんに軽く手を振るとわたしは早足で道場に向かった。

 

***********

 

-エースサイド-

 

目を覚ましたらやつの船の上だった。

リーゼントの男が親しげに話しかけてきてイラついたが小さい女の子が話に入ってきて何故か和んだ。

名前を聞かれて普通に答えてしまった。…なんなんだ、こいつは

リーゼントの男はサッチというらしい。そいつが飯の支度があると言って去っていった。

少女の方はニアだそうだ。おれは純粋に疑問をぶつけた。

 

「なんでお前みたいなガキがこの船にいるんだ?」

 

そう聞くと、少女は「ふふっ!」と可愛らしく笑い、拾われた。と言った。

拾われた…だと?

詳しく聞いてみると、まだろくに歩けもしないくらいの小さい時に捨てられていた自分を拾ってくれたらしい

…こんなガキが捨てられてたのか…。

なのになんでこんなに明るいんだろうなこいつ。

 

「あっ、わたしこれからけいこだった!じゃ、またね、おにいちゃん」

 

そう言っておれに手を振ると駆け足で船内へと戻る。

…あのフードの下を見てみたいなんて思ったのはそっと胸に秘めておこう

 

-サイドエンド-

 

***********

 

ガシャーン!!

 

明くる日、甲板でマルコさんとビスタさんとハルタさんイゾウさんと駄弁ってると物凄い音が聞こえた。

 

「…なんのおと?」

「あぁ、新入りがオヤジの首を取ろうと頑張ってんだ」

「こんじょうあるね」

「「「お前がいうな!」」」

 

ええっ!?酷くない?!そんなみんなしてハモらなくても!

 

「いや、ニアは肝がすわってるだけだろい」

「だけではないよね。根性もあるよ?」

「あと、度胸もあるな」

「まぁ、ありすぎて怪我しまくるから野放しにできないんだがな」

「うぅー。きをつけてるんだよ?これでも!」

「「「なら刀に対して向かっていくな!!」」」

 

事前練習でもしてるの?!この人たち!!

なんでこんなに息ぴったりでツッコミ入れてくるの!

 

「くそっ…。」

 

わたしたちの横を擦り傷だらけのエースさんが通る。

…なんだろうなぁ。なんかほっとけないんだよなぁ、あの人

 

「だいじょうぶ?」

「…構うな。」

 

彼がわたしを見下ろした。…みんな身長高いなぁ。

1センチずつくらい分けて欲しい

 

「…………おれに、構うな」

 

何ですか、今の間は。

けど、なんかすごく辛そうな顔してた。

 

「あいつっ!ニアに心配してもらっといて…!」

 

今のやり取りを見ていたカルガンが言った。…みんなシスコン極めてるなぁ

わたしも人のこと言えないけど

 

「なんか、とってもつらそう」

「…お前がそう思うならきっとそうなんだろうな。声かけてきてやったらどうだ?」

「うーん。なにをはなしていいかわからない」

「行くだけ行ってあげなよ。俺たちには一言も喋ってくれないからね」

 

隊長たちに後押しされ話しかけに行くことにした。

後を追うと、エースさんをみつけた。

…うわぁ、なんかすごい絶望してる感半端ない。

頭抱えて……首痛くないのかな?

 

「ねぇ、だいじょうぶ?」

「っ!!構うなっていっただろ!」

「うん、いわれたよ。でも…きになるの。」

「…なんなんだよ、お前!!なんで、おれに構うんだ!」

「だって、おにいちゃんだから」

「誰がお前の兄になったんだ!おれはあいつの首を取る!その為にここにいる!」

「なんどもしっぱいしてるのに?」

「っ!!うるせぇ!!」

 

エースさんは立ち上がって何処かへ行った。

…あぁ、わかった。似てるんだ、前のわたしに。

方向性は違うけど、傷つきたくなくて自分の心を隠して…

存在を認めて欲しくて、存在する理由を知りたくてもがいてる。

自分がここに居ていいのかどうか。それを知りたくて足掻いてるんだ

あぁ、じゃあ…わたしが助けないと…

白ひげ海賊団(彼ら)に助けてもらったように今度はわたしが(エースさん)を助けないと。

 

次の日もまた次の日もエースさんはずっとオヤジさんに奇襲を仕掛けては失敗していた。

どうしよう。どうやって声かけようかな。

甲板で彼にどう話しかけようか悩んでいた。

 

「ねぇ、もうやめたら?」

 

頭を抱えて壁にもたれかかるエースさんに気がついたらそう言っていた。

 

「っ!またお前か!なんたっておれの周りちょろちょろしてんだ!」

「めざわりだったらごめんね?けど、どうしてもきになるの」

「…なんでだ?」

「むかしのわたしににてるから……。あなたをみてるとくるしいの」

「ーーーーっ!!!」

 

そう言うと、彼は驚いた顔をした後わたしを睨みつけた。

 

「何がわかるってんだ!!お前に!おれの何がわかるんだ!」

「なにもしらないよ?あなたのこと。だってわたしたちはあったばかりだもの」

「じゃあ、おれに構…「でも、あなたもわたしのことしらないでしょ?」っ!!」

「だからしりたいの、あなたのこと。おしえてよ、エースおにいちゃん」

 

ふわりと微笑みかけると今にも泣きそうな顔でわたしを見る。

けど、彼は受け入れられずに噛み付いてきた。

 

「ははっ!はははっ!……お前みたいなガキに心配されるなんておれもおわりだな!……この海じゃ何が起こるかわからない、明日死ぬかもしれないんだ。人の心配より先に自分の心配したらどうだ?」

「………そうかもね。でも…あなたのほうがくるしいってかおしてるよ」

「ーーーーっ!!」

 

そう言うと彼は目を見開きわたしを凝視する。その目は潤んていた

えっ!?わたしが泣かせた!!?

ご、ご、ごめんなさい!!!

わたしはエースさんに駆け寄り顔を隠すように抱きしめた。

 

「なっ!何しやがる!離せっ!」

「ご、ごめん。いやかもしれないけど、もうふとかふとんかとおもって……。ひとりでなくのはさむいから」

「っ!!!…………う、うわああぁぁぁっ!!!」

 

ぎゃあっ!涙腺切れた?わたしのせい!?ごめんなさいぃぃ!!

エースさんがわたしの服を掴んで泣きついた。

ど、ど、どうしよう!!

わたしがマルコさんに泣きついた時もマルコさんこんな気持ちだったのかな?!ならほんとにごめんなさいだよ!!

わたしはエースさんが泣き疲れて眠るまでどうしていいかわからず、ずっと彼の頭を撫でていた。

 

***********

 

-エースサイド-

 

おれは奴の首を取るべく、来る日も来る日も首を狙って奇襲を仕掛けるが何度も失敗していた。

己の無力さに絶望し、頭を抱えて蹲っているとあの女の子がきた。

 

「ねぇ……もうやめたら?」

 

そんなことっ!!おれが1番わかってる!!敵わないってことも!無謀だってことも!!

 

「またお前か!!なんだっておれの周りちょろちょろしてんだ!!」

 

こんなガキに同情されるなんて真っ平御免だ!!

 

「めざわりだったらごめんね?でも、どうしてもきになるの」

「なんでだ?」

 

…おれを気にかけてくれてるっていうのか?こいつあたまおかしいんじゃないのか?おれはお前らの船長の首を狙ってんだぞ!?

 

「むかしのわたしににてるから……。あなたをみてるとくるしいの」

 

昔の……こいつ?

こいつもおれみたいな時期があったってのか?

…っ!!なに言ってやがるんだ!

 

「何がわかるってんだ!!お前に!おれの何がわかるんだ!」

「なにもしらないよ?あなたのこと。だってわたしたちはあったばかりだもの」

 

おれが激情に呑まれ怒鳴ってもこいつは静かにそう告げるだけだった。

正論だが……なら尚更!こいつがおれに構う理由はないはずだ!!

 

「じゃあ、おれに構…「でも、あなたもわたしのことしらないでしょ?」っ!!」

 

構うな!と言おうとした言葉を遮り少女が言う。

……確かにおれもこいつを知らない。

 

「だからしりたいの、あなたのこと。おしえてよ、エースおにいちゃん」

 

ふわりとそう微笑む。

…顔は見えないけど口元は笑っていた。

おれを……知りたい?

…だがそんなすぐに素直になれずおれは反論する

 

「ははっ!はははっ!……お前みたいなガキに心配されるなんておれもおわりだな!……この海じゃ何が起こるかわからない、明日死ぬかもしれないんだ。人の心配より先に自分の心配したらどうだ?」

 

自分で言ってても腹が立つな。こんな小さな子に八つ当たりでもするかのように酷いことを言った。

 

「………そうかもね。でも…あなたのほうがくるしいってかおしてるよ」

 

でもその言葉は空を切り、少女の言葉がおれの心を貫いた。

おれは生きてていいのか…。ずっと悩み続けていた。

さっきまでおれの心の中を渦巻いていた嫌な感情が消える。

おれは今、こいつに…受け入れてもらったのか?

こいつならおれの悩みをバカにせずに罵らずに真剣に聞いてくれるだろうか?

目に涙が溜まるのがわかる。けど、ガキの前でガキみたいに泣くわけにはいかない。

そんな風に思って我慢してるとニアがおれの顔を隠すように抱きついてきた。

 

「なっ!何しやがる!離せっ!」

 

思わず突き放すようなことを言ってしまった。

けれど彼女は離さずそれどころが強く抱きしめてきた。

 

「ご、ごめん!いやかもしれないけど、もうふとかふとんかとおもって……。ひとりでなくのはさむいから」

 

鬼の子と蔑まれてきた。

おれは生きてていいのか、生まれてきてよかったのか…

そんな事を悩んで1人で膝を抱えてた時もあった。

『ひとりでなくのはさむいから』

どこまでも優しく、なのに悲しそうな声におれの我慢は限界だった。

 

「う、うわああぁぁぁっ!!!」

 

おれはニアにガキのように泣きついた。

ニアはあたふたしたけど、おれの頭をずっと優しく撫でてくれた。

こいつになら打ち明けてもいいかもしれない…。

そんなことを考えながらおれはそのまま眠りについた。

 

-サイドエンド-

 

***********

 

「しずかになった」

 

自分の膝の上で眠ったエースさんに対し、どうすればいいかわからない。

これ動かしたら起きちゃうかな?

 

「…すごい声がしたが、どうした?」

 

エースさんの叫びを聞いて何事かと人が集まってきた。

わたしのせい?!

 

「ご、ごめん、にぃちゃ!なんか、なかせちゃったみたい。」

「泣かせた?………おい、なんでそいつがお前の膝の上で寝てるんだ」

 

そこ?!イゾウさん、怒るとこそこなの?!

 

「イゾウ、気持ちはわからんでもないが我慢しろ。だが、その状態だとニアが動けないか」

 

ビスタさんがエースさんを担ぎ上げる。

…起きないんだ。爆睡型かな?とりあえずよかった。

部屋へとエースさんを運んでいった。いつも思うけどその腕の筋力すごい。少し分けて。

 

「思い出すなぁ。ニアもああやって泣き叫んでた時あったよね。」

「うぅー。はずかしいからいわないでぇ…」

「「「・・・・」」」

 

えっ!?なんでだんまり?!

 

「どうしよう、今のニアすっごい可愛いって思った俺悪くないよね?」

「悪くないな。あんまり可愛いといじめたくなるから気をつけろ、ニア」

「あんまりいじめてやるなよい。その一件があったからこいつがやっと俺らに近づいてきてくれたってのに」

 

シスコンお兄ちゃんズのシスコン具合がカンストしていってる気がする。気のせいかな?うん

 

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