-サボサイド-
ルフィが女帝から鍵を受け取り再びエースの元へと走り出す。
海軍の作戦の一部だろう包囲網もニアの矢のお陰で砕けて無くなった。おいおい、なんて威力だ!敵に回したくねえな…。あいつが味方で良かったぜ
おれたちを止めるべく襲ってくる海兵どもを竜の鉤爪で蹴散らす。
ルフィはイワンコフのテンションホルモンで動けてるだけらしいからもう限界を超えてる。だから出来るだけ温存しておいてほしい
ほんとは止めたいが何を言っても無駄なんだろうな。はぁ、手のかかる弟だぜ
処刑台付近にくるとイワンコフがイナズマを呼びイナズマがコンクリートを切ると橋ができた。
おれとルフィは一気に駆け上る
「ルフィー!ここは通さん!」
「どいてくれ!じいちゃん!!」
ルフィはガープを殴り飛ばし、処刑台の…エースの所まで辿り着いた
「ルフィ、サボ…」
「まっててくれ!鍵があるんだ!」
ルフィが鍵を取り出す。
「そんなものまで用意してたとはねぇ…」
黄猿がレーザーを放とうとする。おれがルフィを庇うように立つとニアが黄猿に矢を放ちそれを止めた。
その隙にルフィがエースの手錠の鍵を外す。
海兵達がこっちに砲弾を撃ち処刑台ごと吹き飛ばそうとするがエースが炎の壁を作り、その砲弾が当たることはなかった。
処刑台が崩れ、おれたちは処刑台の下へと落ちる
「「火拳のエースが解放された!!」」
その叫びにおれたちはニヤリと笑った
ーサイドエンドー
***********
海軍の包囲網を掻い潜ってエースたちの元へ向かう。
彼らの近くまでたどり着くとエースがわたしに気づいた。
「ニアっ!!」
すぐさまわたしを抱きしめ彼は生きてることを確かめるかのように腕に力を込める。
「ニア、よかった…。ティーチが死んだって言ってたから…てきっりもう…ごめんなっ!守ってやれなくて。信じてやらなくて。ごめんな!」
「だいじょうぶ、わたしはだいじょうぶだよエース。だからかえろ?わたしたちのいえに」
「あぁ」
そう言ってわたし達は来た道を戻る。
だが海兵たちは逃がさないと言わんばかりに道を塞いだ。
「4人の逃げ道を作れ!」
ハルタが叫び海賊たちが海兵を圧倒していく。
「みんな、どいて!」
わたしがそう叫ぶとオヤジさんのクルー達は一瞬で離れる。
わぉ。そんな素直に言うこと聞かれると信頼されてるのか怖がられてるのかどっちか分からなくなるよ…
まぁいいや。と、わたしは弓を構え矢を取り出し自分を中心に弧を描くように矢尻を地面に擦り摩擦を起こして熱を持たせる。
さっき元帥さんに放ったのと同じようにありったけの覇気を込め、ついでに嵐のような風も纏わせ放つ
物凄い音と風と共に直線上にいた人たちが全て吹き飛び見晴らしが良くなった。
「おまっ!えげつなっ!」
「ひゃーっ!弓ってあんなつえぇのか!」
「ルフィ、あれはきっとニアにしかできないから」
褒めてるのか敵に同情してるのかどっち!?
いいからさっさと行こうよ!!
「はやくいくよ!!」
一喝すると3人は走り出す。
その後を追うと赤犬さんが呟いた。
「火拳を助けたら即撤退か?随分と腰抜けな奴らじゃのう…。」
あからさまな挑発。
あなたは随分とお馬鹿さんですね。と、言いたくなったけどやめておこう。
買わなくてもいい喧嘩は買わない。
今は逃げるのを優先させなくては。わたしの心が壊れる前に…
「腰抜け…?」
「エース。あんなあからさまなちょうはつにのっちゃダメだよ。わたしたちがこしぬけならそんなこしぬけにあなたをとりかえされたかいぐんはただのまけいぬ。ほらよくいうでしょ?よわいいぬほどよくほえるって。」
「………そ、そうだな」
「お前、ほんとに大丈夫か?」
「結構はっきり言うんだな、ニアは!」
2人が冷や汗をかきながらわたしを見る。
ルフィさんはニコニコしていた。
「誰が負け犬じゃ!小娘!!」
「だれもあなたなんていってないけど?じぶんがまけいぬだってみとめちゃったの?」
「このっ!小娘っ!!」
エースの腕を引っ張り止まっていた足を動かすとサボとルフィさんもついてくる。
しかし、赤犬さんは諦めずさらなる挑発をしてきた
「ふん。まぁ仕方のない事か。船長の白ひげは時代の敗北者。そのクルーが腰抜けでも不思議はないのう」
「何……?」
敗北者…ね。
というか、『時代の敗北者』って何。
時代に勝ちとか負けとかあるの?ちょっと言ってる意味がわからないんだけど…。
でもエースはそんな訳の分からない彼の挑発に乗り赤犬さんに食い下がる。
「おれを救ってくれた人を馬鹿にするんじゃねぇ!!」
そう言って赤犬さんに殴りかかろうとするエースの手を掴み無理やり連れて行こうとするが彼は赤犬さんの方に向かおうとしていた。
「離せニア!この時代の名が白ひげなんだ!あいつはオヤジを馬鹿にしやがった!絶対に許さn…「パァン!」ーーっ!!?」
エースが最後まで言う前に彼の胸ぐらを掴み自分の方に引き寄せて頬を思い切りはたく。
まさか殴られるとは思ってなかったのか彼は叩かれた頬を抑え驚いた顔をしてわたしを見た
「あかいぬがとーさんをバカにしたからなんなの!?それがここにとどまるりゆうになるっていうの?!ここまできてあなたになにかあったらみんなのおもいはどうなるの!?いい?!このせんそうはあなたのしょけいがもくてきなの!あなたがかいほうされたじてんでかいぐんのまけなんだよ!とーさんをバカにしようがあなたをバカにしようがかいぞくをバカにしようがしょせんまけいぬのとおぼえってやつなの!わかった!?」
「ーーっ…。でも、おれ」
「でももかももないの!」
「水さすようで悪いんだが…かもはどこからでてきたんだ?」
サボがすかさずツッコミを入れる。
うん、わたしも言ってて思ったよ。なんというか、言葉のノリというか…
「悪かった、ニア。…妹に説教されるなんておれもまだまだだな。」
「ニアも怒るんだな!」
「…まさかエースをはたくとは思わなかったが…。いい薬になったか?」
「はやくにげるよ!」
すぐに談笑に入るんだから!このマイペース兄弟は!!
赤犬さんを無視して船に向かうと隊長ズと合流する。イオンが船員を誘導して傘下は先に逃したそう。
さすがミステリアスプチチートお兄様。
「エース!無事でよかった。あとはみんなで帰るだけだ」
「悪かったな、苦労かけちまって。」
「いや、おれが勝手な行動したんだ。みんなが気に病む必要はない」
それでも赤犬さんは諦めなかった。
「仲良しこよしの家族ごっこか。本当に可愛そうな奴らじゃのう…。特に小娘……。貴様、まさか自分が本当に愛されてるとでも思っちょるんか?」
……今、ここでそれをいうか。
多分過保護なお兄ちゃんズを見てわたしを留めた方が早いと思ったんだろうな。けど、思い通りにはさせない。
わたしは気にしないフリをして赤犬さんを無視してお兄ちゃんズに話しかける
「あとはわたしたちだけ?」
「…あ、あぁ。そうだ。はやく船に乗ろう」
今の挑発をお兄ちゃんズが全員気にしていた。みんな心配の視線を向けてくるがわたしは首を小さく横に振る。
「…本当は気付いちょるんじゃろ?自分の得体の知れなさを。銀髪にオッドアイなぞ普通はおらんじゃろ。捨てられたといっちょったな。捨てられた事実だって本当は心のどこかで納得しちょったんじゃありゃせんか?そんな見た目で差別されないほうがふし…「うるせぇ!赤犬!!」……」
「エースっ!だめっ!」
赤犬の言葉にエースがとうとうキレてしまった。
また止めようと腕を伸ばすがその伸ばした腕をマルコが掴み、抱え込まれる。
その表情は怒りに満ちていた。
「マルコ!はなして!エースがっ!」
「…悪いな、ニア。今のは俺もかなり頭にきた。今のことに対して怒るエースを俺は止められねぇ」
「でもっ!ひとマグマじゃ…マグマのがうえだよ!?わたしはいいの!だからエースを…」
「ぐあっ!」
「「「エースっ!?」」」
だから言ったのに!
エースの『火』は赤犬さんの『マグマ』に焼かれた
そして赤犬さんがルフィさんに目線を移すと腕をマグマに変えルフィさんを襲う
「「ルフィ!!」」
「サボ!危ねぇ!」
ルフィさんを庇うサボの前に立ったエース。
彼は赤犬さんに貫かれていた。
…え?エー…ス?
何が起きたのかわからなかった。いや、起きた事実を受け止められなかった。
エースは全身の力が抜けたように倒れる。それをルフィさんとサボが受け止める。
「エースっ!エース!!」
「ーーーっ!暴れるな、ニア!」
「やだっ!やだやだ!はなして!!」
「な、なんて力してやがんだ、こいつ!落ち着け、ニア!!」
暴れるわたしをマルコが抱え込むようにして抑えるがそれを振り切ってエースの元へと向かう。彼の内臓は焼かれていた。
「エー…ス?」
ふと、エースとの思い出が溢れ出す。
『呼び捨てにしてくれ!その方が親近感あるだろ?』
ニカッと笑って無邪気にいう。
『かっこいいところ見せたかったんだぞ?』
何隻もの船を沈めてから拗ねたようにわたしの頬をつついた
『ニア!遊ぼうぜ!』
外に出れない分わたしが退屈しないようにいつもなにかしら遊んでくれた
「だい、じょうぶ……だよ。」
……何も大丈夫なんかじゃない。
だってエースはもう虫の息じゃないか。
「すぐに…たすける、、から。」
だめ。この力をここで使ってはいけない。
わかってる。頭ではわかってるけれど、それを制御できない。
震える指先をエースにむける。
その行動はほとんど無意識だった。別に指を指さなくても強い拒絶の心を持って起きた事実を否定すればいいのだからこの行動はいわば無意味。
だってその動作は隊長達に『力を使います』と教えてるようなものだから
「ニア!やめろ!!」
マルコが飛んできてわたしの手を掴み下げさせる。と、同時にもう片方の手で目を塞ぐ。
エースを見るな。と言わんばかりに……
「こんな…おれを…鬼の子と…呼ばれたおれを……愛してくれて…ありがとう…!」
マルコはしっかりと目を塞いでいるつもりだったみたいだが、指の隙間から見えてしまった。
エースが倒れるその瞬間を……
「「エースっ!!!」」
サボとルフィさんが悲鳴のような叫び声を上げる。
まさか…と、思った。
「やっ……やだぁっ!!エースっ!しんだら
…っ!!!
わたしっ。今……
「ーーーー……あれ?ここは…。一体何が…?」
「「エ、エース?!?!」」
ルフィさんとサボが1度地面に倒れ伏した筈のエースが再び起き上がり、きょとんとしてる姿を見て驚きの声を上げた。腹部に空いたはずの風穴もしっかりと塞がっていた。
その光景を目の当たりにしたお兄ちゃんズは驚愕の表情を浮かべていた。わたしを拘束していたマルコは思わずというように手を離し2、3歩離れるとわたしを見下ろした。サボが振り返ってこっちに視線をむける。
あぁ……。どうしよう…。やってしまった
1番やってはいけない事を……やってしまった…!
「なんだ〜、赤犬に貫かれて倒れちまったから死んじまったのかと思った!!やっぱエースはすげえなぁ!」
ルフィさんが頭の後ろで手を組み呑気に笑う。
どうやら、彼は気付いていないようだ。
エースは自分に何が起こったかわからないようで腹部を押さえて目を丸くしていた。
「おれは……生きてる…のか?」
〈〈〈火拳のエースが生き返った!!!?〉〉〉
今の光景を見ていた海兵達が揃って叫ぶ。
わたしは思わず数歩後退った。
体が震えるのがわかる。
恐怖が全身を駆け巡りわたしを支配した。
どうしよう……捨てられる。
彼らに、捨てられてしまう…!
「お、おい。ニア?大丈夫か?顔が真っ青だぞ」
わたしが怯えてるのに気付いたエースがわたしの方に手を伸ばす
「こ、こないでっ!」
「ーーっ!?」
「……あっ…」
思わずエースの手を避けてしまった。
エースがショックを受けたような表情を浮かべたのを見て後悔する
「あ、ご…ごめんなさ…っ」
「どうしたんだ、ニア?様子が…」
だが、それも一瞬でエースはわたしの様子が明らかにおかしいことに気づいた
「小娘ェ…貴様何者じゃ?火拳を生き返らせたっちゅうんか?」
「今のは……能力なのかァ?」
「おいおい……。ただのガキじゃねぇとは思ってたが、何つー力持ってやがんだ」
今のを彼も見ていたらしく、私を威嚇するように睨みつける
黄猿さんと青雉さんもこっちに来た
標的がわたしに変わったか…。なら好都合だ。
後悔してショックを受けてる場合じゃない。ここで稼げるだけ時間を稼いで彼らを逃そう。
そう思い、エース達から離れようと駆け出そうとした。
「ちょっと待て、ニア!お前っ!どこに行くつもりだ!!まさか囮になるとかいうんじゃねぇだろうな?!んなこと言ったら縛りつけるぞ!」
わたしが走り出そうとしたのを察したサッチがそれよりも早くわたしを捕まえ拘束宣言をした
「まさか今ので俺たちがお前に恐怖したとでも?そう思っての行動なら今すぐにでもお前を監禁して俺たちがどれだけお前を大事に思ってるか思い知らせてやってもいいんだぜ?」
イゾウも合流するが…ヤンデレ!?
物凄いヤンデレ発言したよ、この人!!
「そうだね。イゾウに賛成。今ので俺たちがニアを怖がると思った?もし少しでもそう思ったんならちょっとお仕置きが必要かな?」
ハルタまで?!そんな笑顔で恐ろしいこと言わないで!?
「疑ってた訳じゃわないが実際目の当たりにすると言葉が出てこないものだ。驚きはしたが恐怖はしてないから俺たちに嫌われたなんて思うな。お前にそんな怯えた表情されると地味に傷つくぞ」
その顔ですごい繊細なんですね、ビスタさん!
「大丈夫か?ニア…。悪かった。お前のいうこと聞いてエースをとめておけばこんなことにならずに済んだのにな。お前に余計な心配させたな。あの程度の事でお前を恐れて船から降したりしないから…そんな泣きそうにするなよい。」
わたしの恐怖を感じ取ったお兄ちゃんズが口々に言った。
違う、そんなんじゃない。いや、それもあるけど何より許せないのは怯えられたと怯えてエースの手を払ってしまった自分自身だ。
「ば、バケモノだ!!火拳は内臓を焼き尽くされてたんだぞ?!なのに何事もなかったかのように…!あのガキ、一体何しやがった!?」
「回復なんてレベルじゃない!人を生き返らせただと!?そんな都合のいい力があっていいのか!?」
「銀色の髪…黄金と空色のオッドアイ。おまけに得体の知れない能力…!?忌み子じゃないか!!」
化け物…ばけもの……バケモノ。忌み子
あちらこちらでそんな言葉が聞こえてくる。あれはわたしに対する言葉だろうか。…いや、この状況ならそれ以外に考えられない。
こうなることはわかっていた。だから人前で使わないように気を付けていた
やってしまったものはしょうがないけれど、こんなにも心を締め付けられるような気持ちになるなんて思ってなかった。
ドロドロとした暗い感情が湧き上がってくる
ー…もう……いいよね?…あいつら、殺しても。ー
「(ニアの目つきが変わった!?こいつ、こんな憎しみに満ちたような顔するのか!)……っ!聞くな、ニア!!」
さっきまで縛り付けるか監禁するとか言ってたのにイゾウがわたしの顔を隠すように抱きしめ耳を塞ぐ。
なんだかんだ言って優しいんだ、みんな。
そうだ、気をしっかり持たないと…!
闇に心を飲まれちゃだめだ!
「今ニアを化け物って言った奴出てこい!1人残らずぶった斬ってやる!」
「俺たちの妹を傷つける奴は神だろうがなんだろうが許さないよ」
サッチとハルタが剣を抜き海兵を蹴散らす
ほんとに優しいなぁ。
「バケモノ……か。言い得て妙じゃなぁ、小娘。白ひげ達もようそんな危険人物を側に置く気になったのう。頭がどうかしちょるんじゃないか?」
「赤犬!それ以上喋るな!ニアはニアだ!化け物なんかじゃねぇ!」
エースが怒りをあらわにし、体が火に変わる。
火傷するかも知れないけどそんなことお構いなしに彼の背中に抱きつき止める。
彼は驚き、火を収めて首を後ろにむけようとする。
『だめ。怒っちゃだめ。』
そういう思いで彼の背中に額を当て首を横に振る
それを見た赤犬さんは『ふん』と鼻を鳴らした
「そんな小娘1匹に隊長が6人もついて守るとは…。白ひげ海賊団も堕ちたもんじゃのう!ガキ1匹に振り回されるとは…情けない」
そうだ。いつだってわたしの側に誰かがいた。
その事については何度も悩んだ。ここからでてった方がいいんじゃないかって思った時期もあった。けど、彼らはそれでもわたしを家族だって、遠慮するなって、もっと頼れって…言ってくれた
「それに…そんな得体の知れない力をよう放置したのう。それともそいつの力が恐ろしくて、敵に回したくなくて波風立たんように何もしなかったのか?腰抜けども」
「俺たちがニアを恐れるわけないだろ!ニアのこと何も知らない奴が適当なこと言ってニアを傷つけるな!」
今度はハルタが怒る。本当に優しいなぁ、お兄ちゃん達は。
わたしは幸せ者だよ、こんなにも愛されてる
なら守らないとね。誰に何を言われようが、彼らに嫌われようが、化け物と罵られようが…守るって決めたんだから守らなきゃ
「小娘、いい加減目を覚まさんか。その見た目に力…。初めから貴様に居場所などありゃせんのだ。白ひげも、隊長達も貴様の力を恐れて優しくしとっただけじゃと早よう気付け。」
「ニア、俺たちの言葉と海軍の言葉。お前はどちらを信じる?ちなみに俺たちはお前を家族だと思ってる。例えお前が世界を滅ぼす力を持っていても俺たちがお前を見捨てることはない」
ビスタ…。
わかってるよ、大丈夫。
シスコンなお兄ちゃんズを疑うなんてブラコンのわたしにできるわけないよ。
でもね、ちょっと我慢の限界なんだ。
言葉ではいくらでも言えるけど実際に見たら彼らはどう思うだろうか。
あぁ、でも…もう抑えきれない。
「貴様は少し足りとも愛されてなど…「そろそろだまれ。あかいぬ」……っ!?!?」
覇王色を覗かせながら赤犬を睨みつけ、殺気と覇気をぶつける。
「うるさいんだよ…おまえ。さっきらだまってたらいいたいこといってさぁ…。ふふっ、ふふふっ!あははははっ!ばけものなら…ばけものらしく、こわしてあげるよ!だからさ?まもってみなよ、あなたのかかげる"ぜったいてきなせいぎ"ってやつでさぁ!!」
「「「「ニ、ニア…?」」」」
近くにいる隊長達がわたしの異変に気付いたのか恐る恐る名前を呼ぶ
ビシイイィィィッッッ!
「「「「「?!?!?!」」」」」
覇王色を全力で放つとわたしを中心に地面に蜘蛛の巣状のヒビが入り、海賊海軍共に驚愕する。
「は、覇王色?!貴様も持ってるのか!」
「ぼくは…ばけものなんでしょ?もっててもおかしくないとおもわない?」
センゴクの言葉に自虐っぽく返すとそこで我に返った長男が焦ったように指示を出した
「やっべ!おい!隊員は早く船に!!傘下はみんな無事に逃げたな…?イオン!おまえ近くにいるなら隊員を誘導しろ!!」
イオンが能力を使ってる最中なのかわからないけど彼らにイオンの姿を探す余裕がないからか誰に向かって喋るわけでもなくマルコがそう叫ぶ。
「エースの兄弟も先に行け!こいつは俺らの妹だ!俺たちでなんとかする!」
「そんなそいつ置いて逃げろって!?できるか!」
「おれもルフィに同意見だ。」
マルコの指示に従わないのはエースの兄弟だ。まぁ、巻き込むようなことはしないから大丈夫だよ。
赤犬に向かって攻撃を仕掛けようとした時、耳障りな笑い声が響いた
「ゼハハハ!久しぶりだなァ、オヤジ!それに海軍はざまぁねぇなぁ!!なんてやられようだ!ニア!お前よく生きてたなぁ!しかもその力、怪我を治すだけじゃねぇのか!ゼハハハ!こっちこいよ、ニア!俺ならお前を可愛がってるぜ?」
「「「ティーチ!!!」」」
みんなが怒りを露わにする。
あの耳障りな笑い声、わたしも嫌いだ
「よぉ!お前ら!久しぶりじゃねえか!オヤジも元気そうだ!!全部ニアのおかげか!!?」
「ティーチ…。お前だけは息子とは呼べねえなぁ」
うるさいなぁ…もう。
オヤジさんを裏切ったお前がとーさんをオヤジなんて呼ぶなよ
「なぁ、ニア!お前俺から逃げた後、どこで何してたんだァ?そんなに暗い目になっちまって、人の悪意にでも触れたか?そうだよなァ!お前は綿に包まれるように優しい世界で育ったんだ!負の感情なんて知らねえよなァ!」
ーもう…あいつ…ー
「そんなバケモノみたいな力でも俺は構わねえぜ?俺たちの仲間になるってんなら歓迎してやる!ほんとは分かってたんだろ?エースは1度死んだ!それを生き返らせたんだ!言葉ではどうとでも言えるだろう。オヤジの船にもうお前の居場所なんてねぇんだよ!」
ー殺して……いいよね?ー
「ゼハハハ!ゼハハハハ!気づけ、ニア!お前はオヤジや隊長達に愛されてなんていなかったんだ。見せかけだけの愛情に騙されてただけだぜ?だから俺んとこ来い、ニア」
-プツン…-
…わたしの中で何かが切れた。
顔を俯けてゆっくりとティーチの所へと歩いてゆく。
その行動にティーチがニヤリと笑いマルコ達が『まさか!』と焦る。
「ニア?!まてよい!」
「行くな、ニア!裏切り者の言うこと信じるのか!?」
「…かくなる上は…ニアを……っ。やるしか…」
「だめっ!そんなの絶対ダメだ!!」
そんなに心配しなくてもわたしは寝返らないよ。
「ゼハハ!ゼハハハハ!ようこそ、黒ひげ海賊団へ!!歓迎する…」
パアァン!!
「「「!!??」」」
ティーチに近づき、銃を抜いて頭めがけて撃つ。
だがティーチもその殺気に気づき、間一髪でかわした。
「……何のつもりだ?ニア」
自分の方に歩いてきたのに銃を抜いたわたしを訝しげに睨む
「なんのつもり、だって?おかしなこときくねぇ。ぼく…おまえのなかまになるっていついった?」
脇差しを抜きティーチの頸動脈目掛けて振り上げる。
彼は一歩引いてそれをかわすと能力を使い、わたしの体は彼に引き寄せられ首を絞められる。
けど、この前とは違う。わたしは今既に拒絶の力で痛みも苦しみも全て否定しているから何も感じない。
「ゼハハハ!俺のとここねぇんなら殺してやるよ、ニア。」
「そう。ならわたしのさいしょでさいごのわがまま…。きいてくれる?」
「ん?ゼハハハ!いいぜぇ?聞いてやる!言ってみろ!」
わたしは銃をティーチの額に向け、引き金を引いた。
「しんでほしい、ティーチ。むざんに、ざんこくに…ちれ」
頭と胸に2発撃ち込んだ。
誰がみても生きてないだろう。彼の体から力が抜けわたしを落とす。
受け身をとって離れると彼は他に倒れ伏した。
「「「船長!!!」」」
彼の仲間がそこで動き出す。わたしに殺意を向け攻撃を仕掛けてくるがもう遅い。
「あしもと、ちゅういしたほうがいいよ」
黒ひげ海賊団とやらがいた所の足元のコンクリートを拒絶で消すと彼らは海の底へと沈む。それを確認した後、元に戻した。
「さて…っと。じゃまはいなくなったしつづきしよっか。あなたもころしてあげるね、あかいぬさん」
にっこりと笑って告げると彼は一瞬だけ驚いた表情を浮かべた
あぁ…ダメだ。
怒りに任せて暴れちゃいけないのに…もう自分を止められない
助けて、にぃちゃ…
**********
ーマルコサイドー
『あなたもころしてあげるね、あかいぬさん』
ティーチを含むやつの仲間を海の底へと沈めたあとニアが豹変した
にっこりと笑って赤犬を見るその表情は狂気そのもの
顔は笑っているが目の奥が冷め切っていて一切の感情を感じることができなかった。
やっぱりもう限界だったんだろうな…
赤犬の挑発を気にも留めて無いように振る舞っていたけれど、気にしていないフリをしていただけだったんだ。
…くそっ、もっと早く気づくべきだった……。嘘つくのは下手なくせしてこういうこと隠すのは上手なんだよな、こいつは
これは相当まずい。もしニアが暴れて我に返った時、その惨状を見たらどんな反応をするだろうか…。
止めねぇと…。ニアにこんなことさせたらだめだ!
だが…どうやってとめる?下手に刺激したら逆に危ねぇ気がする。
「ティーチの所に行かなかったのはいいが…ありゃ、相当ヤバいな」
「ニア、あの時よりもすごく昏い目してる。あの子あんな顔するんだね…。」
「ニアは笑っててこそニアだ。止めるぞ。」
「まてイゾウ。下手に刺激すると俺たちも危ないぞ?」
「…待ってくれ。おれに任せてくれないか?」
エースが言う。こいつ、何か策があるのかよい?
「どうやって止める気だよい?」
「分からねえ。けど…あいつはおれを助けてくれた。あいつがいたからおれは変われた。…だからこそ、おれが止める」
「それは俺たちも同じだよい。みんなで止めるぞ」
こいつはティーチに攫われて、それでもここに帰ってきた
こいつがそれを選んだんだ。俺たちだってイオンが言ってたようにニアが窮屈してるんじゃないかって不安を抱えていた。
けど、ニアは俺たちのとこに戻ってきたんだ。
だったら止めねえとな
苦しい思いさせてごめんな、ニア
すぐ助けてやるから待ってろい
ーサイドエンドー
サボまでいてなんでエースが死にかけるんだ!とか思う方いらっしゃるかもしれません
わたしも書いてて思いました(笑
けど、ニアちゃんの力で 死んだ人間も生き返らせることができる とか色々伏線張ってたのにそれを生かしてないなと思って思い切ってやってみました
生きてるからいいだろ!((殴
とか開き直ったのは内緒です