イオンさんについてはいつか別で詳しく書こうと思います
-サカズキサイド-
な、んじゃ?このガキは…
途中で現れた黒ひげをいともたやすく海の底へと沈めた。
そしてわしの方を見て……
『あなたもころしてあげるね、あかいぬさん。』
そう乾いた笑顔で言った。その笑顔をわしは怖いと思った
…わしが恐怖を覚えた、じゃと!?
こんなガキがなんて殺気を出すんじゃ!!
こいつは…人間、なのか?その二色に光るオッドアイの目は狂気に満ちていて嘲笑うかのような昏く冷たい目をしていた。
何をしたらガキがこんな目をするようになるんじゃ…。じゃが、海賊は悪!
こいつが海賊である限りわしらはこいつを殺さにゃならん。
ガキじゃろうが容赦も手加減もせん!こやつは危険じゃけぇ!!始末する!!
-サイドエンド-
***********
「ふふふっ…。みんなそんなにおびえて…どうしたの?こわい?ぼくがこわい??なら、とめてみなよ!」
ビシイイィィィッッッ!
地面に入っていた蜘蛛の巣状のヒビがさらに深くなり島に水が浸水する。
それでも周りはしっかり見えている。優先してやるべきは白ひげ海賊団を逃すまいと深追いしてくる海兵だ。
飛び上がり上空から持ってたクナイをそいつら目掛けて投げる。
覇気を纏ってるから威力もある。頭や胸を刺し、運が悪ければ即死だろう
「大噴火ァアァッ!!」
怒号とも言える怒りのこもった叫びと共にマグマを飛ばす。
魔法陣のような巨大な円を宙に描きそれを通過するとマグマは瞬く間に凍りついた。
「
凍りついたマグマに向かって指を鳴らすとヒビが入り跡形もなく砕け散った。
「な、何をしよった!小娘!!」
「あぶないなぁ…。あなたとたたかってるのはぼくだよ?まわりをまきこむようなことしないでくれない?」
地面を勢いよく蹴り赤犬さんとの間合いを詰める。
彼は右手でマグマの拳を作り、わたしを迎え撃ったが…
「そのはんだん、まちがいだね」
彼の拳がギリギリ届かないところで飛び上がり宙を舞う。
「そのうで…もらうよ」
脇差には気を纏わせ彼の右腕を落とす。
「ぐぬぅ…。なんて奴じゃ。クザン、ボルサリーノ!手を貸せ!こやつは1人じゃ殺れん!」
「あらら!サカズキがそんなこと言うなんて珍しいじゃないの」
「サカズキの利き腕をそうも簡単に落とすとはねぇ〜…。シャボンディで見逃したのは失敗だったかなァ?」
大将が3人、わたしの前に立つ。
…みんな大きいなぁ。けど、大きさで勝負は決まらないよ
そこにお兄ちゃんズが合流する
「ニア!仲間の避難は終わった!あとは俺たちだけだ。戻るぞ!」
「さきにエースたちがもどりなよ。ぼくはもうすこしあしどめしてるから。」
「みんなで船に戻るんだろ?!お前も一緒だ!」
「たいしょうさんにんまえにしてせをむけながらたたかうなんてきようなことできるの?」
「それはっ…」
「ニアならできそうだけどね。でも、今のニアを残して俺たちだけで行けないよ。一緒に戻るんだ、それは譲れない」
「それに、だ。俺たちをさきに船に戻してお前はどうするんだよい。」
「ちゃんとかえるよ?ぼくのいえはあのふねだもん。……そう、だよね?」
言った瞬間にティーチの言葉が蘇る
『もうオヤジの船にお前の居場所なんてねぇんだよ!』
…あれはティーチの戯言…だよね?
「何度も言っちょるじゃろ、小娘。貴様に!居場所など!ありゃせんのじゃ!!」
「…うるさい。おまえにきいてないんだよ」
マグマで腕を作り殴りかかってくる赤犬さんを浸水してる海水を操り捕まえる。
そのまま球体の形にして閉じ込めた。
「っっ!!!」
「それで、のうりょくはつかえない。こきゅうもできない。ふふふっ…つぎは、どうする?」
「…えげつねえこと考えるな、ニアちゃん。だが、俺らもいること忘れるなよ!アイス
青雉さんが氷の矛を飛ばしてくる。
見聞色で躱すと両手に黄色っぽい白色の炎を纏わせる
「なーにそれっ!炎なの?!」
「そうおもうならくらってみたら?」
「俺に死ねって!?」
青雉さんの驚きにそう返すと両手を体の前で突き合わせ火炎放射のように青雉さんのすこし手前の地面発射させる
それは地面をえぐり爆発を起こした。
「うわっ!!えぐいな、ニアちゃん!!なんて火力だよ!火拳に劣らねえんじゃねえの?!」
「ひのあつかいならエースのほうがしょうずじゃない?」
「……ニア。今のはおれにもできないと思う。むしろどうやったか教えてくれ」
「ひにはおんどがあるでしょ?おんどによっていろがかわるからおんどをちょうせつするイメージで……」
「この状況で解説を始めるなんて随分と余裕だねぇ〜。
黄猿さんが光の剣を出す。
…そうだ、いま戦争中だ。呑気に説明してる暇無いじゃん!マイペースが移った!
黄猿さんがこちらにくる。
ここにいるとマルコたちも巻き込むかな?
なら……出来るだけ注意を逸らさないと!
「ニア!!」
走り出したわたしを止めようとマルコが手を伸ばすがその手は届かなかった。
「オー…、自分から向かってくるとは…どう言うつもりだいぃ〜?」
彼の間合いまで入ると剣を振り下ろしてくる。
わたしは見聞色を使いそれをかわしたり脇差で受け流しながら背後を取った。
地面を蹴って飛び上がり弓を引く。
覇気を纏わせて首を狙い放つ
黄猿さんは体を反転させそれを避ける
弓は彼の首の横を通り過ぎうっすらと傷をつけた
「おーっとっと。そんなに簡単に背後を取ってくれるとはねぇ〜。」
その攻防を見てた元帥が叫びながらこっちにきた
「大将を3人相手になんて娘だ!!だが、ここで貴様も始末する!海賊は逃しはしない!」
"海賊は逃しはしない"
…わたしの家族はみんな海賊だ。なぜなら海賊に拾われたのだから。
みんなわたしの大切な家族……。
あぁ、そうか。みんな"誰か"の大切な人なんだ。
海賊だろうが海軍だろうが人と繋がりを持ってる限り誰かにとってかけがえのない存在。
わたしが今まで殺してきた兵士も"誰か"の大切な人だったかもしれない。
なんて事をしてしまったんだろう。
失いたく無いから、大切な人に生きてて欲しいから誰かの大切な人を殺したんだ。
弱肉強食と言えばそれまでだが、惨い話だ
「はっ…ははっ……。そっかぁ…。ぼくってすごくひどいことしたんだね」
「ニア?どうした、急に」
「エースにいきててほしいから、みんなでぶじにかえりたいからたくさんたくさんころしたの。…けど、ぼくがころしてきたひとたちもだれかのたいせつなひとなんだ。…はははっ。ばけものっていわれてもしょうがないよねぇ…」
「「「「ーーーっ!!!」」」」
涙を流しながら乾いた笑みを浮かべるとみんなが驚きと心配の表情を向けてきた。気づいてしまった…。気付きたくなかった。そんな思いがぐるぐると駆け巡る。
もう終わったことだと無理やり気持ちを切り替えて赤犬さんの方に歩きながら、浸水した水を操り元帥さんと青雉さんと黄猿さんを捕まえ動きを封じた。
赤犬さんの水の球体を潰し飛散させる。その圧力で彼はもう満身創痍だ。
でも…だけど、この人だけでも封じないと……
「ぐっ…。小娘ェ…。」
「もう、おわりにしようか。…これいじょうたたかってもおたがいにひがいがふえるだけだよ?」
脇差を抜き振り上げる。
するとお兄ちゃんズが止めに入った。
エースがわたしの後ろに立ち振り上げた腕を掴み、わたしが銃を抜かないようにハルタが反対の手を押さえた。マルコがわたしと赤犬さんの間に入る。
「やめろよい、ニア。もう…いいんだ。殺さなくていい」
マルコが優しく頭を撫でていう。
その優しさに屈しそうになった時…
「…冥狗!!」
力を抜き武器を下ろすと瀕死状態だった赤犬さんが反撃してきた。
「マルコ!」
「なっ!……ニアっ!!!」
「ーーーーっ!」
マルコを横に押し飛ばすと赤犬さんの攻撃がわたしに向かってくる。
両手を重ね、掌でその攻撃を受ける
咄嗟に覇気と水を纏ったが完全には間に合わず掌から腕にかけて焼けていくのがわかった。
赤犬さんは最後の力だったのだろう。
その一撃を放った後に気絶した。
最後の最後に油断した…
…これ、下手したら体まで火傷してるかも
「「「「ニアッ!!!」」」
あんなえげつない一撃を喰らって何とも無いような顔で立ってるわたしをみてお兄ちゃんズが焦り出した
「馬鹿!おまえまさかこの戦争中ずっと使ってたのか!?死ぬぞ?!」
「すぐに解け!もういい!お前はよく頑張った!これ以上傷を増やすな!」
そこにミホークさんが夜に手をかけながら歩いてきた。
「まさか…ここまでとはな。お前たち、なぜもっと早くニアを止めなかった?もう心も体もボロボロじゃないか。」
「ミホークさん…、いいの、ぜんぶわたしがわるいの。だからにぃちゃたちをせめないで。このちからも…じぶんをせいぎょできずにつかったのもわたし。にいちゃたちは…なにもわるくないの。これいじょう、みんなをきずつけないで。やるならわたしがあいてになるよ」
「……何もかもを自分のせいにする事で他のやつらを守るか。健気なやつだ。お前、そんな性格でよく海賊をやっているな。安心しろ、お前とやり合うつもりはない。お前に免じてここは引く。だが覚えておけ白ひげ海賊団。……次、もし同じようなことがあってソレがまたそんな顔をするのであれば俺はそれを攫っていくぞ」
そう言うとミホークさんは夜から手を離し踵を返し歩いて行った。
…コレとかアレとかソレとかお前とか……
この人わたしの名前頑なに呼ばないよね
「フフッ!フフフフフッ!なんかすげぇのがいるじゃねぇか!」
サングラスをかけたピンクの人が指をクイッと動かすと体の自由が効かなくなった。
見聞色で気配を探り、目を凝らすと細い糸のような物が見え、それがわたしの体に巻きついていた
「これは……いと?」
「っ!!フフッ!初見で見破るとはな!どうだ?ガキ、俺んとこくるか?白ひげの所に居場所があるか不安なんだろ?なら、俺がお前の居場所を作ってやる!」
わたしは首を横に振る
「いばしょくらいじぶんでつくる。ぼく、もうつかれたの。かまわないで」
体の周りに炎を纏うと糸が燃え、それがサングラスの人へと伝っていく。
彼は糸を切りわたしから距離を取った。
「フフフフフッ!こりゃ面白い!お前…いつかものにしてやる。覚えてろ」
サングラスの人も戦場から去る準備をする。
それを元帥さんが止めるが海水に足止めされているため動けず叫ぶだけとなっていた。
「待て!鷹の目にドフラミンゴ!貴様ら一体どこへいく!?」
「どこへ?フフフフフッ!帰るんだよ。こりゃもう海軍の負けだろう。火拳を解放されて、白ひげはさっきまでとは別人のように元気だ。詰んだだろ?」
「俺も同じだ。それに…ソレはまだ本気じゃない。そいつが本気を出せば島一つ沈めることなど容易だ。」
ちょっと買いかぶりすぎじゃない?ミホークさん。
そこまでの力はないと思うんだけど…。
異能…解いたら死んじゃうかな?
痛覚の麻痺って本当に危ないんだよね。シャンクスさんの修行の時によくわかった。
「ニア。あとは俺たちがなんとかするよい。お前の目が覚めた時に誰かいないなんてことは起こさない。だから、信じて…眠ってくれ。もう、お前が傷つくのを見たくない」
「にぃちゃ…。ありがとう。だいすき、だよ」
微笑んでお礼を言うと自分にかけてた異能を解く。
お礼を言ったのはもう会えなくなるかもしれないから。
すると想像を絶する痛みと立っていられないくらいの吐き気に襲われた。
あ、これ死んだかも。
どこかデジャヴを感じた気がする。
…そうだ。わたしが前世でトラックに轢かれた時だ。
これ死んだなって思ったらもう死んでたっけ?
……ははっ。変わったと思ったけど結局なにもかわってないんだな、わたし
「おや……す、み」
さよならは言いたくなかったから力を振り絞ってそれだけ言うと全身の力が抜けるのがわかった。倒れたわたしを誰かが受け止め、温もりを感じながら意識を手放した。
***********
ー白ひげサイドー
なんともまぁ、めちゃくちゃやってくれたぜ。あの馬鹿娘は。
赤髪の鼻ったれが何か危惧してたが、まさかここまでやるとは思わなかったぜ…。
ティーチを容赦なく撃ち殺してその仲間を海の底に沈めると、ニアはまるで人が変わったように乾いた笑みを浮かべ、おれは恐怖しか感じなかった。今まで見てきた…育ててきた無邪気なニアがどこかに消えたみたいで怖かった。
戦闘だって数える程しかしてねぇだろうし、こんな大きな戦争だって初めてだろう。
なのに全てをかき混ぜるかのように物理的に引っ掻き回してくれたなぁ、ニア。
お陰で助かったが…、まさかおれの病気まで治しちまうとはなぁ。
ニアがマグマ小僧に貫かれたおれの傷を拒絶した時、同時に呼吸が楽になり体が軽くなった。どう考えてもあいつの仕業だ
エースを助け出したあとエースがマグマ小僧の挑発に乗ったとき、まさか引っ叩くとはなぁ!あいつも怒るんだな。あいつが本気で怒ったとこ見るのは初めてかもなぁ
だが、それでも諦めずに挑発するマグマ小僧の挑発にエースが乗り、貫かれてしまった。が、ニアがそれを拒絶した。
『死んだ人間もその事実を拒絶すれば生き返る。』
まさか本当だったとは…。疑ってた訳じゃねぇが実際に目の当たりにすると言葉がでてこねぇもんだな。
それはそうとあと残ってんのはニアの力に捕まってるセンゴクと青雉と黄猿の若僧と七武海程度か。
だが、鷹の目は去って行っちまったし、ドフラミンゴもなにやら含みのある笑いをしながらどこかへ行った。
…何か企んでやがるな。誰だろうとニアは渡さねえ。
ニア。お前の家はおれの船だ。
だから今回のこと気に病んでくれるなよ?おれたちはお前の味方だ。
おれも海軍の戦力を減らした後、息子たちが集まってる所に行くと、ニアが倒れた。地に伏す前にニアの体を受け止め、抱き上げる。
「「「オヤジ!!」」」
「グラララ…。おめえら無事かァ?」
まぁ、無事だろうな。ニアは暴走してても周りは見えてた。
こいつが攻撃した兵士もおれ達を執拗に追ってきた奴らだけだ。あそこまで戦況が見えてたのはすげえと思うぜ。
おれはニアを片腕に抱えると 船に戻るぞ と言う。
イオンが能力をフル活用してくれたおかげで傘下は先に逃し、船員も無事避難できた。
追ってくるしつこい海兵は問答無用でズタズタにしてたな…。
…あいつ、本性出ると怖えんだよなぁ。なんで、非戦闘員やってんだか。本人がそうしたいって言うからおれはそうさせてるだけであってあいつは戦闘員としてもやってけると思う。なんたってニアが来るより昔に2番隊隊長の候補に上がったくらいだからなぁ、即断られたが…。
「まて!そいつはお前の船のクルーなのか?!白ひげ!!」
ニアが気絶したせいか、海水の拘束から解かれていたセンゴクと青雉と黄猿。
海水を操って能力者捕まえるとか随分えぐいこと考えるなぁ、こいつは
「あぁ、そうだぜェ?あんま虐めないでやってくれねぇか?こいつは優しいから全部真に受けて傷ついちまうんだ。」
「なんの冗談だ!?そんな力を持った奴がお前の船にいただと!?いつからだ?!」
「さぁなァ。知りたきゃ自分で調べてみなァ!それよりもういいだろ。お前らの方は戦える奴のが少ねえし、この戦争、終わりにしねえか?」
おれがそういうとセンゴクは悔しそうな顔をするが正義感が強いだけあって最後まで足掻こうとした
「我々は正義だ!正義の名にかけて、海賊を逃すわけにはいかない!」
センゴクが巨大化しその拳を向けてくる
敵ながらあっぱれな奴だ。ニアを抱えてる逆の手で能力を使おうとした時、覇気を纏った円盤がセンゴクの腕を斬り裂き、牽制した。
「ぬうっ!?チャクラムだと!?」
センゴクは咄嗟に腕を引っ込め元の姿に戻る
「なかなか戻ってこないと思ったら元帥に足止めを食らってたとは…。」
「「「「イオン!?!?」」」」
グラララ…こいつは本当に気配が読めねえなぁ!
イオンがおれの腕で寝てるニアを見るとその頬を触りホッとした顔をした。
「ニア…。無事で、よかった。」
さて。と、海軍と向き合うとイオンはいつもの柔らかい笑みを浮かべた。
「もう終わりにしましょう、元帥さん。これ以上戦っても無駄な犠牲者が増えるだけですよ?それとも意味のない死者を出してまで海賊を捕らえることに命をかけるのが海軍の正義なのですか?こちらにもう戦闘の意はありません。戦意のないものを追いかけて救える命を殺す事に意味はありますか?」
…痛いとこつくよなぁ、こいつ。
「貴様、まさか…。植物園の時にいた…」
「ふふっ。覚えてましたか、元帥さん。ニアもそうですよ。あなたにカスミソウをあげた子。」
「っ!?その娘がっ!?あのカスミソウの子だと!?まさか、白ひげの船のクルーとは…」
「ニアに免じて見逃してくれませんか?この晴天の下で、あなたの殺気は痛すぎる」
…………相変わらず、何言ってるかわかんねえ奴だな。
「…は?」
センゴクもその周りも黙っちまったじゃねえか。
まぁいい、今のうちに戻るか。
おれたちは呆けてる海軍を置いて船に戻りマリンフォードから逃げた。
ーサイドエンドー
***********
白ひげ海賊団と海軍の大規模な戦争が終わった後、サボはルフィとジンベエ共に潜水艦で移動し、モビーの後を追った。
安全圏までつくとサボとルフィとジンベエは潜水艦を降り、モビー・ディック号に乗る。
「ルフィ、お前強くなったな」
「にししっ!そんなことねえよ!全部ニアのおかげだ!」
「そう…か。そうだな。ニアのお陰か」
船に着くなりすぐにニアは医療室へ運ばれ手当てをした。
最後に喰らった赤犬の攻撃のせいか酷い火傷を負っていたそう
マルコがイオンと船医と共にニアの手当てをすると甲板へと出てくる。
「体がかなり疲弊してたよい。それに赤犬の攻撃を喰らってた場所に酷ェ火傷がある。……あれだけの怪我であんな何事も無いような顔しやがって…。本当に恐ろしいな、あいつの異能は」
「……ニアのやつな、おれに向かってきた攻撃をほとんど代わって受けてくれてたんだ。相殺もしてたけど相殺が間に合わなかったり死角からの攻撃とかは俺の代わりに…」
「…ルフィ。それは言うなってニアに言われてただろ。」
「で、でもよ!」
「どう言うことだ?」
食いついてきたエースをみてサボはため息をつき話し始める
「戦争中によ、あいつがおれらの側にいる時は出来るだけルフィに被弾させないようにおれが捌き切れなかった攻撃を全部ニアが受けてたんだ。」
「ーーーっ!?なんだよそれ!じゃああいつ、ルフィの盾になってたってことか!?」
「まぁ、そう言うことだ。だから鷹の目と戦うって言い出した時、おれは無理やりルフィを先に連れてったんだ。どっちも危険だろうが、あいつなら1人の方が生存率は上がるだろう。」
「おれ、ずっとニアに守られてたんだ。…すまねぇ、エース」
ルフィが申し訳なさそうに謝るがエースは「ルフィのせいじゃ無い。」と彼を許す
「気に病むな、ルフィ。ニアがそれが最善だと判断したんだろう」
「だかなぁ…。もうちょっと何とかならねぇか?なんであいつはいつも自分の体を盾に使うんだ?」
「癖だろうな。早く直させないと取り返しのつかない事になるかもしれねぇ」
イゾウの言葉に周りが沈黙し、空気が重くなる。
それを感じ取ったサボが無理やり話題を変えた。
「そ、そう言えばニアの奴、攫われて逃げてたらシャボンディ諸島に着いたとか言ってたが…ニアを攫ったやつってーのは戦争中にニアが沈めたあの黒ひげとやらか?」
「あぁ。おれが制裁を下すつもりで船を飛び出したんだが敵わなかった。…おれが助けられなかったから……ニアはッ…」
「エース。お前のせいじゃねぇ。ニアがティーチを警戒していたことを知りながら何の対策もしなかった…そして、お前を止められなかったおれの責任だ。自分を責めるな」
「だがオヤジ!おれがもっと早くティーチを見つけていれば…!」
「もう終わった話だよい、エース。ニアは無事に戻ってきた。お前も生きてる。それでいいじゃねぇかよい」
「そう……だな。」
エースはマルコの言葉に納得し、深呼吸をするとサボに笑いかける。
「サボ、ニアを連れてきてくれてありがとうな。あ!そうだサボ、お前今までどこでなにしてたんだ!!」
エースの問いにサボは苦笑いをしながら返した。
「悪いな、エース。おれは記憶を失ってて、ずっとお前たちのことを忘れていたんだ。だが、それをニアが戻してくれた。だからこうして助けに来れた。」
「記憶を…?…そう、だったのか」
「にしししっ!とにかく、生きてて嬉しいぞサボ!」
ルフィが屈託のない笑みでいう。
しかしサボは浮かない顔をしていた。
「それはそうと…大丈夫なのか?ニアの奴は」
「大丈夫…って、どういうことだ?」
「おれは今、革命軍にいる。ニアはくまの奴に飛ばされて革命軍の基地に落ちてきた。そこで、エースの処刑のことを知ったんだ。革命軍が戦争に加担することはできないけどあまりにも必死なニアを見てドラゴンさんが情報をくれるなら力を貸すといった。」
サボがそこまで言うと、白ひげたちはニアが何をしたのかとサボの心配を悟った。
「ニアは簡単に自分の力のことを喋った。初めて会ったにも関わらずおれたちに簡単にあの拒絶の力とやらのことを話し、その証拠としておれの記憶を戻した。」
「じゃあ、革命軍はみんなニアの力を知ってるのか?」
「あぁ、知っている。ドラゴンさんがニアに『お前を盾に白ひげに喧嘩を売ったらどうするつもりだったのか』と聞いた。そしたらニアは何て答えたと思う?」
「……なんて、答えたんだ?」
「自分のせいで白ひげ達に被害が出るなら、こんな首切り落とすに決まってる。って言ったんだ。『何、当たり前のことを聞いてるの?』とでも言いたげな顔で」
「そんなことを……」
「なぜあんなに自分を大事にしないんだ?」
白ひげも隊長も黙ってしまった。
きっと彼らも同じことを思っていたのだろう。
その静寂を破ったのは少女の声だった
「………にぃちゃ?」
甲板につながるドアからこっそりと顔を出すように恐る恐る隊長たちの方へと歩いていく。
「ニ、ニア!?目が覚めたの!?体は大丈夫?!」
「まだ寝ていろ。回復してないだろう?」
「で、ても…。その……おきたらだれもいなくて…。わたし…おいていかれたかと…」
「「「・・・・。」」」
少女が寂しがりだと言うことを思い出した彼らはまだ昏い目をしてる少女のところへ行き頭を撫でるのだった。