家族の為ならどこまでも   作:実茶

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後日談です
この後も別視点で出す予定です。
あくまで予定なので次の更新は未定です(^^;


その後の彼らの日常*ニア編*

ニアの手配書が世界中にばら撒かれた後の話。

彼女は自分の手配書と睨めっこをしていた

そんな彼女に話しかける青年

 

「どうしたんだ?ニア、そんなに自分の手配書見てよ」

「おはよ、エース。…えっとね……わたしのけんしょうきんやっぱどうかんがえてもたかいよなぁ、っておもって」

「いやいやいやいや、お前今までしてきたことちゃんと思い出してみろ。どう考えても低いだろ」

「そうかなぁ。」

「まぁでも何億だろうがニアはニアだろ?」

 

彼の言葉に彼女は一瞬きょとん。とするがすぐに微笑みに変わった

 

「・・・ふふっ、そうだね。」

「ーーーーっ……(あれ?なんか変わったか、こいつ?でもこれはこれでかわいい。)」

 

エースはニアの笑みに頬を赤らめる。

その光景を隊長達が陰からこっそりと見ていた

 

「…あいつ、あの戦争以来なんか変わったよな」

「あぁ。あんな儚い笑顔で笑うことなんてなかったのに」

「あれはあれで破壊力がすごいけど…前の無邪気な笑顔も恋しいよね」

「少なからず心に後遺症が残ったんだろうな」

「俺たちがあいつに与えまいと遠ざけていた感情をあれだけの悪意と共にぶつけられたんだよい。あそこまで回復しただけよしとしよう」

 

コソコソと話しながら物陰でニアを見守る彼らの後ろにイオンが立つ

ニアを盗み見してる様子を見てどこか呆れたように声をかけた

 

「なにしてるんですか…隊長」

「お、イオン。ニアが自分の手配書と睨めっこしてたからその様子を観察してるだけだ」

「声かけてあげましょうよ……って、エース隊長がかけてたんですか」

 

エースとニアが話してるところを見るとイオンが納得し、彼らの方へと向かう

 

「エース隊長、ニア。なにしてるんです?」

「あ、イオン!ニアがな、手配書見てやっぱ額が高いって不満げにしてんだよ」

 

エースの言葉にイオンがニアに視線を移し柔らかく笑う

 

「ふふっ。高いとダメなのかい?」

「ダメじゃないよ。あのね、ちょっとこわいの」

「どうして?」

「…………ううん、なんでもない。ところでイオンがここにくるのはめずらしいね」

 

明らかに話を変えようとしたニアに隊長達が反応し動き出す

彼らはどうやらニアの持っている恐怖の理由をどうしても知りたいらしい。

情報は武器だ

知っていれば彼女を危険から守ることが出る。

彼らはもう2度と彼女に怖い思いをさせないと心に決めているのだ

 

「よう、ニア。そんな難しい顔してどうしたんだ?」

 

まるで今出てきたかのように声をかける隊長達だったがニアの見聞色を甘くみてはいけない。

彼女は彼らがいたことに気づいていた

 

「おはよ、にぃちゃ。ずっとみてたみたいだけどなにかようだった?」

「あ、バレてた?今日もニアは可愛いなーって思ってただけだよ」

「そう?ありがとう」

「それで?なんで手配書なんて眺めてたんだ?」

「まぁ…ちょっとね。」

「言えないことなのか?」

「また、しんぱいかけちゃうから。あのときじぶんのむりょくをおもいしったの。ひとりじゃなんにもできなかった。こわくてこわくて…うごくことさえできなかったの。だからちょっとはじりきでなんとかしなきゃ」

「1人じゃないんだから1人で頑張らなくていいんだ。もう2度とお前をあんな目に合わせなりしない。合わせないためにも…何に悩んでるのか教えてくれ」

 

そういうイゾウにニアは内心ずるいなぁ…と思う

 

「……ほんとは、きんがくのもんだいじゃないの。あのせんそうのあとにてはいしょがまわったってことはわたしがここにいるのもしられたことになるでしょ?まえよりもふねをおそってくるかいぞくがふえたきもするし」

「そうだな。だが別にそんなこと気にしなくていいんだぞ?お前のせいじゃない」

「ううん、そうじゃなくてね…」

「………あぁ。そういうことか。それは隊長達には言いづらいかもね」

 

ニアが口籠って隊長達から顔を逸らすとイオンが何かを察した。

彼がニアに耳打ちすると彼女は驚いた

 

「…ほんとにのうりょくつかってないの?イオンってすごいね、なんでわかるの?」

「ボクは、物心ついた頃から常に人の顔色窺って波風立てないように気をつけて生きてきたからね。表情から見抜くのは得意なんだよ」

「そっか。かいぞくなのにこんなんじゃだめだよね。だからどうにかしなきゃって」

「無理をする必要はないと思うよ?イゾウ隊長も言ったようにニアは1人じゃないんだからね」

 

2人が会話をしていると隊長達が割り込んでくる

 

「おい、そろそろ俺たちにも教えてくれないか、イオン」

「ニアがいいならいいですけど…聞いて後悔しないですか?」

「俺たちが知ったら後悔する内容なのか?」

「もしかしたらショックを受けるかも知れないですね。」

「いいから教えろよい」

 

問い詰められイオンは1つ息をつくとニアを見る

彼女は小さく頷きそれをみたイオンはニアが許可したと悟り、続けた

 

「まぁ、ティーチに攫われてボクたちとはぐれたあの一件がニアの中でトラウマになってるってことですよ。襲ってくる海賊も含めてこの船の人以外に会うのが怖いみたいです」

「「「「・・・・・。」」」」

 

理由を聞いた途端に彼らは表情を暗くした

マルコとサッチは贖罪の視線をニアに向け、ビスタとハルタとイゾウは何かに耐えるように拳を握る

エースは「ごめんな」と言いながらニアの頭を撫でた

 

「えっと、、、ごめん。あんまりきにしないでくれるとうれしい。にぃちゃたちがいてくれたらそれでいいから」

 

彼女が頑なに言わなかったのは彼らが今感じている想いを抱いて欲しくなかったから。

それを悟った彼らは「妹に気を使わせた」と心の中で謝罪する

 

「あ、、の。…なんでもないの。ごめんね?」

 

彼らを悩ませてしまったことに謝り、困ったような笑みを浮かべると彼女は逃げるように部屋に戻った。

 

**********

 

〜マルコサイド〜

 

あの戦争以来ニアの雰囲気が変わった。

前までは太陽のように明るい感じだったが、今は月の様な静かで儚い雰囲気を出すようになった。

ビスタが「少なからず心に後遺症が残ったんだろう」という。

俺もそう思うよい。

だが、笑ってくれるようになっただけでもよしとしよう。

あれはあれで破壊力抜群な笑顔だしな

ニアが何かに悩んでいるようだったから近くに行って聞いてみたが話してくれなかった。

イオンが何かを察し彼女に耳打ちすると「よくわかるね」と言った

俺らが問い詰めるとイオンは一息ついて話し出す

 

「まぁ、ティーチに攫われてボクたちとはぐれたあの一件がニアの中でトラウマになってるってことですよ。襲ってくる海賊も含めてこの船の人以外に会うのが怖いみたいです」

 

……あぁ、そういうことかよい。

理由を聞いてあの時のことを悔やむとニアが慌てて両手を振る

 

「えっと、、、ごめん。あんまりきにしないでくれるとうれしい。にぃちゃたちがいてくれたらそれでいいから」

 

あ、気を使わせちまったみたいだ。

彼女は居た堪れなくなったのか困ったように笑うとその場をあとにし部屋に戻る

 

「…はぁ。何やってんですか隊長。あんなあからさまに表情変えたらニアが遠慮するに決まってるでしょう」

 

ニアがいなくなったあと、イオンにため息をつかれた。

まぁ、うん。こいつのいう通りだよい

 

「それよりニアとお出かけしていいですか?」

「何がどうしてそうなった」

 

人と会うのが怖いって言ってんのになんでわざわざ連れ出すような真似を…

 

「過保護なのも結構ですがあれ以来あの子甲板にも滅多に出ないでしょう?結構重症だと思うんですよね。あの子自身がなんとかしたいって言ってるんだから協力してあげるのが兄ってものでしょう。というのが建前でただボクがニアとお出かけしたいだけです」

「本音ダダ漏れだぞ、イオン」

「俺も行くよい」

「「「マルコ?」」」

 

なるほどな。確かに甲板に出る回数でさえ減ったな。

誰かがつれださなきゃ自分から甲板に行くことも少なくなった

まだ早いかもしれねぇがいつかは克服しなきゃならねぇ

多少荒っぽいかもしれないが今このタイミングで連れ出すのはありかもな

こんなにもあっさり許可が出るなどと思わなかったのかイオンは目を丸くした。

 

「マルコ隊長大丈夫ですか?頭でも打ちました?いつもの過保護っぷりはどこいったんです?」

「何気に酷いな、お前。まぁ手配書もまわってるしもう隠しておけねぇからな。それにお前の気持ちはわからんでもない。」

「あ、まってくれ!ならおれも行きたい!」

「俺もいいか?」

 

俺が同行する旨を伝えるとエースとサッチがそういう。

 

「隊長が大勢船を開けるわけにはいかないからな。今回は譲ろう」

「次は俺たちだからな」

「仕方ないなぁ。」

 

ビスタとイゾウとハルタが譲ってくれ、俺とエースとサッチが同行することになった

 

「親バカならぬ兄バカですか、あなた方は…。ちょっと散歩するくらいですよ?」

「かまわねぇよい」

「はぁ、わかりました。じゃあニアを呼んできますね」

 

そう言ってイオンはニアの部屋へと向かった

 

〜サイドエンド〜

 

**********

 

あーあ。気を使わせたなぁ…

うちのミステリアスプチチートお兄様の察しが良すぎて誤魔化せない

あれで能力使ってないってあの人エスパーでしょ

 

ーコンコン

 

部屋の布団でゴロゴロしながら考え事をしているとノックされる

ドアを開けるとイオンがいた

 

「どうしたの?」

「ちょっとお出かけしない?」

「おでかけ?どこに?」

「特には決めてないけど、次停船したところで一緒に散歩しようよ」

「………うん。わかった」

「ふふっ、よかった。マルコ隊長の許可も取ってあるし、マルコ隊長とサッチ隊長とエース隊長も一緒だから安心してね」

 

わぉ。

イオンと隊長3人一緒って厳重すぎでしょ。

準備をするために動きやすい服に着替えロビーに向かう

 

「お、ニア。準備万端だな。」

「うん」

「俺たちも一緒だから安心しろ!まぁ念のためフードは付けておけ」

 

そう言われたのでパーカーを着る。

まぁわたしも顔を出して外を歩く勇気はない

オヤジさんに一言告げると船を出る。

近くに大きな街があったのでそこに行くことにした。

町の近くまで行き賑わいを見るとシャボンディ諸島のことを思い出す。

鼓動がはやくなるが怯えを悟られないように平静を保って彼らと歩調を合わせる。

だがイオンが街に入る前に止めた

 

「ストップ、隊長。」

「「「……?」」」

 

3人が振り返ると不思議そうな顔をするがわたしを見ると心配そうな表情に変わる

どうやらわたしは震えているらしい

 

「ニア、落ち着いて。ゆっくり呼吸をして」

「だ、だいじょうぶ」

「全然大丈夫に見えないよ。ほら深呼吸して」

 

イオンがわたしを落ち着かせているとエースがしゃがみ抱きしめる

 

「ニア。おれたちがいる。お前に危害を加える奴はみんな燃やしてやるから安心しろ」

 

いやそれ、逆に安心できない

深呼吸して落ち着くとエースに離してもらい彼の手を握る

 

「いこう」

「あぁ。無理すんなよ、ニア」

 

気を取り直して街に入る。

店を見て周り市場を見学しながら街を歩くと声をかけられた

 

「あれ?お兄ちゃん?」

「……っ…アス、カ?」

「お兄ちゃんじゃん。久しぶり〜。なにしてんの?」

 

彼女を見た途端イオンの表情が変わった

 

「知り合いかよい、イオン」

「……ボクの、妹、です」

「「「!?」」」

 

いつか聞いた覚えのある、イオンを傷つけてきたイオンの妹

 

「そっちのみんなはお友達?初めまして、イオンの妹のアスカです。まぁ、お兄ちゃんは薄情だからわたしを捨ててでてっちゃったけど。友達なら選んだ方がいいよ?」

「アス…「おねえさん…」……ニア?」

 

ダメだ。

これは我慢できない。

 

「ん?わぁ…小さい子!わたし子ども好きなんだ。お兄ちゃんと一緒にいたら魂食べられちゃうよ?お兄ちゃんは死神だからね」

 

イオンの妹さんは腰をかがめわたしの頭を撫でてそう言う。

けれどそんなことは気にも留めずに言い返す

 

「…なにをこんきょに、イオンをしにがみだっていうの?」

「紫色って死の象徴なんだよ?死を招く紫水晶の瞳。薄紫の髪…。どう考えても不気味でしょ、わたしは黒髪黒目なのに」

「そう。そんなのすこしもきにならないけどね。イオンがしにがみならそれでもいいよ、かれにはなんどもたすけられてるからね。たましいとるならむしろこっちからおねがいするよ」

「ええ!?不思議な子だね。」

「イオンはたいせつなかぞくなの。だから、おなじ"いもうと"というたちばとして"あに"をきずつけるなら……ゆるさない」

 

フードの隙間から顔が見えるように彼女を睨みあげると「ひっ!」と小さな悲鳴をあげて逃げていった。

ふう…。よく手を出さなかった、わたし偉い!

 

「…ニア。ありがとう」

 

イオンが頭を撫でてくる。

彼を見上げるととても嬉しそうに微笑んでいた

 

「…イオンがあんなに嬉しそうにしてるとこ見るの初めてかもしれねぇよい」

「そうだな。」

 

誰だって罵られるのは辛い。

わたしは最近経験したばかりだからよりイオンの気持ちがわかる

わかるが故に彼女が許せなかった。

気を取り直して市場を歩いていると見知った顔の人と出会う

 

「にぃちゃ、かいぐんてひまなのかな?」

「暇なんだろうなぁ」

「お得意のサボりだろ?」

「おいおい、揃いも揃って酷いじゃないの」

 

目の前に現れたのは青雉だった

 

「なんかようか?」

「いや?たまたま見かけたからちょっかいかけにきただけだ」

「迷惑だ。」

「いいじゃないの。俺もう海軍やめてるし」

「え…?」

 

海軍を辞めてる?なんで?

 

「…そういえばそんなニュースが報道されてたな。」

「あおきじさん、なんでやめたの?」

「もう青雉じゃないのよ。だから名前で呼んで?」

「いやお前誰だよ。いい年して子どもに名前呼ばせるおねだりすんな」

「いいじゃないの!些細な願い事聞いて頂戴よ」

「海軍じゃないなら尚更俺たちに構う理由はないだろ。」

「えー。ニアちゃんとお話ししたい」

「「「だが断る!」」」

 

息ぴったりだな、お兄ちゃんズ

 

「相変わらず過保護だなぁ…。まぁでも、よかったじゃないの、ニアちゃん。ちゃんと家に帰れて」

「うん」

「にしても今回は随分と厳重じゃないの。隊長が3人と…そっちの紫のやつは珍しい武器使う兄ちゃんか。」

「お久しぶりですね、青雉さん。あなたどうして海軍辞めたんですか?」

「まぁ、負けたのよ。サカズキにね」

「…まけた?あなたが?」

「ん?そうよ。俺は氷、あいつはマグマ。能力の相性も悪かったしねぇ」

 

青雉ことクザンさんがしみじみと言う。

けれどわたしは疑問で一杯だった

 

「なんで?」

「なんでって…なんでよ。どうしたの?ニアちゃん」

「こおりとマグマ…。たしかにクザンさんのがふりだけど…わたし、あかいぬさんのききうでをおとしたよ?なのにあなたがまけたの?」

「………あー…」

「わたしでもあのひとのこうげきかわせて、こうげきがちょくげきしてもごたいまんぞくでいられるんだよ?それにくわえてあのひとをはんごろしくらいにしたよ。なのにほとんどダメージをおってなかったあなたがあのひとにまけたの?」

「・・・いや、うん。あのな?お前さんが気づいたところは正しいんだけどよ、サカズキの攻撃を軽々かわして、あいつの利き腕を切り落とせて、攻撃をモロに喰らって生きてるお前がおかしいからな?正しいんだけど全肯定できねぇこの感じすっげえ不思議」

 

彼は頭を掻き呆れたようにそういい、続ける

 

「元帥の座をかけて勝負したんだが戦ってる途中でニアちゃんの話になったのよ。それで俺がニアちゃんのこと知ってたのに言わなかったことに対して散々責められたんだけど、ニアちゃんの話してたら初めて会った時のこと思い出してよ…。戦ってること一瞬忘れて、その隙に重い一撃喰らっちまったのよ」

「……ばかなの?」

「あらら!相変わらず俺には冷たいのね。まぁそんな事もあり、海軍辞めたからこそ見えてくるもんもあるんじゃねぇかとおもって身を引いたって訳よ」

 

あまりのアホな理由に思わずため息が漏れる

 

「あのひといっさいようしゃしないかんじなのにたたかいながらかんがえごとってじさつこういでしょ、よくしななかったね」

「なんだかんだいって優しいよな、お前って。向こうにも慈悲はあったみたいで見逃してくれたのよ」

 

でもそんなアホな負け方してるのに彼が五体満足なのは奇跡かもしれない

 

「まぁ、ニアちゃんがあいつをあそこまで追い詰めてくれたおかげで俺もこの程度で済んだんだけどな。多少火傷はしたが」

 

親指で自分の胸をトントンと叩く

何故か誇らしげに胸を張るがちっとも誇れる事じゃないと思うのはわたしだけだろうか

 

「他に用がないなら俺たちは行くぞ?今日はみんなで散歩してんだ。ニアに楽しませてやりたいからな」

「……お前さん等、あんな事があった後でそいつをこんな街中まで連れ出して、何考えてんだ?」

「やっぱり、だから近づいてきたんですね。はじめからその疑問をぶつけてくれればよかったのに」

 

エースの言葉にクザンさんが声色を変えるとイオンがすまし顔で返す。

どうやら彼なりにわたしのことを案じてくれていたらしい

 

「紫の兄ちゃんは察してたか。まぁ、そういうことよ。そいつを一体どうしたいんだ?さっきからずっと火拳の手ェ握ってるし、見つけてから観察してたが人が横を通るたびにビクついてる。人に対して恐怖心が宿ってるだろ?なのにこんなところに連れてきて…ちょっと酷いんじゃないの?」

「そうだな。おまえのいう通りだ。確かにまだ連れ出すにはちょっと早かったかもしれねぇ。だがニアにトラウマを残したままにするのも嫌なんだよ。すぐには克服できねぇだろうが少しずつ慣れさせねぇとまた籠の鳥だ。自由を求める海賊が自由に生きられないなんて皮肉な話があってたまるかよ。」

 

クザンさんの言葉にサッチが微弱ながら殺気を漂わせて返す

理由を聞いて納得したのか彼はそれ以上何もいってこなかった。

戦闘の雰囲気もないしそれ以上は何も話さず歩き出すと何故かついてくる

 

「…なんでついてくるんだ、青雉」

「だから、もう青雉じゃないって。この町にいる間だけでいいから同行させて頂戴よ。」

「その心は?」

「俺もニアちゃんと遊びたい」

「「「帰れ!!」」」

 

大将だったとは思えないこの馴れ合いっぷり。

この人よく大将やってたな、ほんとに

 

「あらら、つれないなぁ。いいじゃない、ちょっとくらい」

「はぁ…ニアはどうしたい?」

 

我儘を言うクザンさんにエースが半ば折れる

 

「どっちでもいいよ。だだ……なにかしてきたらようしゃしない」

「あの戦争でお前さんの恐ろしさは身にしみてわかったから何にもしないって!むしろ隊長3人とお前さんとセンゴクさんを止めた兄ちゃんを1人で相手するなんてサカズキに挑む以上の自殺行為だから!!」

 

なにやら必死になっているがそれ自身満々に言うセリフ?

 

「少しでも怪しい動きを見せたら溶かしてやる」

 

エースが体を炎に変え、軽く脅すと元に戻る

クザンさんも同行することになり異様な光景になった

 

「散歩してるだけだからそんなに面白いもんじゃねぇぞ」

「いやいや、白ひげの隊長たちがそんな小さい子連れて散歩ってだけで十分面白いから」

 

その後軽く市場を回り帰ろうと船の方に歩くとクザンが周りに人がいなくなるのを待っていたかのように話しかける

 

「なぁ、ニアちゃん。いい加減教えてくんない?なんでニアちゃんは白ひげの船にいるんだ?」

「それをしっていみがあるの?」

「…意味はないが、知りたいんだ。赤髪と白ひげが擁護して鷹の目まで興味を持ってるんだぞ?気にならないわけねぇだろ」

 

間違いない。

彼は知らないんだろうけどそこにレイリーさんも混ざったっぽいし、わたしの周りめちゃくちゃだね。うん

 

「かれらにひろわれたんだよ、わたし。まだじぶんのあしであるくこともできないくらいちいさなときにすてられてたわたしをひろってそだててくれたんだ。だからわたしはかれらといるの。いばしょをくれたかれらがなによりもたいせつだから」

「……そうか。あわよくば攫っていこうとおもったんだけどなぁ…。そんなにそいつらのこと大好きなら引き離せないじゃないの。」

 

安心したようにクザンさんは軽く微笑むと去っていった。

あの人なんだかんだで優しいよね

あんなにも海賊であるわたしの肩もってたのによく海軍続けてたな

ある意味すごい

 

「俺たちも帰ろうか、ニア。今日は楽しかったか?」

「にぃちゃがそばにいたらなんでもたのしいよ」

「そりゃ嬉しいこと言ってくれるな。無理してないか?」

「してないよ?」

 

どうしたんだろうか、急に

 

「ふふっ、みんな責任を感じてたんだよ。ニア」

「せきにん?」

 

首を傾げているとイオンが優しく笑い、隊長ズに目配せをすると3人は困った顔をしたが続けた

 

「俺のせいでお前に怖い思いさせて挙げ句にはトラウマを植え付けた」

「おれが捕まったからお前は戦場までおれを助けに来た。だが、それでお前は心に酷い傷を負った」

「お前がティーチを警戒していたことは知ってたのに……あいつが不審な動きを見せ始めてから俺たちはあいつお前をなるべく会わせないように注意してたが、それでも心のどこかで仲間を裏切る訳がないと慢心していた。その結果、お前に散々な苦労をかけた。……すまねぇよい」

 

彼らはそれぞれ謝罪を口にするが謝らなければいけないのはわたしの方だし、それでも彼らはわたしを見捨てなかった。

それだけで十分だ

 

「ちがうよ。わたしがかってにとびだしてかってにつかまったんだ。にぃちゃたちはなにもわるくないの。それにね、こうしてまたここにいられる。…それだけでわたしはまんぞくなの。だからね、もういいの。わたしはそれでしあわせだよ」

 

そう言うと風が吹きフードが取れる。

周りに他の誰も居なかったから被り直さずにそのまま歩き出し、彼らの前を歩く

 

「にぃちゃがそばにいるだけでわたしはげんきになれるの。だから、そのことはもうきにしないで。」

 

振り返って微笑むと隊長ズはわたしに近づきフードをかぶせ直した

 

「………今の、どう思う?」

「ハルタとイゾウが嫉妬するレベルだと思う。」

「お前……笑う時はもう少し周りに気を付けてくれよい。破壊力が半端ない」

「どういうこと!?」

「ふふふふっ!はっ…ははは!!今度は別の意味で外に出せなくなりそうですね、隊長方」

「全くだ。」

 

周りに気を付けて笑えって何!?

よくわからなかったけどお兄ちゃんズが元気になったからそれでいいか。

どれだけ彼らに救われたか、どれだけの恩が彼らにあるか

きっと彼らは知らないだろうけどそれでいいんだ

言葉では表せないほど感謝している

これはわたしだけの特別な想い

これ以上にないほど幸せです。

 

Merci(ありがとう)

 

 

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