ーーチュンチュン
あぁー、鳥の囀りが聞こえる〜
今何時かなー
「き い て ん の か よ い!」
ただ今、説教中でございます。
…マルコさんの
朝わたしが部屋に居なかったから船内探し回った挙句、やっと見つけたと思ったらロビーでイゾウさんの膝の上で寝てたから大層お怒りらしい。
ちなみに、わたしとイゾウさんがソファに座っていてマルコさんの説教の声に何事かとビスタさんとハルタさんがやってきた状態です。
「なんども言わせるなよ。ニアが夜中に船内をふらふら歩いてたからとっ捕まえて一緒に居たんだって」
「夜中になんでニアがふらふら歩いてんだよい!」
「そんなカリカリすんなって。ハゲるぞ?」
「余計なお世話だよい!」
わたしの前だからかイゾウさんは昨夜の出来事を話そうとしない。
気を使ってくれてるのかな?…優しい。
「まぁまぁ…その辺にしときなよ。船の中にいたんだし、無事なんだからさ。」
「そりゃそうだが…。はぁ、心臓にわりぃな…ほんとに」
心底心配したって顔してる。
ほんとに船中探したんだろうね、ごめんなさい。
そしてビスタさんは相変わらず静観決め込むんですねわかります。
「うぅ…。まーくん、ごめんなしゃい」
謝ると目をそらして「わかればいいよい」って言ってどっか行っちゃった
本気で怒らせたかな?
「あはは…。マルコ多分やりすぎたって思ってるね」
「あぁ、ありゃ立ち直るのに時間かかりそうだな。今のあいつの気分的にはきっとペットに逃げられてショックを受ける飼い主って所だろう。」
え、そうなの?
というか、随分と繊細ですね?!マルコさん!!
わたし叱りつけただけでそんなこの世の地獄を見たかの様な絶望するの!?
「まぁなんとかなるだろ。
ビスタさん…やっと喋ったと思ったら南国果実って、本人聞いたら怒るよ?確実に
…ん?練習??なんの?
「それ賛成!いつ何が起こるかわからないもんね」
ん?んん?なんの話?
「ニア!少し前に話してたんだけどね?ニアは使うなら刀か銃どっちがいい?」
なんの話ししてんだこいつら!!
1、2歳のガキに武器持たせようとしてるのか?!
馬鹿なの!?死ぬの!!?殺したいの!!!?
「……それはもう少し後ででもいいだろう。とりあえず武器の使い方と特徴を教えよう」
イゾウさんがわたしを見て頭を撫でると難しい顔をしていった。
「イゾウが止めるのは珍しいね。ほんとに夜中にニアがふらふら歩いてただけなの?」
鋭い。
なんていうか、察しがよすぎるここの人。
「まぁな。その話はまた今度だ」
刀か銃かってよりも、武器を持たせる持たせないに悩んでる気がするのは気のせいかな?そりゃ、持ったことないし使ったこともないから怖くないっていったら嘘だけど護身用としてくらいなら持っててもいい気がするんだけどな
なんたってここわたしからしたら異世界だし?!
「ふーん…ま、いいや。じゃあとりあえず刀の種類と使い方と…覚えてもらうことはたくさんあるから頑張ってね、ニア!」
「あい!」
元気よく返事をするとそこにいたみんなは微笑んだ。
やってやるさ!
***********
ーハルタサイドー
ある日の朝マルコの怒った声で目が覚める
何があったのかと見に行くとニアとイゾウがマルコに叱られていた。
ニアが謝るとマルコは目を逸らして何処かに行く。
…あれかなりショック受けてそうだな、立ち直れるといいけど
まぁいいか。
そんなことよりニアに戦術を教えないとね!
そう思って武器の扱いの練習をさせようとするとイゾウが止める
……イゾウが止めるのは珍しいな。何かあったのかな?
3人で話あった結果、先に“知識“を教えることになった
「ねぇ、昨夜何かあったの?」
その夜、ニアを寝かしつけた後ロビーに行くとイゾウがいたから聞いてみた
「…昨日、俺が風呂から上がった後部屋に向かおうとしたらすごい音が聞こえたんだ」
「すごい音?」
「あぁ。見に行ったらニアが廊下で派手に転んでて何やってんだと思って声をかけたら…泣いてたんだよ」
「「「「泣いてた?!」」」」
いつのまにか隊長が集まっていた。
…みんな初めからいたっけ?
「お前ら…いつからいたんだ。」
「今」
「今だよい」
「今だな」
…俺も人のこと言えないけど、ニアが関わるとみんな団結するよね。
「真っ暗な所に1人取り残される夢を見て、怖くなって部屋を飛び出したんだと」
「そう言うことかよい。…なおさら、叱って悪いことしたな」
「マルコに叱られる分にはいいんじゃねぇの?むしろ面白がってる気もするけどな」
間違いない
マルコもニアを叱ってるときはなんかいきいきしてるし、ニアも楽しそうだ
「武器は人を殺す為のものだ。あいつ、何も言わねぇけど実際は怖いんじゃないかって思ってな」
「それでイゾウ、戦闘訓練を反対したんだ?たしかにニアの前じゃ言い辛いか」
「悪いな」
「いや、賢明な判断だろう。ニアはまだガキだと言うのに遠慮深い。本人の前で言ったら気を遣って『大丈夫』と言うはずだ」
たしかに。
そんな話聞くと、あの子…あの笑顔の裏に沢山の隠し事してるみたいに思えてくるね
「イゾウ、確かに武器は人を傷つける。だが、反対に身を守ることもできる。護身用として暗器をいくつか忍ばせて置くくらいは許してくれないか?」
「…そう…だな。」
俺たちはそれぞれに思うことがあり、その後は誰も口を開かずに眠りについた。
ーサイドエンドー
***********
ぷしゅーーー
ただ今、わたしの脳みそがオーバーヒート中です
何故かって?いくら覚えて欲しいことがたくさんあるからって4時間休憩なしで詰め込むのはどうかと思うよ?!
というかまず!こんなガキが理解してるって思うのがおかしいよね!?
とりあえず説明してるだけなのかな?!
記憶の隅にあればいいや程度かな!!?
だとしても!休憩くらいいれろや、鬼畜かよーー!!
「ーーー…ア!ニア!」
「…?」
「ニア!だ、大丈夫?」
ボーっとしてたかな?正直休憩したいです。
脳みそ休ませてください。
「つ、かれちゃ」
「あーー、まぁ仕方ないな。息抜きがてら俺とハルタの手合わせでもみるか?」
息抜き?!
あなたたちにとっての息抜きは手合わせなの?!おかしくない!!?
「そうだなぁ…。ついでに俺の銃の腕も見てもらおうか。戦闘に出せない分かっこいいとこ見せてやりたいし」
あ、それは見たいかも
わたしが首を縦に振ると、ビスタさんがわたしを抱き上げる
みんなで仲良く道場に向かうことになった。
***********
-ビスタサイド-
朝起きるとマルコの怒号が響いていた。
今日も平和だな…………ん?
何があったのかと思い見に行くとイゾウとニアがソファの上で座っていて、マルコが叱り付けていた。なるほどな、だいたい察した
大変だな、うちの長男は…
ニアが謝るとマルコが目をそらして去っていった。
ありゃ、やりすぎたって思ってるな絶対。
それは置いといて、ニアに護身術を教えないとな
まずは武器を知ることからだ!
ハルタも乗り気だし、いいだろう。イゾウはなんか微妙な顔してるが…
こりゃなんかあったな。だからニアと居たのだろう
今のイゾウの表情を見ればマルコも何か察せられるだろうに…間の悪い
まぁ、いいか。そのうちなんとかなるだろう
その夜、隊長数人で昨夜から今朝の出来事を話し、ニアがイゾウの膝の上で寝ていた理由を知る
1人が怖いと泣いていた…か。
そんな素振り一切見せなかったのに、あいつ寂しがりだったのか。
全く…そんなこと隠さなくてもいいだろう。
日を改めてニアに武器や戦闘のイロハを教える
ハルタが興奮し始めて色々と語り出し早4時間
おいおい、そろそろ休ませてやれよ。いくら賢くて物分かりがいいからといってもニアはまだガキだぞ?そんなに集中力が持つわけないだろ
「ニア!…ニア!!」
ニアがボーっとし出した。そりゃそうだ。寧ろ今までよく話を聞いていたなと褒めてやりたい
「休憩がてらに俺とハルタの手合わせでもみるか?」
百聞は一見にしかずっていうからな。見せた方が早い
イゾウも自分の腕を見せたいみたいだしちょうどいいだろう。
迷いなく首を縦に振る。
ノーと言わないニアに対してちょっと不安を覚えるのは俺だけじゃないと思いたい
-サイドエンド-
***********
カン!!カン!キイィン!!
どうも、みなさん。休憩という名の実践見学をしているニアです
いや〜、異世界常識って凄いね。普通子どもにこんなの見せないよね
「ニア!いいか?よく見ておけよ!」
ビスタさんが喋りながらハルタさんと剣をぶつけた後、互いに距離をとり動きを止める
しばらく睨み合うと先に動き出したのはハルタさん。
間合いを詰め、剣を左斜め下から振り上げる。それをビスタさんは左手の剣で受け止め、右手でもった剣を上から振り下ろす。
それを見たハルタさんは飛びのいて躱し、また地面を蹴って間合いを詰め斬りかかる。ビスタさんはハルタさんの刀を受け止めるとハルタさんは自らの勢いを利用して宙を舞い、ビスタさんの背後を取りながら剣を振る。
その動きを予想していたかのように頭の後ろに刀を置いてハルタさんの一撃を受け止めた後、ビスタさんは体をすぐに反転させて構えた。
…いや、目が追いつかないから普通。
こんな攻防見せられてもどうしようもないんだが?!なんとか見えたけど限界があるだろ!!
「しゅごい…」
「……今のが肉眼で見えたのか?」
わたしの呟きか聞こえてたらしく、イゾウさんが隣で驚いた顔をしていた
頷くと彼はわたしの頭を撫でる
「そうか、すごいなニアは!初めてであの2人の動きがちゃんと見えるとは、さすが俺たちの妹だな!」
常識はずれだということがわかりました。とても真似できない
誰も真似しろとは言ってないけど
2人の手合わせが終わりこちらにくるとイゾウさんが張り切って上着を脱ぐ
「次は俺か。よくみておけよ?」
イゾウさんが二丁銃を構えて人型の的にむかって発砲する
耳がいたい!!耳栓プリーズ!!
しかも今の人間業か?!1秒で4発撃ったぞ!?
しかも頭と胸に2発ずつ!殺意高すぎかよ!
「ニア、今何発撃ったようにみえた?」
ビスタさんとハルタさんがいつのまにかわたしの後ろにいて話しかけてきた。
気配消して近づくなし!忍者か、おのれ!!
「よんはちゅ」
「「えっ?」」
ビスタとハルタの驚いた声がかぶる。
「?」
あれ、違った?4発撃ったように見えたんだけど…
的に空いた穴も…あれ、いっぱいある?
あ、そうか!あの的、新品じゃないから穴がいっぱい空いてるのか!!
じゃあ、どこに何発撃ったか確認できないな。
「どこに何発撃ったか見えた?」
「ここ…にはちゅ、と、ここ…にはちゅ」
自分の体でどこに何発撃ったか身振り手振りで伝えると彼らは驚きつつも褒めてくれた。
「…ははっ!!いい目をしてるな、ニア!!」
「あぁ、さすが俺たちの妹だな!」
「すごいね!ニア!」
しばらく褒めると気が済んだのかイゾウさんがさっきの説明をする
「今のはコロラド撃ちっていってな、最も致死率の高い撃ち方だ。」
ガキに何教えてるのおぉぉ!!
海賊だからか?!海賊だから殺さなきゃ殺されるぞっていうアレか?!
「まぁ、まだ使うことはないだろうけど知識として覚えておけばいつか役に立つ時が来るかもしてないからな」
あぁ、そういうことですか。そんな日が来ないことを切実に願います!
「おーい。盛り上がってるとこ悪いがそろそろ飯だぞ。あとあんまり物騒なこと教えるとまたマルコに怒られるんじゃねぇの?」
サッチさぁぁぁん!!
神!ナイスタイミング!!そろそろわたしも逃げ出したいところでした!剣と弾が飛び交ってて恐怖心でいっぱいだったよぉぉぉお!!
「さっちゃん!」
「さ、さっちゃん??!!」
さっちゃんの方がいいやすいんですもん!許して!さっちゃん!
「くくっ!ほんとにいちいち笑わせてくれるな、ニア!よし、飯にするか!いくぞ、さっちゃん!」
「さっちゃんなんてあだ名可愛すぎて勿体ないな。なぁ?さっちゃん?」
「さっちゃーん、お腹すいたー」
わたしの言葉に彼らが便乗しサッチさんをからかい出す。
「よしてめぇらそこにならべ、叩き斬る!!」
サッチさんが刀を二本取り出して笑顔で殺気立った。
わぁ、素敵な笑顔ですこと!でも、その殺気怖いからしまってください!!
「ぼうりょく、め!」
「……はい。」
あ、大人しくなった。よかった〜。
毎日毎日殺意に当てられてわたしの肝も座ってきたかな
さすが海賊船
「ははっ!俺もマルコのこと言えねぇな!」
サッチさんが頭を掻きながら無邪気に笑った。
***********
-サッチサイド-
数日前、朝っぱらからマルコの怒号が響いていた。
ニアが来てからマルコは振り回されっぱなしだな。
まぁ、おもしろいからいいけどよ!
その時間はちょうど朝飯作ってたから何があったのかはしらねぇが昼前にマルコがロビーの椅子で頭を抱えて座ってた。
なんつーか…目が素通りできないくらいに落ち込んでた。
激レアだな、写真撮りてぇ…けど、そんなことしたら殺されそうだからやめておこう。
「マールコッ!どうしたんだ?そんな落ち込んでよぉ!」
マルコの隣にさりげなく座り肩に腕を回す
「サッチか……。…叱りすぎた。ニアに嫌われたかもしれねぇよい」
「は?」
何言ってんだ、こいつ
どんなけ叱られてもニコニコしてるようなアイツが今更堪えるか?!
何があったのか聞くと朝、ニアの部屋の扉が開いててアイツがいなかったから誰かに攫われたのかと思って焦って探し回ったらイゾウと
わりかし毎回じゃね?それ
「ははははっ!なんだそれ、今更じゃねぇかそんなの!お前今まで何回ニア叱ってきたんだよ!そんなことでアイツが人を嫌うかよ!」
「表情がいつもと違ったんだよい。うまく言えねぇけど、いつもより暗かったというか…。」
「なんかあったんだろ。イゾウにでも聞いてみたらどうだ?アイツが意味もなくソファの上でニアを寝かすなんてするわけねぇよ。」
「だよなぁ…。俺も思ったんだが、いたたまれなくなってつい逃げちまった」
「はははははっ!ほんとお前ってニアに弱いのな!いいぜ!俺が聞いといてやるよ!だから元気だせ!…な?今のお前、キノコが生えそてきそうで見てらんねぇぜ」
「どういう意味だよい!!」
マルコが立ち上がり拳を握りしめて俺を見下ろす。
あ、元気になった。
「そのまんまだ!さぁて、今日も一日頑張ろう!」
「白々しいよい!!誤魔化すならもっとちゃんと誤魔化せやい!」
ははっ!やっぱこのくらい騒がしくねぇとな!!
「んじゃ、俺は昼飯の準備でもしてくるな!」
コックという立場を利用してさりげなく逃げる。さすが俺!
「…………ありがとな、サッチ」
デレた?!マルコが改まってお礼言うとか気持ち悪い!!
「マルコ?!どうしたお前、熱でもあんのか!!?」
「うるせえよい!!さっさといけ!!」
ええっ!?何それ理不尽!!
ま、いいや。元気になったみたいだしよ!
別の日、昼時が近くなったら船にいるやつらを呼びに行こうとしたら道場から声が聞こえた。
覗くと、イゾウが人型の的にむかって引き金を引いてた。
…あいかわらず、あいつの銃の腕はすげぇな。
1秒に4発か…。とてもじゃないが真似できねぇ
ま、適材適所ってやつだろうけど
ニアにもあれが見えていたみたいで三人は感心していた。
初めてだよな?今まで戦闘にも出したことないし……
よく見えたな、どうなってんだあいつの目は…。
「今のはコロラド撃ちって言って、最も致死率の高い撃ち方だ」
…って、ガキに何教えてんだよ!イゾウ!!
余計なこと教えるとマルコの雷が落ちるぞ!?
俺が声をかけるとニアが笑顔で「さっちゃん!」って言った
…さ、さっちゃん!?
間違いではないが!!
っ!!そうか、マルコの時の「まーくん」もこんな感じだったのか!
からかって悪かったマルコ!これは恥ずかしい!!
三人は俺の心情もいざ知らずにからかい出した。
とびっきりの笑顔で殺意を振り撒いたらニアに止められ、言うことを聞いてしまった。
ははっ、俺もマルコのこと言えないぜ。
この場を和ます能力には素直に感心する
ニアにはこのまま育ってほしいものだ。
-サイドエンド-