オサレ腹黒ヨン様忍者   作:パンツ大好きマン

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 今回かなりの独自解釈、設定創作があります。それらがダメな方はいったいいつから原作設定通りだと錯覚していた?


血統なんかに絶対負けない!

 

 

 藍染がまず最初にロールプレイをする上で求めたのは体術だった。OSRヨン様はその圧倒的な完全催眠という能力で作中の強キャラを血に沈めたが、それだけならただの噛ませですんだだろう。能力なしでも隊長格を簡単に倒せる実力があるからこそ作中屈指のキャラなのだ。

 

 体術は戦闘は勿論、単純な移動速度の向上、戦術的な作戦の広がりと恩恵しかない。

死神としての能力。つまり「斬」「拳」「走」「鬼」の「拳」と「走」をまず鍛えることで、死神としての能力の限界を超えたヨン様に近づこうという考えだ。

 そもそも斬術は刀が無いし、鬼道に関しては忍術に関しての知識が少なく試行中だ。

 

 幸いなことに忍が溢れているこの世界で教師は周りに山ほどいた。

 眼球や筋肉の微妙な動きから次の動作を予測できるほどの観察眼は、最適な動きを脳内に伝達し、自身の体に電流を送る。どう自分が動けば相手がどう動くか? そういった予測戦術は普段のトレーニングでも一応は想定できるが、実際の戦闘の勘はやはり実戦でしか得られない。

 

 親戚のお姉さんとその小隊員が組手をするのを黙々と観察していると、視線が煩わしかったのか少し動きを見てくれるという。

 

『あんたは体のキレはいいけど、どうもドン臭いね。いや矛盾しているのはわかってるけど……』

 

 さもありなん。自身の実力を限界まで隠しているせいか、違和感を感じさせながらも本職の忍すら欺く演技力。

 

(ヨン様とあろうもの。完璧に演じ切らなければ……弱そうに見えて、実際は強いというOSRポイントを稼げない)

 

 休戦中ではあるものの、忍を保有した国が争っている現状は危険だ。しかし同時に戦闘経験を増やすには絶好の機会といえる。しかし子供の身で出来ることなどたがが知れている。

 そして考えついたのはイメージトレーニングだった。

 たかがイメージトレーニングと侮るなかれ、女性が雑誌のモデル体型を到達点としてイメージしながらダイエットするとイメージしていない女性よりも5kgほど痩せるとも言われている。

 藍染が目指したのは最強のヨン様。

囚人が目隠しされ、流血している傷口に人肌のお湯を垂らしていくと実際の致死量に足りるまでに出血多量で死んでしまうらしい。星十字騎士団のグレミィのように想像が現実に具現化とまではいかないが、想像は確かに現実の肉体に影響する。

 藍染の集中力で親戚のお姉さんを相手にシャドウしてみたところ1分も持たずに吐血した。体は全速力で走ったかのように疲弊し、息が上がっていた。腹部は内出血で青く腫れている。

 

(刃牙でやってたけど、藍染ボディでもさすがにキツイっす。ほどほどに特訓しよう)

 

 それと並行してこのチャクラと呼ばれる霊力的な力を伸ばすのが一番と結論づけた。

 BLEACH世界では霊力が全ての異能力の根源であるエネルギーであり、その力で相手の霊力を押しのける力が霊圧だといえる。チャクラは自身の体中の細胞から取り出す身体エネルギーと精神エネルギーを合わせて練り上げることによってできる。霊圧は霊力を持つものならだいたい知覚することができるが、このチャクラというやつは強く練ることのない限りその専門家である忍もあまり感知できないものらしい。勿論その例外もいるわけで、藍染の場合、母親がそのチャクラを強く感じ取ることができるいわゆる感知タイプだった。

 さすがに隠れての修行は限界があると考えた藍染はなんとかしてその突破法を探した。そして苦節三年。

 身体エネルギーだけで、あるいは精神エネルギーだけで本来この二つを合わせて練り上げることのできるチャクラを練ることができることに気づく。エネルギーを二つにより分けて練り、純化させるといったほうがいいだろう。正確にはチャクラに近いエネルギーとでもいうべきか。本来この二つを合わせることで安定した出力を得ることができるせいか、この新エネルギーは身体エネルギーと精神エネルギーとを練り上げたチャクラに比べて不安定で指向性に欠ける。戦闘で使うのはそれを秘伝忍術とした一族でもない限り、酷くバランスが悪いものだ。しかしその分感知タイプの忍ですら気づくのが難しい。

 この新エネルギーの練り方はチャクラの練り方のそれよりかなり難しいが考え方自体はチャクラの練り方と変わらないわけで、新エネルギーを誰の目も気にしないで安心して鍛えることができるし通常のチャクラの練り方も効率の向上が見込まれた。

 

 そして副産物として更に新たなチャクラが見つかった。身体エネルギーで練った新エネルギー(以下「陽エネルギー」という)と精神エネルギーで練った新エネルギー(以下「陰エネルギー」という)を全く同じ量練り合わせることで、更に新しいチャクラ(以下「陰陽チャクラ」という)が偶然発見された。

 

 陽エネルギーと陰エネルギーはそれぞれ不安定だったが、陰陽チャクラは一度練ってしまえば出力も通常のチャクラの何倍もあり、何より指向性が術者の意思に大きく依存していた。これは通常のチャクラで忍術を発動させるのに必要な手での印を結ぶ動作が大きく削減することを意味している。それだけでなく五大性質変化の枠を超えることも可能だ。

 

 大きく難航していた鬼道の多くがこの陰陽チャクラによって解決した。

 

 しかし、チャクラの被感知能力としては通常のチャクラ同様感知されてしまうようで、陽エネルギーと陰エネルギーの修行は続けて実施された。

 

 そうやって修行漬けの生活を続けていた藍染だが、アカデミーではごくごく優秀な生徒であった。クラスのトップに立ったことは無いが、確実に3~5位をとっていく。さすがにあまりに成績が悪いと印象もよろしくないし、戦場に立つことが難しくなるからだ。トップの成績をとっても良かったが下手に優秀だと卒業後のスリーマンセルでバランス調整として組まされる相手も同様に優秀になりかねない。自身の実力がばれることはもうほぼないと思うが安全策として、そしてそこそこ優秀な忍のほうが天才よりも扱いやすいからだ。

 

 問題なくアカデミーの卒業試験を合格して下忍となった藍染は、その日待合室で小隊メンバーと共に担当上忍を待っていた。視力は全く悪くないのでただのオサレ眼鏡のブリッジをくいくいして調整しながら笑顔で分隊員と交流していると、扉が開いた。

 

「今日からあなたたちの担当上忍となった大蛇丸よ。命令違反は許さないわ。返事は『はい』以外は認めない。そこでいつまでボッとしてるの? 担当上忍が来たのだから挨拶ぐらいはしなさい」

 

「はい。おはようございます大蛇丸担当上忍。挨拶が遅れて申し訳ありませんでした」

 

「「…………」」

 

 

 





陰陽遁を今回このように解釈しました。そうでもないと鬼道使えないからね。

あと今回は結構ゆっくり時間が飛びましたが次回からは時間がどんどん飛びます。

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