東方魔剣術少年   作:mZu

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第112話

 博麗神社で行われた宴会ももう終わりを告げた。異変を解決した人としてではなく、もう一般的な人間として扱われるようになった。その事については何も気になる事はない。それより気になったのは椛さんの言葉だった。

 

 もう一通り、技は教えたので一人でやる事、そして七日のうち一日だけ必ず妖怪の山を出ること。この二つだった。僕としては技を一通り教わった記憶はないが椛さんからすれば後は自分の努力次第である事を言われて反論出来なかったので今日は出かけることにした。

 

 とは言えど、行くあてはないので、前に訪れようとしていた紅魔館に向かう事にした。あれからそれほど時間が経っているようには思ってはいないので少しだけ気になる、吸血鬼に襲われた後のことが。

 門番である美鈴さんには意外にもあっさりと通された。僕は吸血鬼の事について聞いてみたが案外気楽そうに大丈夫です、身体が丈夫なのが私ですから。そう言われた、なので僕はそれ以上は何も言えなかったので静かに庭を通って紅魔館の中へと入り込んだ。いつ見ても紅い色をした壁で窓がないのは中に昼間に出歩けない種族がある事を示していた。僕としては前に間借りしていたこともあり、それほど気になる事でもなかったが普通なら寄り付かないのだろう。そうなると、門番の意味は違う意味で必要にはなりそうだ。

 

 僕は扉を開けた。中はいつもと変わらない紅色のカーペットが一面に敷かれている場所で何もないエントランスの先にある螺旋階段を見つめてから右へと曲がった。普段なら咲夜さんが出迎えてくれそうだが、それも今回はしてくれなさそうだ。一言だけ伝えておきたかったが居ないのならば、進むしかないのだろうか。そう思った。もしかしたら昼食の支度をしているのかもしれない。

 

 窓がないので外からの灯りではなく、蝋燭の仄暗い灯りに灯された廊下を進む。定期的に置かれている蝋燭と左側には扉がある光景はこの廊下を幾ら進もうとも変わらない光景だった。その途中で地下に降るための階段がある。僕の目的はそこにあった。

 

 そこにはパチュリーさんとフランさんがいる。この紅魔館の住人の中では一番身体が弱いのはパチュリーさんだと思うので個人的に気になってはいた。昨日も博麗神社には来ていないのはとても気になる。僕は急ぐ気持ちとは裏腹に地下に降る階段をゆっくりと降りた。

 

 本棚は見上げるほどの高さでどこに何があるのかを知っている小悪魔という司書は凄いとは思うのだが、今はそれではなかった。別に今は勉学をしにきた訳でもない。パチュリーさんの体調に気にしているだけなので紅魔館の地下にあるようでそうではない大図書館の一階に向かうことにした。そこの一番大きいテーブルで魔導書を広げているのがパチュリーさんだった。紫色の長い髪で薄いものの同じような色合いのナイトキャップを被っている。眼鏡をかけている時は魔導書を読んでいる時なのでひと目でそれは分かった。

 

「久しぶりです。パチュリーさん」

 

「久しぶりね。元気そうで何よりだわ」

 僕の声に反応を見せたパチュリーさんはしおりを挟んでから魔導者を閉じ、眼鏡を外して僕の方を向いた。

 

「パチュリーさんこそ、元気そうで良かったです」

 

「そういえば、異変の解決おめでとう」

 

「そうでしたね。ここだと外で雪が降っていても気になりませんからね」

 

「ええ、咲夜が新聞を持ってくるまでは気付かなかったくらいだわ」

 微笑ましく笑うパチュリーさんはある意味での冗談としてそのように言っていた。何か間に触ったのだろうか。

 

「そこまで魔法を研究しているのは尊敬します」

 

「良いわよ、そんな風に思わなくて」

 

「でも、正直なところそう思います」

 

「あら、そう。もう少し咲夜が来るけど少しだけここでお茶でもしていくかしら?」

 

「お言葉に甘えましょう」

 僕はパチュリーさんの言葉に甘えることにした。実際のところ、それほど長居するつもりはなかったが妖怪の山に入らないならこういう時間もありだと思うことにした。咲夜さんが来るまでパチュリーさん、後で来たフランさん、小悪魔さんとも話をした。久しぶりにこのように気兼ねなく話すのも安らぎになる物だと感じた。

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