幻想郷、それはある青年がルシファーの転移魔法によって訪れた場所であり、忘れられた者が集まる最後の楽園とこの世界線ではなっている。自然が多く、神や人、妖怪など多種多様な種が共に住んでいる場所でもある。
その中でも幻想郷とそれ以外の世界をつなぐ役目を持つ厳密に言うと何処の世界にもない場所であるが幻想郷の極東に建てられているとされる博麗神社を訪れた。
この場所は一見すればただの整備の行き渡っていない境内であることしか思わない。その境内の中で一人小屋の縁側に座って何かを飲んでいる人を見つけた。僕は話を聞いてみることにしようとしたがアーサーに右手を前に出されて止められた。それを見て僕は一瞬迷ったがその場で歩くのを辞めた。
「こちら、シソー国国王の息子であるヒカルと言う名の者だ。今日からこちらに住むことになったのでよろしく頼む。」
僕を連れてきたアーサーが代わりに説明をしているが正直なところそれはどうでも良い話だった、らしい。
「で、アンタが彼奴の息子なのね。随分と待たせてくれる割にはしょうもないことをしてくれたわね。」
「そう言わずに。兎に角幻想郷のどこかに住むことにしているだけなのでツノを立てた言い方は辞めましょう。」
「まぁ、良いわ。私は博麗 霊夢。此処には沢山の危険があるけど死ぬんじゃないわよ。」
博麗神社の巫女である赤色の大きなリボンを付けている黒色の髪型で脇を見せた巫女の服を着用している。そして少し不機嫌そうに言葉を並べている彼女こそが先ほど名乗った通りの博麗 霊夢である。
「はい。頑張ります。」
僕は感情を表に出せるように口角を上げて霊夢に対して答えた。
「それで、アーサーは何処に住ませようとしているのかしら。」
霊夢は口調をそのままにしている状態で聞いていた。
「特に決めていませんが危ない場所には行かせないようにします。」
「取り敢えず安心したわ。あいつの事だから危ないところにわざと身を置かせると思ったけどね。分かったわ。アーサーが案内しなさい。」
「そのつもりです。その為に最初にここに来て挨拶をしておこうと思ったんです。」
「あ、そう。せいぜい頑張りなさい。」
霊夢は軽く手を振っているだけで表情変わらない。それからは察するに早く行ってしまえ、と言っているようで僕は内心どうしようか、迷ったがアーサーの手に引っ張られる形で何とかその場から立ち去ることにした。
「さて、どこにいきましょうか。紅魔館も良いですが、妖怪の山に行くのも良いでしょう。」
「アーサーさん、目印になるような場所に行きたいです。それからはもう一人で何とかします。」
「分かりました。元々そのような約束でしたし、仕方ないことなのでしょう。」
アーサーに手を握られている訳だがふと宙を浮いているような感覚から僕は何となく周りを見ていた。怖いと言うことではないが見たことのない景色が広がっている。
「空を飛んでいるんですね。」
「流石に驚きませんよね。お父さんが日常的に飛んでいるわけですから。」
「アーサーさんはどうして飛べるの?」
「練習したんですよ。そうしたらある日簡単に飛べるようになっていてそれからはこの通りです。」
「僕も練習したら飛べる?」
「さて、それはどうなのでしょうか。」
アーサーと僕は幻想郷の西側にある湖まで向かうことにした。