黒い髪をしている少年は青色の髪をしていてその色と同じ強いオーラを纏っている紫苑に喧嘩口調で煽り始めた。された本人は激昂していて沸騰した湯のように激しく感情を露わにしている。その人は不幸を招く貧乏神であるが少年には全くと言って効いていない。
「私もやるわよ。」
青色のオーラを更に出した。此処にもはや勝ちという概念もその反対のものも存在すら危うくなってしまった。そもそも決定打があるのだろうか。
少年は一気に距離を詰める。
紫苑が両手で押し潰すように腕を動かす。
地面に脚を滑らせて身を畳んだ少年の上をそれは通り過ぎる。
其処で紫苑は腕を引いて搔き上げるようにしていた。
其処で憑依していた男が後ろを向いてそれを弾く。
そして元に戻った少年は突然の上空でも動じる事なく、剣を振り下ろす。その威力はかなりのものだった。
太陽の光とそれに包まれた幸福という名の輝きが紫苑の両肩を傷つける。
だが、それはオーラによって弾かれる。勝ち目があるのかすら全くと言って見えてこない。
お互いが拮抗している。
攻めている少年だがその勢いがどこまで続くのかは疑問である。
少年は謎の力に引っ張っられて後ろへと後退した。
何か、神の力に誘われるようだった。
少年はその状況が全く分からなかった。
だが、立ち止まるようなことはなかった。恐れという感情を捨て切って少年は前へと進む。
其処で謎の段差に転げた少年。
その様子に紫苑は少しだけ笑みをこぼした。
当てられない、そして近づけない。
それが紫苑の不幸に相手をさせる能力の一部。それがようやく効いてきたという事だ。紫苑は笑みをこぼさずにはいられなかった。
その笑みはすぐに消えた。
上空に浮かんだ少年は姿を変えて体勢を整えると出鱈目とはとても言いにくい一撃をみまう。
紫苑が両腕で防ぐが弾かれた。
「それだけか。ならば、別に問題ない。」
その少年は顔色がとても悪かった。常時、不幸だと感じている人。その人にとっては今のが普通だった。
「先程は赤い服の女性には効いたようだが、生憎俺には効かなかったようだ。」
その人はヒカルに憑依していたケプリという名の少年だった。
「何者だ?」
「この異変という奴の被害者だよ。だが、まさか負けてしまうとは思わなかった。」
非常に悔しそうにしている少年は大きな銀色の大剣を体の前に持っていた。そして、切っ先を紫苑の元に突きつけている。
「何の話かは知らないけど、私が怖くなるようにしてあげる!」
「大丈夫だ。見ている限りそうでもない。」
「言わせておけば。」
紫苑はオーラを使って飛び出すと少年へと両腕を振り下ろす。
少しの弾力があった後に軽く受け止められていた。その人には何でもない一撃で終わった。
そして弾かれる。其処から地面を蹴り出して姿を変える。
黒髪の少年が動じる事なく、丁寧に横に一閃。
押し込まれた紫苑は人里の家屋に当たり、大きな音を立てる。
其処から立ち上がり、こちらへと向かってくると思った。が、その場から立ち上がる事はなかった。
もう其処で完全憑依というのは解除された。
二人の少年は別々の体となり、もう二度同じ体を共有するような事はなくなった、と思う。
「強かったですね。」
黒髪の少年が言う。
「どの口が言う。」
白髪の少年が冗談交じりに答えた。
その後、二人は笑い始めた。
少年は何者?憑依華終わり!