ふと降りた山道の途中で裏側へと回りたくなった僕は鬱蒼とした木々の中を歩いて通り抜けて妖怪の山の反対側へと行くことにした。裏側という言い方が合っていると思うがそれは正しいのかと言われると違うのだろう。木漏れ日の中で見えた外の景色に何か道があるのを見つけた。それだけではない。その先には何か得体の知れないものがあるように感じた。
まだ日は高く、ちょっとした寄り道ならば、問題ないと思われる。僕はちょっとした興味から何となく前へと進んでみることにした。
下山をする途中で思った事がある。生半可な気持ちでくるような場所ではないという事を。急な下り坂で人の侵入を一切受け付けようとはしない地形をしていた。そこでまっすぐ生えている木々は本当に立派なものであると感じた。依然として視界は開けないがある一つの思いから何となく感じた事がある。
一体自分はこんな危険な目に合いそうになっているのに何をしているのだろうか、と。
だからと言ってここで戻るわけにもいかないので地滑りを起こしそうな勢いで降りていくことにした、というよりかは勢いが止まらずそのまま転げ落ちるようになったというべきか。その先の事はあまり覚えていないがやっとの思いでしっかりとした地面を踏みしめた時には周りには木々はなく、代わりに人沙汰のような建物が道沿いに立ち並んでいた。その理由としては何も分からないがそこそこ栄えているという事なのだろうか。
ところでところで見られる祭りの好きそうな人が居て、何となく楽しそうにしているのだけはよくわかる。それが何かと言われれば、そこで終わってしまうのだが。
しかし、僕には初めて来た場所で色々なものを見てみたい衝動には駆られるが、理想と現実というのは全く違う。それを知るのは僕が懐にあって欲しいものがないからだ。
「お金ありませんね。」
文字通り一銭もない僕にとってこの道は通り過ぎなくてはならない地獄に道へと変わった。
この騒ぎ立っている場所で僕は何とか自我を保ちながら通る事を決意した。
まず、小腹の空いている僕にはとても毒な匂いがしてきた。香ばしい醤油の香りが漂う焦がしせんべいがあった。幻想郷にあるものは大抵知れてきた僕にとっては、美味しそうな匂いはとてもいい有害なものだった。
だが、早足で通り過ぎた僕はなんとか通り抜けた。
その次に現れたのは軽やかな甘い香りで黄色い見た目をしている菓子、カステラというものが現れた。ほのかな甘みのある味付けで僕の中では気に入っているものだが、理性が崩壊しかけるほどに興味をそそられる。しかし、僕には買えるお金はない。走り抜けることにした。
その後、うどんやそば、寿司などが並ぶ中を通り過ぎて、この通りは終わりを迎えた。お腹の調子は変に悪くなり、何か口に運びたいと思っていた。その渇きはどうにも癒せないものでどうしたものか、と僕は思った。まぁ、考えても仕方がないだと感じてその場は何もしようとは思わなかった。