東方魔剣術少年   作:mZu

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第35話

それからと言うもの更に魔法陣に線を書き足す事、二時間。時刻はおやつを食べるのに丁度良い時間となっていた。その頃にもなれば大きさも相当なものでこれをどうしたものか考えるような事はなかった。もう、僕には抱えきれない。白線で描かれた一階はもうそろそろで占領されそうだった。そこからは何が起こったのかは僕は気にしていない。僕はふとチョークを書く手を止めた。何となくこれが間違っているような気がしていた。どこからやり直す必要があるのかは僕の予想では検討はつかない。それこそ何があったのかは机の上で魔道書を読んでいるこちらには全く関心がなさそうで意外と見守ってくれるパチュリーさんに聞くしかないのだろう。

 

僕はその場で一息つくと頭の中で何となく上から見た図を考え出していた。大きさは僕が寝転がっても到底届きそうにないほどの円の大きさで中には難解な魔法陣が描かれている。そして強くする為の線を何重にも書き足した結果、どのような効果を出すのかは今の所検討もつかないが、やってみるしかないのだろう。その先に何があろうとも。

 

それから何をしたのかと言われると何もしていない。僕はただ線を描いていただけだ。それ以上に布で消していた。その結果、ひとまわり小さくなったような気はするがそれでもまだまだ改善の余地はあるような気がする、もしかすると最初からやり直す方が簡単なのかもしれない。

 

そしてある境地に立った。それは今日は無駄な時間を過ごしたという事だ。僕はチョークで大きく魔法陣にバツをつけようとくしゃくしゃに足裏で魔法陣を汚しながら歩き出した。そして適当な位置で直線を二本書いた。角度は直角というわけではないがそれに近いくらいだったのだろう。僕は適当な位置にチョークを投げつけるとパチュリーさんのいる机の前にあるフカフカのソファーの上に座り込む。僕には何処か懐かしいような気がする。そして何があったのかは全くだが大きな音が魔法陣から聞こえたような気がする。

 

僕はすぐに寝転がっていた体を起こす。

 

「何したのよ。」

パチュリーさんは不思議そうに目の前の事象について聞いていたのではないかと思う。しかし、僕にもその記憶は全くないわけでどのようにしたら良いのかは目の前が暗闇となった。何がどのようにしたら、こうなったのか、それを説明するためには大変多くの労力を必要とするだろう。それが例え、パチュリーさんが居ようとも。

 

「僕が聞きたいです。」

 

「堂々と言わない。」

魔法陣からパチパチと音がなっている。それだけではない。カチカチ、と何かがこすれるような音がしている。そこから発生している光の粒が段々と魔法陣の中に蓄積していた。その球が大きく、そして威力がどのようになっているのかを予想できないほどにさせていた。一体何が起こったというのだろうか。

 

「パチュリーさん、何とか抑えるような方法はないですか?」

 

「そんなものあったらすぐ使っているわよ。こっち来なさい。」

パチュリーさんの手は確実に僕を呼んでいた。僕はとっさにパチュリーさんの背中に隠れる。魔道書を開いたパチュリーさんは何かを唱え始めた。それは薄い赤色の壁となって僕たちの目の前に現れた。そして上から黄色の壁が降りてくる。それから青色の壁が両端から現れた。三重にもした魔法壁はしっかりと僕たちを守ってくれるのだろうがそれがどこまでやってくれるのかはパチュリーの力量を見るしかなかった。

 

「ちょっと痛いわよ。」

 

「怖いですよ。」

 

「しっかり見てなさい!良い?」

 

「理由をお願いします!」

 

「貴方の作った魔法陣がどのような効果があるのかはしっかりと見ておいたほうがいいわよ。」

パチュリーさんの口調は何処か不安定なもので何処か自信のないもので、何か足りないような気がする。

 

「分かりました。出来るだけ目を開けてます。」

僕にはそこからどうしたらいいのかは頭の中では考えられなかった。だからこそ、何となく雷のことを想像していた。

 

僕たちの前にある魔法陣からはばちばちと雷のような音が聞こえている。前にお父さんが使っていた技とよく似ているものである。あの後、僕は生死の狭間を彷徨ったそうだ。かなり危ないところまでいっていたらしい。それよりかは威力は低いのかもしれないがそれでも怖かった。何をされるのかはもう何もわからない。

 

「来るわよ。」

パチュリーさんの予言通り、すぐに現れた一つの雷が僕たちの元へと現れていた。その意味はもうすでに理解している。

 

「分かりました。」

僕はそれに共鳴する。

 

薄い赤色と青色の魔法壁は一瞬のうちに砕かれた。まるでガラスのようでいとも簡単に壊しているところを見るに、最早意味がなかったとしかいえないような気がしている。そこで漏らしてはいけない声を出したパチュリーさんはふと手に力を込めていた。

 

三枚のうち、残り一枚となってしまったのでもう何ともならないのだろう。それだけ威力は凄まじいものだった。僕はずっと雷の事を考えていた。今でもその事が離れようとはしてくれない。

 

雷、雷。僕の頭は本当にこんなものだった。

 

それから僕はどうしたのかと言われると剣の柄に手を触れていた。そして雷に対抗する為の半導体を思い出す。どうやらそのようなものが出来るらしく、先人の遺産がどれほど重要であるのかをそこに知らしめてくれた。それだけに僕は何となくそれに慢心していたのかもしれない。

 

雷の凄まじい力を僕は相殺する勢いで剣を振っていた。

 

どうやらこの剣には材質を変えてくれるものであるらしい。その結果、どうしたのかと言われるとその勢いは確かに減少した。

 

「むきゅー、結構威力があったわ。」

 

「図書館がボロボロ。何年振りかしらね。こんな景色。」

大図書館の1階はパチュリーさんのいたところを除いて焼け野原と化していた。どうやら雷は力を分散させて辺りに飛び散ったのだと思われる。

 

「貴方には感服したわ。随分と威力のある魔法陣を書き出すじゃない。」

 

「そうですか。」

偶然が産んでくれた産物であろうとも僕の手柄であるらしい。僕は地面に尻餅をつきながらその場から立ち上がるのを忘れていた。壊れた機械のように息を吐くとその場から動けなくなっていた。

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