春の陽気も麗らかな博麗神社では大きな桜が満開となっていた。その陽気な天候にうたた寝を始める人がいるのかもしれない。その天候の中で極寒から帰還したような格好をした人物が現れる。
「暑くない?桜も満開だぜ。」
霧雨 魔理沙。霊夢とは旧知の中であり、ちょくちょく訪れては菓子なんかを掠め取ったりするのだが、いざとなれば結託したり、なんだかんだと仲が良い。今日もそのつもりだったがどうにも留守らしい。しかし、そこで異常気象が幻想郷に訪れているのを感じた。
「魔理沙さん。今日は霊夢さんは留守にしてますよ。」
カールのある少しだけ鈍い緑色の髪を腰辺りまで伸ばしている。そして額には一本の角があり、耳はこま犬のそれだった。着やすそうな赤色のシャツを着込んで同色の少しふくらみのある短パンを履いている。
「見たら分かるぜ。てか、誰だ?」
「こま犬の高麗野ですよ。お忘れですか?初めましてですが。」
「初めましてなのかい。」
「これでもこっそり博麗神社を守っていたのですよ。」
「まぁ、こま犬だしな。」
「こう見えても守護神ですよ。」
「なら、この異常気象から守って欲しかったな。て事で、お前を倒してこの異変を終わらせてやるぜ。」
魔理沙は不意に缶を取り出した。単純に缶と見くびってはいけない。魔理沙特製の弾幕の詰まった缶だ。何が飛び出るかは使ってみてからのお楽しみ。
「わわ、博麗神社を守るために戦いますよ。」
黄色の丸みのある弾幕を弾いて魔理沙に対抗しようとする。魔理沙はそれに缶一つで応えた。相殺し、互いに被害を出すような弾幕だった。
「少し少なめだったがソコソコの威力はあるだろう。」
「ええ。でも、負けませんよ。」
曲線のある細長い弾幕を伸ばしながら先程の弾幕を固めてランダムに飛ばす。その行き先は特に決めていないらしく、どこへでも飛んでいきそうなものだった。
魔理沙はそれを巧みに避けながら、だんだん間合いを詰めていった。その勢いに流石に焦りを見せたのか、更に丸まった弾幕を放つ。カールしたものでそれが伸びてくる。不規則なものだった。
魔理沙は缶二つで相殺した。その華麗な弾幕には空が少しだけ暗くなったように感じるもので流れ星が流れていた。それは全てランダムなものでどこへでも飛んでいく、正に魔理沙にはお似合いの弾幕だった。
「わわ。とんでもないです。」
「トドメのマスタースパーク!」
魔理沙は容赦なかった。
「負けたー。神社に尽くしてたのにボロボロにされた。」
「いや、すまんかった。異変に繋がりそうなものは何もなかったわ。」
「神社の味方なのに。」
「なら、解決の協力をしてもらえるか?」
「ええ。陰ながら応援していますよ。」
「うーん、やっぱり良いかな。」
魔理沙は箒にまたがるとどこかへと向かっていった。それはどこなのかは全くわからない。しかし、異変解決は向かっていくのだろう。