と言った感じで僕は幻想郷での生活を始めてみたがそうあまり変わったことがあると言うわけでなかった。
ご飯は待っていれば咲夜さんが出してくれる。掃除を手伝おうと思ったが妖精が朝のうちに終わらせるためにやる事なく終わっている。そして特に来たばかりと言うこともあり、この場所の付近に何があるのかも全く分からないので行くあてもない。
博麗神社は場所的に知っているがわざわざ足を運びたいと思えない。正直な話、八方塞がりと言われても仕方ないとさえ思える。僕もどうしたら良いのかわからなかった。
其処で僕は置き手紙を置いて出掛けることにした。当分の目的は歩いて幻想郷を足の裏で知ること、そして自分の居場所を見つけること。人の家とかではな居場所のことだ。
と意気込んだものの、紅魔館と呼ばれている紅い壁が印象に残る館の扉を開いて出てみたところでやはり行くあてなどなかった。こうなれば今目の前ではないだろうがそのように見えている山へと向かう事にした。
途中、門番の人に会ったが眠っていたのでこっそりと抜け出してきた。多分勘付かれているのだろうが此処は気づいていないふりをしておこうと思った。
妖怪の山。その場所は縦の階級が根強く残る場所であり、とても厳しい場所だった。だが、かなり前に守矢神社という博麗神社のライバルのような存在が現れてから随分と気楽な場所へと変わった。以前のように他者を受け入れることのなかった山は今では大きな賑わいを見せていた。それは勿論、相互の利益の合意があるからである。
その中でも天狗という種族の中でも下っ端とされる白狼天狗はいつものように警戒に当たっていた。もともと身体能力に長ける天狗であるので丁度いいとされているが実際のところは使い捨てのところが多い。
その中でも一際目上のたんこぶとして見られているのが犬走 椛と言う人物だ。千里眼を扱えるこの人は如何なる場所でも直線の視線があれば見ることができる。その能力故にほとんど移動を行うことはない。本当に気になるものがあれば動くことはある、のかもしれない。
「あれは?」
その椛はいつも南側を見る時に使っている木の上から不審な物が見えた。そして南西へと向かっている。それは蜘蛛のように8本の足が見えている。単純に考えればそれだけである。しかし、周りの植物が枯れている。
椛はすぐに飛び出した。それが何であるのか、そして何が目的でそのようなものが置かれているのか。
哨戒天狗として妖怪の山に降りかかる火の粉は出来るだけ払い退けなければならない。