東方魔剣術少年   作:mZu

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第50話

フランドールさんとの遊びを終えて自室へと帰っていた僕はいつのまにか用意されていた人参やジャガイモの入っている温かいクリームスープを一緒に配膳されているスプーンで食すことにした。優しい味のするもので疲れた身体には染み渡るようなものだった。配膳したメイド長はきっとあの様子を眺めていたのだろう。と勝手なことを思った。

 

ただ、実際のところ、僕は気絶をしていたらしく勝敗については何も分からなかった。あの後、何かあったのかもしれないし、何もなかったのかもしれない。もしかすると勝てたのかもしれないが負けているのかもしれない。兎も角真相は闇の中であり、パチュリーさんも口を濁していた。特に話したい内容ではないらしい。遊びとは程遠い事をしていたのは言うまでもなく事実だろう。

 

そう思いながら、僕は自室まで暗くなった大広間を通ってここまでやってきていた。此処だけは窓がある。小さなものだがこの程度で構わないのだろう。

 

 

昨日は食器を自室の外に出してすぐに寝た。大分汚れた見た目にはなっているがメイドの管理が行き届いていないというわけではなく、また別の理由だ。僕がここ数日、メイドを入れようとはしていない。そして、日夜使い続けているうちにこのような有様となった。白のシーツはシワ付き、掛け布団は縦に二つに折りたたまれている。自分でも綺麗にしようとは思うが方法がわからないうちは何ともならないのだろう。

 

そんなこんなで朝になったのだと思う。この部屋には朝日など入ってくるようなことはないが、外では妖精メイドが暴れている。つまるところ、掃除を始めたということだ。どうやら妖精メイドにはしっかりと定刻が身体に刻まれていて毎朝このようになる。その度に起こされるか、集中が途切れたりするのだが、それは過去に住む以上は仕方がないことだと思う。それに文句を言える立場でもないのは重々承知している。

 

僕は少しだけ気だるげな体を起こしてから、自室を出ることにした。今日は特にやることはないが、こうなっては何かやってみるのも良いのかもしれない。廊下はいつものように暗めで、外もまだ太陽は完全に登っていないようで薄気味悪いのは普段通りだ。

 

だが、今回違うのは何処か見覚えのある人が大広間のところに立っていた。金色の髪を逆立たせている人で爽やかな男。目はキリッ、としていて朝にはとても眩しい見た目をしている。

 

「アーサーさん。」

金色の鎧から音を出したアーサーさんは少しご立腹そうにしていた。なぜか、と理由は聞くまでもなかった。

 

「幻想郷の創始者と仲違いをしたそうですね。」

何かしたようなそうでもないような気がするが確か、隠岐奈という人物から二人の使いを貰ったのは覚えている。名は舞と里乃。最近は自室にこもっていたので会ってはいないが出入りはしているのだと思う。

 

「ガラクタを誰かになすりつけようとしたので腹が立ちました。」

 

「そんな理由ですか。」

 

「自分が雇っていて勝手に切るなんて無責任じゃないですか。」

 

「貴方の考えているように世間は甘くないですよ。」

 

「でしたら、アーサーさんは身勝手な理由で捨てられても良いと?」

 

「そんな器の小さな方ではない。」

 

「そういう事です。あの二人はただの人間とは言いづらいですが、その人は多様な名を持つ神です。」

 

「ちょっと分からなくなりましたね。兎に角、博麗神社に向かってくれませんか?」

アーサーさんは何処か切羽詰った表情をしていた。僕にはその理由が分からないが変に不安なのだろう。

 

「お父さんには報告したんですか?」

 

「ええ、ただ返答が流石だ、なんて返ってきたので困ってます。」

 

「そうですか。では、行きましょうか、博麗神社。」

 

「気が早いですよ。」

アーサーさんを置いていく勢いでぼくは紅魔館のトビラを開いてその方向へと向かった。博麗神社は幻想郷の極東にあり、その他には何もない。そんな場所だ。

 

「後、しごかれてくると良いなんてことも言っていましたかね。」

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