東方魔剣術少年   作:mZu

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第64話

そこには霊長園と看板に書かれている施設があった。僕は特にどのような意味があるのかは理解できないのだが、入ってみようと思ったが何か嫌な予感がするので悩ましかった。それでも入る勇気は出なかったが素通りする気にもなれずに入り込む事にした。

 

「誰か居ますか?」

一応聞いてみる事にした。取り敢えず此処がどのような施設であるのかは判別出来ないので聞いてみたかった、のだが誰かいるような様子はなかった。なので僕は中に入る事にした。

 

敷地の中は何処か異国の雰囲気があるものの、娯楽施設のような感じがある。草木は特に見当たらず、腰程度の柵が丸い穴を囲うようになっている。その中では何か白い物体があるのだが、だからと言って正体が分かるわけでもなく、来た道を踵を返して僕は帰る事にした。

 

その帰路、ある人が僕の歩いている道の前に立ち塞がっていた。その人はまさしく番人のような人で黄色に近い色をしている髪を丸い形にまとめているのを白い布で結んでいる。四角いのを重ねているような服でかなり丈の短いスカートのような大きさの服を着込んでいた。まるで鎧のように見えるのだが番人だと色眼鏡をかけて推測するならそうなのだろう。籠手のようなものが両腕には付いていて金属製の剣を地面に突き刺し、腰より少しだけ高いへそぐらいの位置にある柄頭に手を置いていた。

 

「貴様、何者だ?」

 

「少しこの建物が気になったので見に行っただけですよ。それにしても何か白い玉が浮いているだけで何かいるようには見えないのですが」

 

「此処は霊長園だ。主に隷属の人間の霊を集めている場所だ。ちょうど貴様のような人物が閉じ込められている場所だ」

 

「まだ死んでませんよ」

 

「それは分かっている」

その人は1度目を閉じてから目を開いた。瞬きというにはとても遅い。二秒程度は閉じていたと思う。

 

「だが、此処で倒せばどうなるか分かったものではない。どうせ、此処では一人ではなんともならない」

 

「此処には四つの組がある。そして、その組は私を含めた像に対して攻撃を与える手段はない」

 

「それだと、貴方を倒す力があれば何も関係ないという事ですね」

 

「その解釈が間違いではないことを願う。行くぞ!」

その剣を振り回し始めた。僕はその人の様子を見てからゆっくりと後退、左隣を通り抜けた。

 

まるで歯が立たないということもないのではないだろうか。

少しだけ時間は戻る。その時間はちょうどある少年が紅魔館を飛び出してからとある二人が地獄へと向かっていくその間、少年に付き従う二人は誰に命令されることもなく、向かっていた。その行き先は主人のいるその場所。動物霊が助けを呼ぶために訪れた地上から連れ出した人間がおおよそ暴れているのであろう畜生界へと向かう道だった。賽の河原を超え、三途の川を超え、その先へと向かった二人はある二人に出会うのだがそれはまた後の話。

「それなりに実力は持ち合わせているのだろうか」

 

「いえ、僕なんてまだまだ未熟の身ですよ」

 

「それはつまり、それよりも弱いと言いたいのですか?」

 

「力だけで攻めるつもりでしたらそうなるでしょうね」

一番不得手なのはやはり自分と同じように逃げ回りながらも時期を見て状況を一変させること。それをされるのは慎重な一戦となる。

 

「当たれば一撃だ。特に技術を磨く必要もない」

 

「そうですか。当たると良いですね」

取り敢えず、僕は剣を抜いた。鞘を掴んで一気に引き出した黄色の刀身をしているのを取り出して自分の前に出していた。それが何を示しているのか、それは相手が見出すのだろう。

 

「これでも兵長を務める身だ。そう易々と倒せると思うなよ」

其処から戦いは始まった。僕は剣を傾けて上からくる相手の一撃に合わせて弾いた。左脚を反転させて後退させてから体制を大きく崩しているその人に追撃を与える。

 

その人は受け止める事は考えずに下から掬い上げるようにして僕にその剣を当てようとすると後退していた。一瞬でも隙が作れたらそれで良いらしい。僕は次の相手からの一撃を見てから行動に移そうと思った。意外にも機敏な動きだったのが僕の中では一番の驚きだ。

 

その人は肩に背負いこんでいるような独特の構えをしていた。前がかなり空いているのだが、多分装甲というものが硬いのか戦いというものに慣れていないのか。そのどちらかだろう。

 

ブン、とその剣を僕に近づきながら下に振り下ろした。その音に驚くが其処からも凄かった。地面も抉るように振り上げた剣を右横から左方向へと振り抜き、その直後に力任せに膨らみのある角度で振り下ろす。僕はその場で後退をしながら時期を待っていることしか出来なかった。

 

そして決める時に何をしようか考えていた。

 

もう一度振り上げたところでそちらへと逃げて後ろへと回り込むことにした。一瞬だけ見失っていそうだったがもうそのような事はなかった。素早く剣を振ったその人は更に振ろうとしたところで僕が先に一撃を与えた。なんでもない一撃だ。当然のようにその鎧のような服に防がれた。当たり前のようにに思えたがあまりにも硬すぎる。それを確認してその場で交差するように逃げた。

 

そして何をしようかそれを確認する。僕が頭の中で考えている事はそれしかない。

 

「まさかあれで諦めたというわけではあるまい」

 

「まさか。そのような事はありませんよ」

 

「怖気付いたというのならば、こちらも配慮してやろう」

要らぬ心配をかけられているが私は何もしない事にした。それが一番早い。

 

「それは、良いです」

僕はその場から一気にその人の前に向かうと先程は通じなかった一撃を与える。風を纏いしその剣はスパッ、と良い音を出していた。其処で小さな爆発を起こさせる。水を電気を通すと出来るらしい。詳しい原理は理解していないがそれを見つけ出した先人は本当に凄いと感心するしかないだろう。

 

「人、だったのでしょうか?」

僕の周りには粉々に砕けた何かの残骸が転がっていた。これならもしかすると大量に造られた内の一つだったのかもしれない。

そう思っていた最中、その人はまるで登場する瞬間を理解しているように現れた。

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