あれから暫く休憩をしていた。河原で横になれなかったので木に寄りかかる形になっていた。僕は力なくその場に居たが言葉を交わすことはできた。
「お父さんと比べてどうですか?」
「それなりですね。どっこいどっこいです」
「そうですか。その時のお父さんはやっぱりこんな風になっていたんですか?」
「そうですね。休憩は取っていました。慣れない動作があるので疲れたのでしょう」
「それなら良かったです」
「貴方ほど無理はしていませんよ。あの人は自分で管理していました」
「痛いところを突かれました」
「良いんですよ。まだ私が居ますから」
昔を思い出しているようにも見える椛さんにとって僕はどの程度の実力だと思われているのだろうか。それは僕のふと思った事だが、とても気になった。
「これからも付き合ってくれますか?」
「何処までも。お父さん、抜かしたい思いで一杯でしょう?」
「そうでもないとここまで頑張ろうと思いませんよ」
「確かにそうですね。今日はここまでにします。私は哨戒の仕事がありますので此処で。体調には気をつけてください」
椛さんはそう言ってそそくさと何処かへ向かった。多少なり謎の吸血鬼のおかげで警戒をしているのだろう。そうでもないと僕を置いていこうとはしないだろう。ただ、これで良かったとは思っている。一人で考えられる時間がある。そしてある意味これ以上肉体を使うことはない。それは即ち、今日の鍛錬は辞めておけ、と言いたそうだった僕は目を閉じて痛みが取れるのを待っていた。単純な身体の酷使であるので後にも響くだろう。それでも辞める気にはなれなかった。それだけの努力をしてあそこまで上り詰めたと思っている。それに追いつくためには僕はそれ以上の速さで追いかける必要がある。そう思うと迂闊だったが彼処まで頑張ろうと思えた。
「水浴びでもしましょう」
丁度近くには川がある。そこで汗ばんだ体を洗っておこうと思う。そう思ったがまだ身体は言うことを効かないらしい。八意製薬の疲れを取る錠剤をもらっているが即効性はないらしくまだまだ此処でいる事になりそうだった。此処を通る人は本当に妖怪の山の住人である河童か天狗か一部の神ぐらい。その人は一応助けてくれるのでさほど心配しなくても良いらしい。僕はその椛さんの言葉を信じて疲れが取れてある程度疲れが取れて身体が動かせるようになるまで眠っておく事にした。
風の音、水の音、此処は色んな音に囲まれている。その中に意識を溶け込ませるように僕は自分を希薄になるようにした。こうしていると遠くからの音も何となく聞こえる。それによって何が居るか、それを探ることが出来た。とりあえず今のところは何も問題はない。
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それからはしばらく経って、川で身体を洗ってからその場で夕暮れまで素振りと技の確認をしていた。勿論休憩をとりながら、だ。そうでもしないと幾ら薬を飲んでいるからと言って効果が薄れて無くなるかもしれない。身体の節々が痛いがまだやれると思う。勝手な診断だけど。