早朝、と言ってもまだ日の登らない時間帯。人は起き上がりつつあるものの、まだ完全に目覚めているという訳でもなかった。誰もいないかのように静かな人里で大きな悲鳴が上がった。誰も居ない、そして誰か何動いているものが居ない時間帯、夜に行動したと言えば幻想郷では有名な吸血鬼しか居なかった。紅魔館を襲い、今度は本格的に人里へと降りてきたそれの爪痕がしっかりと残されていた。
辺りには首からの出血による池が出来ていてその人の顔は顔面蒼白となっていた。恐らくとつける必要もないが失血による死亡だった。もうここまで来ると犯人なんて物は一人しか居なかった。先日、人里で負傷者を出した謎の人物。
自警隊を率いている慧音はその知らせを受けて飛び起きた。知らせを聞いている限り、それは東、南、西の三箇所で行われた。場所は人につかない路地裏ではなく偶々襲われたのであろう早朝に仕事をしていた人たちだった。それぞれ、東から男、男、女となっていて不幸が連鎖するかのようになっていた。それに対して慧音は自警隊での厳重警戒態勢を行うように指示した。人里の皆には外に出来るだけでないようにする勧告を出して誰か居ないか捜索を行う。もう後がない状態まで追い詰められたのだ。
それから時が経ち、幻想郷の管理者を通して人里の全員に今回のことを話した。そして、管理者は代々、幻想郷に降り注ぐ火の粉を払い続けた巫女にその話を通した。そして、昼頃に訪れた二人に偶々事情を知っている者が話を伝えて今回は帰るように伝えた。
そこまでする必要があるのかどうかは置いておいて今回の件はかなり危険な事には変わりない。
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人形劇を行う二人を帰した後、慧音は人里の人に聞きながらある情報を集めていた。アリス・マーガトロイドと行動を共にしているケプリという男性と関係がある人を探していた。その中で何やら有益そうな情報を手に入れた慧音はその確証を得るために独自で憑依異変の記録を探していた。黒髪の少年で背はそれなりに低い。それから前に居た青年の子供であるとの噂も聞いた。それから紅魔館のメイド、十六夜 咲夜とも行動を共にしていたという事でそこに出入りしているとも言われている。慧音はふと考えていた。そしてとある結論を出して記録の書かれた書を元の居た場所に戻してあげる事にした。
「ヒカル、か。少し当たってみる必要があるそうだ」
そう呟いてから出てきた夕暮れの空は慧音にとってはかなり眩しかった。