IF日本国召喚~憲法改正後の日本が転移しました   作:RIM-156 SM-2ER

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皆さまどうもSM-2です。
前回の次回予告でギム撤退戦とだけ書いてありましたが、今回のタイトルは「ギム撤退戦(開戦)」です。もともと一つの話で終わりにしようと思っていたんですが、書いてる途中でなんと18,000文字に・・・・・。このままだと1話で20000文字以上になってしまうと考えいくつか切りのいいところで切って小分けにすることにいたしました。たぶん18,19話辺りまでギム撤退戦です。
それと今回はチョイグロです。
それでは本編、どうぞ。


第12話 ギム撤退戦(開戦)

中央歴1639年4月10日

第3遊撃旅団は日本を出発してから1週間後。ロウリアとクワ・トイネの国境線にある人口3万人*1ギムの町に着いていた。准戦時体制でクワ・トイネ公国軍が集結しており、町の至る所には防塁が築かれていた。

ギムの町にある西部方面騎士団司令部で第3遊撃旅団旅団長の茂木(もぎ)大和(やまと)准将と西部方面騎士団団長モイジ将軍が面会していた。

 

「日本国国防陸軍第3遊撃旅団旅団長の茂木大和です。よろしくお願いします」

「クワ・トイネ公国軍西部方面騎士団団長のモイジ・カーリフです」

 

二人はがっちり握手をする。

 

「今回はクワ・トイネ公国軍とわが第3遊撃旅団での演習。よろしくお願いします。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「ああ」

 

含みを持たせた言い方を茂木はした。クワ・トイネ側の幕僚たちはその言い方に首をかしげていたが、モイジはクワ・トイネ政府より日本が対ロウリア戦に参戦することを伝えられていたためにこやかに対応した。

その後、クワ・トイネ公国軍と日本国国防軍幕僚団で演習の内容などに関しての話し合いが行われたが、内容は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()というものであり、ここでクワ・トイネ幕僚団はロウリアが攻撃が仕掛けてきたときに日本とクワ・トイネ公国軍でロウリア軍を足止めし、ギムの住人を後方に避難させる気だと気が付いた。

――――――

「茂木准将。まもなくですね」

 

クワ・トイネ公国軍との会合をおえた日本側幕僚団はそういった。

 

「ああ、情報だとXデイは2日後だ。ロウリアの宣戦布告を受けたら後方に置いてあるヘリをわが軍の撤退という名目で呼び出す。そしてヘリが来る間にわが軍はロウリア王国軍からの攻撃をわざと受け参戦の口実を造り参戦する。そして上空で撤退支援で待機していた戦闘機隊は制空権を確保し、やってきたヘリ部隊にはギムの住人を乗せて後方に避難させる」

「汎用ヘリ部隊と戦闘ヘリ部隊はクワ・トイネ側から情報のあった近隣の村に向かってもらい住人を避難させるという作戦ですね」

 

これらの作戦や会話は一部幕僚や政府高官の頭の中だけにとどめられ書類などにされることはなかった。着実にロウリアに対する作戦が進んでいた。

―――――――

第3遊撃旅団がやってきた翌日。小高い丘の上から国境線付近に集結するロウリア王国軍を眺める男がいた。クワ・トイネ公国側からは何度も国境から軍隊を引くように要請が来ていたが、もはや戦争は決定事項であり無視を決め込んでいた。

 

「明日、わが先遣隊3万でギムを落とす!」

 

男—ロウリア軍先遣隊の指揮官、アデム・ハイトは眼下にみえる3万の軍勢を眺めてそういった。

総勢50万、陸軍だけで30万を超す兵力を持つロウリア王国軍でも3万は総兵力の1割である。歩兵2万、重装歩兵5千、特化兵1500、遊撃兵1千、魔獣使い250、魔導士100、竜騎兵150もの兵力を任されたアデムは大役を任されたという緊張と、信頼されているといううれしさがあった。

特に竜騎兵150はそのうれしさを大きくさせていた。歩兵2万という数に比べて少ないように感じるが、ワイバーンというのは非常に高価かつ強力な兵力でワイバーン1騎で歩兵1万は足止めをできる。それだけ強力な兵科を150というのはとてもうれしいだろう。

だがアデムには不可解なことがあった。それはワイバーンの数だ。ロウリア王国がかき集められるワイバーンはどれだけあがこうと200が限界である。だが今回の作戦には500ものワイバーンが参加する。噂では第3文明圏の列強国パーパルディア皇国の支援があったと聞くが、真相はわからない。何せ、ワイバーンには国籍を示す国章がないため推測するぐらいしかないのだ。

 

「ギムでの戦利品はいかがしましょう?」

 

横にいた伝令兵は、いまだにニタニタした笑みを浮かべているアデムにそう聞いた。

アデムの残虐性はロウリア王国軍において知らないものはいないといわれ、この後どれだけ残虐な命令が下されるのかとちょっとした恐怖心を抱いていた。

 

「ギムでの略奪は一切とがめない。女を嬲ってもよいが、使い終えたら必ず全員処分すること、一人も生かして町から出すな」

「はっ・・・・・・」

 

伝令兵はアデムにしては普通な命令(ロウリア王国軍で占領地の略奪・暴行は当然)に意外さを覚えつつ各軍の司令官に伝えるべく走りだそうとした。だがそこでアデムに呼び止められる。

 

「いや、まて!やはり嬲った後に100人ばかり生かして開放しろ。あとで殺すことに変わりはないが、恐怖を拡散させるのだ。それとギム防衛部隊の家族がいたらなるべく残虐に殺せ!魔獣に生きたまま食わせるでも、火あぶりにするでも、内臓を抉り出すでもなんでもよい。いいな!」

「は、はっ!」

 

伝令兵は各軍の司令官にアデムの命令を忠実に伝えるのだった。

――――――

クワ・トイネ公国北方100km地点

参戦時に対ロウリア侵攻軍の総指揮官となる第1空母打撃艦隊司令官の音羽(おとわ)美優(みゆ)少将は旗艦「あかぎ」のアイランド(艦橋)でロウリア王国軍の宣戦布告の知らせを待っていた。

 

『通信室より艦橋。司令!!在鍬大使館から緊急通信です!!』

 

音羽は近くにあった艦内無線受話器を手に取る。

 

「艦橋より通信室。内容を伝えなさい!」

『はっ。”クワ・トイネはロウリア王国との戦闘状態に入った”!!以上です』

「了解!」

 

音羽は受話器を置くと、艦長と航空団長の方を向くと口を開いた。

 

「艦隊をクワ・トイネ北方50kmに移動させて!!第1戦闘飛行隊は発艦して第3遊撃旅団の()()()()に向かいなさい!第3遊撃旅団の茂木准将に連絡しなさい!!急いで!」

「はい!!」

 

ついに日本が動き始めた。

――――――――

「茂木准将!!第1空母打撃艦隊より緊急電です!!”ロウリア宣戦布告”!!ロウリアが宣戦布告をしました!!

 

第3遊撃旅団司令部で数人の幕僚とともに宣戦布告の知らせを待っていた茂木は、飛び込んできた通信士の報告を聞いて指示を出した。

 

「よし!!ヘリ部隊に撤退のために出動するように連絡!!防空部隊は何かあった時のために即時射撃ができるようにしろ!兵士は装甲車両に乗り込んでワイバーンの火炎弾攻撃に備えろ!!」

 

茂木の指示はすぐさま通信士によって第3遊撃旅団全体に通達される。高射砲兵隊はいつでも射撃ができるように移動し、歩兵部隊は装甲車や戦車、石造りの建物などに避難する。

宣戦布告より30分後。12:30分にロウリア王国軍3万がロウリア―クワ・トイネ間国境線を越境した。その先頭部隊であったワイバーン部隊は真っ先にギム上空にたどり着いた。

 

「レーダー探知!!ロウリア王国軍ワイバーンが越境!!あと10分ほどでギム上空にたどり着きます!!クワ・トイネ公国軍ワイバーンが出撃しました!あと10分ほどで交戦します!!」

 

高射砲兵隊に配備されている車載式対空レーダーは越境してくるロウリア王国軍ワイバーン75騎とそれを阻止せんと出撃するクワ・トイネ公国軍ワイバーン24騎を探知した。

10分ほどで両国軍ワイバーン部隊は激突するが、数で劣るクワ・トイネ公国軍は数騎を落としたところで全滅してしまった。

自分たちが早く参戦すれば死ななかった彼らのことを茂木は申し訳なく思った。

 

「ロウリア王国軍。まもなくギム上空!!」

「全部隊は攻撃を受けるまでは一切の攻撃を禁止するように伝えろ!!」

 

ついにその時が迫りつつあった。

――――――――

「クワ・トイネのワイバーンは大したことがないな・・・・」

 

ロウリア王国軍先遣隊の竜騎隊隊長のアルデバランはそうつぶやいた。彼が率いるロウリア王国軍のワイバーン75騎は迎撃に上がってきたクワ・トイネのワイバーン24騎と交戦した。味方のワイバーンが3騎ほど落とされてしまったが数分とかからずに全滅させてギムに向かっていた。

交戦から数分後、ロウリア王国軍竜騎隊はギム上空にたどり着いた。眼下に見えるギムの町では見慣れた街並みや動き回る敵騎士団員やギムの住人がせわしなく動き回っていた。だがところどころに緑マダラの物体や同じような模様の服を着た人間が混じっていた。いったい何なのかわからなかったがギムの町にいるということはクワ・トイネの味方に違いないので気にせず攻撃することにした。

 

「よし!!ギム上空だ!!地上部隊の侵攻を助けるぞ!!地上のすべてのものを焼き払うのだ!!」

「「「「「うぉぉおおお!!」」」」」

 

ロウリア王国軍のワイバーンは、その口に炎を蓄えて火炎弾の発射準備を始めると地上のものを焼き払うべく急降下を始めた。

――――――――

「敵のワイバーンだ!!にげろぉ!!」

 

地上のクワ・トイネ公国軍は急降下してくるロウリア王国軍のワイバーンをみて身近な建物の影に隠れたり、走って逃げたりしていた。第3遊撃旅団の兵員も装甲車の中や陰に隠れたり、火炎弾を食らった時のためにABC消火器を用意したりする。防空高射砲兵隊は機関砲やミサイルの電源を入れいつでも迎撃に入れるようにしていた。

そしてついにその時がやってきた。

 

「敵ワイバーン!!火炎弾を発射!!」

 

上空を双眼鏡で見ていた兵士がそう叫んだ。150騎のワイバーンは一斉に火炎弾を発射した。粘性のある火炎弾はギムの町にある民家や木柵、櫓、地面など様々なところに着弾した。着弾した火炎弾は建物や木柵、近くにいた人間を燃やす。

 

「ギャァアアアアくれぇ!」

「み、水をくれぇ!」

「熱い!熱いよぉ!!」

「火を、火を消してぇ!!」

 

クワ・トイネ軍の兵士や町に住んでいる女性や商人など老若男女にとわず火炎弾の着弾点の近くにいた人間が燃え上がり、気管が焼かれ自分の体が燃え上がる苦しみにもがき苦しむ阿鼻叫喚の光景が広がる。その中にはもちろん、装甲車の陰などに隠れていた第3遊撃旅団の兵士もいた。

 

「くそっ!!火を消せ!!砂をぶっかけろ!!」

 

兵士たちは粘性のある火には水をかけるよりも粉や二酸化炭素を使い、酸素の供給を絶った方がいいことを知っていたため燃え上がった仲間にABC消火器をかけたり、準備してあった砂を体にかけて鎮火させる。

また近くで燃え上がったクワ・トイネ軍の兵士や住人にも消火器や砂を使い、体にまとわりついていた炎を消してゆく。

 

「大丈夫か!おい、衛生兵こっちに来い!!」

「大丈夫ですか?わが軍の野戦病院があります。そこまで行きましょう」

 

火を消した後、無事な第3遊撃旅団の兵士はやけどを負った仲間や住人を担いだり担架に乗せて第3遊撃旅団が()()()()()()()()()()()()()()()に搬送する。

ところどころで火に包まれそうになっている人を見かけると持っていた消火器や軍用シャベルを使って火を消して回る。

この時点でのクワ・トイネ公国軍、民間人、第3遊撃旅団の被害は以下の通りであった。

―――――――――

【クワ・トイネ公国軍】

死者・行方不明者:41名(炎による死者:26名、落ちてきたがれきによる死者:14名、崩れ落ちた建物の下敷き:1名)

重軽症者:77名(やけど:21名、気道熱傷:41名、崩れ落ちた建物のがれきに当たった:18名)

 

【民間人】

死者・行方不明者:59名(炎による死者:8名、落ちてきたがれきによる死者:21名、焼け落ちた建物の下敷き:30名)

重軽症者:109名(やけど:41名、気道熱傷:45名、崩れ落ちてきたがれきによる負傷:23名)

 

【第3遊撃旅団】

死者・行方不明者:10名(炎による死者:8名、落ちてきたがれきによる死者:2名、崩れ落ちた建物の下敷き:0名)

重軽症者:34名(やけど:23名、気道熱傷:7名、崩れ落ちてきたがれきによる負傷者:4名)

 

また建物21棟が全焼という被害を受けていた。特別な消防装備を持っていなかった第3遊撃旅団では有効な消火活動をすることができず、建物被害はさらに広がった。

*1
公式設定では10万人ですがこの作品では3万人とさせていただきます。中世レベルの国家で10万人は首都並みの大都市ですからね




いかがでしたでしょうか?
ギムの町の住人が10万人と知った時は驚いた・・・・。中世レベルの国家で10万人の規模は地方中枢の大都市(日本でいう大阪、名古屋にみたいな?)か首都くらいしかないと思う。国境の一地方都市で10万は日本からしたらすくないですけど中世くらいだったら多すぎるので3万人に減らしました。それに10万人を1日で避難させるのは不可能ですし・・・・。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております
ではまた次回。さようならぁ!

次回 第13話 ギム撤退戦(防空戦)

お楽しみに!

日本が転移した時に海外にいた日本人はどうしよう?

  • いつの間にか日本に現れている。
  • 取り残されてしまう。
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