IF日本国召喚~憲法改正後の日本が転移しました   作:RIM-156 SM-2ER

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第22話 ギム撤退戦(好転の兆し)

タタタタタタタ

 

ここ数日で何度目か分からない発砲音が鳴り響く。だが、音の発生源は今までとはまるで違っている。今までは町の郊外で鳴り響いていた発砲音だったが、今回は町のど真ん中で鳴っている。

それに加え、建物に使われている石材を銃弾が削る音も混じっていた。

 

「くそっ!!撃て撃て!!奴らを近づけさせるんじゃない!!」

 

歩兵小隊長は小銃の引き金を引きながら部下に指示を必死で出す。最初、700ばかりだった敵だが徐々に増えているようにも感じられた。

 

「くそっ!南方警戒隊の装甲車は何やってるんだ!!こいつらぞろぞろ増えてくるぞ!!」

 

先ほどから敵の増援がちまちまと町に侵入してきているようだった。さすがに百数十ばかりでは十倍以上の敵を食い止めることはかなり厳しい。

西に誘引された主力部隊も戻ってくる気配がなく、このままでは部隊が全滅し避難民にも甚大な被害が出るだろう。しかも避難民の中には女性などもいる。彼女らがどんな扱いを受けることになるのか、想像したくもなかった。

 

「4分隊!!グレネードで奴らを吹っ飛ばせ!!」

「りょ、了解!!」

 

彼の小隊で4人いる分隊長の中でも最も若い陸曹が配下の小銃兵に指示を出す。

指示を出された小銃兵はアサルトライフルの下にあるグレネードランチャーの引き金に手をかけ、目分量で狙いを定める。

 

「擲弾!てぇ!!」

 

ポンポンポン

 

連続した発射音が響き、ランチャーから放たれたグレネードがロウリア王国軍に向かって発射された。放物線を描いてグレネードはロウリア軍の頭上に降り注ぐ。

 

ドォンドォンドォン

 

着弾したグレネードは辺りに外殻の破片や仕込まれていたワイヤーをまきちらし、ロウリア兵を殺傷していく。

だがロウリア軍は続々と町に侵入してきていた。一向に減る気配を見せない敵に小隊長は焦り始めていた。

 

「っ~~~~!!くそっ!主力部隊はまだなのか!!」

――――――

「やられたな・・・・」

 

発砲音とロウリア軍の怒声がかすかに聞こえてくる第3遊撃旅団司令部では茂木と幾人かの参謀がそう呟いていた。

 

「歩兵連隊と戦車大隊は?」

「はい。第3即応歩兵連隊の内、第302即応歩兵大隊と第312即応歩兵大隊及び第302即応対戦車中隊は撤収作業を完了し、此方に向かってきていますが第302装甲躑弾兵中隊と、2個装甲車中隊を除く第302即応独立戦車大隊は車両の撤収が進まず、未だに西に取り残されたままです」

 

茂木の問いに作戦参謀が答えながらギムの地図の上の駒を動かす。そのうえで作戦参謀は今後の作戦案を述べた。

 

「今後としては主力部隊を2手に分けて、一方を民間人保護のために此方に撤退させて広場防衛に回します。もう一方を敵兵の侵入を防ぐべく南方に展開し南方警戒隊とともに迎撃に当たります。また北方警戒隊および西方警戒隊も偵察警戒車2台を残し、南方に展開させます」

「部隊の編成はどうする?」

 

参謀長は作戦参謀の立てた作戦に理解を示しつつ、どんな部隊編成にするのか尋ねた。

 

「広場の防衛は完全な市街地戦ですので、車両は不向きです。2個装甲車中隊と2個歩兵大隊、1個対戦車中隊を向けましょう。対して南方迎撃戦は場所を選べば野戦です。此方は車両が活躍できるでしょうから3個戦車中隊、1個装甲躑弾兵中隊、1個装輪戦闘車両中隊、1個軽装甲戦闘車中隊を展開させましょう」

「部隊には同士撃ちを防ぎ十字砲火となるように部隊展開場所を選ばせよう」

 

この戦いを乗り切る方法は着実に固まっていった。

 

「撤退時はどうする?合流してから撤退を開始するのか?」

「いえ、中央部隊と南方部隊は各個で撤退しギム後方で合流しましょう」

 

撤退時に分けた部隊をどうするのかを議論する。事前の計画ではある程度余裕を持って撤退できる予定だったので、一旦ギムで合流してから撤退する予定だったのだ。

 

「だが、ギム近隣の森には地雷原があるのではないのか?撤退時に味方の地雷で被害を受けたのではたまらんぞ?」

「確かに地雷はありますが、対人地雷のみです。南方部隊は装甲車両のみですし、歩兵部隊も少なくとも装甲車に収容可能ですから被害を受ける可能性は低いかと。何より電気式自爆装置が付いていることをお忘れですか?」

 

情報通信参謀の意見に工兵幕僚が被害を受ける可能性が低いと答えた。するとこう言う声も上がる。

 

「第1空母打撃艦隊に要請して空爆の要請は出来ないのか?」

「なるほど・・・・南方の戦闘は既に接近戦闘ですからできませんが、市街地に侵入した敵軍に対してなら出来るかもしれません」

「では至急海軍に空爆要請を出してくれ」

「分かりました」

 

迫りくるロウリア王国軍の魔の手から住人を守り抜くべく、日本国国防軍は速やかに作戦を練り直した。




いかがでしたでしょうか。
次回でギム撤退戦はおしまいです。ようやくパ皇戦に向けて1歩前進した・・・・。
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ではまた次回。さようならぁ

次回 第23話 ギム撤退戦(終結)

お楽しみに

日本が転移した時に海外にいた日本人はどうしよう?

  • いつの間にか日本に現れている。
  • 取り残されてしまう。
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