IF日本国召喚~憲法改正後の日本が転移しました 作:RIM-156 SM-2ER
今回は閣議とういうテーマで書きました。
実際の閣議ってどんなものなのでしょう。一応、「日本の一番長い日」の閣議をイメージしながら書きました。
では本編どうぞ。
「ふむ、使節団は無事に着いたようだな」
首相官邸のある一室では内閣総理大臣である
菅原は報告書をテーブルにバサッとおくと、外務大臣に向かって問いかけた。
「クワ・トイネとはどういう国なのか、分かったか?」
「ええ。ですが、報告によるとクワ・トイネ公国の政治形態はどうやら、特殊というかなんというか・・・・・」
外務大臣が何やら返答に困っているようで、他の大臣たちはどういうことなのだと、外務大臣を注視する。
「公国との名の通り”大公”と呼ばれる国家元首はいるようなのですが、実権を握っているのは、その外の貴族から選出された首相のようです」
「つまり、転移前にあったモナコの国務大臣の権限強化版の政治体制ということか?」
環境大臣が外務大臣にそう確認すると、外務大臣はコクリと頷く。
「確かに・・・・・。少しばかり特殊だな。制限君主制、象徴君主制ではあるが、民主主義ではなく首相は貴族が選ぶと・・・・・」
菅原はそう呟いた。
たいがい、君主はいるが政治権力が付与されていないものを制限君主制という*1。ココまでは普通なのだが、制限君主制の場合は主権は国民にある場合が多い、貴族が主権を持っているというのは非常に珍しいのだ。
「絶対君主制でも国民主権でもなく、貴族が主権を持つのか・・・・・」
「いうなれば貴族主権・・・ですかね?」
会議に出席している大臣たちは口々にそう言った。
「ふむ。ココまでは分かった。他には・・・?」
「はい。まず、技術力は中世初期なみでして基幹産業は農林水産業だとのことです。特に農業が盛んで、何でも大した手入れをしなくとも豊富な作物が自然環境下で勝手に取れるとか・・・・・」
「まるで大規模食糧生産タワーの自然版だな・・・・・・」
農林水産大臣が苦笑しながらそう言った。
ちなみに大規模食糧生産タワーとは、転移前に増え続ける世界人口から近い将来に食糧不足が深刻になると判断したアメリカ、ロシアが開発していた食糧生産プラントで、AIが温度・湿度を管理し種まきから収穫まで全て機械で行うタワーのような形をした全自動の農園だ。転移する前にアメリカで第1号機が完成しており、日本でも導入計画が進んでいた。ちなみに1プラントのすべてを小麦の生産に使うと1回の収穫で200トン近い小麦を収穫できる*2のだが、アメリカではこれを2500プラント立てる予定だった。
「また民族形態はいわゆるファンタジー系の小説に出てきそうなものであり、エルフやドワーフ、獣人と呼ばれる民族も確認しています。もちろん人間も確認されていますが・・・・・。今分かっていることはこれだけです」
外務大臣はそこまで言うと、自分の席に座る。顎に手を当てて、菅原はじっと考える。
「石油やレアアースなどの鉱物資源は確認されていないんだな?」
すると防衛大臣がスッと手を挙げた。
「実は、転移翌日の偵察活動でこのような写真が・・・・・」
すると後ろにいた防衛省の職員が数枚の写真をだす。出席していた大臣たちが覗き込むように写真を見る。
「こ、これは・・・・・・・」
「油井か・・・・・?」
「この赤っぽい岩盤・・・・・ボーキサイトでは?」
そう写真にはボーキサイト鉱床によく似た赤い岩盤や小規模な油井のようなものが映っていた。
「これはどこで・・・・・?」
「クワ・トイネ公国から南の荒涼地帯です。クワ・トイネ公国の方にそれとなく聞いたところ、この写真が撮られたのはクイラ王国と呼ばれる国家の領土だとの回答を得ました」
防衛大臣がそういうと外務大臣が驚いたような顔をした。
「いつ聞いたんですか?」
「昨晩に情報局の職員を派遣して確認させた。急を要したので外務省は通さなかった。それに関しては謝ろう」
縦割り行政に置いて、他省庁の縄張りに勝手に入っていくのは後々に溝を生みかねないため、防衛大臣は下手ないい訳をせずに外務大臣に謝った。
素直に謝られれば外務大臣も何も言えず。
「まぁ、今度はきちんと話を通してくださいよ」
というにとどまった。菅原は外務大臣と防衛大臣の話がひと段落したと判断し、外務大臣にこう指示した。
「外務大臣。クワ・トイネ公国との交渉を重ねつつ、このクイラ王国にも接触し国交開設に向けた交渉をしてくれ」
「わかりました。ですが我々が準備なしで使節団を派遣するよりも、クワ・トイネ公国との国交を樹立したのちに仲介してもらうのがいいと思うのですが」
外務大臣がそういうと、菅原は重々しく頷く。
「それに関しては外務大臣に一任しよう。だがなるべく早くお願いしたい。我が国の戦略資源の備蓄は少ないからな・・・・・」
「わかりました。クワ・トイネ公国との国交開設後、すぐさま行動できるように準備します」
菅原は居並ぶ閣僚たちを見ると口を開く。
「引き続き、この世界の情報を入手しつつ、新たな国家との国交開設に向けて各省庁は尽力してくれ」
「「「わかりました」」」
菅原は横にいた総理秘書官に合図すると、秘書官は椅子から立ち上がる。
「では、これで本日の閣議を終了させていただきます」
その合図とともに閣僚たちは閣議で配られた資料をもって部屋から出ていくのだった。
いかがでしたか?
公国というのは貴族が国家元首の国のことなので設定に苦労しました。首相は国家元首ではない(首相は国家元首の下にいる宰相みたいなポジション)ので日本の天皇陛下を大公にして首相は貴族の中から選ぶという、新種の政治形態を発明?しました。
ちなみにリアルでも公国はありますが、小さな都市国家の場合が多く、防衛や外交は近隣の大国にゆだねてます(フランスはアンドラ公国とモナコ公国の防衛を担ってるんですよ)
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それではまた次回!さようならぁ!
次回 第8話 協議
お楽しみに!!
日本が転移した時に海外にいた日本人はどうしよう?
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いつの間にか日本に現れている。
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取り残されてしまう。