IF日本国召喚~憲法改正後の日本が転移しました 作:RIM-156 SM-2ER
外交交渉ってどんな感じなんだろうか・・・・・。自分の中では自身がありつつも、その手のことを知っている人が見たらどう思うのかと考えることが時々ある。
個人で趣味で書いてるから、細かいこととかあんま分からん・・・・。特に行政とか外交とかは・・・・。
では本編どうぞ。
「で、でかい!!」
一般人が立ち入り禁止となり、クワ・トイネ公国使節団しかいない福岡空港の中から、滑走路にずらりと並ぶ旅客機を見てヤゴウは思わずそう言った。
ワイバーンという人を乗せて空を飛べる生き物がいるとはいえ、百人単位で人を乗せて長距離を飛ぶことのできるジェット機など見たことがないのだから当たり前である。
「皆様こちらでございます」
田中の案内で、使節団はその場を後にし、彼らがこれから乗る飛行機の搭乗口に向かう。その間も歩いている廊下などの窓から見える飛行機はどれも大きく、使節団は興味津々だった。
「皆様、あの飛行機に乗って東京に向かいます」
田中が指さした先には、先ほどから見える飛行機よりも一回り大きな飛行機であった。
「あれがボーイング797型機です」
その飛行機は政府が今回の使節団来日のために日本航空よりチャーターした前世界で世界最大の旅客機であったボーイング797型だ。ボーイング797は2027年に米ボーイング社がボーイング747に次ぐ4発のジャンボジェット旅客機として開発されたものであり、転移前は導入から20年以上の政府専用機の3代目としての導入が検討されていたものだ。
「田中殿、あれは二ホンが作ったのか?」
「いえ、あれは転移前に我が国の同盟国であったアメリカという国のボーイング社が開発したものですが、現在わが国ではあれに匹敵する航空機の開発計画がございます」
田中がそういうと使節団は再び絶句した。今の田中の言葉は、日本が転移してくる前にいた世界ではあのような物を造る国が普通に存在しており、日本もあれと同じような物が簡単に作れてしまう国だという意味だからだ。クワ・トイネ公国では何十年かかろうともあのような物は造れない。
使節団は来日してから何度目にかなる驚愕と日本への恐怖心を胸に飛行機に乗りこみ、離陸した飛行機の窓から見える景色を楽しみながら、東京に向かうのだ。
――――――
2時間後
「おお!!」
羽田に降り立った彼らは、待機していた車に乗り込むといよいよ東京に入った。そこから見える数々の自動車*1や高層ビルなどを見て再び目を丸くする。
そうこうしているうちに使節団ののった車列は東京都霞が関の外務省に入っていく。警備の関係上、地下駐車場から外務省内部に入り、職員の案内である一室に通された。
使節団は用意された椅子に各々座って、日本の担当者を待っていると、ガチャリと高級そうなドアが開き中年の女性と幾人かの男性が入ってきた。
「クワ・トイネ公国の皆さま、始めまして。日本国外務省外務審議官*2の
外務審議官という役職は分からないが、日本側の高官であるというのは理解できた使節団は、いきなりの政府高官の登場に驚いた。だが彼らも外交のプロだ。元々、外務局出身の者は驚きを顔に出さず、それ以外の今回の使節団派遣で他の部署から加わった者もすぐさま表情を変える。
「クワ・トイネ公国使節団のヤゴウと申します。よろしくお願いします」
今回の使節団の中で外務担当者の責任者*3であったヤゴウが自己紹介をすると御厨が差し出してきた右手をギュッと握り握手をする。
同じように各担当の責任者が自己紹介をすると、日本側もその他のメンバーが挨拶をする。日本側のメンバーは総合外交政策局の副局長や室長など上から下までの役職が勢ぞろいであった。
一通り自己紹介が終わると、双方が椅子に座ると司会役の外交官が口を開く。
「ではこれより、日本クワ・トイネ公国間協議を始めさせていただきます。11時55分を持って今日の協議は終了とさせていただきます」
それだけ言うと司会役はそそくさと自分の席に戻る。先に口を開いたのは日本側だった。
「早速ですが、我々は貴国と友好的かつ対等な関係を結びたいと考えています。出来れば国交樹立を視野に入れてです」
「具体的に日本側は何を求めるのですか?」
ヤゴウがそう聞くと、御厨は手元の資料を持ってこう言った。
「我々が求めるのは・・・・1国交樹立、2通商条約の締結、3領事裁判権を認める、42国間での人材交流、5この世界の情報、6為替レートの設定・・・・・の6つです」
するとヤゴウが渋い顔をする。
「分かりました・・・・・ですが、この3番の条件。領事裁判権の要求ですが・・・・・これは対等な関係というのは程遠いのでは?」
領事裁判権を認めるということは日本人がクワ・トイネ公国内で何か犯罪を犯してもクワ・トイネ公国の法律では裁けない可能性が出てしまう。そうなればクワ・トイネ公国で悪質な日本人が跳梁跋扈する事態になりかねないのだ。
だが、御厨はこの答えを予想していたらしく涼しい顔でこう言った。
「我々が領事裁判権を求めるのには、わが国の”憲法”が関係しています」
「ケンポウ・・・・?」
聞き慣れない言葉に使節団は首をかしげる。
「わが国の最高法規でございます。これはいかなる法律も憲法に違反していれば廃止されてしまいますし、改正には我が国の国民の民意が必要なのです」
「つまり、誰も逆らえない法律ということですか?」
ヤゴウは憲法というものをそのように解釈した。
「ええ、そのようにとらえていただいて結構です。その憲法の中に、”残虐な刑罰ならびに拷問の禁止”というものがございます。これは、貴国で行われているような拷問や斬首刑や火刑などの残虐な刑罰を禁止するものです。無論わが国にも死刑制度はございますが、絞首刑のみと決められています」
「それが何か?貴国の国内法の話でございましょう?我が国には関係ないのではないですか」
ヤゴウがそう返すと御厨は意味ありげな笑みを浮かべる。
「ええ、確かにその通りですが。拷問等を体験どころか想像もしたことのない日本人が貴国で犯罪を犯し、拷問を受けたり、火刑や斬首刑に処された場合、わが国の国民が貴国に対して”野蛮な国家”という間違った認識を持つ可能性もございます。中には軍事力で叩いてしまえ等という過激な思想をいだく者もいるでしょう。わが国は国民の民意によって動く国です。国民の大多数がそのような思想をいだいてしまえば、わが国も何かしら行動を起こさざる得なくなるのです」
御厨は若干のブラフを混ぜながらヤゴウを遠回しに脅す。確かに日本は国民の民意に従わなければならない国家だが、「自己責任」という言葉が広がり、横のつながりが薄れている日本でそのような意見が広がる可能性はマスコミが変な煽り方さえしなければ0である。
それに日本は憲法で軍事的挑発や自分からの侵攻を禁止しているため、軍事力でクワ・トイネを潰そうなどとは考えていない。だがクワ・トイネへの誤解を防ぐために領事裁判権を要求しているのは事実であった。
「・・・・・」
そうとは知らない、ヤゴウは表面上は真顔を保ちつつ、冷や汗をかいていた。今までのってきた自動車や飛行機などのクワ・トイネ公国からしたら超技術の固まりが民間で普及しているような国を敵に回せばどうなってしまうか、考えるのも恐ろしかった。だが、治外法権を認めれば国内は無法地帯となってしまう可能性もある。
日本側は「クワ・トイネ公国国内法にのっとり、公正に裁判を行うが刑罰の方式や取り調べ方式は日本国内と同じやり方で行う」という折衷案を既に用意していたが、御厨はクワ・トイネ公国側の外交官がどれほど優秀なのか見るためにわざと切り出さない。
それを見て同席している日本側の外交官はこう思った。
――御厨外務審議官・・・・ずいぶん意地の悪いことを・・・・・クワ・トイネの外交官がかわいそうだ・・・・
「いかがですか?」
御厨は悪魔的な笑みを浮かべたまま、ヤゴウにそう尋ねた。ヤゴウは暫く考えた後にこう切り出した。
「では、犯罪はクワ・トイネ公国の国内法にのっとり摘発するが、捜査ならびに刑罰の方法は日本と同じもので行う・・・・・・・というのはいかがでしょうか?」
御厨は少しだけ目を丸くした。使節団だけでの打ち合わせの時間などを設けてくるか保留にして翌日に持ち越すものと思っていたものだから、この短時間で日本が用意していた折衷案と同じものを一人で考え付いたヤゴウという外交官の優秀さに驚いたのだ。
そして、先ほどとは違う優しさを含んだ笑みを浮かべると御厨はコクリと頷く
「ええ・・・・・その方法ならば双方に損はなさそうですね・・・・。その案でいきましょう」
その後、協議は領事裁判権という難所の一つを超えたため1日目の協議はその後スムーズに進み、協議を終えた後に使節団はいくつかのグループに分かれて視察に向かうのだった。
いかがでしょうか?
ストパンの話が全く更新できていない・・・・・。○オで元ネタ漫画を注文しよう、しようと思っていて結局忘れてしまう・・・・・。そろそろ更新せねば・・・・・。
そういえば「西側諸国召喚」ですが、此方の話と時間を合わせるために、暫く更新はしません。といっても此方も使節団編は1~3話ぐらいで終わるかな・・・・?
此方の使節団編が終わったら更新します。
そして、ご意見ご感想お気に入り登録お願いします。
それではまた次回。さようなら!!
次回 第9話 空軍視察
お楽しみに
日本が転移した時に海外にいた日本人はどうしよう?
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いつの間にか日本に現れている。
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取り残されてしまう。