IS~衛宮の娘は遥か高き宇宙を目指す~   作:明日香

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第17話「過去への追憶」

 

 

初めて真優とチルノに会った時から私はどこか二人に親近感を抱いていた。

まるで私達が出会うのが運命であったかのようだ。

それは、言葉で言い表すのは非常に難しい。

だが、私達にはなにか強力な結びつきがある。

 

 

サァー…

 

 

「はぁ…」

 

 

色々とわからないことがある。

まず、チルノが持っていたあの黄金の剣…。

私の見立てが間違いでなければあの黄金の剣は彼のアーサー王の宝具『約束された勝利の剣』だ。

なぜ、チルノがその剣を持っている理由がわからない。

伝承のとおりなら既に湖の精霊に返却されている筈だからだ。

それにセシリアが持っていた輪転する勝利の剣を瞬時に見抜いたことも気になるな。

次にチルノの保護者であるギルガメッシュとエルキドゥという人物…。

あの二人は間違いなく人類最古の英雄王とその朋友だ。

なぜその二人がチルノの保護者をしているというのがわからない。

これもチルノから聞きだす必要があるだろう。

そして、最後に真優のことについてだ。

これは個人的なものだが真優のファミリーネームは私を闇から救い出してくれた

士郎様と凛様と同じファミリーネームだ。

たまたま同じファミリーネームだけだったのかもしれないがもしかしたら真優が

士郎様と凛様が言っていた娘なのかもしれない…。

だから私は真優に確認しなければならない。

かつてあのお二人に救われた者として。

お二人がどのような最期を遂げたのかを…。

…だいたい考えがまとまってきた。

そろそろ上がるとしよう。

流石に長湯しすぎて逆上せてしまってはいけないからな…。

 

 

第17話「過去への追憶」

 

 

◆ Side チルノ

 

 

IS学園 学生寮 チルノとラウラの部屋

 

 

「集まったみたいだね」

 

「ああ」

 

「うん」

 

 

準決勝を無事に突破したあたい達はあたいの部屋に集まっている。

集まった理由はあたいが輪転する勝利の剣をすぐに見抜いたということと

あたいがアーサー王の持っていた約束された勝利の剣を持っている理由を教えるためだ。

 

 

「さあ、話してもらうぞ?」

 

「…わかってる。単刀直入に言うけれどあたいはこの世界の住人じゃないの」

 

 

あたいは眼を閉じながらあたいの出自を教えた。

たぶん、二人とも驚いているだろう。

だっていきなりあたいがこの世界の人間じゃないって言ったんだから。

 

 

「幻想郷…とある結界に覆われたその世界であたいは生まれたの」

 

「幻想郷…」

 

「そう。あたいはその世界の生き残りなの。そして、この剣はあたいの親友の形見」

 

「「っ!?」」

 

「今でも覚えている…。あの日の出来事を…」

 

 

幻想郷…。

今はもう存在しないあたいの故郷…。

幻想郷が滅びた日…あの日のことは今でも忘れられない。

そう…あの時にあたいは…。

大切な友達を眼の前で失った…。

 

 

1年前

幻想郷 霧の湖 チルノの家

 

 

『スー…スー…』

 

 

あの日…あたいはいつものようにベッドで寝ていた。

まあ、あんな災害が起こるなんて思っていなかったからね。

 

 

『チルノちゃん!!』

 

『んあ?大ちゃん…?どしたの…?』

 

『と、とにかく外に出て!』

 

 

いきなりあたいの家に入ってきたあたいの親友である大ちゃんに連れられて家の外に出たんだ。

そして、あたいは見てしまったんだ。

 

 

イメージBGM:PSPo2より Despair of Darkness

 

 

『空が…割れてる…?』

 

 

あたいが見たのはまるで割れたガラスのような空だった。

その時あたいはとてつもない恐怖を感じた。

割れた空の裂け目から漏れ始めていた黒い“泥”に…。

 

 

『に、逃げよう!大ちゃん!!』

 

『う、うん!』

 

 

あたいの本能が叫んでいた。

『あの“泥”に呑みこまれてはいけない』と…。

だから早く逃げなければならない。

できるだけ遠く、あの裂け目から逃げ出さなければならない。

その一心であたいは大ちゃんの手を取って逃げ始めた。

目指したのは唯一幻想郷からこっちの世界に繋がる場所“博霊神社“に…。

 

 

イメージBGM:PSOより Pray,for'IDOLA' the distorted

 

 

『いやあああああああああああ!!!!!』

 

『か、身体が…あ、あ、ああああああああ…』

 

 

逃げている途中、裂け目から漏れた泥に呑みこまれたヒト達の悲鳴があたいの耳に響いた。

あの“泥”に呑みこまれたら間違いなく“溶かされて”しまう。

そうなったらどれだけ頑張っても助けることはできない。

呑みこまれたヒトの中にはあたいの友達もいた。

だけど、あたいはただ逃げることしかできなかった。

 

 

幻想郷 博霊神社

 

 

『こ、ここまで来たら…』

 

 

逃げ出したあたいと大ちゃんは何とか博霊神社に辿りつくことができた。

もうゴールも目の前…。

そう思って安心してしまったあたいは少しスピードを緩めてしまった。

でも、それがいけなかった…。

 

 

『っ!?チルノちゃん!!』

 

『え…?』

 

 

ドンッ!!

 

 

『った…大ちゃん!?』

 

『チルノちゃん…良かった…』

 

 

後ろからいきなり突き飛ばされたあたいは突き飛ばした大ちゃんを見た時、

あたいは絶望してしまった。

あの“泥”が大ちゃんの身体の半分を呑みこんでいた。

 

 

イメージBGM:Fate/stay nightより 消えない想い

 

 

『ごめんね。チルノちゃん。私はそっちに行けないや…』

 

『なんで…あたいを…』

 

『友達を守るのに理由はいらないでしょ?』

 

 

もう、大ちゃんは助からない…。

それでも、大ちゃんは笑いながらあたいが無事だということを喜んでいた。

本当は大ちゃんだって助かりたかったはずなのに…。

だからあたいは無力な自分が許せなかった…。

 

 

『ねぇチルノちゃん。お願いがあるんだけどいいかな?』

 

『なに…?』

 

『この剣を…持っていって…』

 

『わわっ!?え…?これって大ちゃんが大切にしていた…』

 

『だからこそ、なの。この剣までこの泥をかぶせたくない。だから…お願いね…チルノちゃん…』

 

『大ちゃん!大ちゃあああああああああん!!!』

 

 

思わず大ちゃんに手を伸ばしたけれどあたいが伸ばした手は空を切り、

大ちゃんは泥の中に沈んでいき、あたいは大ちゃんに託された剣と一緒にこの世界へ飛ばされた。

 

 

現在

IS学園 学生寮 チルノとラウラの部屋

 

 

「大ちゃんがあたいに託した剣が今あたいの持っている約束された勝利の剣…。

かつてアーサー王が持っていた星が生み出した聖剣なの。

セシリアが持っていた剣が輪転する勝利の剣だとわかったのはこの剣が教えてくれたからなんだ」

 

 

あたいがこの世界に来るまでのことを話し終えた後、あたいは深く息を吸って椅子に身体を預けた。

正直、あたいにとって最も嫌な出来事の話を延々と話したのはギルとエルに話した時以来だ。

だからあたいはかなり疲れている。

肉体的にも精神的にもね…。

 

 

「そうか…辛いことを言わせてしまったな」

 

「ううん、いいよ。でも、あたいの話を信じるの?」

 

「うん。信じるよ」

 

「お前はこんな時に嘘をつくような奴ではないだろう?これ以上の詮索はしないさ」

 

 

…どうやら二人とも信じてくれたみたいだ。

あれ?なんでだろう…涙が止まらないや…。

もしかしてあたい…泣いてる…?

そっか…あたいは二人があたいのことを信じてくれたから嬉しいんだ…。

 

 

「…ありがとう」

 

 

ただ、この言葉だけが出た。

大ちゃん…あたいは今、幸せだよ…。

だから安心してあたい達を見守っていてね…。

 

 

◆ Side 真優

 

 

IS学園 チルノとラウラの部屋

 

 

チルノが語った過去はあまりにも残酷な話だった。

最初は嘘だと思いたかったけれど約束された勝利の剣を【解析】した時に

私の頭の中に流れ込んできたあの剣の記憶がチルノの語った過去が本当であることを裏付けていた。

あの笑顔の裏でこんなに悲しい出来事を経験してきたのだと考えると胸が締め付けられる。

それでも、チルノはその悲しみを背負って生きている。

それがチルノの持っている強さなんだろう…。

…チルノとラウラになら私の秘密を教えても良いかな?

 

 

「ねぇ、チルノ、ラウラ。私さ…実は…」

 

「魔術使い…なのだろう?」

 

「えっ…?」

 

 

最後まで話すより先にラウラに私が言いたかったことを言われた。

って、あれ…?

私、まだラウラには私が魔術使いだって言ってなかったはずだけど…。

 

 

「この前真優から聞かせてもらった話に出た剣がいきなり現れたという話を聞いてすぐにわかった」

 

「それだけで…?」

 

 

ナンテコッタイ…。

まさかあの時の話だけでその結論に行きつくなんてラウラはどれだけ詳しいのだろう…。

私自身も自分が魔術使いだと理解したのはあの時の修学旅行でシンに指摘されてからなのに…。

でもまあ、ラウラがそこまで理解しているなら話は早いね。

 

 

「『投影、開始』」

 

 

カッ!

 

 

「いきなり剣が!?」

 

 

私は両手に少し力を込めると両手には父さんが修行の時に使っていた短剣が握られていた。

うん。やっぱりチルノは驚いているよね。

何せ何もないところから剣を呼び出したんだから…。

まあ、正確に言うと“作りだした”というのが正しいんだけどね。

 

 

「なるほど…真優も投影魔術の使い手ということか」

 

 

うん。やっぱりラウラは驚いていないんだね。

しかも魔術の種類のすぐに見抜いたし…。

ラウラってドイツ軍の軍人さんらしいけどドイツ軍って魔術の研究でもしていたのかな…?

 

 

「…ドイツ軍って魔術の訓練もしているの?」

 

「おまえはなにをいっているんだ」

 

 

…盛大に呆れられた。

まあ、普通はそんな研究をしているなんてありえないよね。

寧ろしていたらビックリだ。

でも気になることがある。

さっきラウラは“真優も”と言っていた。

もしかして私以外にも同じ魔術を使える人が知り合いにいるのだろうか?

私はそこが気になった。

 

 

「さっき“真優も”って言っていたけど私の他にも同じ魔術を使う人がいたの?」

 

「…真優とチルノの過去を聞いた以上、私の過去も話しておく必要があるだろう」

 

「え…でも無理に話さなくても…」

 

「ある程度秘匿するべき過去だが、真優…お前には話さなければならないことだ」

 

「え…私…?」

 

 

え?

なんでラウラの過去に私が関わってくるのだろう?

私がラウラと知り合ったのはラウラが編入されてからでそこまで接点はなかったと思うんだけど…。

 

 

「ああ。正確には真優の両親である士郎様と凛様が関わっている」

 

「お父さんとお母さんが…?」

 

 

さ、様付け…。

というかいつラウラがお父さんとお母さんに会ったのだろうか?

確かに一度だけ大河さんの許に預けられたことがあるらしいけど日帰りで帰ってきたから

ドイツに行っている時間なんてなかったはずだ。

ならどうやって…。

 

 

「…まず、私が士郎様と凛様が私と出会うきっかけとなったのは私の実家が関わっている」

 

 

…ラウラの実家?

確かにラウラの実家の話は聞いていなかったけれど実は凄い大貴族で

実はラウラはその貴族の令嬢とかそんな感じなのだろうか?

 

 

「…私の実家の名前はアインツベルン家。“根源”と言うくだらない物へ辿りつくために

私を“作りだした”魔術師の一族だ」

 

「作りだした…?」

 

 

やっぱり大きな貴族だったようだけどひとつ聞き逃せない言葉があった。

ラウラを“作り出した“?

まるでラウラが人の手で作られた物だと言うようなニュアンスだ。

 

 

「ああ。そして、私の過去の名前はラウスフィール・フォン・アインツベルン。

アインツベルン家が“根源”に辿りつくために“作り出された”最後のホムンクルスだ」

 

「ホムン…」

 

「クルス…?」

 

 

ホムンクルス…。

よくファンタジー系のゲームとかで目にする人の手で作られた人造生命体…。

だけどそれは架空の存在の筈で現実には存在しない筈の技術だ。

だけどラウラは自分がそのホムンクルスだと言った。

でももうひとつ気になる言葉ができた。

“最後の“…?

 

 

「ねぇ、ラウラ。その最後って言うことは…」

 

「ああ。アインツベルン家はもうこの世に存在していない」

 

「それってつまり…」

 

「アインツベルンはやりすぎた。そのせいでとある存在に目を付けられ、滅びた」

 

 

ああ。やっぱり…。

ラウラを“作り出した“一族は既に存在しない。

それはそうだ。

ラウラの言っていることが本当ならばそれは人がやってはならない一線を既に越えてしまっている。

それだけのことをしたのならそれ相応の報いが来る。

それがアインツベルンと言う家の滅亡だったのだろう。

 

 

「…ということはラウラがお父さんとお母さんに会ったのはお父さんとお母さんに助けられたから?」

 

「そういう解釈でかまわない。この御恩は例え私が殺されたとしても絶対に忘れない」

 

「ラウラ…」

 

 

ラウラの話を統合すると私のお父さんとお母さんがラウラと出会ったのは

アインツベルンがとある何かによって滅ぼされた直後と言うことになる。

人の縁と言うものは不思議なものだなあ…。

 

 

「私が話せる過去はここまでだ。ただ、これだけは真優に言っておきたい」

 

「なに?」

 

「私にとって士郎様と凛様は間違いなく“英雄”だった。これだけは伝えておきたかった」

 

「そっか…」

 

 

そうか…。

ラウラにとってお父さんとお母さんは希望の光を与えてくれた英雄だ。

それを聞いて私は凄く嬉しくなった。

お父さんとお母さんとの思い出を持つ人がいるということはとても嬉しい。

お父さん、お母さん。私達は元気に学生生活をおくれています。

だから…天国で私を見守っていてね…。

 

 

◆ Side セシリア

 

 

現在

IS学園 学生寮 セシリアの部屋

 

 

「おじゃまします」

 

「おじゃましますよ。セシリア」

 

 

チルノさんが使った約束された勝利の剣によって今日行われるはずだった決勝戦は中止になり、

自室に戻って3人分の紅茶を淹れるとアルトリアさんと簪さんが部屋に入ってきました。

アルトリアさんと簪さんが来た理由はわたくしがガラディーンを使えることを聞くためです。

 

 

「さて、説明してもらいますよ。セシリア」

 

「はい。しっかりと説明させていただきますわ。そう…あれは今から11年前のことです…」

 

 

今日説明すると約束した以上説明する義務がわたくしにあります。

さあ、少し長くなりますがしっかりと説明するとしましょう。

 

 

11年前

イギリス オルコット家邸宅

 

『うふふ。セシリアはあの森が本当に好きね』

 

『私達はまだ準備に時間が掛かるから先に行ってきなさい』

 

『はい!』

 

 

そう…。

それはわたくしがまだ世界の穢れを知らなかった4歳の時…。

お父様とお母様がオルコット家の敷地にある小さな湖がある森へ

ピクニックに行くことになった日のことです。

あの日のわたくしはひさしぶりのピクニックに心を躍らせていました。

幼少の頃からわたくしはその小さな湖が大好きでした。

だからお父様とお母様より早くその森の入口に着くと森の入口には

白銀の甲冑を纏った金髪の騎士様がいました。

その騎士様はまるでわたくしを招くように森の奥へ進んでいき、

わたくしが騎士様の後を追うとこのガラディーンが台座に刺さっていたのです。

 

 

『キレイ…』

 

 

あの時、この剣を見たわたくしはこの剣の美しさに見惚れてしまい、

その時台座に刺さっていたこのガラディーンを引き抜いてしまいました。

 

 

現在

IS学園 セシリアの部屋

 

 

「これがわたくしとガラディーンの出会いですわ」

 

 

全てを語り終えたわたくしは鞘にしまわれているガラディーンを撫でてから

ティーカップに入っている紅茶を飲むと紅茶が温くなっていました。

どうやらかなり話が長くなってしまっていたようです。

ですが、アルトリアさんと簪さんは真剣に話を聞いてくれていました。

 

 

「そういうことがあったのですね…」

 

「お母様から聞く限りではわたくしのお父様が湖の精霊から授かったと聞いています」

 

「それって何年前…?」

 

「…約20年前だそうです」

 

 

ん…?

20年前という単語を聞いてアルトリアさんの表情が僅かにですが変わりました。

もしかしたらアルトリアさんはガラディーンが再びこの世界に出た理由を知っているのでしょうか?

まあ、それは今のわたくしにはさほど重要ではありませんのでまた機会があれば聞くとしましょう。

 

 

「ふぅ…少し長く語りすぎました。今日はもうお開きでよろしいですか?」

 

「わかった。おやすみ、セシリアさん」

 

「わかりました。おやすみなさい、セシリア」

 

「おやすみなさいませ。アルトリアさん、簪さん」

 

 

っと…流石に長話をして疲れました。

今日はもう寝るとしましょう。

明日はいよいよトーナメントの決勝戦です。

万全の態勢で臨めるようにしましょう。

それでは…おやすみなさいませ…。

 

 

◆ Side アルトリア

 

 

IS学園 学生寮 屋上

 

 

「はあ…」

 

 

学生寮の屋上で星空を眺めていた私は今日の出来事を思い返して溜息を吐きました。

ISバトルと言う制約があったとはいえただの一般人であるイチカに負けたこと、

私の敗北が原因で私達が敗北しそうになったということ、

セシリアがサー・ガウェインの愛剣であった輪転する勝利の剣を持っていたということ、

湖の精霊に返却した筈の嘗ての私の愛剣である約束された勝利の剣を持っていたこと、

そして、チルノが約束された勝利の剣の真名を解放して見せたということ…

その全てが私にとって精神的に大きなダメージとなっていました…。

 

 

「消灯時間はもう過ぎているのに部屋に戻っていないのは感心しないぞ。アルトリア」

 

「シン…」

 

 

ふと気配を感じて後ろを振り向くとそこにはコーヒーカップを2つ持っているシンが立っていました。

小言こそ言っていますがシンの表情は私を心配しています。

やはり、私がイチカに負けたことで気を使ってくれているのでしょうか…?

 

 

「ホットミルクだ。初夏とはいえまだ夜は寒いからな」

 

「…ありがとうございます」

 

 

…本当に気が利く人です。

彼がいなかったら私はシロウを守ることができずにそのまま敗れていたでしょう…。

助けを求める者がいれば全力でその者を救おうとし、その為には命をかけることに躊躇いを持たない。

今までの人生は誰かを守ってばかりの人生でした…。

だから私は私を守ってくれるシンという存在に惚れてしまいました。

 

 

「さて、明日はいよいよ決勝だ。寝不足で負けると言う事態だけは避けてくれよ?」

 

「ええ。わかっています。それではもう寝るとします。おやすみなさい、シン」

 

「ああ。おやすみ」

 

 

む…流石にこれ以上起きていると明日の試合に支障が出てしまいますね。

シンの言うとおり今日は寝ましょう。

明日は決勝戦…相手は真優達です。

シンが見守ってくれている以上無様な敗北はしません!

ですから…共に死力を尽くして戦いましょう…真優!!

 

 

 




どうも明日香です。
今回は短い内容ですが過去のお話となりました。
とはいっても真優の過去はほとんど出ていませんが(汗)。彼女が投影魔術に目覚めたときの話は番外編を読んでください。
さて、次回は長かったこのトーナメント編もいよいよ決勝戦に突入します。
真優達とアルトリア達の戦いはどのような結末を迎えるのか…。
次回を楽しみにしていただけたら幸いです。
それでは、失礼します。

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