シンフォギアにケロロ軍曹達を入れてみた   作:クロトダン

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皆さん明けましておめでとうございます(遅い)。
年始早々腸炎にかかったり、熱が出たりと体調崩してました。
現在は体調は良くなり、ゆっくりと作品を投稿する予定です。

さて、今回から皆さんが楽しみにしていた地球龍事変を開始します。
今回から始まる地球龍事変の時系列を簡単に説明します。

時系列はGX編が終了してから一ヶ月後でまだギャラルホルンと関わってません。

話数構成は五話で完結予定ですが、もしかしたら話数が変わるかもしれません、よろしくお願いします。

それでは【シンフォギアにケロロ軍曹達を入れてみた】地球龍事変始まります。



地球龍事変
マリア 再会、私の最愛の妹…… であります!


――三人称視点――

 

 

 場所はフランス西海岸、サン・マロ湾上に浮かぶ小島。その上にそびえるフランスの文化遺産である修道院、《モン・サン=ミシェル》(モン・サン・ミッシェル又はモンサンミシェルとも読む)。

 本来ならそこに住む人々や観光客に溢れているはずだが曇天に包まれた空は暗闇に染まり、モン・サン=ミシェルの周りにある湖は荒れていた。

 そのモン・サン=ミシェルの真下から現れた地面から伸びた(ライン)に繋がる巨大な卵。そして卵を護るかのように存在する5体の龍が空中に佇んでいた。

 

 大きな刀を左手に持つ口元に覆面を着けた青い龍が刀を抜き、巨大卵に向けて地上から放たれた蒼い斬撃を切り払い、返す刀で龍から放たれた青い斬撃が地上に向けて放たれ地上にいた青い鎧を纏う女性ごと地面を吹き飛ばした。

 

 両腕に機械の籠手を身に付けた一本角の黄色の龍は先ほどとは別の位置の地上から放たれた銀色の光線を巨大卵の前に出て、自身が展開した赤紫のバリアで防ぐとお返しとばかりに光線を放った銀色の鎧を纏う女性に向けて蒼白い電撃を放ち、電撃を浴びた女性は悲鳴をあげた後地面に倒れた。

 

 身体に2本のベルトを×の字状に巻き、右腕にガトリング砲、左腕と耳の部分にミサイルポッドを装備した赤い龍はまた別の位置の地上から放たれた大量の大小含めたミサイルが巨大卵に向かうが、右腕のガトリング砲で飛んでくるミサイルを全て撃ち落とし、先ほどミサイルを放った赤い鎧を纏う少女に向けて左腕のミサイルポッドから巨大なミサイルを撃ち放つ。赤い少女は飛来してくる巨大ミサイルを両手に持ったガトリング砲で迎撃するが質量の違いか巨大ミサイルはそのまま赤い少女に向かう。

 迎撃を止め、直撃は避けようと急いでその場から離れるが、地面に着弾した巨大ミサイルが爆発それに起きた爆風により赤い少女の身体は簡単に吹き飛んだ。

 

 先ほどの3体と形状が異なる中国の竜に似た細長い形状の黒い龍は地上から繰り出された三枚の緑の刃と無数の桃色の回転鋸が飛来してくるが、黒い龍は口から黄色のエネルギー弾を放ち、刃と鋸を消し飛ばしそのまま地上に立つ緑色の鎧を纏う少女と桃色の鎧を纏う少女を吹き飛ばした。

 

 そして…他の4体の龍とは比べ物にならない威圧感を放つ腹部に黄色の星を持つ緑色の龍が地上で膝を着く黄色の鎧を纏う少女の姿を感情がない冷たい瞳で見下ろしていた。

 

「どう…して……」

 

 黄色の鎧を纏う少女――立花 響はゆっくりと立ち上がり右腕を押さえながら、悲痛の表情で目の前で佇む緑色の龍を見る。

 

「お願い、だから……目を…覚ましてよぉ……」

 

 緑色の龍の姿を見た響は涙を流しながら緑色の龍に向けて悲痛の声を上げた。

 

「………軍曹っ!

 

 緑色の龍――変わり果てた大切な友達であるケロロ軍曹の意思の無い瞳には泣いている響の姿が映るだけだった…………。

 

 

 どうしてそうなったのか…それは昨日まで遡る。

 

 

 

 

――S.O.N.G.本部――

 

 

 錬金術師キャロル・マールス・ディーンハイムが起こした魔法少女事変から一ヶ月が経った。

 あの戦いで多大な被害を受けた街も徐々にだが、元の平和な街並みに戻っていくなか、平和な街並みには不自然な建造物が街の上空に存在していた。

 だが…不自然なそれに対して街の人々の反応は変わりなく、いつも通りに日常を過ごしていた。

 

 ――同時刻S.O.N.G.本部では職員達が難しい表情をしながら次々と情報を整理していた。

 

「ふぅ……」

 

「はい、暖かいものどうぞ」

 

「暖かいものどうも」

 

 一通り仕事を片付けたS.O.N.G.職員の一人、藤尭 朔也が固まった凝りを解そうと両腕を上げていると休憩から戻ってきた同僚の職員の友里 あおいが紙カップに淹れたコーヒーを彼に差し出した。

 

「どう…あれから何か変化あった?」

 

 藤尭は差し出されたコーヒーを受け取り、彼女に礼を言った後それを飲みながらモニターを眺めていると友里がモニターに映る映像について問いかけた。

 

「うんや全然。これが現れてから二週間が経ったけど、未だに進展はないよ。しいて言えば洗濯物が乾きにくいと苦情があっただけ」

 

「そう…なんなのかしらねこれは」

 

「さあね、他の国も調べても結果は無し。今は各国に向かったギロロ達の報告を待つしかないな……」

 

 そう言って藤尭がコーヒーを飲もうと口に付けたその時。

 

 ビィィィッ!と艦内に警報が走った。

 

「ブフォッ!?」

 

 飲み始めた直後に警報に驚いた藤尭は口に含んだコーヒーを吹き出してむせ込んでいる横で友里はすぐに自分席に着いて、場所の特定を開始する。

 

「緊急警報!場所は……訓練室?」

 

 位置を特定したS.O.N.G.本部内にある訓練室を指し示していた。

 友里は首を傾げつつも訓練室のカメラにモニターを繋げるとそこに映っていたのは……。

 

 

 

 

ゲーロゲロゲロゲロッ!どーよこの華麗な身のこなし!捕まえるものならやってみるであります!』

 

『この…ちょこまか動くな……って、うわぁ!?』

 

『雪音!く、これのせいで思うように動けん……!』

 

 

 どこか(ゼータ)ガンダムを彷彿させる地球(ペコポン)人スーツを身に纏っているのは我らがケロロ軍曹が特撮スタジオのセットに変わった訓練室を縦横無尽に飛び回っており、そんな彼と相手しているのはS.O.N.G.に所属する第一号聖遺物《天羽々斬》のシンフォギア装者、風鳴 翼と第二号聖遺物《イチイバル》のシンフォギア装者、雪音 クリスが飛び回るケロロ軍曹を捕らえようとするが二人の動きが鈍くケロロ軍曹を捕らえる事が出来ずにいた。

 

 装者である二人が何故逃げる軍曹を捕らえられないのか?それは二人が身に付けている物が原因だからだ何故なら――。

 

『だーもう!なんだよこの変な着ぐるみは!』

 

 某怪獣映画に登場する怪獣の着ぐるみを身に纏っていたからだ。(ここからいつものナレーションの口調に戻ります)

 

 クリスちゃんが身に纏っているのはどこか白い蛾を彷彿する着ぐるみを着て、翼さんのは背中に突起物を生やした恐竜のような着ぐるみを着てますが……。

 

 ……どうみてもモ◯ラとゴ◯ラですね。

 

 どうやら訓練後の二人に無理やり着せたようですね。流石は軍曹…こういうズルイ手を思い付くのが本当に上手ですねぇ。

 

『すみませ~ん遅れましたぁ……って、何事!?』

 

『その格好、まさかまたケロロのせいじゃ……?』

 

『そのとおーり!』

 

 遅れて訓練室に到着した響ちゃんと未来ちゃんが中の光景を見て驚いているといつの間に地球(ペコポン)人スーツを脱いだ軍曹が響ちゃんの背後から飛びかかった。

 

『え、軍曹?『合体!』わぁ!?』

 

『響!?』

 

 軍曹と響ちゃんの身体ごと地球(ペコポン)人スーツを纏わせて背中のチャックを閉めると先ほどとは身体が一回り大きくなったZZ(ダブルゼータ)ガンダムを彷彿するスーツを纏った軍曹が立っていた。って響ちゃん巻き込まれてたけど大丈夫ですかそれ!?

 

『見たか!これが特製スーツの新機能であります!中の人が増えると倍々ゲームで能力強化(巨大化&パワーアップ)!』

 

『そんな虚仮威しだろ……うわぁ!?』

 

 クリスちゃんが大きくなった軍曹に殴りかかろうとしましたが、軍曹にあっさりとかわされた上に軽々と放り投げられました。

 

『ゲーロゲロゲロゲロ!遅いでありますよクリス殿?さぁてお次は翼殿を……』

 

 その時!腕を回していたケロロ軍曹のスーツのチャックがその振動で少しずつ開いていきそして―――

 

 ―カッ!……ポンッ!―

 

『ゲロォォォォッ!?チャックがぁぁぁぁぁっ!?―ガシッ―…ヒィッ!?』

 

 チャックが全開になると合体が解け、その反動でスーツを着ていた二人が元に戻り、軍曹だけは前方に飛ばされましたが放り投げられたせいで仰向けになっていたクリスちゃんが怒りの表情で軍曹の顔を掴み取りました。

 

『バ~カ~ガ~エ~ル~……?』

 

『だ、大丈夫さ……モ◯ラは僕らの味方なんだ……』

 

覚悟は出来てんだろうなぁぁぁぁっ!

 

アンギャァァァァァァッ!?!?!?

 

 怒り心頭のクリスちゃんのお仕置きを受けて本部内に響き渡るほどの悲鳴を上げました。

 

 

 

 

「……なんだ、いつものケロロの作戦か」

 

 場面は司令室に戻り、モニターに映る軍曹の様子を見た藤尭が冷めた目をしながら吹きこぼしたコーヒーを拭いていた。

 

「こんな状況でも侵略行動をするなんて…凄いというか呆れるというか……」

 

「こういう時でも前向きな所は尊敬するよ。結局いつも通りのお仕置きされたな」

 

「まあ、司令がいない今だからこそ行動に移したんでしょうけど」

 

 二人はモニターに映るボロ雑巾になった軍曹を見て呆れた目を向けていた。

 

 

 

 

 場面は変わって訓練室。

 

「ゲ…ゲロォォォ……」

 

 クリスちゃんにたっぷりと絞られたのかうめき声をあげることしか出来ない軍曹。

 

「ったく、相変わらずはた迷惑な奴」

 

「確かにな。どんな時でも行動するのはいいことだが…もう少し考えて行動して欲しい所がな」

 

 そんな彼を尻目に着ぐるみを脱いだ二人は軍曹の行動について愚痴をこぼしてます。

 

「響、大丈夫なの?」

 

「うん、平気だよ未来」

 

「お馬鹿なおじさま……」

 

「あ、モアちゃん。それにエルフナインちゃん」

 

 未来ちゃんが尻餅をついていた響ちゃんを立ち上がらせていると訓練室の出入口から口元に手を当てているモアちゃんと白衣を着た金髪の少女エルフナインちゃんが入ってきました。

 

「モア殿ぉぉ~!」

 

「小隊の皆様がいない隙にS.O.N.G.本部を完全制圧して隊長の株をあげちゃうぞ作戦見事に失敗しちゃいましたね…おじさま?」

 

「てかモア殿、お馬鹿って言ったね?お馬鹿って言ったね!?」

 

「そうですか?」

 

 どうやら調査に出ている小隊の皆さんを見返そうと弦十郎さんがいない内にS.O.N.G.本部を侵略してみせようとしたみたいですが、いつも通り失敗に終わりましたね。

 

「でもケロロさんが乱入した時はどうしようと思いましたけど、大事にならなくてよかったです」

 

「いやエルフナイン、この程度はまだ序の口だ。これからケロロ達に付き合っていくなら覚悟した方がいい」

 

「ええっ!?そうなんですか!?」

 

 ホッと胸を撫で下ろしているエルフナインちゃんが翼さんの忠告を聞いて驚いてます。

 

「さ、基地に戻りましょうおじさま」

 

「あ、でもその前に我輩の地球(ペコポン)人スーツを……」

 

「コイツは罰として没収だ。小日向頼む」

 

「わかった。とりあえず弦十郎さんが帰ってくるまで預かっておくよケロロ?」

 

「ゲロォッ!?そんなぁ……!」

 

―ニコッ―

 

「……何か文句ある?」

 

「ヒェ……ッ!?な…ないです……」

 

 文章では見せられないのが残念ですが、未来ちゃんが女の子がしてはいけない(黒い)笑顔をして、それを見た軍曹は怯え食い下がるのを辞めました。

 

「それでは通常業務に戻ります」

 

「てゆーか自業自得だね……」

 

 ショックで真っ白になった軍曹はモアちゃんに引き摺られて秘密基地に連れて行かれました。

 

「たく、マリア達が任務でいない時に毎度毎度懲りない奴だなあいつ」

 

「確かにな。マリア、暁、月詠はフランスに現れた謎の人型の異形の調査をするために建造物の調査をするタママと共に向かい、クルルはオーストラリア、ドロロはアフリカの建造物の調査に向かい……」

 

「ギロロは米国に現れた建造物を調査に行ったな。ここ最近あいつが焚き火をするのを見てないからなんか落ち着かないんだよなぁ……」

 

「ふ…そうだな。私もここ最近はドロロの姿を見てないから寂しく感じるな」

 

「そうだな……って、あたしは別に寂しいって思ってないからな!」

 

「フフ、素直じゃないな雪音は」

 

 翼さんの言葉に反応したクリスちゃんは顔を真っ赤にしながら、照れ隠しに先ほどの言葉に反論しました。真っ赤にしてかわいいですねぇ~。

 

「ところで私の笑顔が黒いってどういう事か後で話し合いをしましょうか?ねぇ…ナレーションさん?」

 

 ―ニッコリ―

 

 ヒィッ!?

 

 

――三人称視点、終了――

 

 

 

 

――マリア視点――

 

 

 数分前、夜のフランスの街で行方不明になったタママを探していた私達は突然異形の怪物達に襲われた。

 聖詠を唄いギアを纏った私と調と切歌は異形の怪物達を蹴散らしていると、突然黒い鎧を纏った仮面を着けた小柄な少女が現れ、私達に襲いかかった。

 

 私達は彼女の攻撃をものともせず、持ち前の連携で逆に彼女を追い詰めたが切歌が繰り出した鎌の切っ先が彼女の仮面に当たり、素顔が明らかになった彼女を見た私達は信じられない者を見て動きを止めてしまい……。

 

 ――その隙を()()()は見逃さなかった。

 

「フギャッ!?」

 

 まず先に近くにいた切歌を蹴り上げた後、その場を跳躍して切歌の頭上を取ったあの娘は自身の両足で切歌の頭を挟み込み、身体を回転してその勢いで切歌を地面に叩きつけた。

 

「切ちゃ――「……遅いです」しま……ああああっ!?」

 

 次に狙いを付けたのは切歌がやられたのを見て行動をしようとした調の懐に潜り込んだあの娘は、調の首を掴み、その小柄な身体からは想像がつかない怪力で調を持ち上げ、掴んだあの娘の手が光ると調の身体に電撃を浴びせた。電撃により気絶した調の身体をあの娘はゴミを捨てるかのように投げ飛ばした。

 

「……次は貴女です

 

「くっ!」

 

 最後に残った私の顔を見て、黒い剣を抜いて私に斬りかかり、私は左手の籠手からアームドギアの短剣を抜きつばぜり合いになり、斬りかかってきた彼女に声をかける。

 

「どうして……どうして貴女がここにいるの!」

 

「………」

 

 私の声が聞こえないのかあの娘は無言のまま()()()()()()()()で私の顔を見るだけだった。

 

「……この程度、ですか……それなら――」

 

 ―――終わりにしましょう。

 

「な、これは……っ!?」

 

 そう言ったあの娘はつばぜり合いなっていた剣を力ずくで斬り上げ、その力に負け短剣を離してしまった私に黒い電撃を纏った剣を十字に振るうと私の身体は十字架に張り付けにされたかのように動けなくなった。

 私はなんとか拘束から抜け出そうともがいたけど、それは許されないと言わんばかりにあの娘は黒い剣を頭上に向け、そのまま下に振り下ろすと同時に黒い落雷が私の身体を直撃した。

 

「……これで、終わりです

 

【―Dragon♠Punishment―】

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 彼女の技を受け拘束が解放された私はそれに耐えきれず膝を付き、ギアの維持が出来ず元の姿に戻ってしまった。

 

「ハァ…ハァ…!なんで……貴女が、生きているの……!」

 

 唇を噛み血がにじむのを構わず、私は声を張り上げて彼女の名前を口にした。

 

セレナァァァァァッ!

 

 セレナ・カデンツァヴナ・イヴ。

 

 6年前に亡くなった私の最愛の妹が感情のない瞳で地面に倒れた私を黙って見下ろしていた。

 

 

――マリア視点、終了――

 




はい、皆さんお久しぶりクロトダンです。
どうでしたか?

色々突っ込みどころがありましたが楽しんでくれたなら嬉しいです。

イヤーオリジナル展開は難しいですね。
内容をそのままにしないように書くのは大変です。

着ぐるみネタはXDでやったゴジライベントにあったメモリアストーリーを参考にしました。最初はガメラにしようとしましたがこのコラボメモリアを見て急遽変更しました。

そして、皆さんお待ちかねのセレナ登場。
謎の黒い鎧を纏ってマリア達に遅いかかったセレナ、果たしてその目的は……?



次回をお待ちください。

次はどの話がみたい?

  • 襲来!ガルル小隊編
  • セレナ生存の地球龍事変
  • ケロロ達と装者達の日常

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