犬も歩けば棒に当たる 作:政影
愛・地球博で見た青薔薇は薄紫色だった記憶が。
番外編1-1:湊友希那の憂鬱
「それじゃあ、私達のバンド名を決める会議を始めるわよ」
今井リサ、氷川紗夜、宇田川あこ、白金燐子、そしてワンコ。
紆余曲折を経て集った私――湊友希那――を含めた六人で頂点を目指す。
とは言ったもののバンド名が決まらないことにはステージにすら立てないことを指摘された。
何度か話し合ったものの決まらなかったので、ここ羽沢珈琲店で気分も新たに決めるとしましょう。
「ジューベー師匠、私の入れたコーヒー美味しいですか?」
「うん、美味しいよ。でも柳生十兵衛の隻眼は創作だからね」
「二穴……二刀流教えてほしいです!」
「絶対違う意味で言ってるよね?」
若宮イヴさんだったかしら、確かワンコのバイト仲間。
雑誌モデルをしているだけあって私よりも背が高く、笑顔も眩しい……。
「紗夜さん、このクッキーは私からのサービスです」
「ありがとうございます、羽沢さん。あら、今日は食べさせてくれないの?」
「もう……一枚だけですからね」
「ふふっ、美味しいわ。まあ、指先が汚れてしまったわね」
「あっ……そういう事は閉店後にお願いします……」
この店の娘さんである羽沢つぐみさん……紗夜とは仲良しみたいね。
「……あこちゃんは……どんなのがいい?」
「うーん、『PPP』とか『かぷせるがーるず』とか?」
「それ以上いけない」
あこと燐子の会話は時々ついていけないわ。
「あなた達、真面目に考えて頂戴」
「友希那、このケーキ美味しいよ、はい」
「あーん。リサにも私のを食べさせてあげる」
全く、みんな自覚が足りない……仕方なくワンコにアイコンタクトで先を促す。
「えー、取っ掛かりは必要だと思うので、今日はこんなものを用意してみました」
そう言うとワンコが紙片を一人当たり三枚配り始める。
「バンド名に入れたい単語を書いてね。書き終わったらこの箱に入れて、友希那さんに引いてもらうから」
やるわね。これならきっと素晴らしいバンド名になるわ。
さて私が書くのは……「歌」「リサ」「猫」あたりかしら。
「うん、入れ終わったみたいだね。では我らがリーダー取りあえず三枚お願いします」
「任せて頂戴」
私が引いたのは……「日菜」「友希那」「薔薇乙女」の三枚。
「日本語の通じない紗夜さんとリサさんは正座してください」
「「ごめんなさい」」
あ、ワンコがちょっと怒ってる。……やばっ。
「友希那さん『薔薇乙女』はどうします」
「一旦保留で」
「では、次は二枚お願いします」
「ええ」
私が引いたのは「椿三十郎」「夢」の二枚。
「私のが当たりました!」
「イヴちゃんいつの間に!?」
「忍法変わり身の術、ニンニン」
「……取りあえず『椿三十郎』は無し「ちょっと待って」」
私はワンコを制止すると顎に手を当て考える。
椿……カメリア……花言葉は……気取らない優美さ……。
「若宮さん」
「は、はい……」
「お手柄よ、椿は採用」
「恐悦至極!」
後は……うん、これでいくわ。
「決まったわ、バンド名は夢と椿で『Yumelia(ゆめりあ)』よ!」
「やったね、友希那」
「流石は湊さんですね」
「友希那さん、超っカッコイイ!」
三人の評判は上々ね、後の二人は……携帯とスマホを見て険しい顔をしている。
「……ちょっとこれは」
「……厳しい……ですね」
「どうした、の」
どうやら画像検索で同名のゲームがヒットしたらしい……ずいぶん古いわね。
ちょっと私たちのイメージとは合わない。
「仕方ないわね……少し考えるわ」
椿は捨てがたいし……花繋がり……となると
「薔薇乙女から薔薇、roseを取って椿と合わせてRoselia(ろぜりあ)にしましょう」
フルバージョンは「夢の為のRoselia」とすれば「夢」を捨てずに済む、かしら。
「……この世界線にモンスターをゲットして戦わせるゲームなんて無かった」
「……ロゴで印象を操作すれば……何とか」
二人はまだ何か心配しているようだ。
「イメージ的には青い薔薇……『不可能を成し遂げるという』意味だわ」
「……うん、友希那さんや私たちにピッタリ」
「はい……いいと思います」
賛意に胸を撫で下ろす。これで練習に集中できるわね。
「改めて問うわ……あなた達、Roseliaにすべてを賭ける覚悟はある?」
感想、評価、誤字報告などありましたらよろしくお願いします。
<備考>
湊友希那:クールな見た目とお茶目な中身。
若宮イヴ:半分はブシドーでできている。
氷川紗夜:他校の生徒にはやりたい放題。
ワンコ:今回はツッコミ枠。
白金燐子:今回はツッコミ枠。
番外編2で扱ってほしいバンドは?
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Roselia
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Afterglow
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Poppin'Party
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Pastel*Palettes
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ハロー、ハッピーワールド!