Fate/dark moon   作:ガトリングレックス

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第6章バーサークアサシン

菊【キク】と凛【リン】、アルトリアとセイバーがギルガメッシュに襲われている頃、アゲハとジェイソンはかなり遅い夕飯を食べていた。

その理由は実家から帰るまでに高速道路が渋滞し、こんな時間になってしまった。

ジェイソンは腹を空かせ、アゲハが買ってきた牛丼特盛を食べ始める。

添えられた紅生姜を食べてから牛肉を食べる

シャキシャキとし、ピリリと辛い紅生姜とそれに合う牛肉。

10回ほど噛んで、飲み込む。

「うん、これはおいしい、食リポみたいな事できなくてごめん」

「良いのよ、あなたが美味しいと思うならそれで良いの」

アゲハの言葉にジェイソンは縦に首を振る。

アゲハも牛丼を袋から取り出し、食べ始めた。

 

2時間経過した頃、ミラとヒトラーはキャスターと交戦していた。

宝具〈パンツァーアンドソールドエーテン〉で召喚した戦車と兵士でキャスターを攻撃する。

だが、キャスターは逆手に持つ刀で砲弾を切断する。

「あの刀をなんとかしなければ、あいつを倒せない」

「ライダー様、どうするの、このままだと逆にやられちゃうよ」

「分かっている、ドイツ軍の技術をなめてもらっては困る」

かつてドイツ軍の指揮官だったヒトラー。

キャスターを倒すため、兵士に砲弾を詰めさせ、放つ。

さらに戦車達が一斉に砲弾を放つ。

それにキャスターは刀で砲弾を切り裂く。

「でぃやー!」

戦車に向かって、刀を振るう。

すると戦車は両断され、兵士達は動揺しながら戦車から出て、アサルトライフルを構える。

「僕がまさか自分のキャラクターみたいに戦えるなんて、楽しいねぇ」

アサルトライフルから放たれる銃弾を刀で斬って行く。

「でぃやー!」

刃が兵士達を斬り殺し、ヒトラーの乗る戦車に接近、斬りに行く。

戦車に乗っていた兵士達はヒトラーを守るため、戦車から出て、アサルトライフルをキャスターに向けて連射する。

それでもキャスターは刀で銃弾を斬り、兵士を〈ワルサーP38〉で撃ち抜く。

「体が軽い、これがサーヴァントになると言う事か」

笑みを浮かべながら、刀を構え、ヒトラーが乗っている戦車を両断しようとする。

「その時を待っていたぞ!」

ヒトラーの叫びに、ミラは死霊術で兵士の死体を動かし、キャスターを捕まえる。

「なに!?」

驚きを隠せないキャスターに、ヒトラーは兵士の起爆スイッチを押す。

すると兵士が爆発する。

血が飛び散り、戦車にかかる。

おそらく兵士のチョッキに爆弾を仕掛けてあったのだろう。

「アハハ、兵士さんかわいそう、ライダー様を守って死んだのに、最後は爆発オチなんて」

楽しそうに言うミラに、ヒトラーは冷たい表情をする。

「兵士は戦争において捨て駒に過ぎない、だから感情移入する事は死を意味する」

「ライダー様残酷だねぇ、でもそれでこそライダー様だよ」

「・・・、褒め言葉として受け止めておこう」

ミラとヒトラーの前で消滅して行くキャスター。

「結局あいつの真名分からなかったね」

「私の思う限り、あれはルパン3世の作者のモンキーパンチだ」

「なんで分かるの?」

「今回の聖杯戦争は私もそうだが近代兵器を使うサーヴァントが多く召喚されている、キャスターは〈ワルサーP38〉〈リボルバー〉、おそらくだが〈斬鉄剣〉と3つの宝具を使用していた。そこから考察するに、ルパン3世とその仲間達の印象がサーヴァントとしてのモンキーパンチに受け付かれたのだろう」

「なんと言うか、人の印象でスキルとか宝具とか決まるサーヴァントっているよね」

「その通りだ、その影響で強いサーヴァントが出てくる可能性はある、気をつけなければ」

そう言って、〈パンツァーアンドソールドエーテン〉を解除し、霊体になる。

ミラはこれからの事を考え、とりあえずアインツベルンの別荘に向かう。

夏画の聖杯戦争用に用意された別荘、そこにはサーベルを鞘に納めている執事兼監視役の雉乃コウガ〈キジノコウガ〉が門の前に立っていた。

「お帰りなさいませ、ミラ様」

「ただいま!、あのねあのね、今日はライダー様がキャスターを倒したんだよ!」

「それはすごい、さすがはライダー様ですね、立ち話もあれなので別荘に入りましょうか」

「うん!」

別荘の庭を通って、玄関のドアのカギを開けて中に入る。

「さあ、夜遅いですから、お部屋でゆっくりしててください」

「はーい」

ミラは元気よく階段を上り、2階の自分の部屋に入る。

「さて、いるのでしょう、侵入者さん、ミラ様を狙う事は私が許しません」 

コウガはサーベルを引き抜き、構える。

後ろから近づいて来る者の気配に気がつき、後ろを振り返り、サーベルを振るう。

そこには誰もいない。

「なに?」

驚いた表情をすると、突然後ろから引き寄せられる様に首を掴まれ、持ち上げられる。

『素晴らしいはジェイソン、執事になりすました兵士をこうも簡単に捕まえるなんて』

「ありがとうママ、今殺すから待っててね」

ジェイソンの握力が強くなっていき、骨が悲鳴を上げる。

さらに鉈を背中から刺す体制に入る。

(これが今回のアサシン)

この別荘には何人か従者兼監視役はいるが、皆仕事をしていて、しかも首を掴まれ叫ぶ事ができない。

サーヴァントと人間では大差がありすぎる。

それを思い知らされる。

だがその事は想定内だった。

(こんな言う時のために魔術があるんですよ、おバカさん)

魔術を使い、魔力に反応する罠を起動させる。

なんと床から剣山が飛び出し、ジェイソンを串刺しにする。

手に力が抜け、コウガは難を逃れた。

首を3回ほど回し、他の従者に報告しに行く。

(おそらくこれでアサシンは死んだと思いますが、一応報告しておきましょう)

次の瞬間、ジェイソンは蘇り、剣山を破壊、コウガに向けて鉈を投げる。

剣山を破壊する音に気がつき、コウガは後ろを振り返り、鉈を弾く。

ジェイソンは胸ポケットからハンドガンを取り出す。

その隙を突き、魔術で自分の身体能力を強化し、コウガはサーベルで斬りに行く。

マママ、キキキ、と言う吐息を吐きながら、ジェイソンはコウガに銃口を向けて連射する。

だがサーベルで銃弾を弾かれ、肩を斬られてしまう。

痛みに悶えるジェイソンに容赦なくサーベルが引き抜かれ、さらに心臓部を突き刺された。

サーベルを引き抜き、コウガは血をハンカチで拭う、

「これは新しい物を買わなければダメですねぇ」

倒したと確信し、余裕の言葉を言う。

しかし、サーヴァントであるジェイソンが一向に消滅しない。

すると、肉体の再生が不完全のまま、心臓が完全に再生し、動き出す。

腐敗している肌を見て動揺しつつ立ち上がり、ハンドガンを構える。

「しつこいですね、そんなんじゃ女性に嫌われますよ」

「うるさい、黙って死ね」

ハンドガンを連射する。

発砲音に目を覚ましたミラが部屋から出てくる。

「ミラ様お退がりください、今このサーヴァントを始末しますから」

「人間にはサーヴァントに勝てない!、だから逃げて!」

その叫びに反応し、マママ、キキキと息を吐き、コウガからミラに標的を移す。

「アゲハ、もし僕のこの姿を見たら怖がるかなぁ」

「なによそ見しているんですか!」

サーベルを斜めに斬りかかる。

「だからうるさいんだよ、お前」

イライラしながらパンチでサーベルをへし折る。

「この破壊力、やはりあなたはアサシンにふさわしくない」

「アサシン?、違うよ、僕はすでにクラスチェンジをしている、お前のおかげでね」

「クラスチェンジ?、なんなのそれ」

クラスチェンジとは、特定の条件を満たすことでクラスが変化すると言う物。

だがこれはアインツベルンにとってイレギュラーな事であり、知らなくて無理はない。

ジェイソンの場合、死亡回数が6回目を迎えた時、アヴェンジャーにクラスチェンジしている。

その条件をコウガが達成させてしまった。

「僕とママ、そしてアゲハの邪魔をするなら、みんな殺してやる!」

ジェイソンは怒りの叫びを上げ、ベルトに取り付けてある人工の皮のケースからアゲハのトレースオンしてもらったサバイバルナイフと同じくクレイモアを取り出し、二刀流の体制に入る。

そこに銃声に気づいた従者達がホールに集まり、思い思いの武器を構える。

(ライダーは宝具を使えなければただの人間同然、ここは私達が仕留めなければ)

従者のメイドがアサルトライフルの銃口をジェイソンに向けてトリガーを引く。

銃弾を受けるが、まるで神経がないかの様にもろともせず、ミラを殺すために階段を上る。

そうはさせじと従者が火炎弾を放つ。

それにも動じず、突き進んでいく。

「ば、化け物だ」

「怯むな、我々はミラ様を守るのが使命だ、決してこれを破ってはいけない、破れば、分かるな」

コウガの言葉に従者全員が恐怖で心が締め付けられる。

そしてそれが焦りを生み、一斉に攻撃を仕掛ける。

「邪魔なんだよ」

ジェイソンはクレイモアで従者達を斬り殺して行く。

遠距離攻撃を仕掛ける従者達にはサバイバルナイフを複数取り出し、投げつけ、刺し殺す。

マママ、キキキ、そんな吐息を吐き、階段を上る、

(みんな、みんな死んじゃう、私のために、ホムンクルス【人造人間】の私のために、みんな死んじゃう、そんなのいや、私は使い捨ての兵器なんだよ、なのになんで)

涙を零しながら逃げるミラ。

そこにヒトラーが実態化し、ミラを抱えて部屋に入り、窓を開け、脱出用の滑り台で降りる。

〈パンツァーアンドソールドエーテン〉で1台の戦車を召喚、乗り込んで走らせた。

戦車の移動音に気づいたジェイソンは階段を下り、ミラとヒトラーを追いかけ様とする。

だがコウガが火炎弾を放ち注意を引こうとする。

「お前には様はない、僕は聖杯戦争で勝たなきゃいけないんだ」

歩きながらそう言って玄関のドアを蹴りで破壊し、外に出た。

門を抜け、歩いて行くが、ミラとヒトラーの影すら見つからない。

「逃げられた。しかも拠点を移された。これはまずいかな」

後々の事を考えると面倒な事になりそうだ。

そう感じながら霊体に戻り、アゲハの元へ戻った。

 

朝。

アゲハがレトルトカレーを温めていると、ジェイソンが食卓に座る。

「おはよう」

「おはようジェイソン…………なにその姿!、ゾンビみたい!」

「やっぱり怖いよね、昨日ライダーと戦ってたらやられちゃてこうなっちゃた」

確かに恐怖を覚える姿だ。

人の事を悪く言うのは実に簡単な事である。

しかし親友にそんな事を言いたくない。

「怖い?、なに言ってるの、ジェイソンはジェイソンでしょ、ママの事が大好きで、優しいジェイソン、姿が変わっても、それは変わらない、そうだよね?」

「うん、ありがとう、僕を受け入れてくれて」

感謝の言葉を言い、ニヤリと笑う。

「さっ、今日はレトルトカレーよ、すっごく美味しいんだから」

レトルトカレーをフライパンから取り出し、皿にご飯を粧い、レトルトカレーをかけ、出来上がり、食卓にスプーンと一緒に置く。

「いただきます」

「はい、召し上がれ」

フーフーと息で冷まし、口にする。

「どう、今日は中辛にしてみたんだけど」

カレーを飲み込み、返事を返す。

「うん、美味しいよ」

「良かったー。じゃあ私も食べよっと」

アゲハは皿にご飯を粧い、レトルトカレーをかけ、スプーンと共に食卓に持って行く。

「いただきます」

スプーンでカレーとご飯を掬い、食べた。

 

一方その頃、菊は昨日の戦いの疲れが取れないまま、学校であくびを我慢しながら、授業を受けていた。

授業内容は魔術回路ついてだ。

魔術回路と言うのは誰もが持っているが、一般人では数が少なく、魔術は使えない。

魔術師の血筋を持つ者。

もしくは偶然にも魔術回路を多くして生まれた者が魔術師になれるのだ。

菊の場合、偶然にも魔術回路が一般人よりも多く、普通の魔術師より少ない。

だがそれを補うほどの知識がある。

授業とは別に、独自に図書室で勉強をしている。

これも義理の兄と義理の妹に認められるため、今は聖杯戦争に勝つため、たくさんの量の知識を欲した。

 

「ギルガメッシュよ、お前に新たな武器をやろう」

ギルガメッシュのマスター、キールが差し出したのは、魔力で刃を生成する、言わゆるビームサーベルである。

「今のお前なら使いこなせるはずだ、存分に暴れろ」

キールの言葉に反応し、叫びを上げるギルガメッシュ。

早速〈ゲートオブバビロン〉に貯蔵し、戦いに備えた。

 

「あーもう、ギルガメッシュ強すぎ、なんなのあいつ、バーサーカーになったらあんなに強くなるなんて聞いてない!」

「まったく、バーサーカーは理性を失う代わりにすべてのステータスが上昇します、英雄王の場合理性を失った事で武器を「放つ」のではなく「使用」します、つまり武器の本来の力を引き出せると言う事、さらに重火器やバイクなども貯蔵している、おそらくですがマスターが〈ゲートオブバビロン〉に貯蔵しろと命令したのでしょう、理性を失った英雄王ならすんなりと従うでしょう、しかしその逆もしかり、機嫌を損ねればマスターは簡単に倒されてしまいます」

アルトリアはため息を吐き、コーラを口に入れる。

シュワシュワを感じながら、呆れた表情で凛を見る。

「何回この説明をすれば良いのですか?、本当に覚えが悪い」

「そうじゃないわよ、私はただ動揺してるだけ、サーヴァントとして強すぎるのよあいつ、バーサーカーのステータス上昇と武器を使いこなす技術、そして重火器、まあ、重火器に関してはセイバーに関係ないと思うけど、問題は自分自身を貯蔵して攻撃を回避する事よ、あれをやられるとエクスカリバーとか、攻城君のセイバーの宝具が確実に避けられる、でも逆に言えば出てきた瞬間を狙えば勝機はあるわ」

「そうですね、私とセイバーならそれは可能でしょう、協力を得られればの話ですが」

「まだそんな事言ってるの、私達はチーム、協力していかなくてどうするの?」

「あの性格に私がついていけと、理解に苦しみます」

そう言って、コーラを飲む。

凛はできれば今すぐにもこの聖杯戦争を終わらせたい。

シスターのシールダーの能力や宝具がどんな物か分からない。

そんな状況で聖杯を破壊するのは無理がある。

しかもアルトリアと菊のセイバーの相性がかなり悪い。

このままではチーム内で争いが起きる。

すっかり温くなってしまったペットボトルのカフェオレを飲み、頭をシャキっとさせる。

「このままじゃダメ、もっと攻城君達を知らないと、行くわよセイバー、攻城君の居候になるわよ!」

「またとんでもない事を、仕方ありません、今回のマスターは士郎【シロウ】ではなく凛です、あなたに従いましょう」

こうして魔導講師と騎士王は攻城家に向かい、菊を待つのだった。

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