ダンジョンで安寧を求めるのは間違ってるだろうか   作:ステラ・グローリア

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18話 豊穣の女主人

私は狼である

 

名前は狼王ロボである

 

 

 

あれからダンジョンから出た後血塗れなのを気にせずアイズが私の背に乗ってきた事や、それを見た街の人が騒がしかった事、レフィーヤがロキにセクハラされた事以外に問題が起こることもなくロキ・ファミリアの拠点である黄昏の館へと帰還した私は浴びた血や埃を落とすために風呂へとやって来ていた

 

何故か私を洗うと浴室まで付いてきたロキがまた一緒にいたレフィーヤにセクハラしていた

 

 

このセクハラさえなければ本当に良い神なのだろうけどセクハラが全てを台無しにしていると思われる本当に残念な神様だよ

 

ところでそろそろ洗ってくれないかな?

血が固まったところとか痒くてしょうがないんだよ?

湯気で溶けだした血が気持ち悪くてしょうがないんだよ?

 

 

「クゥゥゥン」

 

 

儚げな鳴き声が騒がしい浴室に悲しく通るのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夜は打ち上げやるからなー!遅れんようにー!」

 

 

翌日、ティオネ、ティオナ、レフィーヤ、アイズに連れられ私は依頼されていたカドモスの泉水を届けるため北西のメインストリートを歩いていた勿論、背にはアイズが乗っている。そして辿り着いた場所は巨大な白一色の石材で造られた建物である

 

そこは荷運びで度々訪れる建物であり依頼主であるディアンケヒト・ファミリアの店であった

 

 

「いらっしゃいませ、ロキ・ファミリアの皆様……お久し振りです、ロボさん」

 

「アミッド、久しぶりー」

 

 

店に辿り着いた私達を出迎えた少女、アミッド・テアサナーレにティオナが気さくに手をあげる

 

 

「本日のご用件は、引き受けて頂いた依頼の件で間違いないでしょうか?」

 

「えぇ、今は大丈夫?」

 

「はい、どうぞこちらに」

 

 

建物内を移動しカウンターの一角へと案内された私達は恙無く報酬のエリクサー20数本を受け取りを行った……までは良かったけれど

 

 

 

「アミッド、実は深層で珍しいドロップアイテムが取れたの。ついでに鑑定してもらっても良いかしら?いい値を出してくれるなら、ここで換金するわ」

 

「わかりました。善処しましょう」

 

 

持ち出されたのは51階層で手に入れたカドモスの皮膜である

市場に滅多に出回らないドロップアイテムであり回復系のアイテムの原料としても重宝される希少アイテムである

 

カドモスの皮膜を前にアミッドの提示した金額は

 

 

「700万ヴァリスでお引き取りしましょう」

 

「1500万」

 

 

━━━ここぞとばかりに吹っ掛けるティオネにティオナとレフィーヤが目を剥きアイズさえも驚いた

 

その後も商談が続き、あることないこと話すティオネと堅実にアミッドの商談は結局1200万で確定した

 

 

「ごめん、アミッド……」

 

「ワゥ……」

 

 

ティオネの強引な商談についつい謝ってしまう私とアイズに心優しいアミッドは「足元を見て依頼を発注したのは此方ですから。お互い痛み分けで手打ちにしましょう……どうしてもというなら今度、ロボさんをモフらせてください」と告げられてしまった

 

 

その後も遠征の後処理として武器を溶かされたティオナとアイズの武器の整備のためゴブニュ・ファミリアの元へと向かった私達だがティオナが職人達を絶叫させるというある意味いつもの風景を作っていた

 

 

 

 

 

「ミア母ちゃーん、来たでー!」

 

夜になり私達はロキに連れられ西のメインストリートの中で最も大きな酒場、豊穣の女主人へと来店した

 

なんでも遠征の後は盛大に酒宴を開くのがロキ・ファミリアの習慣なんだとか

 

どう考えても便乗してロキが酒盛りしたいだけである

少なくとも私はそう思っている

 

 

ロキ・ファミリアは人数の多い。全員が来ているわけではないけど、それでも打ち上げに参加する人数はかなりの人数であり店に入りきらないため打ち上げは店内組とテラス組に別れて開かれた

 

勿論、私はテラス組である

豊穣の女主人の店長であるミア母さんには入っても良いと言われてるけどロキ・ファミリア以外にも客がいるため今回、私は遠慮して背に乗っていたアイズには中に入ってもらった

 

 

「犬っころ!こいつも食うにゃ!オマエじゃテーブルのは取れニャいだろうから分けてやったニャ!」

 

 

どう考えても客に対する態度じゃない猫人族のウェイトレス、アーニャが壁際で最初に分けてもらった料理を食べていた私の前に新しい皿を置いてきた

 

 

ワン!(ありがとう!)

 

「殊勝な心掛けニャ!やっぱりオマエは見所あるニャ!」

 

 

アーニャは何故か私の言葉が通じるらしい事が分かってから見掛ける度に絡んでくるようになった。同じ猫人族である同僚のクロエには私の言葉が通じないことが更に気を良くしているのかもしれない

 

 

「そうだ、アイズ!あの話を聞かせてやれよ!」

 

 

アーニャが店内に戻り暫くすると遠征の話題で盛り上がっていた店内からベートが何かの話題を催促する声が聞こえた

 

 

「あれだって、帰る途中で何匹か逃がしたミノタウロス!ロボが5階層で最後の1匹を始末した時にいたトマト野郎の!」

 

 

どうやらベートが催促しているのはあの小兎の話のようだ

 

 

「ミノタウロスって、17階層で襲い掛かってきて返り討ちにしたら直ぐに逃げ出していった?」

 

「それそれ!奇跡みてぇにどんどん上層に上っていきやがってよ!俺達が泡食って後行部隊だったロボまで呼んで追い掛けていったやつ!こっちは帰りの途中で疲れてたってのによ~」

 

 

ティオネの確認する声とジョッキを卓に叩き付ける音が響き更にベートの声が続いた

 

 

「それでよ、いたんだよ、いかにも駆け出しってな感じのひょろくせぇガキが!」

 

 

ベートのテンションが高い、どうも酔ってるらしい

機嫌良さそうなベートの語りは続いた

 

 

「抱腹もんだったぜ、兎みたいに壁際へ追い込まれちまってよぉ!可哀想なくらい震え上がっちまって顔を引き釣らせてやんの!既の所でロボがミノタウロスを噛み殺したんだけどよぉ、ロボも焦ってたのか力の入れ方間違えたらしくて血が吹き出ちまってソイツも全身に血を浴びて……真っ赤なトマトになっちまったんだよ!」

 

「うわぁ……」

 

 

ティオナの呻く声が聞こえた

 

あれは本当に悪いことをしたと思う

ごめんね小兎君

 

 

「しかもそのトマト野郎よぉ、アイズに話し掛けられたら叫びながらどっか行っちまってよ……うちのお姫様、話し掛けただけで逃げられてやんのっ!」

 

「アハハハッ! そりゃ傑作やぁー! 冒険者怖がらせてまうアイズたんマジ萌えー!!」

 

 

せっかくアーニャが取り分けてくれたご飯が不味くなってきた

酒は呑んでも呑まれちゃ駄目だよベート

……久し振りにOHANASIしなくちゃ駄目かな?

その時はロキも一緒かな?

 

 

「アイズはあのガキと俺、ツガイにするならどっちがいいよ。雌のお前はどっちの雄に尻尾を振って、どっちの雄に滅茶苦茶にされてぇんだ?」

 

 

うん、OHANASI確定だね

ついでにちょっと本気の実戦訓練もやろうか

 

 

「ろ、ロボさん?落ち着いて下さい!ジャガ丸くん買って来ますから!ね?」

 

 

テラスにいた団員が私に落ち着くようにいってくるけど変だね?私はこんなにも落ち着いてるのに

 

 

「雑魚じゃあ、アイズ・ヴァレンシュタインには釣り合わねえ」

 

 

そんなベートの声が聞こえてきた直後、白い影が店の外へと飛び出しそのままバベルの方へと走っていった

 

私は飛び出していった影を知っていた。ベートの話の中心だった冒険者、ミノタウロスに追われていた小兎だ

 

自分の事を酒の魚にされたのだ悔しかったのだろう

ベートの話を最後まで聞いていたのだからきっと、あの小兎は逃げたんじゃないのだろう

それくらいは狼の私でも分かる

 

小兎を追うようにアイズが店の中から出てきた

 

アイズも当事者である以上、心中穏やかじゃないだろう

しかしアイズはこれで臆病でそして口下手だ、追い掛けて何が言えるのか。そんなことを考えて踏み出せないだろう

 

なら私が一肌脱ぐしかないだろう

 

 

「ワン!」

 

「……ゴメン……お願い…………」

 

 

アイズも私が言いたいことは伝わったのだろう、お願いされた

 

さぁ、小兎くんを追うとしよう………その前に

 

 

ガウ!(バカが!)

 

 

店内で酔っ払った駄犬を殴って気絶させアーニャに頼み縛って貰った

 

 

さぁ、改めて追い掛けましょうか!




この時のベート本当に最低ですよね
流石に擁護できませんでした

実はベートとの会話で飛ばしたシーンの中でロボに関する話も考えていたのですが下手するとアイズがケモナールートに入っちゃう可能性が出てきちゃうので止めました
まぁ、私の作品のロボは雄雌どっちが明言してないので此れからの展開次第ではベートがケモナーになんてのもあるかも?


まぁ、希望が上がれば後々色々とやっていきたいと思います

それではまた次回、お会いしましょう
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