ダンジョンで安寧を求めるのは間違ってるだろうか 作:ステラ・グローリア
私は狼である
名前は未だない
あの凍えるような冷たい風から逃げた翌々日また童が私の元へとやって来た
どうやら緑色のお姉さんはいないみたいだけど今日は前から来ていたおっさんが一緒だった
その日からも毎日の様に童とおっさんが一緒に私の元へと来ては私が逃げて童が追いかける日々が続いた
そんなある日、初めておっさんが私に話し掛けてきた
「お前さん毎日毎日追い回されて嫌にならんのか?」
私は驚いた
いつも私から童を守れる位置に陣取り付かず離れずな感じで見守り続ける喋らないおっさんかと思ったら話し掛けてくるものだから本当に驚いた
そして質問の意味が分からない
言葉は何故か分かるから意味も分かるけど嫌になる?
何で?
私ただ遊んでるだけなんだけど?
首を傾げている私と何故か一緒に首を傾げている童を見ておっさんは笑い出す
「凶悪な面でとぼけた顔しおってからに本当に可笑しな犬っころじゃわい」
「ワォッ!」
「おぉ、すまんすまん。犬ではなく狼じゃったな」
流石に犬ではないと抗議の意味で吠えると訂正してくれたけどまた笑われた。何で?
この後、おっさんと少し話し(私は首振るだけ)待ちきれなかった童が襲い掛かってきていつも通りの鬼ごっこになった
その日からおっさんは来る度に何かしら話し掛けてくるようになった。殆ど質問だけど
やれ何処から来ただの
やれ同族はいるのかだの
やれ人と敵対する気はあるかだの
良く分からないけどそんな感じで色々と聞かれた
その過程で外の話も色々と聞けたから良いかな
良いのかな?
何でも外では1000年くらい前に何人も神様とかいう胡散臭いのが天界とかいう場所から降りてきて人間に恩恵とかいう加護を与えてファミリアとかいう派閥を作っているらしい
新手の宗教か何か?
ガレス(おっさん)とアイズ(童)は同じ派閥に所属していてダンジョンにはアイズのレベルを上げに来たらしいけど何で私にこんな話をしてるんだろ?
というかレベルって概念あったんだ
まぁ、こんなどうでも良い話はおいといて
有益な情報としては私の所にはあまり他の人間が近付かないように手配してくれたらしい。初めて見付かった稀少なモンスターだから倒さずに調べたいって事らしいけど稀少じゃなくなったら殺されるのかな?それは嫌だなぁ
そんな素振りがあったら下に逃げれば良いか
多分、下の霧の中なら撒けるだろうから
最悪の場合はあのモンスターの出なかった階より下に強行突破していけば良いよね
そうならないことを心の何処かで祈りながら私は今日もアイズと鬼ごっこを続ける
フリスビーとか棒を投げたら喜んで取りに行きますが狼です
精神的にはかなり幼い感じで子犬感あったりしますが狼です
強面だけど内面可愛い構ってちゃんな狼です
柴犬とか言っちゃダメ!
これでも狼としてのプライドはあるんです!
……あるんだよ?………多分、おそらく……
次回、そろそろワイヴァーンに進もうかと思います