ダンジョンで安寧を求めるのは間違ってるだろうか   作:ステラ・グローリア

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今回はいつもよりちょっと長めです

容姿や能力の元となる某復讐者さんらしさを出そうとしてまましたがアレで良いのか少々不安に思っております
楽しんで頂けたら嬉しく思います


7話 何これ?ドラゴン!嫌な気配!

私は狼である

名前は未だない

 

 

 

 

最近、アイズの様子が変な気がする

私を追い掛けてくる頻度も減っているけどダンジョンには来ているみたい

 

 

 

アイズが私の所に来なくなった

 

代わりになのかアイズやガレスの匂いが付いた人間、多分同じ派閥の人間なのだろうけどその人間が私を見に来るようになった

 

正直鬱陶しい

 

 

私に用がないのなら来ないでもらいたいくらいなのだけど何故かアイズが来なくなって毎日その人間がただ様子を見に来る

 

私はそれを無視する

私に用がないなら私もソイツに用はない

 

 

最近はこの辺りのモンスターも私に手を出さなくなってきたからアイズが来なければ私にやることはない

 

体の動きが鈍くならないようにこの部屋を走るか寝ているか餌(モンスターの中にある石)を取りに行くくらいだ

 

誰か追いかけてくれないかな……

 

 

久し振りに階層の移動をしてみた

別に来てくれないアイズを探してるわけじゃない…ないったらない

 

私のいた階層が確か9階層だったはずだから2つ降りて今は11階層である。霧が鬱陶しいけど大体の地形は把握してるから問題はない

ただ背中に乗ってこようとする空飛ぶ小鬼がムカつく

 

 

 

11階層に降りて何日経ったのかな?

アイズが来ないから1日事の終わりがまた分からなくなってしまったけど寝た回数で数えたら4回寝た

 

今日はダンジョンの様子が変だ

具体的には分からないけど感覚で変だと分かる

 

 

その時だ

おかしな匂いを私は感じた

 

なんだこの匂いは

人間じゃない

モンスターでもない

亜人でも獣人でもない

 

無性に殺したくなる臭いその近くに良く知る匂いがあった

 

 

駆け出した

何がいるのかは分からないけどソレの近くにアイズがいる!

 

地面が揺れている

ダンジョンから憎悪の感情が溢れてる……ような気がする

これもきっとムカつく臭いのせいだ

急がなきゃ!

 

 

 

「ワオォォォォォン」

 

 

私は咆哮する

届いたのかは分からないけどこれは警告だ

 

アイズが肉体的にだろうと精神的にだろうと私と遊べない状態になっていたならお前を殺すという警告だ

 

 

 

 

臭いを便りに辿り着いた場所は入り口が岩石に塞がれたルームだった

これはあの臭いの奴に反応したダンジョンの仕業なのだろう逃がさないために道を塞いだのだろうが余計なことをしてくれたものだ

 

私は全力で岩石に体当たりをしぶち抜く

 

 

 

開けた視界に広がるのはボロボロのアイズとそれを仕留めようとする翼を持つ漆黒の鱗のトカゲというよりは竜だろうものと焼けた大地だった

 

 

その大地を私はぶち抜いた勢いのまま駆け抜けアイズを回収し背にのせると翼竜を睨み威嚇する

 

 

 

「ガルルゥゥ」

 

 

 

あぁ、赦せない

私の遊び相手をよくもいたぶってくれた

 

心臓が

 

肉体が

 

牙が

 

爪が

 

応じるのだ

 

これは応報だ

 

絶対的な応報だ

 

奴は私から奪おうとしたのだから

 

だから私も奪おう

 

奴の全てを奪い尽くそう

 

 

 

 

背にアイズを乗せたまま私は駆け出す

 

地を踏みしめ

 

風を切り

 

壁を走る

 

 

 

先ずは翼竜を地に落とすのだ

 

透明化を連続的に使い感覚を狂わせる

 

そうすると翼竜は直ぐに私を見失った

見失ったのならば後は背後で跳躍し翼竜を地面に捩じ伏せるのみ

 

 

 

さぁ、何から奪おうか

 

やはり翼からだろう

 

 

私に踏みつけられ地に伏せるしかない奴の片翼を食い千切れば翼竜いや、竜は喚き暴れ逃げようとするけど逃がしはしないすかさずもう片方の翼も食い千切ろうとした時だった

 

 

「待って………お願い」

 

 

それは背中に乗せたアイズ制止の声だった

 

何故止める

伝わるかは分からないがそう目で訪ねる

 

 

「私がやる……私に倒させて……」

 

 

伝わったらしい

自分で倒したいと言うなら良いだろう

 

これは元々私の復讐ではないのだから

彼女が自分で復讐を果たしたいと言うのなら私はそれを尊重しよう

 

奪われる前に奴を潰してしまえば良い

 

 

 

私は竜から足を離し少し距離を取るとアイズを背中から下ろした

 

その間に竜も起き上がり体制を整えたようだ

 

 

 

 

 

常に竜の側面や背面に回るよう疾駆しながら戦いを優位にしようと立ち回るアイズに負けじと竜も牙や残った翼での翼撃で打ち払おうとする

 

アイズの一閃ごとに罅割れ弾け飛ぶ鱗の破片、どちらのかも分からない鮮血の欠片

 

 

しかしその状況も直ぐに崩れた

翼を狙いアイズが飛び掛かった直後に風を切る勢いで竜が体躯を旋回させ鱗に包まれた尾がアイズもろとも辺り一面を凪ぎ払った

 

 

「あっっ!?」

 

 

振るわれた尾はアイズの胸元に叩き込まれ私の元へと吹き飛んで来た

 

強烈な一撃だったのだろう

アイズの鎧はひしゃげてしまいもう修理することも出来ないだろう、剣も罅が入ったようだ。

 

 

これ以上はもう無理だろう

 

血の混ざった唾液を吐き出し痙攣しもがくアイズを見て私はそう思い代わろうと足を踏み出した瞬間、周りを炎の渦が囲んだ

 

 

竜の息吹

どういう原理かは知らないけど息吹で私とアイズを炎の壁の中に閉じ込め一網打尽にするつもりなのだろう

 

 

やってくれたものだ

早々に始末してしまおう

 

私の毛が焼けて変色してしまわないうちに殺してしまおう

 

私を狙った時点でこれは私の応報なのだから

 

 

 

竜は此方が動けないと思ったのか特大の息吹を放とうと溜めの体制に入ったようだ

溜めが終わる前に終わらせよう

 

そう思い踏み出そうとした瞬間私が来た入り口とは別の入り口の岩石が吹き飛んだ

 

見てみればいつぞやの緑のお姉さんがいた

おそらくアイズを探しに来たのだろう

 

 

緑のお姉さんは状況を見ると声を張り上げた

 

 

「アイズ!言えっ、呼ぶんだ!!『目覚めよ(テンペスト)』と!」

 

 

緑のお姉さんに気を取られた隙に溜めが終わり私たちに向け放たれた炎

しかしアイズの目にもまだ光がある

アイズは諦めていないのなら、まだアイズに任せても良いだろう

 

 

「『目覚めよ』!!」

 

 

 

次の瞬間巻き起こる大爆発

しかし私たちの周りには風の壁に守られ被害は一切なかった

 

私の足元で地に膝をつき立ち上がる意思を見せるアイズは風の鎧を纏いその目からどのような思いからか私には分からないけど涙を流していた

 

 

「お母さんの……風。……ずっと……一緒に……!」

 

 

立ち上がるアイズに呼応するかのように勢いを増す風に竜は畏怖するかのように一歩後ずさる

 

それを認められないかのように首を振り再度溜めの体制へと入った

 

 

しかしその好機を今のアイズは逃さなかった

 

疾駆

風の鎧の力なのか今までの比に成らないほどの加速力で竜の元へ掛けるアイズは颶風の矢となった

 

この時その加速により竜はアイズを見失い溜めに入っていた竜は移動することもできず防御も回避も迎撃する術すらなかった

 

 

「うああああああああああああ!」

 

 

アイズは咆哮する

その両手に握られた剣を風が包み込む

 

涙を散らしながら振り上げられた剣を包む風は既に竜巻と呼んで差し支えないほどに吹き荒れていた

 

 

零となった間合い

溜めが終わり広範囲に放たれる息吹

それと同時に振り下ろされる暴風を宿した剣

 

 

 

「『母の風よ(エアリエル)』!!」

 

 

 

解き放たれた暴風は竜の頭部を粉砕し息吹による火炎の濁流が大爆発を引き起こした

 

 

爆風により空中へと投げ出されたアイズを私は回収しその身を背の上で寝かせた

 

 

 

「……お母さん……お父さん………あり…がとう」

 

 

未だ体を包み込む風と剣を抱きアイズは私の背の上で涙を流していた

 

今の私に母や父は存在していないし、生前の記憶も殆どが抜け落ちたがきっとアイズには大切なものなのだろう

今暫くはそっとしておくとしよう

 

 

私はその場で身を屈め只々じっとすることとした




さて、アンケート的にはテイムというか
ロキ・ファミリアに入ることになるようですが
実は名前をまだ決めかねているのですよね

という事で幾つか候補を出しますので
皆様の投票で決めてみようかな
なんて思ってみました


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