デート・ア・グリムノーツ   作:☆桜椛★

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第2話とか……めどい

「はぁ……うっざい」

 

 

私は最初に目が覚めた公園にあった滑り台の上に座って、夕日に染まった町を眺めながらこれからどうしようかをめんどいけど考えていた。

 

あの後、ダルいのを我慢して自分の家を探したけど、結局見つからなかった。それどころか、この町そのものが私の知らない場所だった。多分、ここは日本に似た別の世界なんだと思う。だから住む家も、お金も、お菓子も、ふかふかのベッドも無い……最悪。

 

 

「………もう、ここでいいや」

 

 

この公園、水飲み場あるし、なんかドーム型の遊具とかもあるから、今日くらいならここで過ごしてもいいかな。他に寝れそうな場所探すのもめんどいし……うん、もうここでいいや。

 

 

「ふぁ〜………眠いし、今日はもう寝よ…」

 

 

私は滑り台を滑り降りて、ドーム型の遊具の中に入る。中の地面はコンクリートだから、服とかに土が付かないから、ラッキ〜。

私はそこにゴロンと横になって、ゆっくりと目を閉じた。

 

 

「お休み……ぐぅ……」

 

 

 

 

 

 

ドオォォォォォォン……!!!

 

「むにゃむにゃ……ふぇ?何?今の……?」

 

 

いきなりでっかい爆発音みたいなのがして目が覚めた。あぁ〜あ、なんか無理矢理起こされた感じがしてウザい。

 

もしかしてまたあの痴女達がまた誰かにミサイルでも撃ってるのかな?じゃ、やっぱりここは別世界で決定。だって私の知ってる日本はミサイル撃って来る空飛ぶ痴女軍団なんていないもん。

 

 

「ふぁ〜……ダルい」

 

 

そう呟きながら、私はダルい体を頑張って起こしてドームの外に出る。公園にあった時計を見上げると、もうお昼の時間を過ぎていた。

一応何度か目が覚めた記憶はあるけど、その度に起き上がるのがダルかったからそのまま寝たから……まぁ、そうなるか。

 

 

「……あれ?あの建物、あんな形だっけ?」

 

 

喉乾いたから水飲み場で水飲んで、もう1回寝ようと思ってドームに戻る途中、遠くの方に見えてた学校っぽい建物の形が変わってるのに気付いた。なんかスプーンでくり抜いた感じになってる。

 

あ、もしかしてさっきのウザい爆発音の原因ってアレ?あの痴女達が出たのかな?

 

 

「………ま、いいや」

 

 

別に私が通ってる学校じゃないし、例えそうだったとしても今の私はカオス・アリスだから行く必要はない。

それに何よりめどいから行きたくない。

 

 

「………眠い……寝よ」

 

 

さっきはあの爆発音の所為で気持ちいい目覚めじゃなかったから、もっかい寝る事にする。また私の眠りを邪魔するようならまたブッ飛ばせばいいし……ダルいから多分やらないけど。

 

 

「お休み……ぐぅ……スピ〜……」

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

昨日はあの後また変な爆発音に睡眠を邪魔される事なくゆっくり寝れた。偶に喉が渇いて飲みに行くとか以外はずっと寝てたけど、後悔はしていない……んだけど。

 

 

「………すっごくお腹空いた。体痛い……ダルい」

 

 

目が覚めてから私のお腹が空腹を訴えて来てダルい。しかもコンクリートの上にそのまま寝転がって寝てたから、身体中が痛くてウザい。

 

 

「なんか食べたいけど……今、お金無い……クソ……」

 

 

お金がないとお菓子もジュースもフカフカのベッドも買えない……でもお金を稼ぐにはなんか仕事しないとダメ……それはめどいからヤダ。というかそもそも仕事出来るかも疑問……ウザ。

 

 

「はぁ……誰か私にお金くんないかなぁ」

 

 

叶わない願いを口にしながらぼんやりと雲1つ無い空を見上げる。うっわ、日差し眩しい……ダル。

 

 

「はぁ……ん?は?えぇ!?」

 

 

なんか急に周りの家がガシャンガシャンってスライドして動き始めたり、家がなくなったと思ったら地面からなんか別の建物が生えて来た。私のいる公園は動かなかったけど、周りの建物がどんどん変わってく。

 

どうなってんの?なんで町が急に変形し出したの?意味が分からない。あーもう考えるのも面倒になって来たからもういいや。

 

 

「……!……くんくん」

 

 

なんか新しく生えて来た建物からいい匂いがする。試しにダルいけど歩いて公園を出ると、さっきまで住宅街だった場所が、屋台や飲食店でいっぱいの商店街になってた。

 

 

「何コレ……?お金の無い私への嫌がらせ?うっざい」

 

 

お腹空いてる時に、こんな美味しそうな匂いを漂わせて……ウザい。こんな数のお店が出て来ても、お金がないと意味ないっての……ばーか。

 

 

「おぉ!シドー!このたこ焼きとやらは美味いぞ!」

 

 

あ、あのたこ焼き美味しそう……カップルかな?はぁ…あの女の子が美味しそうに食べてるのを見てたら余計にお腹空いて来た……早くどっか行かないかな?

 

 

「見ろシドー!あれも美味そうだぞ!あっちも!…あー!あっちも!凄いぞ!ホラァ!」

 

「はいはい、分かったから好きなだけ食えよ。どうせタダ(・・)なんだから」

 

「…………!!?」

 

 

私はその女の子の彼氏くんが言った言葉を聞いてダルいのを気にせず歩み寄った。

 

 

「ねぇ……ちょっといい?」

 

「え!?あ、えっと……な、何かな?」

 

 

彼女がハンバーガーショップに入って行くのを見ていた彼氏くんに話し掛けると、彼は私の姿を見てびっくりしながらも返事をした。

 

 

「今聞き間違いじゃなかったら………この商店街の食べもの、全部タダって言った?」

 

「あ、いや。これは……ッ!?………」

 

 

……?何か言おうとしたかと思ったら急に黙り込んだ。しかもボソボソと小さな声で何か言ってる。なんか誰かと話してるっぽいけど、そんなの今はどうでもいい。気にするのもダルいし、今私が聞きたいのはこの商店街の食べもの全部タダかどうかって事だし。

…………それにしても遅い。早く答えてくれないかな?

 

 

「あー……えっと……そ、そうなんだ。今この商店街はなんかの記念日らしくてさ、ここにある食べものは全部タダなんだ」

 

「………そっか、ありがと」

 

 

やった!やっぱり聞き間違えじゃなかった。よし、そうと決まれば何か食べよう。どれがいいかな?たこ焼き、お好み焼き、ハンバーガー、お寿司、ラーメン、クレープ、焼きそば、ケーキ………うん、選ぶのダルいしめどいから適当に近いやつから食べよ。

 

私は早速近くにあった肉まんのお店に向かうが、さっき話し掛けた彼氏くんが私を呼び止めた。

 

 

「あ、君!ちょっと待ってくれない?」

 

「………何?私、早く食べたいんだけど…?」

 

 

ホントは無視したかったんだけど、一応質問に答えてもらったから、ちょーめどいけど、少しだけ話を聞いてあげることにした。

彼氏くんはなんか視線を泳がせまくったり、深呼吸したり、咳払いしたりした後、何かを決心した様な表情で私に向き直った。もうなんでもいいから早くしてくんない?そろそろお腹空き過ぎてウザくなってきたんだけど……?

 

 

「お…俺の名前は五河 士道!俺とすっごく楽しい事をしないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………なんか予想の斜めどころか真上な事を言い出した。いきなり何言ってんのこの人?もしかしてナンパってヤツ?さっきの大食い女の子はあんたの彼女だよね?なのになんで私をナンパし始めたの?意味分かんない。しかもあってまだ少ししか経ってないのに……ひょっとして何人も女の人と付き合ってるの?だとしたら凄い。

 

でも私、今は確かに女の子の姿だけど……ちょっと前まであんたと同じ男だったから、男の人と付き合うのはちょっと……いや、絶対にヤダ。

 

 

 

 

 

 

 

 

……つーか、そんな事の為に私を呼び止めたの?

 

 

「……あ、あれ?ちょっと…?」

 

 

こっちはカオス・アリスになってから何も食べてなくてお腹ぺこぺこな時に、無料でいきなり出来た商店街の食べ物を食べれるって知って、ダルい体を頑張って動かしてお店に向かおうとしてたのに……それを呼び止めて、何かと思えばいきなりナンパ?

……うん、控えめに言うとしたら……。

 

 

「………うっざい」

 

・・・え゛?

 

 

私はなんかオロオロしてた彼氏くんに控えめにそう言った後、石化したみたいに動かなくなった彼氏くんを放置して改めて肉まんのお店に向かう。店員さんはさっきの光景見てたのか、苦笑いをしながら肉まんをくれた。

 

んじゃ、いただきま〜〜す…………あ、美味しい。


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