デート・ア・グリムノーツ   作:☆桜椛★

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第3話とか……めどい

青年…五河(いつか) 士道(しどう)はこの日、“空間震”という突発性広域災害を引き起こす原因とされている精霊…十香(とおか)という名の夜色の髪と水晶の瞳を持つ絶世の美少女とデートをしていた。

そんな彼は今………。

 

 

はぁ〜〜〜………

 

 

酷く落ち込んでいた。しかも心なしかちょっと泣きそうな顔になっているのはきっと気の所為……ではないだろう。

 

彼がこうなった経緯には、聞くも涙、語るも涙の…………抱腹絶倒大爆笑な出来事があったのであるwww

 

 

 

 

 

〜数十分前〜

 

「おぉ!シドー!このたこ焼きとやらは美味いぞ!」

 

「そっか、十香の口に合ったみたいで良かったよ」

 

 

士道は初めてのたこ焼きにご機嫌な十香を見て顔に笑みを浮かべると同時に、この商店街をあっという間に作ってしまった“ラタトスク”という組織に内心驚愕していた。

 

“ラタトスク”とは、“空間震”の原因とされている十香の様な精霊との対話による空間震災害の平和的な解決を目指して結成された秘密組織の事だ。“フラクシナス”と呼ばれるラタトスク機関が誇る全長252m、全幅120mもする最新鋭空中艦を拠点としており、精霊の保護の名の下に様々な有志が集まって結成されている。

 

士道はまぁ色々あって半ば強制的に精霊との交渉役に抜擢されてしまい、現在その為に精霊である十香とデート中なのである。

因みに十香は『デート』の意味をちゃんと理解していないが、今は目の前にある美味しそうな食べ物達に夢中になっている。

 

 

「見ろシドー!あれも美味そうだぞ!あっちも!…あー!あっちも!凄いぞ!ホラァ!」

 

「はいはい、分かったから好きなだけ食えよ。どうせタダなんだから」

 

 

それを聞いた十香はたこ焼きとお好み焼きをペロリと平らげた後、次はあそこだ!と言ってハンバーガーショップへ突撃して行き、士道は苦笑しながらその姿を見送った。

 

 

「ねぇ……ちょっといい?」

 

「え!?」

 

 

そろそろ自分も後に続こうと思っていた士道は、突然背後から掛けられた聞き覚えのない女性の声に驚きながら振り返った。

 

すると彼の背後には、気怠げな表情をした金髪ツインテールの少女……お腹を空かせたカオス・アリスが立っていた。

 

 

「あ、えっと……な、何かな?」

 

「今聞き間違いじゃなかったら………この商店街の食べもの、全部タダって言った?」

 

 

そう聞かれた士道は、どう答えようか迷った。何故ならこの商店街は“ラタトスク”が用意した場所であり、一応この商店街に訪れた10万人目のお客様って事で士道と十香の2人は無料で飲み食い出来ているのだ。

だから今回のデートに関係の無い彼女もタダで食べていいのかと問われると、どう答えればいいのか分からないのである。

 

少し考えた士道は、取り敢えず自分達がタダで食べれる理由を答える事にした。もちろん、設定の方を説明する。

 

 

「あ、いや。これは…『ちょっと待ちなさい士道』…ッ!?」

 

 

答えようとしたら、彼の耳のインカムから気の強そうな女の子の声が聞こえて来たので、士道は言われた通り話を中断した。

 

声の主は五河 琴里(ことり)。士道の義妹にして、何がどうしてそっなったのか、“フラクシナス”の艦長である。

 

 

『いい?今貴方の前にいる彼女は、つい最近確認された新種の精霊よ。識別名はまだ決まってないみたいね』

 

「精霊!?この子が…?」

 

『えぇ、でもホントに最近確認されたばかりだから、情報が少ないのよね。彼女がそこに来たのは想定外だけど、これはチャンスよ。士道、彼女から出来るだけ情報を引き出しなさい』

 

「ひ、引き出せって言ったって……」

 

『取り敢えず今は彼女を引き留めなさい。彼女もタダで食べていいって教えればいいから』

 

「わ、分かった…」

 

 

士道はずっと返答を待っていて若干イライラしているカオス・アリスに向き直った。

 

 

「あー……えっと……そ、そうなんだ。今この商店街はなんかの記念日らしくてさ、ここにある食べものは全部タダなんだ」

 

「………そっか、ありがと」

 

 

タダで食べていいと知ったカオス・アリスは、その気怠げな表情の顔に小さく笑みを浮かべ、辺りにある店をキョロキョロ見回し始めた。

すると再び琴里から連絡が来た。

 

 

『士道、選択肢が出たわ』

 

 

琴里の言う選択肢とは、よくギャルゲーとかでやってるアレである。そんなもので大丈夫か?と問いたくなるが、この選択肢によって士道は十香と今デートが出来ているのだから、性能は折り紙付きだ。

 

 

①俺の名は士道。君の天使について知りたい。一緒に話をしないか?

 

②お金をあげるから一緒に話をしないか?

 

③俺の名前は五河 士道!俺とすっごく楽しい事をしないか?

 

『各自選択!………ふむ、3番が1番多いわね』

 

「おい!これホントに大丈夫なんだろうな!?明らかにナンパで使う言葉だろ!」

 

 

・・・ただ、変な選択肢が出る事がままある。

 

 

『いいから早く言いなさい!ホラ、彼女がどこかへ行っちゃうわよ?』

 

「へ?…あ、君!ちょっと待ってくれない?」

 

 

士道は肉まんを売っている店に向かおうとしていたカオス・アリスを呼び止めた。彼女はその言葉に反応して面倒臭げな表情をしながら士道の方を振り向いた。

 

 

「………何?私、早く食べたいんだけど…?」

 

「(うぅ…言えばいいんだろ?言えば!)お…俺の名前は五河 士道!俺とすっごく楽しい事をしないか?」

 

 

士道は覚悟を決めて先程の選択肢通りのセリフをカオス・アリスに向けて言いながら頭を下げた。士道は言ってしまったと思いながらも、カオス・アリスの返答を待った。

 

しかし、幾ら待っても返答は返って来ない。

 

 

「……あ、あれ?ちょっと…?」

 

 

なんの返答もない事に内心ちょっと焦りながらカオス・アリスの様子を窺っていると、カオス・アリスは士道の事をこの世の全てのゴミの集まり見る様な目(カオス・アリスは無意識)でこう言った。

 

 

「………うっざい」

 

・・・え゛?

 

 

士道はショックで石化したかの様に固まり、カオス・アリスはそんな彼を置いて肉まんを食べに行った。

 

 

 

 

 

 

『まさかあんな反応をするとはね……完全に想定外だわ』

 

「いや、想定出来ただろ……」

 

 

士道は先程のカオス・アリスの目と言葉を思い出しながらそう言い、持っていたジュースを飲んだ。

十香は両手に団子を持ってはしゃぎまくっている。

 

 

「おーいシドー!なにやら福引とやらが引けるみたいだぞ!早く来い!」

 

『まぁいいわ。彼女と話が出来なかったのは残念だけど、今は十香とのデートに集中しましょう』

 

「………そうだな。分かったよ十香。すぐ行く」

 

 

士道は空になったジュースの缶をゴミ箱に捨てると、十香の下へ走って行った。

 

さて、士道の話はこれまで!カオス・アリスはどうしているのかな?

 

 

 

 

 

 

「あーむ……もぐもぐ」

 

 

私はドーム型の遊具の上に座ってクレープを口に頬張る。うん、苺やストロベリーもいいけど、チョコバナナクリームも絶品♪ホントに今日はラッキー。

なんかウザいナンパやろーがいたけど、お菓子がドームいっぱいになる程タダで手に入った。ペットボトルだけど紅茶も手に入ったし、これで2週間くらいはドームの中で私だけの食っちゃ寝パーティーが開ける。

 

 

「もぐもぐ……ん?雨?」

 

 

なんかいきなり雨が降り始めた。さっきまでムカつく程いい天気だったくせに……うっざ。

 

めんどいけど、仕方ないから私はドームの中に避難して、中に置かれてるビニール袋の中からシュークリームを取り出して食べる。う〜ん♪これも美味しい。

 

 

……パシャッ!

 

「……んむ?」

 

 

しばらくシュークリームを食べてゴロゴロしてると、なんか水溜りの上を跳ねるような音がした。こんな雨の中で誰だろうと思って、チラッと外を見ると、水溜りの上をパシャパシャと飛び跳ねてる女の子がいた。

薄い水色のレースの上 に緑色をベースに模様の付いたレインコートを羽織って、ピンクのボタンと縫い目のついた大きなウサ耳付きフードを着てる。

 

 

パシャッ!パシャッ!ズルッ!ベッタァァァァン…!!

 

「……あ、こけた」

 

 

女の子が盛大にこけた。うっわ、痛そう……顔面とお腹を思いっきりぶつけてるじゃん。

そう思ってると、水飛沫と一緒に私の目の前に眼帯が付いた真っ白なウサギのパペットが降って来た。

 

何これ?もしかしてあの子のヤツ?えぇ〜……なんでこっち飛んで来るの?これ私が拾って返さないとダメなヤツじゃん。ホラ、あの子もこのパペット探してるっぽいし……はぁ、ダルい…めんどい……。

 

 

「………はぁ…かったるい」

 

 

私はパペットを拾い上げて、ザーザー降ってる雨を鬱陶しく思いながらその子に近付いた。あー……めんどくさいめんどくさいめんどくさい。

あ、こっちに気付いたっぽい。早く取りに来てよ。そっちまで行くのもダルいんだから。

 

 

「……はい、コレ。貴女の「ヒィ…!?」えぇー……?」

 

 

なんか声掛けたらすっごく怯えられた……何?私がそんなに怖いの?

あーもうこうしてる間も濡れちゃうし……ダルい、ウザい。

 

 

「こ、来ないで…ください。痛く…しないでください……」

 

 

彼女は涙目になりながらこんな事言って来た。私が何をしたって言うのさ…?はぁ………チョーめんどーい。

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