デート・ア・グリムノーツ   作:☆桜椛★

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第4話とか……めどい

「……ねぇ、コレ貴女のでしょ?もう動くのダルいから、取りに来てくれない?」

 

「……ッ!」

 

 

私がウサギのパペットを見せると、女の子は目を見開いて駆け寄って来た。でも後少しの所で足を止めちゃった。

 

 

「……何してんの?早く取りに来てくんない?」

 

「……ッ!……ッ!」

 

 

なんか近付いては離れるをずっと繰り返してる……あ、もしかしてパペットは返して欲しいけど、私が怖いから近寄らない感じ?うっわ〜……めどい。

 

 

「……あー…もうめどいから、そっちに投げる。ちゃんとキャッチしてよね……ホイ!」

 

 

私はパペットを女の子に向けて放り投げた。女の子は慌てた様子だったけど、ちゃんとパペットをキャッチして、左手に嵌めた。これで良し。

 

 

「……もう落とさないでよね。あーダルい……しんどい」

 

 

私はちょっと濡れた服を鬱陶しく思いながらドームの方へ向かう。服はほっとけばその内乾くだろうし……次は何を食べようかな?ポテチ、ケーキ、ドーナツ、たこ焼き、焼きそば……あーでも選ぶのめどいから、テキトーに目に入ったヤツでいっか。

 

 

『いやぁ〜、よしのんを拾ってくれてありがとうね!オネーサン!』

 

「……んあ?」

 

 

なんか妙に甲高い声が背後から聞こえた。振り返ってみると、さっきの女の子が左手に嵌めたパペットを動かして、腹話術やってた。

 

 

「……お礼とか、めどいから別にいい。でも、もう落とさないでよね。……拾って渡すの、ダルいし……疲れるから」

 

『おぅ……なんと言うか、君って結構な面倒屋さんだったり?お礼を言って面倒臭がれるのはよしのん初めての経験だよ』

 

 

面倒屋なのは否定しない。それがカオス・アリスの特徴だし、否定するのはダルいし…めどいから。

 

 

『おっと!自己紹介をするのを忘れてたよ〜!よしのんの名前はよしのん!可愛いっしょ?可愛いっしょ?』

 

 

よしのんねぇ……多分、それってあのパペットの名前で合ってるよね?今腹話術やってる最中だし、なんか人形とかに付けそうな名前だし。

 

 

『それでそれで〜?背中に羽みたいなのを生やしたオネーサンの名前は?』

 

「えぇー……私も自己紹介するの?……ダルい…めどい」

 

『自己紹介までめんどくさがるの!?よしのんが自己紹介したんだから、オネーサンも名前くらい教えてよ〜!』

 

 

そっちだって人形の名前しか名乗ってないじゃん。……あーでも、自己紹介しないとなんかこのウサギがもっとうるさくなりそう……めんどいなぁ。

 

 

「……カオス・アリス。はい、自己紹介終わり」

 

『カオス・アリス?変わった名前だねぇ』

 

「うっさい……貴女には言われたくないっつーの」

 

『ちょっとそれどーゆー意味!?』

 

 

よしのんがうるさい……つーか、なんでこの子さっきからずっと腹話術で話してんの?なんか人形落とした時と雰囲気違うし……何?二重人格みたいなヤツ?人形のテンション高くてウザい。

 

 

ぐぅ〜〜……。

 

「…………」

 

 

よしのん……って言うか、よしのんを持ってる女の子のお腹からそんな音がした。彼女は無表情だった顔を赤くして、恥ずかしそうに右手でレインコートのフードを深く被って顔を隠した。

……ちょっと可愛い。

 

 

「……お腹空いてるの?」

 

『あ、あはは〜…何の事かなぁ〜?よしのんは全然お腹空いてないよ?』

 

 

よしのんはちょっと焦った様子でお腹空いてるのを否定してる。女の子の方も首を左右に振ってる。その度にレインコートのウサ耳や、女の子の綺麗な水色の髪が揺れる。

 

 

ぐぅ〜〜……。

 

 

でもお腹は正直みたい。さっきより大きな音が女の子のお腹から聞こえた。これにはよしのんも黙り込んで両手で目を覆って、女の子の方は右手でお腹を押さえてる。やっぱりお腹空いてるんじゃん。

 

………はぁ、しょーがないなぁ。

 

 

 

 

 

 

『おぉ〜!このケーキすっごく美味しーよ!』

 

「……美味しいのはいいけど、次は貴女の番。早くして」

 

 

あれから数時間後、今私はよしのんと一緒にドームの中でお菓子とかを食べながらチェスをして遊んでいた。1人で食っちゃ寝パーティーもいいけど、誰かと一緒にゲームをしながらお菓子を食べるのも悪くない……もう少し、よしのんが静かだったら良かったけどね。

あ、因みにチェスの駒とボードは、めどいけど私が能力で出した。他にもトランプとか、積み木とか出せる。

 

 

『はいはい!じゃあねぇ〜……ホイ!』

 

「……チェックメイト。……私の勝ち」

 

『あ!?ちょ、ちょっと待って!』

 

「……もう2回待った使ったからダメ」

 

『うぅ……また負けちゃったかぁ』

 

 

よしのんは残念そうにしてるけど、どこか楽しげな雰囲気を醸し出してる。お菓子とかを食べてもいい代わりに、一緒にゲームして遊ぼって誘った時は凄く警戒したけど、今はその警戒もある程度解いてくれてるみたい。

 

後、ゲームしてる途中に聞いたんだけど、この子は人間じゃなくて精霊って存在らしい。ほら、あのめんどい痴女軍団が私を見て言ってたアレ。でも精霊って割には見た目は普通の人間の美少女っぽい。

 

 

『……ッ!おやぁ?どうやら時間みたい。アリスちゃん、よしのんはそろそろ帰るよ』

 

「……そうなんだ。痴女軍団に見つかったら面倒になるから、気を付けて帰ってね」

 

『うん!バイバ〜イ!』

 

 

よしのんはそう言うとドームの外へ出て行った。外はさっきの雨が嘘みたいに晴れていて、もう夕方になってた……今日は朝から起きてたし、お腹がいっぱいになったから、今すっごく眠い。

 

……よしのんかぁ。なんか意味分かんないし、うるさいし、テンション高くてウザかったけど、今度会えたらまた一緒にお菓子を食べながらゲームして遊ぶのもいいかな?

 

 

「……ふぁ〜……眠いし、今日はもう寝よ」

 

 

私は出していたチェスの駒とボードを消すと、そのまま横になって目を閉じた。食べ物やお菓子や飲み物はまだまだ沢山あるから、明日はダラダラと1人で食っちゃ寝パーティーを開こう。あぁ……そう考えると段々と心地いい眠りに……。

 

 

ズドォォォォォォォン!!!

ウゥゥゥゥゥ!!ウゥゥゥゥゥ!!ウゥゥゥゥゥ!!

 

「……つけねーじゃん。……ばーか」

 

 

なんかまたうっざい爆発音みたいなのとサイレンが鳴り始めた。何?この町は常日頃から爆発音とかサイレンとか鳴りまくってんの?治安悪過ぎじゃない?あー……サイレンの音がうるさくてウザい。

 

 

「……まぁいいよ。今日は食べ物や飲み物やお菓子を沢山手に入れたし、よしのんと遊んで楽しかったから……ウザいけど……めどいし、今回だけは許してあげる」

 

 

それに今はいつもより眠いから、このくらいならウザいけどまだ我慢出来る。これでまたあのウザい痴女軍団とか、ナンパ彼氏くんが邪魔しに来たら……問答無用でぶっとばーす……ぐぅ。

 

 

「ぐぅ……ぐぅ……スピ〜……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドォォォォォォォォォォォン!!!!

 

「いった!!?何!?何が起きたの!!?」

 

 

なんか寝てたら凄い音と一緒になんかに叩かれたみたいな痛みを感じて、私は飛び起きた!いやホント何!?しかもなんか煙いしウザい!

 

 

「ケホッ!ケホッ!………は?」

 

 

煙が晴れて目に入った光景に、私は唖然とした。だってさっきまでドームの中で寝てたのに何故か()が見えるし、滑り台やブランコが滅茶苦茶に破壊されてるし、なんか公園を分断する感じに地面が抉れてるし……。

 

 

「……全然意味分かんない」

 

 

なんで寝てる間に公園が滅茶苦茶に破壊されてるの?これもあの痴女軍団の仕業?でもミサイルや銃でこんな跡は出来ないし……じゃあよしのんみたいな精霊?精霊はなんか特殊能力的なヤツ持ってるってよしのんが言ってたし、可能性はあるのかな?……あーまた考えるのがめんどくなって来た……ダルい……しんどい。

 

 

「……ん?…あ。……あああぁぁぁぁ!!」

 

 

今、私は大変な事に気付いた。私が居るこの公園は今、遊具全てを含めて滅茶苦茶にに破壊されてる。もちろん私が寝てたドーム型の遊具も木っ端微塵になっちゃってる。

 

……その中に置いてあった沢山の食べ物やお菓子や飲み物も全部一緒に。

 

 

「……うっざい」

 

 

ウザいウザいウザいウザい!!なんなの?空飛ぶ痴女に襲われるし、帰る家もお金も失ったし、変な爆発音やサイレンに眠りを邪魔されるし、ウザいナンパ彼氏にナンパされるし、折角手に入った食べ物全部木っ端微塵になるし……あーウザい!めどい!ダルい!

 

 

ズドォォォォォォォン!!

 

 

すると少し離れた場所にある丘の上の方で紫色の光と爆発が起きた。今更気付いたけど、さっきからあそこでずっと爆発が起きてる。

 

 

「……もしかして、あれが犯人?」

 

 

なんかよく見たら紫色の光が通った後に爆発が起きてるし、その紫色の光があちこちに飛んでって、丘を抉ったり、鉄塔をぶっ壊したり、偶にこっちの方に飛んで来て、近くに建ってた建物もぶっ壊してる。

………うん、あれが犯人で間違いなさそう。

 

 

「……めどいし、ダルいけど……今だけ、本気出す!」

 

 

あの犯人は1回ぶっ飛ばさないと気が済まない。私はダルいけど能力で〈アリス・アンダーテール〉を片手に出現させて、更にもう片方の手に綺麗な装飾が施された1つの()を出現させた。

 

………ホントはこれ使った後、疲れるからあんまり使いたくなかったんだけど、食べ物の恨みは恐ろしいんだから。

 

私は〈アリス・アンダーテール〉にその栞を挟んだ。すると私の体は紫色の煙っぽいのに包まれる。そして煙が晴れると、私の姿は変わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、世界の全てをカラフルに!」

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