1話 ドラクエの世界に生まれて。
俺はルミア。
所謂転生者て奴だ。
何故か転生時に女の子になってしまったが。
とりあえず、転生モノって大抵チートを貰うよね。
俺が転生してチートで貰ったと思える能力、それはモンスターマスターとしての力。
最も劣化版。
モンスターマスターとしての力は弱い。
なぜか。
それは、一体しか戦闘に出せないから。
俺がじいちゃんに拾われた時には既に俺はとある指輪をしていた。
これによってモンスターを連れ歩ける。
が、戦闘に出せるのは一体だけなのだ。
まあ、戦況によって出せるモンスターを変えれるのは良いことだな。
あ、あくまでも一体しか外に出せないというだけであって、同時に何百匹も連れ歩くことは出来る。
だから完全な劣化って訳でもないか。
あ、後従えられない魔物ってのもいる。
DQMに一切出てこない魔物だね。
という事らしい。
何故か知ってた。
でも、今はモンスターを連れていない。
だって普通に生活してても、モンスターなんて従える必要ないし。
でも、それも今日で終わり。
せっかくドラクエの世界に転生したんだ。
旅をしなきゃ損だろう?
***
「じいちゃん、ばあちゃん、今までありがとうございました」
じいちゃん達のお墓の前で、お礼を言う。
じいちゃん達はもう寿命で死んじゃってるけど、今でもその顔と声は覚えている。
昔は荒れてた俺を止めてくれたし、本当に優しかった。
だから、俺はじいちゃん達が好きだ。
例え血が繋がってなくても、この世界で唯一の家族だから。
っと、柄にもない話をしてしまった。
まあ、行くか。
さあ、俺の冒険の始まりだ!
***
俺は早速職業に就く。
ダーマ神殿は近くにあるし。
俺が就いたのは………。
戦士だ。
戦士で剣スキルを上げ、他の職業でも剣スキルが使えるようにする。
先ずはスライムでお試しだ!
ダーマ神殿を降りて、外の草原で戦う。
ここにはスライムも出る。
だから、それで戦う。
剣を装備して、スライムに近付き………。
そのまま一撃!
スライムは吹っ飛ばされるけど、倒れてはいない。
それどころか攻撃してきた。
「うわっ!」
慌てて避ける。
………戦闘に慣れてないせいか、あまり戦えないな。
剣スキル0で使えるのは何も無いから、地力で倒さなきゃならない。
気を引き締めなきゃ。
再度斬りかかる。
けど、今度はスライムは吹っ飛ばず、
「………え?」
その硬直を狙われて、スライムは俺に体当たりする。
幸い体勢が崩れていたこともあり、紙一重で当たらなかった。
だが、豪速球の球が目の前を通っていって、戦闘素人の俺が冷静でいられる訳がなかった。
「………うそ、だろ?何だよ今の………」
掠ってすらいないのに、俺は怯える。
その隙にスライムは横に揺れ、
スライムが近くから寄ってきた。
「んな!」
そして、そのスライムがまた揺れ、
スライムが三体集まって。
スライムタワーが生まれてしまった。
「………ッツ!」
俺は意を決して攻撃を放つ。
当然ダメージなんて殆ど与えられない。
けど、よく見れば。
よく見れば、浅いけど、傷が付いている。
先程入れた一撃のダメージは無いみたいだけど。
と、よく考えてみたら、MP使えば何とかなるんじゃね?
みたいな感覚で、MP、つまりはこの世界に転生してから感じていた物を入れてみた。
雷をイメージして。
すると、剣に雷が纏わり付いた。
といっても、弱々しい雷だ。
ダメージなんて期待できない。
けど、やらないよりはマシ。
そう思い、斬撃を繰り出す。
それは、先程よりも圧倒的に早く。
スライムタワーに少し深い斬撃を刻みつけた。
「………な!?」
俺は予想外すぎてびっくりする。
ダメージなんて碌に期待してなかった。
けど入った。
これは………いける!
そう確信した直後。
スライムの体が盛り上がり、その傷を塞いでしまった。
………嘘だろ?
いや、でもやらないよりはマシ!
だが、こちらが攻撃するより前にスライムタワーは突っ込んできて、着地の瞬間に回転して攻撃を放ってくる。
……避け切れるか!?
ギリギリまで後ろに下がったが、僅かに擦り、それだけで吹っ飛ばされる。
「………ぁ」
受け身なんてまともに取れず、背中から一気に落ちる。
「あ、っく」
その痛みで悶絶し、動けなくなる。
その間でスライムタワーは近づいてきて。
無慈悲なヘッドバットで最後の気力を押しつぶされた。
主人公が転移する場所です。主人公が仲間になるタイミングもかかっています。
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