朝投稿の味に中毒になってしまうかもです。
『それでは続きまして、新入生代表挨拶です。今年度入学試験首席合格者、ヒューマ=ボーウェン君』
「はい!」
さて、どうしこうなったか。
なぜベストを尽くしてしまったのか。
※※※
高等魔法学院の入試の日が来た。
特に緊張はしてる。
なんどやっともこればかりは慣れない。一世一代の大勝負みたいなものだ。ついネガティブに失敗したらどうしようと考えてしまう。
「ヒューマ、試験会場どこかわかるか?」
「今案内板見てるから少し待ちなって」
僕はシンと共に試験会場がある高等魔法学院に来ていた。全学年で300人のこの学校は日本の高校と同じく三年制だった。
まー、とりあえず早く入試に望む教室に行かないと……
ちなみに僕は生前の高校入試は試験開始三分前に駆け込むというやらかしをしてしまったので今回は早めに教室入りしておきたい。
「おい貴様、そこをどけ」
「そういえばさ、僕ら受験番号は並んでるのに別教室なんだね」
「みたいだな。……っと、俺は……二階の教室か」
「この無礼者どもが!」
うーん、うるさい。つい条件反射でシンが相手の手をひねりあげてるよ。
まあ、周りの人の迷惑だし仕方ないか。
インガオホーってやつだね。
「ぐあっ!貴様ぁ!何をするっ!離せ!」
「あー、うるさい。周りの人の迷惑だし、いきなり人の肩を掴んできて『何をする』はないんじゃない?」
「貴様!俺はカート=フォン=リッツバーグだぞ!」
なんで勝手になるのか、シンがめんどくさそうな顔してる。仕方ないか……ちょっと口答えするかな。
「あ、そう。君の名前は聞いてないんだけど?カーツバーグくん?」
「カート=フォン=リッツバーグだ!貴様、バカにしてるのか!」
「うん」
「うがァァァ!俺に逆らって只で済むと思ってるのか!」
「思ってるさ。貴族がココで権力を振りかざすのは国家反逆罪に問われる事もあるんだよね?もしそうなら君は愚かな反逆者ってところだ」
「ふん!たかが教師にこの俺が裁けるか!」
「裁けると思うんだけどなぁ」
僕がやれやれという感じで肩をすくめるとカートくんはますます激情する。
「貴様、無礼討ちに……」
「そこまでだ」
そこに1人の少年が乱入してきた。いや、まあ、僕らも少年なんだけど、僕は精神年齢そろそろ四十に差し掛かるからね。
「高等魔法学院において権力を振りかざし、他の魔法使いを害することは相手方の言う通り王家の定めた法であったはずだ」
「う、そ……それは」
鶴の一声。貴族より上だからさしづめ王族の人かな?
「それとも、先程の発言は王家に対する叛意なのか?」
「ま、まさか!そんなことは!」
「ならばこれ以上騒ぐな。ここは入学試験会場だ。皆の心を乱すようなことをするな」
「……はっ、かしこまりました」
そしてカートくんは去っていった。去り際に僕のことを睨んでいった。うん、仕方ないね。
「大変だったな。大丈夫……そうだな」
「まあ、口は達者なつもりだからね」
「貴族に対して恐れも知らず煽るとは……ふっくっく、たしかに聞いた通りの世間知らずのようだ」
「聞いた通り?」
「誰から聞いたんだ?」
「ん?ああ、自己紹介が遅れたな。私の名はアウグスト。アウグスト=フォン=アールスハイドだ。近しいものはオーグと呼ぶ。シン、ヒューマ、君たちのことは父上から色々と聞いてるよ」
「え!?ということはディスおじさんの息子!?」
「えと、つまりは王子様?」
「ふむ、そうなるな。二人とも気にしてないようだな。私が王子と知ると途端にへりくだってくる奴ばかりなのだがな」
「ディスおじさんの息子なら俺たちにとっては従兄弟みたいなものだしな……」
「まあ、たしかに。雲の上の人って感じは全くしないね」
「くっくっく、あはははは!」
いきなり爆笑しだしたよ、この人。
「そうかそうか従兄弟か。父上から君たちの事を色々と聞いた時に不思議な感じなったのを覚えている。従兄弟……確かにそう言われても違和感がない。いや、むしろ的確に言い表してると言えるな」
「なにか喜んでもらえたようで何よりだよ」
「もう少し話したいところだが、そろそろ会場に行かないと不味いな」
「そろそろそんな時間か。じゃあ、また後で。今度、うちに遊びに来なよ」
「もうすぐ立太子の儀を控えてる王子としては、そう軽々しく出歩けないんでね」
「そっか……残念。ディスおじさんはちょくちょく遊びに来てるのに」
「いや、しょっちゅう来てるだろあの人は」
「父上……」
すこしぐったりとしたオーグと別れ僕たちは試験会場にそれぞれ向かっていった。
※※※
筆記試験を終えた。
手応えありまくり。むしろ簡単。早く解きすぎて見直しても充分すぎるほど時間が余っていた。
うーん、余念を入れてやりすぎた。これなら満点も有効射程に入るかな。
次は実技試験。
内容は至って簡単。
設置された的を破壊する。
破壊できなくても魔法の練度を見るんだとか。
受験番号順に5人ずつ室内練習場入り試験を行う。
ちなみに僕は五人グループの一番はじめになった。
身分証明証となる市民証と受験票を試験官の先生に渡す。
ちなみに、隣の練習場ではシンが試験を受けている。
まあ、順番的にシンは最後だろう。
「それでは、自分の一番得意な魔法を力いっぱい……と言いたいところですが、君は威力を抑えなさい。あの的を破壊する程度でいい。くれぐれもこの練習場を破壊するような魔法は使わないように」
うーん、この言い方だとディスおじさんが学院側に警告したみたいだ。正直なところ助かった。シンは良識はあるが遠慮を知らない。変に強大な魔法を撃たれたら最悪生き埋めになるところだ。
「わかりました」
さて、試験開始。
相手は両手両足のないマネキンのようなもの。
恐らくは耐久力もそこそこあるのだろう。
ま、壊す前提の試験みたいだから粉微塵にしても問題ないだろう。
「一から六、反魔、七から十、暴嵐」
マホカンタで立方体を形成しその中に4つのバギクロス……ではなくバギムーチョを封入する。
さて、少しばかり博識な僕の解説タイムだ。
風化
という現象は知っているだろうか?
岩石が長い期間、風に晒され土などになる現象のこと。主に空気の作用で行われる……たしか。生物的要因とかあっても風化って行ったりするけど、それはさておき。
今回重要なのは空気の要因。バギムーチョをマホカンタで形成した立方体の中に閉じ込めることで対象を風化させるのが目的。
これならピンポイントで的を破壊できる。
ちなみに、風化するのを助長するために遠隔起動で熱を加える魔法を使っている。まあ、熱を急激に変えてるだけだけどね。
ポイッと魔力の立方体を的に向け飛ばす。
視認してる範囲なら立方体のサイズを変えて適応できる。今回は的を全て包み込んだ。
「起動」
僕がそう言うと立方体の中にある的が瞬間的に塵になった。ちなみに普通にマホカンタを解除すると灼熱の風の暴風が野に放たれ大惨事になるので解除する前に遠隔起動のアストロンで魔法を強制的に無力化してから魔法を解除する。
「………」
ちなみに周りは無言……
ああ、またやってしまった。かなり暇な時に出来てしまった【塵遁】風の魔法ですらダメか……
まあ、やってることは物体の消滅と何ら変わりないし……
ちなみに、その数秒後。
練習場内を揺らすドガァァァン!という音により僕の魔法によるショックから立ち直った試験官により試験は滞りなく終わりました。
……今回ばかりは助けられたよ。シンの非常識に。
※※※
オーグが家に来た。ディスおじさんと一緒に。
目的は入試の結果が張り出されるのでそれを僕たち二人とオーグの3人で見に行くため。
街を歩きたいというオーグの要望があったので街を歩いて行く事にした。まあ、歩いて15分の距離だからね。
王子様ということで護衛を連れずに街を歩くのははじめてなオーグにつられついつい僕達二人もフラフラと街を散策しながら魔法学院に向かった。その結果、着くのに倍近い時間を有したし、僕達三人の手には焼き鳥の串が握られている。
うーん、学校に買い食いしながら来た王子1名と英雄の孫2名。保護者に見られたら間違いなく怒られるね。
食べ終わった串を便利魔法の異空間収納に放り込む。やっぱりこの魔法はかなり便利だ。なにせ、ものを持ち歩かなくてすむからね。
3人で合格番号が貼り出せれている看板に目を通す。
すると……
「ん、合格」
「お、あった」
「私もあったぞ」
無事に3人全員合格。軽くハイタッチをする。
そして、3人で合格者の列に並ぶ。
制服と教科書を受け取るためだ。ちなみにクラスもここで発表される。
列はスムーズに進み、すぐに僕の番になる。
隣の列にはシン、僕の後にはオーグが並んでいる。
「次の方どうぞ」
受付のお姉さんに受験票と市民証を渡す。
「はい、確認しました……ヒューマ=ボーウェン君ね」
「はい」
「はい、これが教科書です。これがリストなので抜けがあったらすぐに言ってください。それと、これが制服です。市民証に記録されているデータを参照したのでピッタリのはずです。もし一部でもサイズが合わなければ必ず言ってください。この制服には防御魔法が付与されてます。自分で直そうとか思わないでください」
「おばあちゃんでもダメですか?」
「お婆様……メリダ様ですか。メリダ様なら問題ないですね」
「わかりました」
「クラスはSクラスです。こちらが入学式の書類です」
「ありがとうございます」
「それと、ボーウェン君は入試首席ですので、入学式で新入生代表として挨拶をして頂きます。ですので、考えておいてください」
……面倒だな。出来ることなら誰かに投げたい。
後ろにいるオーグとかに。
でも、高等魔法学院の校風は簡単に言うと【平等】
仕方ない、頑張るしかないか……
※※※
「どうして最善を尽くしてしまったのか」
「新入生代表、すごいじゃないか」
「できることならオーグに変わってほしい」
「いやいや、学院始まっての伝統を私のわがままで代表挨拶を奪ったとなると、王家の恥になる」
「完全実力主義が少し恨めしいよ……」
僕達3人は学校のテラスで一息入れていた。
少し、人だかりが多いから喧騒が落ち着くまで避難してる。
「それにしても新入生代表挨拶……どうしようか。元から文があるなら暗記ぐらいすぐに出来るんだけど……一から考えるのめどい」
「ヒューマがそんな言葉使うなんて久々だな」
「そーでもないと思うけど?」
そんな会話をぐだぐだとしてると二人の少女が僕たちに近寄ってきた。
「あ、いたいた!おーい!」
マリアとシシリーだ。二人とも合格したのか顔は明るい。
「マリアにシシリー。どうしたの?」
「少し合格の喜びを共感しようと思ってね。殿下、ご無沙汰しております」
「ご無沙汰しております」
「メッシーナ伯爵家とクロード子爵家の令嬢か。二人とも、この二人には権威とか世間体の常識は通用しないから、気軽に接していいぞ」
「先んじてありがとう。二人とも貴族だったんだ」
「シシリーはともかくマリアまで……」
「ちょっと!酷くない!」
「フッフフフ」
「じゃあ、本名がわかった事だし詳しい自己紹介でも……僕はヒューマ=ボーウェン」
「俺はシン=ウォルフォード」
「ちょっと待って。ボーウェンとウォルフォード?もしかしてあんたたちが……」
「そう、この間マリアが言ってた英雄の孫だよ」
「えええええ!?!?」
すみません、今回は内容薄いです(あとがきでやることではない)
ヒューマが首席。納得……
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できる
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できない
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むしろ妥当
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ありえない
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ところでヒロイン結局誰?